JPS6222228Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は新築祝等に用いる角樽に関するもので
ある。

従来、この種の角樽は栓を取外して樽部に直
接、清酒等を収容するか、あるいは樽部に別の容
器を取付け、この容器に清酒等を収容するかし
た。

このため、祝儀用等とした場合、受領者は可及
的速やかに飲用しなければならず、また容器とし
ての角樽は飲用後、放置され、破棄される等し
た。

なお、角樽を保燗器とした実公昭44−6392号公
報に開示されるものは樽本体の開口縁に蓋の周蓋
を単に圧入するようにしてある。

本考案は前記のような事情から、清酒等を液状
のまま樽内に収容せず、清酒の瓶詰、例えば、５
合瓶等を複数本瓶詰状態のままで樽内に収容し、
儀式等終了後は収容した瓶詰清酒を取出し適時、
飲用に供し得るようにしたものであつて、樽本体
１の開口４縁より僅か下方の内周面５に始端７ａ
より終端７ｂに至り漸次幅を拡げ、内側面を下向
きに斜切して内向き係合面７ｃとしてなる弧状引
掛片７の複数を隣位の弧状引掛片７，７間に切欠
き８を隔てて周方向等間隔配置した蓋取付け部６
を設け、栓状手掛け１０を上面に突設し、前記切
欠き８に対応する位置に配するとともに前記内向
き係合面７ｃに圧接係合自在とした外向き係合面
１１を有する掛脱突部１１を下面かつ周縁より内
方に設けた蓋９を前記蓋取付け部６の弧状引掛片
７，７に着脱自在に取付けてなる角樽である。

本考案の実施例を図面について説明すれば、樽
本体１は上部に角部２，２と、これら角部２，２
に架設した取手部３を有し、開口４縁より僅か下
方の内周面５に蓋取付け部６を設けてある。

前記蓋取付け部６は第３図に示すように、弧状
引掛片７，７，７，７と、これら弧状引掛片７，
７間の切欠き８からなり、弧状引掛片７は始端７
ａより終端７ｂに至り漸次、幅を拡げるととも
に、第４図に示すように、内側面を下向きに斜切
して内向き係合面７ｃとしてあり、切欠き８は連
続環棚状を切断するよう弧状引掛片７を隔てるよ
うにして弧状引掛片７，７，７，７を周方向等間
隔配置してある。

次に、蓋９は第２図、第４図および第５図に示
すように、上面に栓状手掛け１０を突設し、下面
に掛脱突部１１，１１……を設けてあり、これら
掛脱突部１１，１１……は前記本体１の蓋取付け
部６の切欠き８に対応する蓋９の下面かつ周縁よ
り内方位置に配するとともに内向き係合面７ｃと
圧接係合自在に上向き斜切した外向き係合面１１
ａを形成してあり、これら切欠き８，８……に掛
脱突部１１を落し入れ、栓状手掛け１０を把持し
て蓋９を時計方向に回し掛脱突部１１の外向き係
合面１１ａを蓋取付け部６の内向き係合面７ｃに
圧接係合させて蓋９と固定するよう、蓋９を蓋取
付け部６の弧状引掛片７，７，７，７に着脱自在
に取付けてある。

なお、樽本体１および蓋９は合成樹脂製、木材
製等適宜資材により製作する。

図中、１２は綱模様箍状部である。

本考案は前記のように構成するから、蓋９を取
外した本体１内に、例えば５合清酒瓶詰イ，イ…
…を複数本収容させる。

次いで、栓状手掛け１０を把持し蓋９を本体１
の開口４より蓋取付け部６の上方に持来させ、蓋
９の掛脱突部１１，１１……を蓋取付け部６の切
欠き８，８……に合致させ落し入れ、掛脱突部１
１，１１……の外向き係合面１１ａ，１１ａ……
を弧状引掛部７，７……の内向き係合面７ｃ，７
ｃ……に内向き係合させるよう始端７ａから終端
７ｂへ向つて時計方向に蓋９を回し、内向き係合
面７ｃに係合面１１ａを圧接係合させて蓋９を固
定する。

この場合、第６図に示すように、本体１内に収
容した５合清酒瓶詰イ，イ……の肩部を挿入し得
る通し孔ロ，ロを有する板体ハを設け、樽本体１
内に５合清酒瓶詰イ，イ……を収容したのち、瓶
詰イの肩部を通し孔ロに当てるようにして板体ハ
により複数の瓶詰イ，イ……を安定保持させる。

このようにして、本体１内に複数の瓶詰イ，イ
……を収容し蓋９を固定したのち、新築祝等の祝
儀用とし、祝儀終了後は栓状手掛け１０を把持
し、蓋９を反時計方向に回し、掛脱突部１１，１
１……を切欠き８，８……に合致させ蓋９を上方
に持上げ取外し、瓶詰イ，イ……を取出し、随
時、これらの瓶詰イ，イ……を飲用に供する。

本考案は外観を従来の角樽とするが、蓋の着脱
により瓶詰を収容し、または取出すことができる
から、取出し後瓶詰を開封し適時飲用し得、しか
も収容物は清酒に限ることなく、他の酒類、その
他好味にあつたものとしてもよく、さらに瓶詰を
入れて貸出し用とすることもできるなどその実用
的効果は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案角樽の正面図、第２図は同・断
面図、第３図は第２図の−線相当部分におけ
る断面図、第４図は本考案の要部拡大断面図、第
５図は第４図の−線相当部分における断面
図、第６図は安定保持用板体の平面図である。 １……本体、２……角部、３……取手部、４…
…開口、５……内周面、６……蓋取付け部、７…
…弧状引掛片、７ａ……始端、７ｂ……終端、７
ｃ……内向き係合面、８……切欠き、９……蓋、
１０……栓状手掛け、１１……掛脱突部、１１ａ
……外向き係合面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 樽本体１の開口４縁より僅か下方の内周面５に
   始端７ａより終端７ｂに至り漸次幅を拡げ、内側
   面を下向きに斜切して内向き係合面７ｃとしてな
   る弧状引掛片７の複数を隣位の弧状引掛片７，７
   間に切欠き８を隔てて周方向等間隔配置した蓋取
   付け部６を設け、栓状手掛け１０を上面に突設
   し、前記切欠き８に対応する位置に配するととも
   に前記内向き係合面７ｃに圧接係合自在とした外
   向き係合面１１を有する掛脱突部１１を下面かつ
   周縁より内方に設けた蓋９を前記蓋取付け部６の
   弧状引掛片７，７に着脱自在に取付けてなる角
   樽。