JPS62208261A - シアル酸類を活性成分とする食品添加剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は食品添加剤の分野に属するもので、病原菌の感
染予防作用を存するシアル酸類を有効成分とする食品添
加剤に関するものである。特に、それを食品に添加する
ことにより、病原菌の感染による下痢症状等を予防する
機能を食品に付与するのに利用するものである。

〔従来の技術とその問題点〕

シアル酸類は、血液タンパク質、哺乳動物の乳、脳糖脂
質等に多く含まれているピルビン酸とＮ−アセチルマン
ノサミンが結合した酸性糖であって、細胞の病原性微生
物やウィルスレセプター活性、糖脂質の神経細胞増殖促
進活性等に関与する糖として、近年注目されている０、 しかし、シアル酸類はそれを含む天然物から調製するこ
とが困難であって入手が容易でないこと、及び上述した
生理活性もｉｎ　ｖｉｔｒｏ　　で確認されたものであ
って、生体での活性については未だ確認されていない等
の理由から、シアル酸類の実用上の利用については殆ど
みられないのが現状である。

本発明の目的は、シアル酸類がｉｎ　ｖｉｖｏ　　でも
ｉｎ　ｖｉｔｒｏと同様の生理活性を有することを確か
めることにより、いままで行われていなかったシアル酸
類の食品添加剤としての利用における問題点を解決する
にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、シアル酸類を有効成分とする病原菌の感染予
防活性を有する食品添加剤にある。

本発明者は、牛乳より調製して得られたシアル酸類の利
用について検討している過程で、シアル酸類が病原性微
生物やウィルスのヒト上皮細胞への付着を阻止する活性
を有するとの知見を得た。

すなわち、ヒトが病原性微生物やウィルスにより感染す
る第１段階は、ヒト上皮細胞にこれらの病原菌が付着す
ることであることから、シアル酸類が上記活性を有する
ことは病原菌の感染防御因子として作用し得ることであ
る。

本発明は、上述のようにｉｎ　ｖｉｖｏ　　でも病原菌
の感染予防活性を有するシアル酸類を食品へ添加するこ
とにより、食品に病原菌の感染を予防する機能を付与す
るための食品添加剤を提供することができる。

以下、本発明の詳細な説明する。

本発明の特徴は、シアル酸類を病原菌の感染を予防する
ための食品添加剤として利用することにある。ここでい
うシアル酸類として、この範晴に含まれるものは例えば
、Ｎ−アセチルノイラミン酸、Ｎ−アセチルノイラミン
酸結合オリゴ糖があり、更にガングリオシドが挙げられ
る。

本発明において有効成分として用いられるシアル酸類は
、牛乳のような乳質原料を電気透析により脱塩した後、
イオン交換樹脂に通してシアル酸類を該樹脂に吸着させ
、次いでそれを溶出して得られる液を噴霧乾燥又は凍結
乾燥することにより調製したもの、或いは市販のガング
リオシドが用いられる。

本発明では、上述のようなシアル酸類を１日当たりの摂
取量が５ｍｇ以上になるように食品に添加して用いる。

５ｎ＋ｇ未満では添加の効果は勿論あるが充分とはいえ
ない。例えば、牛乳に添加して用いる場合には、１日２
０〇−飲用するとしてシアル酸類を２．５Ｂ重量％以上
添加し、また、バターの場合には１日２０ｇを食用とす
るとして２５ｍｇ重量％以上添加するとよい。対象食品
としては、一般食品、乳製品、飲料及び健康食品等、広
範囲のものに用いられる。

なお、食品の種類により、その１日当たりの食用量が異
なるため、その量に応じてシアル酸類の添加量を、上述
した通りの摂取量になるように調整することが望ましい
。

次に、牛乳より調製したシアル酸類の病原菌の感染防御
作用を調べた結果を以下に述べる。

試験方法： 供試菌として病原性大腸菌およびロタウィルスを用い、
単層培養したヒト小腸由来株化細胞４０７株上にシアル
酸類を１１０１Ｉ重量％含むトリチウムラベルした大腸
菌並びにロタウィルスの各懸濁液をそれぞれ加え、３０
℃で１時間反応させた後、細胞に付着した大腸菌量並び
にロタウィルス菌量を液体シンチレーションカウンター
で測定した。なお、対照としては、シアル酸類を含まな
い大腸菌並びにロタウィルスの各懸濁液を用いて同様の
操作を行った。

結果は、大腸菌については、第１図及びロタウィルスに
ついては、第２図にそれぞれ示した。

第１図並びに第２図に見られる通り、対照では反応時間
の経過と共に細胞に付着した大腸菌量並びにロタウィル
ス菌量が急激に増加するのに対して、シアル酸類を添加
した細胞では増加の傾向が対照に比べて低いことが認め
られる。

次に、シアル酸類を実際に生体に与えた場合の病原菌の
感染防御作用を調べた結果を以下に述べる。

試験方法： 試験動物として日令３０日のラットを用い、このラフ）
１０匹から成る各試験区にシアル酸類を０〜５０ｍｇ重
量％添加した餌をそれぞれ給与し、各ラットに病原性大
腸菌の一定量を経口投与して、下痢の発生率を調べた。

結果は第１表に示す通りである。

第１表 第１表から明らかなように、シアル酸類を１日当たり５
Ｂ以上摂取したラットでは、下痢発生率が著しく低下す
ることが認められる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、シアル酸類は、前述の通り病原性微生
物やウィルスの感染予防に優れた活性を有することから
、それを各種食品へ適量添加することにより、食品にこ
れら病原菌の感染に因る症状、例えば下痢などの発生の
防止等の機能を付与することが可能となり、食生活上に
与える影響が大きい。

因に、シアル酸類はそれを添加することにより、食品本
来の風味を損なうことがなく、連用による副作用もみら
れないので、食品添加剤として有効に適用し得る。

以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する
。

〔実施例〕

シアル酸類を添加した食品の機能： 牛乳シアル酸類粉末を配合した餌を給与したラットを用
い、これに病原性大腸菌を経口投与して下痢の発生率を
測定した。

試験方法： 日令３０日のラット２０匹から成る群を試験動物として
用い、その一群には上記シアル酸類を１０ｍｇ重量％添
加した餌を投与し、他の一群にはシアル酸類を添加しな
い同じ餌を投与した。

次いで、それぞれの群に病原性大腸菌の一定量（１０１
０個／ｍ１を含む液５ｍＺ）を経口投与した後、それら
の下痢発生率を測定した。

結果は、第２゛表に示した。

第２表 第２表にみられるように、本発明に従ってシアル酸類を
添加した餌を投与した群では、無添加の群に比べて下痢
の発生率が有意に低かった。

【図面の簡単な説明】

第１図は、シアル酸類添加によるヒト上皮細胞における
病原性大腸菌の付着阻止の効果を示すグラフ、 第２図は、シアル酸類添加によるロタウィルスの細胞付
着阻止の効果を示すグラフである。 Ｏ・・・シアル酸類添加　　　×・・・無添加；　　　
　　茅１１カ さ ！した時間（介） 反に時間（倉）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、シアル酸類を有効成分とする病原菌の感染予防活性
   を有する食品添加剤。 ２、シアル酸類が、Ｎ−アセチルノイラミン酸である特
   許請求の範囲第１項記載の食品添加剤。 ３、シアル酸類がＮ−アセチルノイラミン酸結合オリゴ
   糖である特許請求の範囲第１項記載の食品添加剤。 ４、シアル酸類が、ガングリオシドである特許請求の範
   囲第１項記載の食品添加剤。