JPS6221475Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、フートペタルとハンドレバーとを
備えた動力運搬車のアクセル操作構造に関するも
のである。

一般に動力運搬車には駐車用のサイドブレーキ
が設けられてはおらず、このため坂道発進を行う
場合には、左足でクラツチペタルを踏み込みなが
ら、右足をブレーキペタルからアクセルペタルに
すばやく移動してこれを踏み込むようにする必要
があつた。ところがこのようにした場合、ブレー
キペタルを放してアクセルペタルを踏み込むまで
の間に車体が後退し、又アクセルペタルの踏み込
み動作が激しくなることから急発進を起きしたり
してスムーズな発進ができないという欠点があ
る。

そこで本案では、アクセル操作用のフートペタ
ルの他にハンドレバーを設け、坂道発進の場合に
はこのハンドレバーによりアクセル操作を行うよ
うにして円滑な坂道発進が行えるようにしたアク
セル操作構造を提供しようとするものである。

以下本案を図面に示す実施例に基づき説明す
る。

Ａは左右に各４輪づつの走行輪１を設けた８輪
動力運搬車であり、車体の前部中央に駆動部２を
設け、同駆動部２の左右両側に操縦部３および運
転席４を設け、かつその後方にダンプ式の荷台５
を設けている。６は駆動部２に設けたエンジンで
あり、スロツトルレバー７の回動動作により弁を
開閉させながらエンジン回転数を増減させるもの
である。尚このスロツトルレバー７が第２図に示
す位置にあるときエンジン６はアイドリング状態
となり、又第３図および第４図に示す位置にある
ときにエンジン回転数が最大となるように調整さ
れている。

８は上記スロツトルレバー７を連動動作させる
フートペタルであり、基端に設けたボス９を軸支
１０させ、かつ上記スロツトルレバー７との連動
構造は、スロツトルレバー７の先端に連杆１１の
一端を接続させ、同連杆１１の他端には巻バネ１
２を嵌装させた受け部１２を設け、かつ上記フー
トペタル８のボス９には腕１３を連設させ、同腕
１３の先端に二又枠１４を設けて、この二又枠１
４内に短軸１５を軸支させ、かつ同短軸１５に透
孔１６を穿設させるとともに、同透孔１６内に上
記連杆１１を挿通させて、この短軸１５を連杆１
１に摺動自在に嵌合させた構造に構成されてい
る。尚１７は上記スロツトルレバー７をアイドリ
ング方向に付勢させる引張バネであり、一端を機
枠１８に係止させ、かつ他端を連杆１１の中程に
係止させている。又１９は上記フートペタル８と
同様にスロツトルレバー７を連動動作させるハン
ドレバーであり、機枠１８に取付けたブラケツト
２０に基端を軸支２１させ、かつ上記スロツトル
レバー７との連動構造は、ハンドレバー１９の基
端に作動腕２２を連設させ、同作動腕２２の先端
部にピン２３を突設させて、このピン２３を上記
スロツトルレバー７に上記引張バネ１７による付
勢力に抗して当接させた構造に構成されている。
尚２４で示すものはスロツトルレバー７のアイド
リング側ストツパーであり、このストツパー２４
に上記ピン２３を当接せさるとともにその当接状
態でピン２３にスロツトルレバー７を当接させ
て、このスロツトルレバー７をアイドリング位置
に保持させるものである。２５は上記ピン２３を
ストツパー２４との当接方向に付勢させる引張バ
ネである。又２６はスロツトルレバー７の作動ス
トツパーである。又２７は運搬車Ａの駆動部２に
設けたラジエーター、２８はエンジン６に設けた
フアンである。

従つて、フートペタル８によるアクセル操作
は、このフートペタル８を踏み込んで二又枠１４
に設けた短軸１５を下方に回動させて、この短軸
１６に受け部１２を当接させた状態で連杆１１を
引き下げてゆくことによりスロツトルレバー７を
回動動作させることになる。そしてこの場合に
は、スロツトルレバー７とピン２３とが当接状態
であることからこのフートペタル８の踏み込み動
作にハンドレバー１９が連動して動作することは
ないのである。

又ハンドレバー１９によるアクセル操作は、こ
のハンドレバー１９を把持して手前に引くことに
より作動腕２２を回動させながら、この作動腕２
２に設けたピン２３でスロツトルレバー７を押圧
して、これを回動動作させることになる。

従つて、本案では、ハンドレバー１９及びフー
トペダル８のいずれか一方を操作した際、スロツ
トルレバー７と他方のレバー又はペダルとの連結
が解除されて作動せず、操作荷重が軽く操作位置
が正確であり、操作しやすい。

また、フートペダル８の単独操作時には、ハン
ドレバー１９はアイドリング位置を保持してお
り、同レバーの位置が一定していることから誤操
作が防止される。

また、フートペダル８及びハンドレバー１９の
両方を操作しないときは、スロツトルレバー７が
自動的にアイドル位置に復帰し、しかも、同レバ
ー７のアイドル位置保持が正確である。

特に、坂道発進後、スロツトルレバー７の操作
は、ハンドレバー１９からフートペダル８に引継
がれるのであるが、この際、すでにハンドレバー
１９が操作されており、フートペダル８には、同
ペダル８の操作位置がハンドレバー１９の操作位
置に達して初めて引張バネ１７の付勢が作用する
ことになり、同位置に達するとフートペダル８の
操作荷重が急に重くなることになる。従つて、上
記の引継ぎに際し、フートペダル８を操作荷重が
重くなつたことを感ずるまで踏み込むことによ
り、エンジンの出力を急激に変化させることな
く、スムーズに操作の引継ぎを行うことができ
る。尚通常の路上走行においてはフートペタル８
を用いてアクセル操作を行うものであり、この場
合ハンドレバー１９は固定金具等により固定させ
ておき、誤操作を防止させるようにするとよい。
そしてこのようにハンドレバー１９を固定させて
も、このハンドレバー１９がフートペタル８の踏
み込み動作に連動しないので、フートペタル８の
操作を支障なく行えるのである。

上述のように本案によれば、坂道発進の際にハ
ンドレバーを利用したアクセル操作が行えるの
で、この坂道発進をスムーズに行うことができる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案実施例の８輪動力運搬車を示す全
体側面図、第２図は本案のアクセル操作構造を示
す側面図、第３図はフートペタルによる作動状態
を示す側面図、第４図はハンドレバーによる作動
状態を示す側面図である。 Ａ：８輪動力運搬車、６：エンジン、７：スロ
ツトルレバー、８：フートペタル、１１：連杆、
１５：短軸、１９：ハンドレバー、２２：作動
腕、２３：ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アイドリング位置方向に弾性付勢したハンドレ
   バー１９に連設したピン２３をスロツトルレバー
   ７に当接させてハンドレバー１９からスロツトル
   レバー７への操作伝達を行わせると共に、フート
   ペダル８に連設した短軸１５をスロツトルレバー
   ７に連結した連杆１１に摺動自在に嵌合させて、
   同連杆１１の端部に連設した受け部１２と上記短
   軸１５との当接を介してフートペダル８からスロ
   ツトルレバー７の操作伝達を行うべく構成してな
   る動力運搬車のアクセル操作構造。