JPS6220911Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、再生モードに切換え操作するための
再生操作部と、記録又は再生動作中にその動作を
一時的に停止させるためのポーズ操作部とを少な
くとも具備する記録再生装置に関するものであ
る。

片手で保持しながらその親指等にてモード切換
え用操作釦を操作するようにしたいわゆるワンハ
ンド操作式の小型カセツトテープレコーダでは、
一般に、親指等によるモード切換え操作を簡便に
行ない得るように、再生釦やストツプ釦等の如く
操作の頻度が高い操作釦を筐体の所定面に配置し
ている。即ち、第１図及び第２図に示すようなマ
イクロカセツト式テープレコーダ１，２では、直
方体の偏平な筐体３，４の側面３ａ，４ａにプツ
シユ式の記録釦５、再生釦（FWD釦）６、巻戻
し釦７、早送り釦８、ストツプ釦９がそれぞれ配
列されている。これによつて、テープレコーダ１
又は２を片手で握つたままの状態で親指等にて操
作釦５〜９を容易に押圧操作することができ、テ
ープレコーダを所望のモードに切換えることがで
きるように配慮されている。

これに対し、ポーズ摘み１０は、第１図のテー
プレコーダ１では操作釦５〜９が配列されている
側面３ａとは別の箇所すなわち筐体３の上面３ｂ
に配設されている。また第２図のテープレコーダ
２では、ポーズ摘み１０は筐体４の側面４ａのう
ちでも親指による操作を比較的行ないにくい箇所
すなわち側面４ａの下部に配設されている。この
ような箇所にポーズ摘み１０を配設した主な理由
は、各種のモード切換用操作釦５〜９の押圧操作
時にこのポーズ摘み１０を誤操作してしまうこと
を防止するためである。

しかしながら、上述の如く構成したテープレコ
ーダ１，２によればポーズ摘み１０の誤操作は防
止できるものの、ワンハンド操作式の小型テープ
レコーダの操作性を考慮した場合、ポーズ摘み１
０の操作を操作釦５〜９と同程度に簡便に行なう
ことができないという不都合がある。このポーズ
摘み１０は比較的に使用の頻度が高く、使い方に
よつては非常に便利でかつ実用的であるが、既述
の如く従来では誤操作防止のためにポーズ摘み１
０を各種の操作釦５〜９から離れた位置に配設し
ているため、このポーズ摘み１０の操作を必要に
応じて迅速に行なうことができない不都合があ
る。そのため従来では、テープレコーダの操作者
がポーズ機能を充分に活用し得ていないのが実状
である。

また特に第１図のテープレコーダ１の場合に
は、ポーズ摘み１０と操作釦５〜９とが離れた位
置に配置されているため、ポーズ摘み１０及び操
作釦５〜９によつてそれぞれ切換えられる複数の
スイツチ、及び各種の回路との間の配線が長くな
つてしまい、コスト高になると共に電気ノイズや
電圧損失等の信頼性低下を来たす欠点がある。

本考案は上述の如き実状に鑑みて考案されたも
のあつて、再生モードに切換え操作するための操
作部であつてかつ筐体の所定面に対してほぼ直交
する方向に操作されて前記所定面からの突出量が
互いに異なる第１及び第２の位置にロツクされる
ように構成された再生操作部と、記録又は再生動
作中にその動作を一時的に停止させるための操作
部であつてかつ前記所定面に対してほぼ平行な方
向に操作されるように構成されたポーズ操作部と
を互いに近接させて前記所定面に配置すると共
に、前記再生操作部が操作されて前記第１の位置
より突出量の少ない前記第２の位置にロツクされ
た場合に、前記第２の位置にロツクされた前記再
生操作部の突出量が前記ポーズ操作部の突出量よ
り少なくなるように構成したことを特徴とする記
録再生装置に係るものである。

このように構成することによつて、ポーズ操作
部を再生操作部と同様に親指等にて操作し易くな
り、またポーズ操作部の誤操作も防止できると共
に、配線上の不都合を無くして信頼性の高い記録
再生装置を提供することができる。

以下本考案をワンハンド操作式の小型カセツト
テープレコーダに適用した一実施例に付き第３図
〜第７図を参照して説明する。

第３図及び第４図に示すように、テープレコー
ダ１２の筐体１３には、その側面１３ａの上方部
に記録釦１５、再生釦１６及びストツプ釦１７が
上下方向に一列状に配列されている。また筐体１
３の上面１３ｂには早送り釦１８及び巻戻し釦１
９が配設されている。なおストツプ釦１７を除く
これらのモード切換用操作釦１５，１６及び１
８，１９は従来公知のプツシユ式押釦であつて、
筐体１３の側面１３ａに対して直交する方向に操
作される。そして、図示を省略したが、操作釦１
５，１６及び１８，１９が前記方向に押圧操作さ
れるのに伴なつて、側面１３ａ及び上面１３ｂに
対して突出量の多い第１の位置から突出量の少な
い第２の位置に移動されてこの第２の位置にロツ
クされるようになつている。

