JPS622240Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は間知ブロツクを搬送する装置の改良に
関するものであつて、挾着バーを単一個の油圧装
置を介して平行移動させて間知ブロツクを挾持さ
せる様にする事により、その構造が簡単で同間知
ブロツクの挾持を適確に行わせる事が出来、且つ
前方の見通しが良好でその安全性及び作業能率を
向上させる事が出来る様にした事をその目的とす
るものである。間知ブロツクの搬送装置として、
従来特開昭50−32651号に開示される技術があ
る。即ち、サポートアームに架設する支承板に複
数の挟持腕の基部を枢結させるとともに、同支承
板の下方には前後一対の連結板を平行させて設
け、両連結板に上記挟持腕を交互に枢結させる一
方、油圧シリンダーのピストンロツドに連結する
伝動軸の回動を介して上記連結板を相反方向に向
けて往復動させることにより、一対の挟持腕を開
閉させ、同挟持腕間に間知ブロツクを挟持させる
様にする間知ブロツクの挟持構造が提案されてい
る。

しかして上記の様な挟持構造にあつては、挟持
腕が枢結部の支点ピンを介して開閉する様に設け
られることにより、特に整地されていない悪路や
大きな段差のある通路を走行する場合に搬送装置
が大きく揺れて、同支点ピンに対して非常に大き
なせん断荷重が集中してしまうという不具合を有
する。更に具体的には、挟持腕が首径の小さな間
知ブロツクを挟持した状態において、同挟持腕が
支承板より斜め下方に向けて延在する如く設けら
れることにより、横揺れ時には挟持腕に間知ブロ
ツクの荷重によつて下向きの大きな引張り力と曲
げモーメントが作用し、これらの外力によつて上
記支点ピンにせん断力が集中してしまい、同部に
折損が生じてしまう一方、前後方向の揺れに対し
ては支点ピンに抜け方向の外力が作用し、その枢
結部が破損してしまうという不具合、即ち、搬送
装置の耐久性を損なうという不具合を生ずる点に
第１の問題点を有する。

又、上記の様に挟持腕を支承板と連結板に枢結
させる様にしたことにより、装置自体が大型化
し、これにより作業時前方視界が遮られてその安
全性及び作業性が低下してしまうという不具合を
生ずる点に第２の問題点を有する。

本考案は上記の様な問題点を解決すべくその改
善を試みたものであつて、柵杆状に一体形成する
一対の支持脚をガイド杆を間に存して相反方向に
往復動させることにより、剛性が高くてコンパク
トな搬送装置を得ることが出来る様にする点に解
決すべき問題点を有する。

即ち本考案は、サポートプレートより前方向に
突出する左右一対のサポートアーム間に前後一対
のガイド杆を幅方向に亘つて平行状に架設させ、
両ガイド杆には頂部に鈎曲状の係合部を有する複
数本の脚片を柵杆状に形成した前後各一対の支持
脚を、各一対の支持脚がガイド杆を間に存してそ
の前後両面に相対面状に位置し、且つ各脚片が幅
方向に喰い違い状に位置する如く上記係合部を介
して摺動自在に吊持させ、相対応する前後一対の
脚片の下端部間には挾着バーを前後方向に平行状
に掛架させる一方、前記サポートアームと平行さ
せて前後方向に亘つてロツドを回動自在に設ける
に、同ロツドの基端寄り部分は先端寄り部分に対
して小径にて形成し、同ロツドの基端部には油圧
シリンダーのピストンロツドを、同ピストンロツ
ドの往復動を介して回動させることが可能な如く
枢結するとともに同ロツドの先端寄り部分には、
前記各一対の支持脚を相反方向に向けて往復動さ
せることが可能な如くロツドと各一対の支持脚間
をリンク片にて連結させる様に構成した事をその
要旨とするものである。

以下に本考案の具体的な実施例を例示の図面に
ついて説明する。図面に於いて１は荷役運搬車で
あつて、同荷役運搬車１の前部にはリフトマスト
２が油圧装置２′を介して前後方向に傾斜角調整
可能に設けられる。３は同リフトマスト２に昇降
自在に装着させたサポートプレートであつて、同
サポートプレート３の幅方向両端近傍位置からは
左右一対のサポートアーム４，４を前方向に向け
て水平状に延設させるとともに、同サポートアー
ム４，４の先端部間及び中途部間には連結杆５，
５′を横架させる様に成す。又同サポートアーム
４，４の下底部側にはその先端部間及び中途部間
に亘つて前後一対のガイド杆６及び７を吊下げ状
に横架させる様に成す。

