JPS6221339Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はダイカスト法等の鋳造に用いられる中
子等の製造にさいし、中子等のワーク表面に複数
層のコーテイング層を形成し、これを同一のコン
ベヤで効率良く、コーテイング条件に応じてコー
テイングを施し得るようにしたコーテイング装置
に関する。

一般にコンベヤに吊下げられた中子等のワーク
表面にコーテイング層を形成する場合、ワークを
コンベヤで吊下搬送し、コンベヤラインに臨む固
定された液槽中に中子を浸漬させて槽中を移動通
過させて行つている。

以上のコーテイング層を複数層設ける場合、し
かも同一のコンベヤで中子を吊下支持しつつ行お
うとした場合、中子のコーテイング液への浸漬時
間でコーテイング膜厚が決定されるため、各槽で
の浸漬時間を調節するためにはコンベヤラインは
長大なものとなり、又次回の層形成のための乾燥
のためライン長は必然的に長くなり、スペース上
好ましくなく、コーテイング膜厚、品質管理の点
でも難かしく、生産効率の点でも最良とはいい難
い。又コンベヤも複数個所で中子を降下させ、上
昇させる等の挙動を必要とし、構造が複雑化し、
設備自体もコストが高くなり、更に以上により得
られた中子は必然的にコストが高くなる。

本考案者等は主に中子に複数層のコーテイング
層を形成するにさいして従来の以上の如き不都合
を改善すべく本考案をなしたものである。

本考案の目的は、コンベヤをループ状として熱
風乾燥炉の如き乾燥炉に臨ませ、これの各上流に
昇降動するコーテイング槽を付設し、槽の昇降動
時間で中子等の浸漬時間を各層形成毎に管理する
如くし、層形成後乾燥炉で中子を乾燥するように
し、高品質の中子を効率良く、同一のコンベヤで
移送しつつコーテイング層を形成し得るようにし
たコーテイング装置を提供するにある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は本考案にかかるコーテイング装置の平
面図、第２図は乾燥炉及び一つのコーテイング槽
を破断した側面図である。

１は熱風乾燥炉で、前後に出入口を兼ねる開口
２，３を備え、炉床１ａには例えば赤外線ヒータ
４…が、天井１ｂには排出ダクト５を備える。６
はコンベヤで、コンベヤ６は平面ループ状をな
し、両端の半円部６ａ，６ｂと、これの両端部を
繋ぐ左右で平行な部分６ｃ，６ｄとからなつて無
端状である。平行部分６ｃ，６ｄの前後方向の中
間部が乾燥炉１の前後の開口２，３内を通つて、
この中間部が炉１内の乾燥室Ｓ内に臨む。以上の
コンベヤ６は乾燥炉１の天井１ｂ上にフレーム７
で支持されている。

コンベヤ６にはハンガー８を介して中子Ｗが所
定間隔で吊下げ支持され、コンベヤ６は矢印方向
に中子Ｗを移送する。コンベヤ６の一方の平行部
分６ｃの乾燥炉１の開口２外部には中子Ｗをコン
ベヤ６に吊下げ、或は取り外すための着脱エリア
９を設ける。これを始点、終点として移送方向の
下流にコンベヤ直下に臨む如く第１のコーテイン
グ槽１０を設ける。コーテイング槽１０は内部に
コーテイング液１１を収納して上が開放され、シ
リンダユニツト１２で底を支持され、昇降自在で
ある。

コンベヤ６の他の平行部分６ｄの移送方向の下
流で、乾燥炉１の開口３の外側にはコンベヤ直下
に臨む如く第２のコーテイング槽１３を設け、槽
１３は内部に第２のコーテイング液を収納し、シ
リンダユニツト１４で底を支持されて昇降自在で
ある。

次にその作用、効果を説明すると、着脱エリア
９で中子Ｗをハンガー８に着脱し、これの下流の
特定の中子Ｗは第１のコーテイング槽１０の真上
に位置し、槽１０を上昇させ、中子を槽１０中に
浸漬せしめ、上昇停止時間、これの降下による液
からの中子の脱出迄のトータルの時間をシリンダ
ユニツト１２で制御し、必要な膜厚を得る。一方
他方の第２のコーテイング槽１３の真上に位置す
るワークも同様に該槽１３の上昇で液に浸漬さ
れ、シリンダユニツトの昇降で浸漬時間を制御管
理し、膜厚管理を行う。コンベヤ６は間欠的に中
子を移送し、中子と槽との関係位置で所定時間停
止し、この時間は最も長い膜厚形成時間で決定さ
れ、この時間内で停止し、一方の中子浸漬時間に
対し他方の浸漬時間が短かい場合には槽の時間に
合せて昇降させることとする。

今一つの中子を例にとると、エリア９で中子を
セツトし、下流の第１の槽１０で既述に従い第１
のコーテイング層を形成し、コンベヤ６で移送し
て乾燥炉１内に移送し、この中を通過する過程で
一次乾燥する。下流の出口３の外で第２の槽１３
により第２の層を形成し、下流の上記出口３と同
一の入口３から乾燥炉内に移送し、乾燥後着脱ス
テーシヨン９の下流の出口２から外に出て着脱ス
テーシヨン９で完成した中子を取り外し、新しい
中子をセツトする。以上を各中子は反復し、コン
ベヤ６で移送されつつコーテイング層を複数層形
成する。

以上図示例では中子のコーテイングについて述
べたが、ワークは任意である。

以上で明らかな如く本考案によれば、中子等に
複数層のコーテイング層を形成するにさいし、同
一のコンベヤで、しかも短かいコンベヤで効率良
く移送しつつコーテイング層の形成が行える。特
に乾燥炉を設けたためコンベヤは極めて短かく、
省スペース上極めて好ましく、又コンベヤスピー
ドに頼ることなく槽を昇降させ、浸漬時間を制
御、管理するようにしたため制御、管理が容易で
確実であり、品質良好な中子等を効率良く生産す
ることができるとともに、上記によりコンベヤラ
インのスピード調節やワークの降下等の機構を要
しないためコンベヤ自体の構造も簡単化する等多
大の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は平面図、第２図は同要部を破断した側面図であ
る。 尚図面中１は乾燥炉、６はコンベヤ、１０，１
３はコーテイング槽、Ｗはワークである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークを吊下支持して移送するループ状の無端
   コンベヤと、該コンベヤの一部にかかるように設
   けられた乾燥炉と、乾燥炉の前後に設けられ、昇
   降する複数のコーテイング槽とからなることを特
   徴とするコーテイング装置。