JPS6221290Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本願は、内燃機関の燃料フイルタに関する。

燃料フイルタは、ケーシング内にフイルタエレ
メントを配設したものであつて、内燃機関の燃料
を過するためのものである。燃料中には、水分
が含まれるのでこれを分離し、フイルタ外に排出
する必要がある。このため、燃料フイルタには、
分離した水の水位を検知する手段と分離水を排出
する手段とが設けられている。従来のフイルタ
は、この検知手段と排出手段とがフイルタのケー
シングに別々に設けた構造のものである。さら
に、この構造を改良したものとして検知手段と該
手段の側方に伸びる排出手段とを一体的に設ける
とともに排出手段に手動バルブにより開閉するド
レン口を設け該ドレン口に排水ホースを装着した
構造のものが提案されている。しかしながら、こ
の構造のフイルタは、検知手段と排出手段とを一
体することにより取外し操作を簡便にすることお
よび排水を排出手段外に溢水させず操作者の手を
汚染させないという特長を有する反面、次のよう
な欠点をともなう。すなわち、排出手段は、検知
手段の側方に延設されるので、取付取外しのため
の空間を増大させることになるのである。また、
排出手段に設けたドレン口は、フイルタに取付け
るたびにその固定位置が一定せず、操作者側から
遠方に位置した場合には排水ホースの取付けある
いはドレン口の開閉に必要以上の労力を要するこ
とにもなる。

本願は、上記欠点を解消させた燃料フイルタを
提供するものである。実施例により説明すると、
第１図は本考案の燃料フイルタ１０であつて、フ
イルタ本体１と排出部２とから成る。フイルタ本
体１は、金属製ケーシング３内にフイルタエレメ
ント４を配設しケーシング開放端を入出口５，６
を設けた蓋体７で閉塞させて成る。排出部２は、
ケーシング３底部に取付けられるものであつて、
水位検知部８と排水部９から構成される。水位検
知部８は、第２図のように、天板１１と環状壁１
２から成る樹脂製の逆碗状ケーシング１３を有し
環状壁１２内周にねじ溝１４が設けられる。天板
１１の中央部には、ケーシング外方に立設する外
柱体１５と、ケーシング内方に伸びる内柱体１６
とが各々設けられる。内外柱体１５，１６には、
金属製の検知体１７が埋設されその両端は内外柱
体１５，１６の端部外方に露出する。また、天板
１１には連通口１８が設けられる。排水部９は、
外周にねじ溝１９を設けた、ほぼ円筒状の筒体２
０で成り、筒体２０の一方面に凹部２１を有し他
方面にドレンパイプ２２およびハンドル部２３を
有する。ドレンパイプ２２と凹部２１とは、流路
２４により連通する。筒体２０には、金属製の導
通片２５が埋設されその一方端は凹部２１底面上
に伸びて接点２６を形成し他方端は筒体２０外に
至る。筒体２０の外周の一部に溝部２７が設けら
れ該溝部は連通路２８により凹部２１に連通す
る。排水部９は、水位検知部８の環状部１２に螺
着され水位検知部８と一体化する。水位検知部８
の内柱体１６は、排水部９の凹部２１内に位置し
内柱体１６先端の検知体１７は導通片２５の接点
２６に当接する。内柱体１６外周と凹部２１側壁
との間は“Ｏ”リング２９により密封され、また
天板１１と筒体２０との間は、“Ｏ”リング３０
により密封される。

以上のような排出部２は、フイルタ本体１のケ
ーシング底部３に螺着される。３１は“Ｏ”リン
グ、３２は連通路である。ドレンパイプ２２に
は、排水ホース（図示しない）が取付けられ該ホ
ースはたとえばエンジンルーム外に至る。

第１図、第２図において、燃料はフイルタ本体
１の入口５からケーシング３内に流入しフイルタ
エレメント４を流通して出口６から流出する。燃
料中の水分は、フイルタエレメント４に塗着した
撥水剤により凝集落下しあるいは慣性分離されケ
ーシング３下底に溜る。溜つた水の水位が水位検
知部８上端の検知体１７まで達すると、ケーシン
グ３と検知体１７とが導通し図示しない警報器を
作動させる。ハンドル部２３を回わし排水部９を
下降させると、連通口１８と凹部２１、および、
天板１１と“Ｏ”リング間、溝部２７、連通路２
８そして凹部２１間が各々連通し、ケーシング３
内に溜つた水をドレンパイプ２２から燃料フイル
タ外に排出する。排水部９を回し排水する際に、
排水はハンドル部２３側に溢水しない。排出部２
をフイルタ本体１から取外し再度取付けた場合、
ドレンパイプ２２の位置は変動しない。

以上のように本考案は水位検知手段と排水手段
とを一体化するとともにドレンパイプを同軸に設
けかつ排水時に排水が溢水しない構造になつてい
るから排水手動操作時に手を汚さない。また、排
水部の取付けに際し、ドレンパイプは同軸上を回
転しその位置はが一定するから排水ホースの取け
に手間取らず多大な取付空間を占拠しない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の燃料フイルタ断面図、第２
図は、排出部断面図を示す。 １……フイルタ本体、２……排出部、３……金
属ケーシング、８……水位検出部、９……排水
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天板と環状壁とを有する樹脂製ケーシングの天
   板の両面に内外柱体を設け該柱体に検知体を両端
   を露出させて埋設した水位検知部と、一方面に凹
   部を有し他方面に該凹部に連通する流路を設けた
   筒体から成る排水部をケーシング内に配設一体化
   し凹部側壁と内柱体との間でバルブを形成し排水
   部の筒体に前記検知体と連結する導通体を設けた
   排出部を、金属製ケーシング内にフイルタエレメ
   ントを配設して成るフイルタ本体のケーシング底
   部に螺着した燃料フイルタ。