８，８′及び９，９′は、頂部に鈎曲状の係合部
１０を有する複数本の脚片１１……を横杆１２を
介して適宜間隔毎に連結させて柵杆状に形成した
支持脚である。しかして同支持脚８，８′及び
９，９′は、各係合部１０……，１０……を介し
てガイド杆６，７の上縁部にスライド自在に係合
させるに、各一対の支持脚８，８′及び９，９′は
各ガイド杆６及び７を間に存してその前後両面に
相対面状に係合され、且つ各一対の支持脚８，
８′及び９，９′の内、支持脚８′，９′側の各脚片
１１′……，１１′……は支持脚８，９側の脚片１
１……，１１……に対して幅方向に若干ずれた位
置に係合される様に成す。

そして前後相対状に位置する支持脚８，９及び
支持脚８′，９′の各脚片１１，１１……、１
１′，１１′……の下端部間には挾着バー１３…
…、及び１３′……を前後方向に平行状に架設さ
せる様に成す。

１４はサポートプレート３の前面に装着させた
油圧シリンダー、１５は同じくサポートプレート
３の前面に固着させた軸受け、１６，１６′は上
記軸受け１５と相対応させて連結杆５，５′上に
固着させた軸受けであつて、各軸受け１５及び１
６，１６′間にはロツド１７を回動自在に支承さ
せる様に成す。尚同ロツド１７の基部寄り部分
は、捩り変形可能な如く比較的小径に形成する様
に成す。そして同ロツド１７の基部は、リンク片
１８を介して上記油圧シリンダー１４のピストン
ロツド１９に連結させる様に成す。又同ロツド１
７の先端部と中途部には夫々各一対のリンク片２
０，２１、２０′，２１′を上下相反方向に突設さ
せ、各リンク片２０，２１、２０′，２１′には
夫々リンク２２，２２′、２３，２３′の一端を枢
結させる一方、その各他端を前記支持脚８，
８′、及び９，９′に枢結させて成るものである。
尚上記実施例に於いては、各脚片１１……、１
１′…はその頂部を鈎曲させて形成した係合部１
０を介してガイド杆６，７上に吊持させる様にし
ているが、係合部１０の形状は上記に限定される
ものでは無く同係合部を断面Ｃ字状に形成し、ガ
イド杆６，７をその上下両縁より抱持させて吊持
させる様にしても同効である。

次にその作用について説明する。

第２図は各一対の挾着バー１３，１３′間が開
いている状態を示すものである。しかしてこの様
に各一対の挾着バー１３，１３′が開いている状
態に於いて、荷役作業車１の移動及びサポートプ
レート３の昇降操作を介して各挾着バー１３，１
３′を間知ブロツク間に挿込ませた後、油圧シリ
ンダー１４を介してピストンロツド１９を押出し
方向に作動させれば、同ピストンロツド１９に対
してリンク片１８を介して連結される処のロツド
１７が、その油圧パワーを介して第２図に於いて
矢印方向、即ち時計方向に回動する事となるので
ある。しかしてこの様にロツド１７が第２図に於
いて時計方向に回動する事により、その先端部及
び中途部に固着される処の各一対のリンク片２
０，２１及び２０′，２１′が、夫々ロツド１７と
共に時計方向に回動する事となるのであるが、こ
の様に各リンク片２０，２１及び２０′，２１′が
夫々時計方向に回動する事により、同リンク片２
０，２０′に対してリンク２２，２２′を介して連
結される処の支持脚８及び９が、ガイド杆６及び
７上を第２図に於いて右方向に摺動して各挾着バ
ー１３……が同じく右方向に引寄せられる一方、
リンク片２１，２１′に対してリンク２３，２
３′を介して連結される処の支持脚８′及び９′
は、上記支持脚８及び９とは反対方向、即ちガイ
ド杆６及び７上を第２図に於いて左方向に摺動し
て各挾着バー１３′……は前記の挾着バー１３…
…と相対方向、即ち左方向に引寄せられて各一対
の挾着バー１３……及び１３′……間に間知ブロ
ツクＡが挟持される事となるのである。