一方、ストツプ釦１７は図示を省略したが所定
の附勢手段によつてその突出方向に常時附勢され
ており、このストツプ釦１７を押圧操作すること
によつて前記操作釦１５，１６，１８，１９が第
２の位置でロツク状態が解除されて第１の位置に
復動されるように構成されている。

また筐体１３の側面１３ａであつてかつ再生釦
１６の側部の近傍にはポーズ摘み２０が配設さ
れ、このポーズ摘み２０が前記側面１３ａに形成
された開口２２内を上下方向に移動可能に取付け
られている。そして第５図に明示するように、ポ
ーズ摘み２０の角部２０ａには、スライド操作が
容易に行ない得るようにローレツト加工が施こさ
れている。なお再生釦１６が第３図及び第６図に
おいて実線で示すように第１の位置にロツクされ
ている場合には、ポーズ摘み２０に対して再生釦
１６の押圧操作面１６ａが突出した位置に配置さ
れ、その突出長さl₁は例えば1.2mm程度である。ま
た再生釦１６が第３図及び第６図において仮想線
で示すように第２の位置にロツクされた場合に
は、再生釦１６に対してポーズ摘み２０の操作面
２０ｂが突出した位置に配置され、その突出長さ
l₂は例えば1.8mm程度である。

また第５図及び第６図に示すように、再生釦１
６に対応して再生モード切換用スイツチ２４がプ
リント基板２５にマウントされている。即ち、上
述のスイツチ２４は一対のリーフスプリング２６
ａ，２６ｂを接触端子として有するものであつ
て、再生釦１６に一体成形されたスイツチ操作部
２７の先端部が上述のリーフスプリング２６ｂに
対応している。さらにプリント基板２５にはスラ
イドスイツチ２８がマウントされており、このス
ライドスイツチ２８の摺動子２８ａと前記ポーズ
摘み２０とが互いに一体に連結されている。

なお図示を省略したが、再生釦１６と再生モー
ド切換用スイツチ２４との配置関係と同様に、既
述の操作釦１５，１８及び１９にはこれらにそれ
ぞれ対応するモード切換用スイツチが配置されて
いる。また本実施例においては、ストツプ釦１７
を除く操作釦が選択的に押圧操作されて前記第２
の位置でロツクされた場合に、上述のモード切換
スイツチが例えばオン状態に切換えられて、押圧
された操作釦に対応したモードにテープレコーダ
１２が切換えられるようになつている。

次に、上述の如く構成したテープレコーダ１２
の操作に付き説明する。

先づテープレコーダ１２を再生モードに切換え
る場合に付き述べると、この再生モードへの切換
えは再生釦１６を第１の位置から第２の位置に押
圧操作してこの第２の位置にロツクすることによ
り行なわれる。即ち、再生釦１６が第２の位置に
ロツクされるのに伴ない、第６図において仮想線
で示すように、スイツチ２４のリーフスプリング
２６ｂが再生釦６のスイツチ操作部２７によつて
押圧変形されて他方のリーフスプリング２６ａに
接続される。この結果、スイツチ２４はオン状態
に切換えられて図外のモード制御回路が作動し、
テープレコーダ１２は再生モード状態に切換えら
れる。

なおこの際、再生釦１６の押圧操作面１６ａは
ポーズ摘み２０のローレツト切りされた角部２０
ａよりも筐体１３の側面１３ａの側に配置され
る。換言すれば、再生モード時にはポーズ摘み２
０の操作面２０ｂは再生釦１６の押圧操作面１６
ａから突出した状態になる。従つて、テープレコ
ーダ１２の操作者はポーズ摘み２０の角部２０ａ
に親指等を当てがつてこのポーズ摘み２０を前記
側板１３ａと平行な方向（第５図及び第６図にお
いて矢印で示す方向）にスライド操作することが
可能となる。

なおこのポーズ摘み２０を例えば上方位置に移
動させた場合には、第７図において実線で示すよ
うに、電源回路３０からサーボモーター３１に所
定の電源が供給されて図外のキヤプスタン及び巻
取リールが所定の回転速度で回転駆動され、所定
の再生動作が行なわれる。一方、ポーズ摘み２０
を親指等にて下方位置にスライドさせた場合に
は、第７図において仮想線で示すように、電源回
路３０からサーボモータ３１には電源が供給され
なくなるため、このサーボモーター３１の回転が
停止され、これに伴ない再生動作が一時的に停止
されることになる。そして操作者がポーズ摘み２
０を必要に応じて上方位置に再びスライドさせれ
ば、既述の如き再生動作が再び開始される。

また記録モードへの切換えは、記録釦１５及び
再生釦１６を同時に押圧操作してこれらを第２の
位置にそれぞれロツクすることにより行なわれ
る。この際にも、既述の再生モード時の場合と同
様にポーズ摘み２０が再生釦１６から突出した状
態となるので、このポーズ摘み２０を親指等にて
スライド操作することによつてテープレコーダ１
２を記録モード状態又はポーズモード（一時停
止）状態に必要に応じて任意に切換えることがで
きる。

