JPS6222101Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ベルトコンベア型播種機に関する
ものであり、特に播種機を吊上げたとき、ベルト
コンベアー上面に収納された種子の不慮妄脱を防
止する種子押えに関するものである。

従来、此種播種機にありては、圃場の枕地に於
て回向するとき、移動農機の吊上機構に連動して
上記播種機が吊り上げられると、ベルトコンベア
ーが前下り傾斜となつて、ベルトコンベアー上の
中間部の種子が該ベルトコンベアーの前側へ移動
する。そして、回向動作が完了して上記播種機が
繰出作動状態になつても、上記前側へ移動した種
子は元の位置へは戻り難く、種子の繰出し斑が発
生するような現象が顕著に現われた。そこで本考
案は、このような欠陥に鑑み之を克服せんとして
提案せられたものであり、移動農機の吊上機構に
よつて移動農機に上下動可能に連結されたリンク
機構を介して取付けると共に、上記吊上機構によ
つて吊上げたときにベルトコンベアーの前端が下
位になる前下り傾斜となるベルトコンベアー型播
種機において、フレームに鎮圧輪の支持体を上下
揺動自在に枢着し、フレームにベルトコンベアー
の上方に位置させるよう設けた種子押え体と鎮圧
輪の支持体とを上記播種機が上記吊上機構によつ
て吊り上げられたときには、鎮圧輪のの下動に起
因して種子押え体がベルトコンベアーを押圧し、
上記播種機が下降して鎮圧輪の接地による上動に
起因して上記押え体がベルトコンベアーから離間
するようにリンクで連繋したことを特徴とするベ
ルトコンベアー型播種機を提供せんとするもので
ある。

以下、この考案の一実施例を別紙添付図面に従
つて詳述する。

第１図に示すように、移動農機１の後方に左右
のロワーリンク２，２にて対地作業機３を枢着連
結し、又、この移動農機１の後方部中央に枢着し
たトツプリング５の後部と対地作業機３に立設し
たマスト６の上部を枢着し、更に、該移動農機１
には吊上機構７があり、これにリフトアーム８，
８を連結し而も、このリフトアーム８，８は前記
ロワーリンク２，２に枢着したリフトロツト９，
９と連結してある。更に、この対地作業機３は後
方に延設した左右のヒツチ棒１０，１０にホルダ
ー１１，１１を取付け、このホルダー１１，１１
と播種機１３のフレーム１４とをリンク機構１２
を介して連結する。依つてこれら一連の連結機構
により移動農機１は、対地作業機３と共に播種機
１３を牽引することができ、又、移動農機１に設
けられている吊上機構７の操作により、リフトア
ーム８，８を上方に回動して、対地作業機３と共
に播種機１３を地上から吊上げることができる。
次に播種機１３について述べると、第２図に示す
ように、フレーム１４の上方に播種口２６を備え
た播種ホツパー１５を設け、リンクベルト又は可
撓ベルトなどにて形成したベルトコンベア１７を
播種口２６の下方に延設し、このベルトコンベア
１７に設けた凹部１７ａ…へ向かつて播種口２６
から流下した種子４がブラシユ１６にて凹部１７
ａ…へ均一に収納されるように構成している。
又、ベルトコンベア１７は前上りに傾斜してプリ
ー１９，２０間に張架され、更に、プリー２０と
同軸のスプロケツトホイル２２と駆動輪１８と同
軸のスプロケツトホイル２１に駆動チエン２３が
巻掛してあり、駆動輪１８の転動に伴つてベルト
コンベア１７が回転する。一方鎮圧輪２４は支持
体２５に支持され、フレーム１４の後端部にピン
３０によつて上下揺動自在に取付けられている。
また前端に種子押え体２９をそなえたアーム２８
がフレーム１４の最後端にピン３１によつて上下
動自在に取付けられロツト２７を介して支持体２
５と連結している。依つて播種機１３が地上から
吊上げられ鎮圧輪２４が自重により下動すると、
支持体２５は、ピン３０を支点として下動し、ロ
ツト２７を介して連結しているアーム２７はピン
３１を支点として下動するのでアーム２７の前端
にもうけられた種子押え体２９はベルトコンベア
１９上面の凹部１７ａの周囲を押圧する。なお、
鎮圧輪２４と種子押え体２９との連動機構の別例
を第３図によつて述べると鎮圧輪２４の支持体２
５をフレーム１４の後端部でピン３０によつて上
下揺動自在に取りつけ、また前端に種子押え体２
９を設けたアーム２８をフレーム凸部１４ａでピ
ン３２で上下動自在に取りつける。鎮圧輪２４が
自重により下動したとき、支持体前端部２５ａが
アーム２８の後端を突き上げることにより、種子
押え体２９はベルトコンベア１７の上面を押圧す
るものである。