そしてこの様に各一対の挾着バー１３……、１
３′……間に間知ブロツクＡを挟持させた後、こ
れをサポートプレート３の昇降作用を介して適宜
の高さに持上げた状態にて、荷役運搬車１の走行
を介して所定の位置へ、即ち養生室から堆積場
へ、あるいは堆積場から積出し用トラツクの荷台
へと搬送されるのである。

尚油圧シリンダー１４のピストンロツド１９を
前記のリフトマスト２作動用の油圧を利用して作
動させた場合には、その作動圧が極めて高いため
各部に過度な負荷が生じて装置全体の耐久性を弱
めてしまうおそれが生ずるのであるが、本考案に
あつてはこれ等の必要以上の油圧パワーはロツド
１７自体の捩り変形作用を介して吸収させる事が
可能である。

又各一対の挾着バー１３，１３′間のストロー
クは、挟持すべき間知ブロツクＡの大小に応じて
変化させる必要があるのであるが、本考案にあつ
てはその余分なパワーは前記と同様ロツド１７自
体の捩り変形を介して吸収させる事により、上記
ストロークの自動調整が可能である。一方油圧シ
リンダー１４に於いては、そのバルブ部分より油
の一部が内部漏れしてその挟持パワーが減少する
場合が生ずるのであるが、これによる不足分は上
記ロツド１７の捩り変形の捩り作用により充分に
補う事が出来、常に安定した挟持圧を保持する事
が可能である。

本考案は以上の構成より成るものであり、上記
の様に前後一対のガイド杆６及び７を幅方向に亘
つて平行状に設け、両ガイド杆６及び７には頂部
に鈎曲状の係合部１０を有する複数本の脚片１１
……、１１′……を、横杆１２，１２、１２′，１
２′を介して適宜間隔毎に連結させて柵杆状に形
成した支持脚８，８′及び９，９′を、その各一対
の支持脚８，８′及び支持脚９，９′がガイド杆６
及び７の前後両面側に相対面状で、且つ各脚片１
１……、１１′……が幅方向に若干ずれた位置に
存する如く各係合部１０……を介してスライド自
在に吊持させて、各一対の支持脚８，８′及び支
持脚９，９′を各一対のガイド杆６及び７を間に
挟んで、その前後両面側を相対面状にスライドさ
せる様にした事により、各脚片１１……、１１′
……の下端部間に掛架される各挾着バー１３…
…，１３′……を夫々相対方向に向けて適確に作
動させる事が出来、その間知ブロツクＡの挟持を
確実に且つスムーズに行わせる事が出来ることに
加えて、支持脚８，８′及び９，９′の強度、特に
横揺れに対する剛性を著しく高めることが出来る
に至つた。そして上記の様にガイド杆６及び７を
間に存して支持脚８，８′及び９，９′を相対面状
にスライドさせる様にしたことにより、前後方向
の揺れに対しても夫々横杆１２及び１２′にて受
け止めてその外力を相殺させることが可能となつ
た。即ち、後方に向けて作用する外力に対して
は、ガイド杆６及び７の前面に配置する横杆１２
及び１２′にて受け止めることが出来る一方、前
方に向けて作用する外力に対しては、後面側の横
杆１２及び１２′にて受け止めることが出来、こ
れにより搬送装置の耐久性、更には安全性を著し
く高めることが出来るに至つたのである。

又本考案あつては、上記の様に各脚片１１…
…、１１′……を横杆１２，１２、１２′，１２′
を介して柵杆状に一体に連結させた事により、単
一個の油圧シリンダー１４及び単一本の作動ロツ
ド１７にて各バー１３，１３′を作動させる事が
出来、その構造を著しく簡単化させる事が出来る
に至つたのである。しかも本考案にあつては、こ
の様にその構造が簡単となつた事に加えて上記の
様に各脚片１１……、１１′……をその頂部を鈎
曲させて形成した係合部１０……を介してガイド
杆６，７上に吊持させる一方、各脚片１１……、
１１′……を単一本のロツド１７及び単一個の油
圧シリンダー１４を介して作動させる様にした事
により、各脚片１１……、１１′……の寸法を必
要最小限に短かくする事が出来るに至り、その結
果、前方の見通しが良好となりその安全性及び作
業能率を著しく向上させる事が可能となつた。

