JP3018372U

JP3018372U - 焼却炉

Info

Publication number: JP3018372U
Application number: JP1995004801U
Authority: JP
Inventors: 下田富男
Original assignee: 有限会社下田製作所
Priority date: 1995-05-22
Filing date: 1995-05-22
Publication date: 1995-11-21
Anticipated expiration: 2001-05-22

Abstract

(57)【要約】【目的】廃材の投入を円滑に行え、かつロストルの設
置が容易である焼却炉を提供する。【構成】炉体１の上部に煙突２を設け、このうち炉体
１は本体部３と蓋部４で構成される。その本体部３には
蓋部４を揺動自在に取り付け、特に本体部３の内部には
ロストルＲを設置し、蓋部４に煙突２を設けるようにし
ている。また、本体部３の上端を全面開口する投入口３
９とし、その投入口３９を蓋部４の揺動を以って開閉で
きるようにしてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、廃材の焼却に用いられる焼却炉に関し、特に廃材の投入を円滑に行え且つロストルの設置を容易に行えるようにした焼却炉である。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、廃材は埋立や焼却にて処分され、原材料として再利用されるものは全体の一部にすぎない。中でも紙屑などの燃性廃材は主に焼却にて処分され、鉄屑などの不燃性廃材は埋立にて処分されている。

【０００３】例えば、燃性廃材の焼却では、焼却時における煤煙の拡散や延焼を防ぐために焼却炉を用いることが多い。その焼却炉は主として炉体と煙突で成り、その炉体中で廃材を燃やし、廃材の焼却中に生じた煤煙を煙突を通じて外部に排出できるようになっている。

【０００４】一方、不燃性廃材の埋立では、それを処分場までトラックなどにて搬送しているのであるが、大型の構造物は埋め立てる前に所定の大きさにするべく破砕されている。例えば、プロパンガス用のガスボンベは耐用年数が８年とされているが、その後それは所定の大きさに切断して埋立や原料として用いられている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、ガスボンベは解体するのにコストが高く、処分に苦慮しているのが実状であって、その有効利用が望まれているものの、未だに効果的な利用法は見出されていない。

【０００６】一方、従来の焼却炉は、炉体の上部に廃材の投入口と煙突を設けてあって、投入口は煙突を設ける部分を残して形成されているため、炉体の容量に比較して投入口が狭く、廃材の投入を円滑に行えないという難点があった。

【０００７】また、焼却炉の中には廃材の燃焼を促すためロストルを設置することが多いが、そのロストルは廃材を漏らさず支持できるように、炉体の内部形状と合致するような形態とされるのであって、従来の焼却炉によれば投入口が狭いため、そのロストルを炉体中に設置できるよう複数の部位に分割しなければならず、またその各部位を投入口などから順々に設置するため設置作業が非常に煩わしいという欠点があった。

【０００８】更に、煙突を備えているため全長が大きく運搬性が悪いという難点があり、また炉体などは金属板などを用いて一から成形しているので製造コストが非常に高くなってしまうという欠点があった。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記事情に鑑み、廃材の投入やロストルの設置を容易にすることを主たる目的とするものであり、その手段として、炉体の上部に煙突を設けた焼却炉において、前記炉体は内部にロストルが設置される本体部と前記煙突が設けられる蓋部で成り、その本体部の上端は全面開口する投入口とされ、また蓋部は前記本体部に揺動自在に取り付けられ、その蓋部にて前記投入口が開閉されるようにしたことを特徴とする焼却炉を提供するものである。特に、前記本体部に対し蓋部を着脱自在とし、また蓋部を水平方向に揺動自在としている。

【００１０】また、同時にガスボンベの有効利用と焼却炉の製造コスト低減を図るため、本考案はガスボンベを上下に分断して上部側を蓋部、また下部側を本体部とし、その本体部に前記蓋部を揺動自在に取り付けて炉体と成し、このうち本体部の上端を全面開口する投入口として当該投入口が前記蓋部にて開閉されるようにし、また前記本体部には内部にロストルを設置するための突片を設け、その突片の上部側を燃焼室とするとともに下部側を集塵室とし、その集塵室には扉にて開閉される灰取出口を形成し、また前記蓋部には煙突を接合するための接続口を形成して成る焼却炉を提供するものである。