この考案は、前述せる如き構成に係るから、播
種作業実施において対地作業機３と播種機１３を
連結した移動農機１が前進すると、播種機１３の
鎮圧輪２４と駆動輪１８は転動を始める。鎮圧輪
２４は接地転動の状態にあるのでアーム２８の前
端は揚がり、種子押え体２９はベルトコンベア１
７の上面を開放状態に保つ、一方駆動輪１８も接
地転動の状態にあるのでベルトコンベア１７は回
転し、播種ホツパー１５から出る種子４を逐次、
搬送し、プリー１９の前縁附近から地表上に散布
する。この播種された種子４を駆動輪１８によつ
て地中に押し込み、更に、転動してくる鎮圧輪２
４によつて鎮圧され種子４は所定の深さにセツト
される。かように播種の諸作業を一挙に行なうこ
とができる。そして枕地などにおいて、前記移動
農機１を回向すべく、リフトアーム８，８を上昇
回動すれば、対地作業機３と播種機１３は共に吊
り上げられることになり、播種機１３の駆動輪１
８と鎮圧輪２４は接地状態を離脱する。駆動輪１
８が離地するとベルトコンベア１７はその位置で
停止することになる。一方、鎮圧輪２４も離地す
ることになるが、その後その自重により下動し、
これに連動する種子押え体２９は、ベルトコンベ
ア１７の停止に伴いベルトコンベアー１７の上面
を押圧する。種子押え体２９は、前下り傾斜した
ベルトコンベアー１７上面の凹部１７ａの周囲を
押圧し直接、種子４を押圧しないので損傷を与え
ることはなく、又、ベルトコンベアー１７上面を
中間部前側へ移動するようなことはない。依つて
播種機１３の傾き等による種子４の不慮妄脱を未
然に防止し播種作業における回向操作は全く支障
無く行なうことができる。回向が済み再び播種作
業実施の態勢に入ると、移動農機１の、リフトア
ーム８，８を下降回動すれば、対地作業機３と播
種機１３は共に接地する、移動農機１が前進すれ
ば播種機１３の鎮圧輪２４と駆動輪１８は転動を
始めるので前述した播種作業が再び開始されるこ
とになつて、地形に応じて回向を反復しながら無
駄なく均一適量な種子を播種し順調に作業を続行
することができる。

この考案は、圃場の端において回向する際、吊
上機構によつてベルトコンベアー型播種機を吊り
上げると鎮圧輪の下動に連動して種子押え体が前
下り傾斜するベルトコンベアーを押圧してベルト
コンベアー上の種子を押えて種子の前側への移動
を防止でき、種子の繰出し斑をなくすことができ
て、播種性能を向上させることができるのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に関する、播種作業状態を、
又、第２図、第３図はベルトコンベアー型播種機
のベルトコンベアー上の種子押え体の作動状態
を、夫々示す側面図である。 符号説明、１……移動農機、２……ロワーリン
ク、３……対地作業機、４……種子、５……トツ
プリング、６……マスト、７……吊上機構、８…
…リフトアーム、９……リフトロツト、１０……
ヒツチ棒、１１……ホルダー、１２……リンク機
構、１３……播種機、１４……フレーム、１４ａ
……フレーム凸部、１５……播種ホツパー、１６
……ブラシユ、１７……ベルトコンベアー、１７
ａ……凹部、１８……駆動輪、１９，２０……プ
リー、２１，２２……スプロケツトホイル、２３
……駆動チエン、２４……鎮圧輪、２５……支持
体、２５ａ……支持体前端部、２６……播種口、
２７……ロツト、２８……アーム、２９……種子
押え体、３０，３１，３２……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 移動農機の吊上機構によつて移動農機に上下動
   可能に連結されたリンク機構を介して取付けると
   共に、上記吊上機構によつて吊上げたときにベル
   トコンベアーの前端が下位になる前下り傾斜とな
   るベルトコンベアー型播種機において、フレーム
   に鎮圧輪の支持体を上下揺動自在に枢着し、フレ
   ームにベルトコンベアーの上方に位置させるよう
   設けた種子押え体と鎮圧輪の支持体とを上記播種
   機が上記吊上機構によつて吊り上げられたときに
   は、鎮圧輪の下動に起因して種子押え体がベルト
   コンベアーを押圧し、上記播種機が下降して鎮圧
   輪の接地による上動に起因して上記押え体がベル
   トコンベアーから離間するようにリンクで連繋し
   たことを特徴とするベルトコンベアー型播種機。