JPS6220706Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関用点火装置の回転センサの改
良構造に関するものである。

従来、内燃機関用回転センサはデイストリビユ
ータに内蔵され、機械式高電圧分配機構部もいつ
しよに内蔵されていた。そして、この高電圧分配
機構部はデイストリビユータのカバーを利用して
いるため、回転センサの検出ヘツドとカバーとは
別別にデイストリビユータハウジングに組付けら
れていた。

このため、回転センサの検出ヘツドは、デイス
トリビユータに一旦組付けた上で出力などの調整
をしなければならず、非常に工数がかかるという
欠点がある。

ところで、近年、従来デイストリビユータ固有
の点火進角度制約の解消や、電波雑音低減を目的
とした電気式高圧分配が注目されている。この電
気式高圧分配機構においては、機械部分を持たな
いため、デイストリビユータのカバーを利用する
必要がない。そこで、本発明は、このような電気
式高圧分配機構を有する内燃機関の回転センサの
構造を、検出ヘツドと（信号処理回路と）カバー
とが一体となつた構造とすることにより、回転セ
ンサにかかる工数を低減することを目的とするも
のである。

以下本考案の実施例を図を用いて説明する。第
１図は本考案センサを用いた点火装置のブロツク
図である。１は回転センサであり、内燃機関の回
転角あるいは基準位置を検出する。２はイグナイ
タユニツトであり、回転センサ１の信号に従つて
ダブル点火コイル３の電流の通電、遮断を制御
し、必要に応じて点火時期あるいは閉角度も演算
する。又イグナイタユニツト２は点火信号の各気
筒への分配を行なう電気式高圧分配機構部を持つ
ており、４気筒の場合はダブル点火コイル３を２
個用いて電気式高圧分配を行うことができる。４
は内燃機関の各気筒に設けた点火プラグである。
回転センサ１はシグナルロータ１１、検出ヘツド
１２、信号処理回路１３で構成されるが、信号処
理回路１３は必要に応じてイグナイタユニツト２
に組込んでもよい。シグナルロータ１１は表面に
着磁した磁性体、円周上に突起を持つたロータ等
でできており、図示しないクランクシヤフトと機
械的に連結された回転軸に取り付けられている。
検出ヘツド１２はサーチコイル、ホール素子、磁
気抵抗素子等でできており、シグナルロータ１１
の情報を検出して、回転角あるいは基準位置又は
その双方について信号を発生する。信号処理回路
１３は検出ヘツド１２の信号を処理するもので、
増幅回路、波形整形回路等により構成される。

第２図は本考案センサの第１実施例を示すもの
であり、５は合成樹脂製のカバー、６は金属製の
本体ハウジングである。カバー５の内側には少く
とも検出ヘツド１２が樹脂成型により一体となつ
ており、必要に応じて信号処理回路１３やイグナ
イタユニツト２も樹脂成型により一体となつてい
る。本体ハウジング６内にはシグナルロータ１１
が回転自在に保持されており、内燃機関の適切な
場所に組付けられている。カバー５は本体ハウジ
ング６にシグナルロータ１１を覆つて図示せぬビ
ス等により組付けられ、回転センサが完成する。

上記構成によれば、カバー５が本体ハウジング
６に組付けられると、それだけで検出ヘツド１２
とシグナルロータ１１とが対向し、回転角あるい
は基準位置を検出してイグナイタユニツト２に信
号を送ることができる。こうして、従来のごとく
検出ヘツド１２あるいは信号処理回路１３を本体
ハウジング６に組付け、さらにカバーを組付ける
というめんどうな手順をふまなくても、カバー５
を本体ハウジング６に組付けるだけで回転センサ
としての機能を果すことができる。

さらに、第２図において、検出ヘツド１２とシ
グナルロータ１１の組合せによつては、その相互
の距離を正確に決める必要のある場合があるため
それに対処してある。５１はカバー５の検出ヘツ
ド１２に樹脂により一体に設けられた突起で、６
１は本体ハウジング６内に付けられたくぼみであ
り、カバー５の組付時に突起５１とくぼみ６１と
よりなる位置決め用凹凸部が組合わされるように
することによつて、検出ヘツド１２とシグナルロ
ータ１１の間の距離を正確に決めることができ
る。

第３図は本考案の第２実施例を示すもので、本
体ハウジング６はストツパー６２を持つており、
カバー５の組付時に検出ヘツド１２が位置決め用
凹凸部をなすストツパー６２と接触している状態
にしておくことによつて、検出ヘツド１２とシグ
ナルロータ１１との間の距離を正確に決めること
ができる。

以上述べたように本考案においては、電気式高
圧分配方式の点火装置を持つ内燃機関の回転セン
サにおいて、回転センサの合成樹脂製のカバー
に、検出ヘツドを樹脂成型により一体に設けたか
ら、カバーの成型樹脂自体によつて検出ヘツドを
カバーに一体化することができ、部品点数が少な
く、かつカバーを本体ハウジングに組付けるとい
う少ない工数だけで回転センサを構成できるとい
う優れた効果がある。さらに、検出ヘツドと本体
ハウジングとの少なくとも一方に位置決め用凹凸
部を形成するのみで、検出ヘツドとシグナルロー
タとの間の距離を一定に保つて、正確に回転を検
出することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案センサを適用する点火装置の一
実施例を示すブロツク図、第２図および第３図は
本考案センサの第１および第２実施例を示す分解
斜視図である。 １……回転センサ、２……電気式高圧分配機構
部を含むイグナイタユニツト、５……カバー、６
……本体ハウジング、１１……シグナルロータ、
１２……検出ヘツド、５１，６１……位置決めの
ための突起とくぼみ、６２……位置決めのための
ストツパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気式高圧分配機構部を有する内燃機関用点火
   装置において、シグナルロータと、このシグナル
   ロータを回転自在に保持する本体ハウジングと、
   この本体ハウジングに前記シグナルロータを覆つ
   て組付けられる合成樹脂製のカバーと、このカバ
   ーに樹脂成型により一体に設けた検出ヘツドを備
   え、かつ前記検出ヘツドと前記シグナルロータと
   の間の距離を一定に保つて前記検出ヘツドを前記
   本体ハウジングに位置決めする位置決め用凹凸部
   を、前記検出ヘツドと前記本体ハウジングとの少
   なくとも一方に形成してなる内燃機関用点火装置
   の回転センサ。