【００１１】

【作用】

本考案によれば、蓋部を揺動させることによって投入口が開閉される。そして、投入口が開放されたとき、ここから本体部の中にロストルを設置し、また廃材を投入することができ、しかも投入口を閉じたときには蓋部に設けられた煙突を通じて煤煙を外部に排出することができる。

【００１２】特に、本体部に対して蓋部を着脱自在としたことにより、運搬時にあって本体部と蓋部を分離すると、全長が短くなって重量も配分されるので、持ち運びが容易になる。また、蓋部を水平方向に揺動自在としていることにより、投入口の開閉時に煙突を直立した状態に保て、またその煙突の重量を作業者が支える必要がないので開閉作業を容易かつ円滑に行え得る。

【００１３】また、ガスボンベを分断して本体部と蓋部を構成していることにより、ガスボンベの有効利用が図れるのと同時に焼却炉の製造コストを大幅に低減することができる。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明すると、図１は本考案の一例を示す焼却炉の斜視図、図２はその正面図、図３はその平面図である。図中１は炉体であり、その炉体１の上部には煙突２が設けられている。

【００１５】炉体１は、中空状で円形の周壁１２をもつ耐火性の構造物であって、下部側に位置する本体部３と上部側に位置する蓋部４で構成してある。特に、この炉体１はプロパンガス用のガスボンベを上下に分断して上部側を蓋部４とし、また下部側を本体部３としている。

【００１６】このうち、本体部３は下端に台座３１を備え、この台座３１にて本体部３を所定の箇所に安置できるようにしてある。また、本体部３の上部側には把手３２が設けられている。この把手３２は環状であって、本体部３に固着された管状の金具３２ａに揺動自在に取り付けられており、この把手３２を以って本体部３を容易に持ち運べるようにしている。

【００１７】更に、本体部３の下部側には扉３３にて開閉される灰取出口３４が設けられている。この灰取出口３４は、周壁１２の一部を切除することにより形成され、切除された板材を扉３３としており、その扉３３を図２に示すヒンジ３５にて本体部３に揺動自在に取り付けて灰取出口３４を開閉自在としている。なお、扉３３には通気口３３ａを開口し、ここから本体部３の中へ外気を導入できるようにしてある。

【００１８】一方、蓋部４はヒンジ５にて本体部３に揺動自在に取り付けてある。特に、この蓋部４には煙突２が設けられ、その煙突２を通じ炉体１の内部で生じた煤煙を外部に排出できるようにしてある。

【００１９】なお、図１または図２において、３６，３７は施錠具であり、このうち一方の施錠具３６は、Ｊ字形のロックピン３６ａと管状の金具３６ｂ，３６ｃで成り、その金具３６ｂ，３６ｃのうち一方が扉３３に、また他方が本体部３に固着され、扉３３に固着されている側の金具３６ｂにロックピン３６ａを摺動可能に嵌入している。そして、そのロックピン３６ａの先端を他方の金具３６ｃに導入することによって扉３３の開放を規制できるようにしている。

【００２０】また、他方の施錠具３７は、Ｊ字形のロックピン３７ａと管状の金具３７ｂ，３７ｃで成り、その金具３７ｂ，３７ｃのうち一方が蓋部４に、また他方が本体部３に固着され、蓋部４に固着されている側の金具３７ｂにロックピン３７ａを摺動可能に嵌入している。そして、そのロックピン３７ａの先端を他方の金具３７ｃに導入することによって蓋部４の揺動を規制できるようにしている。なお、このとき蓋部４は本体部３の上端と整合して後述する投入口を閉塞する。

【００２１】次に、図４は図２におけるＡ−Ａ線断面、図５は図３におけるＢ−Ｂ線断面を示す。これらの図で明らかなように、本体部３にあって内部には突片３８が固着されており、その突片３８にてロストルＲが水平状を成して支持されるようにしてある。

【００２２】特に、図５に示しているように、本体部３の中は突片３８を基準として上部側が燃焼室ｆ、下部側が集塵室ｍとされ、その集塵室ｍに灰取出口３４を開口してある。また、本体部３の上端は全面開口する投入口３９とされており、その投入口３９が蓋部４の揺動を以って開閉されるようにしてある。そして、投入口３９が開放されたとき、その投入口３９から燃焼室ｆ中に廃材を投入して焼却することができるようにしてある。特に、投入された廃材はロストルＲにて支持されるのであって、焼却中には図１に示す通気口３３ａを通じて集塵室ｍ中に取り込まれる外気にて燃焼を助長することができ、また焼却処理後において灰取出口３４から残焼物を取り出すことができる。

