JPS6220935Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、カセツトテープに対する良好なるク
リーニング効果を奏する如く成した磁気テープ用
クリーナに関するものである。

磁気テープにおいては、その磁性表面に磁性粉
末、塵埃等が付着していると、ヘツドとの密着性
が悪くなつてスペーシング損失が極めて大きくな
り、高域特性を著しく悪化させると共に、ドロツ
プアウト及び雑音発生の原因となるものである。
従つて、磁気テープには上記のような信号の記
録、再生に悪影響を与える諸原因の発生しないも
のが望まれるのである。

然し乍、磁気テープをカセツト用に切断する
時、テープエツジに磁性粉末が付着することを回
避できず、また磁気テープの使用中、ヘツドとテ
ープ、及びテープとピンチローラの摩擦により磁
性層から磁性粉が生じ、この粉末がテープに付着
することを余儀なくされ、更に、大気中の塵埃が
付着することも避け得ず、これらの要因は上述し
たようなドロツプアウト、雑音発生等の原因とな
つてしまうものである。

本考案は上述したような点に鑑みなされたもの
であり、カセツトテープに対し本考案を単に係合
させた状態で磁気テープを走行させることに依
り、磁気テープの磁性面を極めて容易にクリーニ
ングすることができ、以つて、上記の如きドロツ
プアウト、雑音の発生を防止することができるよ
うに成すと共に、カセツトテープに対する係合の
安定性、並びに磁気テープに対するクリーニング
のための接触性の良好化を図つたことを特徴とす
る磁気テープ用クリーナを提供するにある。

以下、本考案の構成を図面について詳細に説明
する。

第１図は本考案クリーナを示し、１は板紙等か
ら成る長方形の可撓性基板であつて、その中央部
にはテープ幅より十分大きい発砲樹脂等から成り
かつ所望の厚さを具えたクツシヨン材２が接着さ
れている。３は該クツシヨン材２の上面及び左右
両側面部を磁気テープの走行方向に全面的に覆う
如く積層すると共にその両端部分を基板１の表面
上に接着して成るクリーニング層形成用シルボン
紙であつて、該シルボン紙３はクツシヨン材２の
上面及びこれに連なる磁気テープの走行方向の両
稜線部分（角部分）が磁気テープに対するクリー
ニング作用に従事することとなるものである。

第２図は上記の如き構成を具えた本考案クリー
ナをカセツトテープのクリーニングに適用した際
の使用例を示すものであつて、テープマガジン１
０の前端面中央に形成されている記録再生ヘツド
の挿入用たる窓１１に、本考案クリーナ１２のク
ツシヨン材２全体を係合し、その上面部に積層さ
れているシルボン紙３をテープ１３の磁性面に圧
接させる。この時、マガジン１０内に設けたパツ
ト１４が第３図に示す如くテープ１３をその裏面
側から圧接し、シルボン紙３に対するテープ１３
の圧接力を均一にする。この状態でテープ１３を
駆動装置（図示せず）により巻取り方向あるいは
巻戻し方向に走行させれば、テープ１３の磁性面
に付着している磁性粉末あるいは塵挨等はシルボ
ン紙３によつて払拭され、テープは自動的にクリ
ーニングされることとなる。尚、第２図におい
て、クリーナ１２を消却ヘツドの挿入用たる窓１
５に装着しても、上記の場合とほぼ同様にクリー
ニングを行なうことができるものである。

以上のように本考案クリーナに依れば、基板１
の中央部に設けたクツシヨン材２に積層したクリ
ーニング層形成用シルボン紙３を磁気テープの磁
性面に押付けるのみで、テープ磁性面のクリーニ
ングが可能となるため、テープ磁性面への磁性粉
末等付着によるドロツプアウト、雑音の発生がな
くなり、安定した記録再生が可能になると共に、
クツシヨン材２の存在に基づきテープ磁性面への
シルボン紙３の接触圧が均一となりかつシルボン
紙自体のソフト性とが相まつて、磁性面に対する
損傷の心配性を絶無とする。

更に本考案は、可撓性基板１の中央部に接着さ
れているクツシヨン材２に対し、その上面及び左
右両側面部を磁気テープの走行方向に全面的に覆
う如くクリーニング層形成用シルボン紙３を積層
すると共に、該シルボン紙３の安定はその両端部
分を基板１の表面上に接着することによつて保持
するように図つてあるから、クツシヨン材２はシ
ルボン紙３による囲繞状態に保たれ、該シルボン
紙３の張りによりその表面補強が図られることと
なり、従つて、該クツシヨン材２の局部的不規則
変形、例えばテープマガジンに対する係合時にそ
の稜線部が部分的に凹んでしまいその上面に凹凸
が生ずると云うような弊害発生を絶無とする。

また、本考案は上記の如き構成の採用に基づ
き、クツシヨン材２の稜線部分も良好なるクリー
ニング作用を奏することとなる。すなわち、クリ
ーニング時に於て、クツシヨン材２の上面部分は
磁気テープに対し通常はこれをやや押込む如くし
て圧縮させられるため、その稜線部分が比較的強
く圧縮させられて主たるクリーニング作用を奏す
ることとなるが、例えばシルボン紙をクツシヨン
材２の上面部分のみに貼着した場合、その稜線部
分はクリーニング効果を全く奏さないばかりでな
くかえつて磁気テープを傷付けてしまうと云うよ
うな弊害を生じ、一方、磁気テープの走行力は該
シルボン紙の端部をめくるような力として作用す
るため、長時間の使用に基づきこれが剥離してし
まうと云うような弊害が必然生ずるが、本考案は
上記の如くクツシヨン材２の上面及び左右両側面
部を磁気テープの走行方向に全面的に覆う如くシ
ルボン紙を積層すると云う独自の構成を採用して
いるから、このような問題を全く解消化すること
となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る磁気テープ用クリーナの
一部を切欠して示す斜視図、第２図は本考案クリ
ーナのカセツトテープへの使用状態を示す外観
図、第３図は第２図の−線の断面図である。 １……基板、２……クツシヨン材、３……クリ
ーニング層形成用シルボン紙、１３……テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板紙等から成る長方形の可撓性基板１の中央部
   に、テープ幅より十分大きい発砲樹脂等から成り
   かつ所望の厚さを具えたクツシヨン材２を接着
   し、該クツシヨン材２の上面及び左右両側面部を
   磁気テープの走行方向に全面的に覆う如く積層し
   たクリーニング層形成用シルボン紙３の両端部分
   を、基板１の表面上に接着して、該シルボン紙３
   を安定に保持するように構成したことを特徴とす
   る磁気テープ用クリーナ。