上述の如く構成したテープレコーダ１２によれ
ば、ポーズ摘み２０を再生釦１６の近傍位置すな
わち親指等により最も操作の行ない易い箇所に配
置し、かつ記録及び再生モード時にはポーズ摘み
２０の操作面２０ｂを再生釦１６の押圧操作面１
６ａから突出させるように構成したので、記録及
び再生モード時におけるポーズ摘み２０のワンハ
ンド操作すなわち片手の親指等による切換え操作
を非常に簡便にしかも必要に応じて迅速に行なう
ことが可能となる。また記録及び再生モード時以
外の時にはポーズ摘み２０は再生釦１６から筐体
１３の側面１３ａの側に引つ込んでいるように構
成すると共に、ポーズ摘み２０と再生釦１６の操
作方向を既述の如く互いに異なるようにしたの
で、記録釦１５又は再生釦１６の押圧操作時或い
は記録及び再生モード時以外の時にポーズ摘み２
０に親指等が不測に引つ掛かつてこのポーズ摘み
２０を誤操作してしまうのを効果的に防止でき
る。

さらに、ポーズ摘み２０と再生釦１６とを互い
に近接配置したことにより、これらにそれぞれ対
応するスイツチ２４及び２８の配線を例えば第７
図に示す如く簡素な構成で行なうことができ、比
較的短い経路の配線で済むことになる。この結
果、配線に要するコストの低減化が可能になると
共に、電気ノイズや電圧損失等の発生を抑えるこ
とができ、テープレコーダ１２の信頼性を大巾に
向上させることができる。

以上本考案を一実施例に付き説明したが、本考
案はこの実施例に限定されるものではなく、本考
案の技術的思想に基いて各種の変形が可能であ
る。

例えば、本実施例においては、ポーズ摘み２０
をスライドスイツチ２８の摺動子に連結して筐体
１３の側面１３ａに対して平行な方向にスライド
操作するように構成したが、これに限ることな
く、ポーズ摘み２０を回動スイツチの回動レバー
に連結するようにしてもよい。この場合にも、ポ
ーズ摘み２０を前記側面１３ａに対してほぼ平行
な方向に操作することができる。

以上の如く本考案は、筐体の所定面に対してほ
ぼ直交する方向に操作される再生操作部（例え
ば、実施例で示した再生釦１６）と、前記所定面
に対してほぼ平行な方向に操作されるポース操作
部（例えば、実施例で示したポーズ摘み２０）と
をそれぞれ具備し、前記再生操作部と前記ポーズ
操作部とを互いに近接させて前記所定面に配置す
ると共に、前記再生操作部が操作されて前記第１
の位置より突出量の少ない前記第２の位置にロツ
クされた場合に、前記第２の位置にロツクされた
前記再生操作部の突出量が前記ポーズ操作部の突
出量より少なくなるようにしたものである。故に
本考案の記録再生装置によれば、記録又は再生モ
ード時にポーズ操作部を再生操作部と同様に親指
等にて簡便にかつ所望に応じて迅速に操作するこ
とができ、しかもこれらの操作部の操作方向が互
いに直交する方向であるため、ポーズ操作部を誤
操作してしまうのを効果的に防止できる。その
上、これらの操作部を近接配置したことにより、
配線を節約して簡素にすることができる。この結
果、電気ノイズや電圧損失等を抑えることができ
て装置の信頼性を向上させることができると共
に、装置のコストダウンも可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のワンハンド操作式の
小型カセツトテープレコーダをそれぞれ示す斜視
図である。第３図〜第７図は本考案をワンハンド
操作式の小型カセツトテープレコーダに適用した
一実施例を説明するためのものであつて、第３図
はテープレコーダの正面図、第４図はテープレコ
ーダの側面図、第５図は再生釦、ポーズ摘み、及
びこれらに関連するスイツチの取付状態を示す斜
視図、第６図は同上の正面図、第７図は再生釦及
びポーズ摘みに関連したスイツチの配線図であ
る。 なお図面に用いられている符号において、１２
……テープレコーダ、１３……筐体、１３ａ……
側面、１６……再生釦、２０……ポーズ摘み、で
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 再生モードに切換え操作するための操作部であ
   つてかつ筐体の所定面に対してほぼ直交する方向
   に操作されて前記所定面からの突出量が互いに異
   なる第１及び第２の位置にロツクされるように構
   成された再生操作部と、記録又は再生動作中にそ
   の動作を一時的に停止させるための操作部であつ
   てかつ前記所定面に対してほぼ平行な方向に操作
   されるように構成されたポーズ操作部とをそれぞ
   れ具備し、前記再生操作部と前記ポーズ操作部と
   を互いに近接させて前記所定面に配置すると共
   に、前記再生操作部が操作されて前記第１の位置
   より突出量の少ない前記第２の位置にロツクされ
   た場合に、前記第２の位置にロツクされた前記再
   生操作部の突出量が前記ポーズ操作部の突出量よ
   り少なくなるように構成したことを特徴とする記
   録再生装置。