JPS6220539Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はコンクリートで成形した枠体の肉厚
内部に流水管を埋設状に設け、該流水管の一端を
流入管に、他端を送水管として該送水管を建物に
配設するようにした水道管の配設構造に関するも
のである。

周知のように一般家庭では水道本管から各家庭
ごとに技管を延設し、技管を複数に分岐して先端
に蛇口を取付け、水道水としている。しかし地
震、火災その他の災害により断水することが多々
有り、断水したときには汲置水がないと生活が著
しく不便になる。

そこで本考案は水道本管から分岐する技管に長
尺な流水管を接続し、流水管から送水管を延設し
て各蛇口に配管し、断水したときには流水管の内
部に溜る水を飲料水などとして利用することによ
り地震、その他の災害時の断水に対処させるよう
にしたものである。

以下に本考案を図面の実施例により説明すると
１はコンクリートで成形した枠体で底面部分２と
側壁部分３とからなり、底面部分２と側壁部分３
との一方又は両方の肉厚内部に流水管４を埋設状
に設ける。図面の実施例では流水管４を側壁部分
３の肉厚内部に設けてあつて螺旋状となつている
が、底面部分２の肉厚内部に蛇行状に設けてもよ
い。そして上記した流水管４の下側一端は枠体１
の上方に延出させ、逆流防止弁５を介して送水管
６を接続する。また流水管４の上側他端は開閉弁
７を介して流出管８を接続する。

上記した枠体１は例えば直径が２ｍ、高さが１
ｍ程度で、長尺な流水管４を底面部分や側壁部分
の肉厚内部に配管することにより水の貯留部分と
することができる。この枠体１は例えば一般家庭
の建築物において床下や庭の地中に埋設状に設置
するもので、開放上面に適宜に開閉蓋を設けて枠
体内部を地下収納庫に利用することができる。そ
して送水管６を量水器を介して水道本管に接続
し、流出管８を適宜に分岐して建物内に配管し、
各蛇口に接続すれば水道水は流水管４を伝わつて
各蛇口から供給される。

したがつて通常では水道本管と蛇口との間に流
水管４が介在しただけであつて通常の水道水とし
て利用することができる。そして断水時には流水
管４内の水が逆流防止弁５により水道本管側に流
れないので、この逆流防止弁５の部分又はその近
くに設けたジヨイント部分（図示せず）を外し、
手動又は電池式のポンプにより流水管４内の水を
汲み出して飲料として利用することができる。
又、流水管４の途中に三方切換弁を介して技管を
接続し、この技管の途中に吸引ポンプを取付けれ
ば、断水時に三方切換弁を切換えて吸引ポンプを
駆動するだけで流水管内の水を取出すことができ
る。なお流水管の水を取出す場合には開閉弁７と
いずれかの蛇口を開けて空気を導くようにすれば
よい。

又、図面で示すように逆流弁５の近くの流水管
に技管９を接続して開閉弁１０を設けてもよい。
この場合、常時開閉弁１０を閉じておけば送入管
６からの水道水は流出管８に流れる。そして断水
時に技管９の先端に手動式又は電池式のポンプを
接続して開閉弁１０を開けると、該ポンプの作動
で流水管４内に空気が圧送されるので、流水管４
内の水を流出管８に流し出して使用に供すること
ができる。

以上で明らかなように本考案によればコンクリ
ート製枠体の肉厚内部に流水管を埋設状に設けて
水道水の貯留部としたので、断水時には汲置水が
なくても緊急用の水として使用することができ
る。そして通常では流水管に水道水が流れている
ので腐敗したり雑菌が混入することがなく衛生的
である。また枠体はコンクリートで成形してある
ので耐久性、耐火性、耐震性などに富み、破壊す
ることがないので長期間の使用に耐えることがで
きる。

また枠体は地中に埋設されているので流水管の
水は地熱と熱交換されるので夏が冷たくて冬が温
かいばかりでなく、枠体内部を地下収納庫に利用
すると流水管の水により常に冷却されることにな
り、例えば生鮮食品の保存に効果的である。又、
枠体の肉厚内部に配管された流水管はコンクリー
トの補強をする役目も有り、前記したコンクリー
トの特性と相俟つて半永久的に使用することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す一部を欠截した正
面図である。 １……枠体、４……流水管、６……送水管、８
……流出管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリートで成形した枠体の肉厚部に流水管
   を埋設状に設け、該流水管の一端に水道本管から
   の水道水が流入する流入管を接続し、流水管の他
   端に接続した送水管を建築物内に配管するように
   した水道管の配設構造。