【００２３】一方、図５に示すように、蓋部４には接続口４１が形成されており、その接続口４１に煙突２が接合されるようにしてある。なお、この蓋部４は投入口３９に整合する形状を成し、焼却処理時において投入口３９を密閉し、ここから煤煙が流出することのないようにしてある。

【００２４】次に、図６は投入口３９を開放した状態を示す。この図で明らかなように、蓋部４を揺動自在と成すヒンジ５は、本体部３側に固着された中空軸５１と、蓋部４側に固着された枢軸５２から成る。そして、その枢軸５２が中空軸５１に嵌入されることにより蓋部４が本体部３に対し水平方向に揺動自在とされているのであって、取り分け枢軸５２は中空軸５１から抜き取り可能とされており、これを抜き取ることで蓋部４を本体部３から離脱できるようにしてある。そして、このとき本体部３と、煙突２を含めた蓋部４とを個別に持ち運ぶことができる。なお、更に蓋部４と煙突２とを分離できるようにすると一層効果的である。

【００２５】以上、本考案の実施例を説明したが、炉体１としてガスボンベを用いる他、金属板などに板金加工を施して本体部３と蓋部４を成形することもできる。また、図には周壁が円形状を呈するガスボンベから成る炉体を例示してあるが、これを方形状としても構わない。

【００２６】

【考案の効果】

本考案によれば、本体部の上端を全面開口する投入口とし、その投入口が本体部に揺動自在に取り付けられる蓋部にて開閉されるようにしているので、投入口の開口面積が大きく廃材の投入を円滑に行え、しかも廃材の焼却中に投入口を閉じれば蓋部に設けられている煙突を通じて煤煙を外部に排出することができるという格別の効果を得る。特に、投入口を全開にすることで、本体部中にロストルを容易に設置することができ、しかもロストルを分割する必要もなくなる。

【００２７】また、本体部に対して蓋部を着脱自在としたことにより、運搬時にあって本体部と蓋部を分離すると、全長が短くなって重量も配分されるので、持ち運びが容易になる。また、蓋部を水平方向に揺動自在としていることにより、投入口の開閉時に煙突を直立した状態に保て、またその煙突の重量を作業者が支える必要がないので開閉作業を容易かつ円滑に行えるという効果が得られる。

【００２８】また、ガスボンベを分断して本体部と蓋部を構成していることにより、ガスボンベの有効利用が図れ、且つ焼却炉の製造コストを大幅に低減することができるという優れた効果を得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わる焼却炉の一例を示す斜視図

【図２】その焼却炉を示す正面図

【図３】その焼却炉を示す平面図

【図４】図２におけるＡ−Ａ線断面図

【図５】図３におけるＢ−Ｂ線断面図

【図６】投入口が開放された状態を示す斜視概略図

【符号の説明】

１炉体２煙突３本体部３３扉３４灰取出口３６，３７施錠具３８突片３９投入口ｆ燃焼室ｍ集塵室４蓋部４１接続口５ヒンジＲロストル

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】炉体の上部に煙突を設けた焼却炉におい
て、前記炉体は内部にロストルが設置される本体部と前
記煙突が設けられる蓋部で成り、その本体部の上端は全
面開口する投入口とされ、また蓋部は前記本体部に揺動
自在に取り付けられ、その蓋部にて前記投入口が開閉さ
れるようにしたことを特徴とする焼却炉。
【請求項２】本体部に対して蓋部が着脱自在とされて
いる請求項１記載の焼却炉。
【請求項３】蓋部は、水平方向に揺動自在とされてい
る請求項１記載の焼却炉。
【請求項４】ガスボンベを上下に分断して上部側を蓋
部、また下部側を本体部とし、その本体部に前記蓋部を
揺動自在に取り付けて炉体と成し、このうち本体部の上
端を全面開口する投入口として当該投入口が前記蓋部に
て開閉されるようにし、また前記本体部には内部にロス
トルを設置するための突片を設け、その突片の上部側を
燃焼室とするとともに下部側を集塵室とし、その集塵室
には扉にて開閉される灰取出口を形成し、また前記蓋部
には煙突を接合するための接続口を形成して成る焼却
炉。