JPS6036583Y2 - バツチ式竪型炉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はバッチ式竪型炉、具体的には、下部が開口し、
かつ、下方に所定間隔を置いて基礎に支持された炉本体
と、前記開口部を開閉する炉蓋とで構成したバッチ式竪
型炉に関するものである。

従来、前記形式のバッチ式竪型炉は、たとえば、第１図
に示すように、処理材Ｗを炉本体１に設けた昇降手段（
図示せず）に開口部２の下方から掛止めして炉内に吊下
げ支持し、開口部２の下方に、台車５上に載置した平板
状の炉蓋７を位置させ、シリンダ６で炉蓋７を前記開口
部２にシール部材８を介して圧着し、加熱手段であるラ
ジアントチューブ３および天井循環ファン４を作動して
処理材Ｗを熱処理するようにしている。

ところで、前記従来のバッチ式竪型炉においては、炉蓋
７が平板であり、かつ炉本体１内には炉内雰囲気の循環
路を形成させるマツフル９が設けてあって、炉内雰囲気
はマツフル９の外方通路９ａを通過し循環ファン４の作
用により処理材Ｗが板状材であると、処理材間を下方に
通過した後、矢印で示すように外方に流れ、その結果、
処理材下端面と炉蓋７上面との間にはデッドゾーンＡが
形成される。

このため、処理材Ｗの下端面Ｂ点においてはデッドゾー
ンＡより輻射を受は所定温度以下となり処理材Ｗを均一
加熱することができないという欠点がある。

これを解消するためには、処理材下端面と炉蓋上面との
間隔を大とすればよいが、逆に、炉本体１つまり、炉全
体が高さ方向に大きくなり、また加熱後、焼入処理を施
す場合には処理材が昇温するため良好な焼入処理が施せ
ないという欠点を生じる。

本考案は、前記従来の欠点を除去するためになされたも
ので、炉蓋を椀形状とし、その開口部上面に多数のスリ
ット孔等を有する整流板を設けて炉本体を小型化すると
ともに炉蓋下部にできるデッドゾーンを極めて少なくす
ることのできるバッチ式竪型炉を提供しようとするもの
である。

つぎに、本考案を一実施例である第２図以下にしたがっ
て説明する。

本考案のバッチ式竪型炉Ｔは、従来同様、炉本体１０と
炉蓋１８とからなる。

そして、炉本体１０は、下部に処理材装入・抽出口を兼
用する開口部１１を有し図示しない基礎に、下方に所定
間隔を有するように支持されており、内部に天井循環フ
ァン１２、加熱手段であるラジアントチューブ１３およ
び炉内雰囲気の循環路を形成するマツフル１４を備えて
いるとともに、処理材昇降装置１５が設けである。

この昇降装置１５は、マツフル１４内に、処理材Ｗを吊
持するための吊下部材１６を炉外に設けたウィンチ（図
示せず）により昇降可能にワイヤ１７により吊持した構
成からなる。

一方、炉蓋１８は、前記炉本体１０の下方の両側に敷設
されたレールＲ上を走行ローラ１９により走行可能に配
設したもので、上方に開口２０を有する椀形状をなすも
のである。

そして、開口２０の上部には、前記マツフル１４の開口
部１４ａに対応する部分に開口面積を調整できる多数の
スリット孔２１ａを有する整流板２１を備えている。

また、前記炉本体１０の下端外側縁部および炉蓋１８の
上端外側縁部にはシール機構２２が設けである。

このシール機構２２は、炉本体１０に適宜散設ケタシリ
ンダ２３のピストンロッド２４に取付けられ、シリンダ
２３の動作により上下動する枠状のシール板２５と、該
シール板２５と炉本体１０とを接続する枠状のベローズ
等の可撓枠体２７と、前記炉蓋１８の外周にブラケット
２８により取付けられ、前記シール板下端の断面丸形状
の先端部２６が押圧されるセラミックファイバー等のシ
ール部材２９とからなる。

なお、前記レールＲ間の下方には焼入槽３０が設けであ
る。

つぎに、前記構成からなるバッチ式竪型炉Ｔの操作につ
いて説明する。

まず、炉蓋１８を第２図で二点鎖線で示す位置に移動さ
せ、昇降装置１５のウィンチを巻戻し、吊下部材１６を
レールＲ間を通して下方に吊下げる。

そして図示しない搬送装置により炉本体１０の開口部１
１直下に運ばれた処理材（プレートＷ）を吊下部材１６
にフックあるいはスターラップ等により取付け、ウィン
チを巻上げて、処理材Ｗを開口部１１から炉本体１０内
に装入する。

その後、炉蓋１８を炉本体１０の下方に移動させ、シリ
ンダ２３を作動させてシール板２５の先端部２６をシー
ル部材２９に圧着させて炉本体１０と炉蓋１８とをシー
ルし、従来同様、処理材Ｗを加熱・均熱する。

この場合、炉内雰囲気はマツフル１４と循環ファン１２
とにより強制循環するが、炉蓋１８に設けた整流板２１
の作用により、循環ファン１２により下方に吹き出され
た炉内雰囲気は処理材Ｗ間を均一に下方に向い、整流板
２１を出たのち循環ファン１２に吸引される。

すなわち、従来のものにおけるように、炉内雰囲気は処
理材Ｗ間を通過した後、直ちに外方に吸引されないため
、処理材Ｗの下端面に昇温遅れが生じず、処理材Ｗを均
一に加熱することになる。

前記のようにして、処理材Ｗを所定時間、加熱均熱する
と、前記とは逆に、シール機構２２を解放するとともに
、炉蓋１８を移動させ、ウィンチを巻戻して処理材Ｗを
急速に焼入槽３０内に浸漬させて焼入し、再度ウィンチ
を巻上げて処理材Ｗを焼入槽３０から取出し、図示しな
い搬送装置で処理材Ｗを所定場所に搬送するものである
。

なお、第２図中、１８ａは整流突起である。

以上の説明で明らかなように、本考案にかかるバッチ式
竪型炉によれば、従来の炉蓋を椀形状とし、その開口上
部に、炉内マツフル下部を被覆可能な整流板を設けて、
マツフル内（処理室）と循環路とを連通ずるようにした
ため、循環ファンの負圧は整流板下方に作用する。

したがって、循環ファンによって吹出された炉内雰囲気
は、処理材を均一に加熱した後に循環ファンに吸引され
るため、材料下端面に昇温遅れ箇所は生じず、かつ、均
熱時には下端面の温度降下もなく処理材を精度よく加熱
均熱することができる。

しかも、整流板は椀形状の炉蓋開口に設けるものであり
、炉の大型化を来たすことはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のバッチ式竪型炉の概略説明用断面図、第
２図は本考案にかかるバッチ式竪型炉およびその付帯設
備を示す概略説明用断面図で、第３図はシール機構の部
分拡大図である。 Ｔ・・・・・・バッチ式竪型炉、１０・・・・・・炉本
体、１１・・・・・・開口部、１２・・・・・・循環フ
ァン、１３・・・・・・加熱手段、１４・・・・・・マ
ツフル、１５・・・・・・昇降装置、１８・・・・・・
走行炉蓋、２０・・・・・・開口、２１・・・・・・整
流板、Ｗ・・・・・・処理材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に天井循環アアン、マツフル、加熱手段および処理
   材昇降装置を有し、下部に処理材装入・抽出口を兼用す
   る開口部を備えた炉本体と、椀形状をなすとともに開口
   上部のマツフル下方に対応する位置に整流板を有し、前
   記炉本体の開口部を開閉する炉蓋と、から構成したこと
   を特徴とするバッチ式竪型炉。