特に本考案にあつてはサポートアームと平行す
る如くロツドを前後方向に亘つて延在させるに、
同ロツドはその基端寄り部分を捩り変形可能な如
く先端寄り部分と比較して小径にて形成し、油圧
パワーの余剰分を同ロツドの捩り変形を介して吸
収させる様にしたことにより、各一対の挾着バー
間に間知ブロツクが挟持された状態において油圧
シリンダーにおけるリーク作用を介して油圧パワ
ーが減少した場合において同油圧パワーの減少分
を上記の様に捩り変形した状態にあるロツドのそ
の戻り作用を介して上記油圧パワーの減少を補う
ことが出来、間知ブロツクの落下を防止すること
が出来るに至つた。又間知ブロツクを各挾着バー
間に挟持する作業においては、不規則に並べられ
た各間知ブロツク間に挾着バーを差し入れ、油圧
シリンダーにおける油圧パワーを介して強制的に
各間知ブロツクを並列状に矯正させることによつ
て各挾着バー間に一列状に挟持するものであるた
め、各脚片には耐久性が要求されるのであるが、
従来構造（特開昭50−32651号）の様に一対の挟
持腕の開閉を介して間知ブロツクを挟持するもの
にあつては、上記の様な作業においてその支点ピ
ンがせん断されてしまうことは勿論のこと、強力
な挟持作用を得るためには、支点ピンより上方に
延出する部分を必然的に長くしなければならなく
なるのであるが、この様に挟持腕の長さ寸法を長
尺とした場合において、前方の視界が妨げられて
その作業に支障を来すことに加えて、曲り変形が
生じ易くなる等種々の問題点を有しているのが実
情である。

しかして本考案にあつては、頂部の鈎曲状の係
合部を有する複数本の脚片を柵杆状に形成した前
後一対の支持脚を、各一対の支持脚がガイド杆を
間に存してその前後両面に相対面状に位置し、且
つ各脚片が幅方向に喰違い状に位置する如く上記
鈎曲状の係合部を介して摺動自在に設け、各一対
の支持脚の往復動を介して間知ブロツクを挾着す
る様にしたことにより各脚片の高さ寸法を短寸に
て形成することが可能となりその結果前方の視界
が良好となることは勿論のこととして各脚片の変
形を防止しその強度を増すことが出来る等種々の
効果を得ることが出来るに至つたのであり、この
点に於ける実用的な効果は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る間知ブロツク搬送装置の
側面図、第２図は要部の拡大斜視図、第３図は支
脚部分の拡大断面図である。 １……荷役運搬車、２……リフトマスト、２′
……油圧装置、３……サポートプレート、４……
サポートアーム、５，５′……連結杆、６，７…
…ガイド杆、８，８′……支持脚、９，９′……支
持脚、１０……係合部、１１，１１′……脚片、
１２，１２′……横杆、１３，１３′……挾着バ
ー、１４……油圧シリンダー、１５……軸受け、
１６，１６′……軸受け、１７……ロツド、１８
……リンク片、１９……ピストンロツド、２０，
２０′……リンク片、２１，２１′……リンク片、
２２，２２′……リンク、２３，２３′……リン
ク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サポートプレートより前方向に突出する左右一
   対のサポートアーム間に前後一対のガイド杆を幅
   方向に亘つて平行状に架設させ、両ガイド杆には
   頂部に鈎曲状の係合部を有する複数本の脚片を柵
   杆状に形成した前後各一対の支持脚を、各一対の
   支持脚がガイド杆を間に存してその前後両面に相
   対面状に位置し、且つ各脚片が幅方向に喰い違い
   状に位置する如く上記係合部を介して摺動自在に
   吊持させ、相対応する前後一対の脚片の下端部間
   には挾着バーを前後方向に平行状に掛架させる一
   方、前記サポートアームと平行させて前後方向に
   亘つてロツドを回動自在に設けるに、同ロツドの
   基端寄り部分は先端寄り部分に対して小径にて形
   成し、同ロツドの基端部には油圧シリンダーのピ
   ストンロツドを、同ピストンロツドの往復動を介
   して回動させることが可能な如く枢結するととも
   に同ロツドの先端寄り部分には、前記各一対の支
   持脚を相反方向に向けて往復動させることが可能
   な如くロツドと各一対の支持脚間をリンク片にて
   連結させて成る間知ブロツクの搬送位置。