JPS6220383Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、前、後車輪の中間部にエンジンが配
設された自動二輪車に係り、特にそのスタンド取
付け構造に関するものである。

従来技術およびその問題点 従来の自動二輪車におけるメインスタンドは、
前後方向車体中心より後方（車輌重心側）に配設
されているのが普通であり、そのため、メインス
タンドを起立させて後輪を浮かす際、比較的大き
な力を必要とする。

問題点を解決するための手段 本考案は斯かる事情に鑑みて、自動二輪車にお
けるスタンド取付け位置、ないし取付け構造を改
良したものであり、その目的とする処は、従来の
スタンドに比して、相対的に小さな力で起立操作
を行い得るメインスタンドを備えた自動二輪車を
提供する点にある。

実施例 以下、第１図ないし第４図に示した本考案の一
実施例について説明する。

自動二輪車１のヘツドパイプ２には、左右一対
の上メインフレーム３、および下メインフレーム
４が固着されており、前記下メインフレーム４の
所定位置において垂下状に延設された左右一対の
スタンドステー５は、下メインフレーム４に懸吊
式に配設されたエンジンＥの前部両側方にあつ
て、エンジンＥの下端高さ水準まで伸長してお
り、同スタンドステー５の下端部であつて、前後
方向車体中心より前方に位置するように、メイン
スタンド８が傾動回動自在に枢支されている。

すなわち、両スタンドステー５の下端部には、
開脚形状のメインスタンド８の支持ブラケツト９
に枢着されたスタンド軸７が回転自在に支持さ
れ、スタンド軸７の若干下方に位置して、メイン
スタンド８の起立姿勢を規制するストツパー軸１
１が枢着され、さらに前記スタンド軸７の若干上
方位置に、一対の鉤止片１４，１５を備えた鉤止
軸１２が回転自在に支持されている。

前記鉤止片１４，１５は、先端部に顎１４ａ，
１５ａを有しており、しかも鉤止片１４は鉤止軸
１２の端部に嵌装されたコイルスプリング１３に
よつて、第２図において反時計回り方向に回転す
るように付勢され、また鉤止片１５に回転自在に
枢支されたワイヤー取付け片１６にリリーズワイ
ヤー１７の一端部が係止されている。

前記リリーズワイヤー１７は、スタンドステー
５に突設されたブラケツト６によつて、支持ガイ
ドされ、また他端部は図示されないハンドレバー
の一端部に係止されている。

さらに、鉤止片１４，１５の顎１４ａ，１５ａ
と、支持ブラケツト９に形成された一対の顎１０
とは、メインスタンド８が起立状態にある時、相
互に係合して、メインスタンド８がロツクされる
ようになされている。

なお、エンジンＥの底壁には、左右一対のステ
ツプ２１を支持する軸２０が取付けられ、軸２０
にブレーキペダル２２が傾動自在に枢支されてい
る。

本実施例は、前記のように構成されており、第
１図、第２図に示すように収納状態にあるメイン
スタンンド８のスタンドレバー８ａを操作して、
引張りコイルスプリング１８の引張り力に抗して
メインスタンド８を起立させると（第３図参
照）、メインスタンド８の支持ブラケツト９がス
トツパー軸１１によつて回転を規制され、同時に
支持ブラケツト９の顎１０に対して、鉤止片１
４，１５の顎１４ａ，１５ａが係合し、メインス
タンド８は完全にロツクされ、前、後いずれの方
向へも回転しない状態となる。このスタンド起立
状態では、前車輪が浮き、後車輪は接地したまま
である。

次いで、メインスタンド８を収納姿勢にする場
合には、リリーズワイヤー１７を操作して、鉤止
片１４，１５をコイルスプリング１３の弾発力に
抗して回転させると、顎１４ａ，１５ａと支持ブ
ラケツト９の顎１０との係合が解除され、メイン
スタンド８が跳ね上り、収納姿勢になる。この収
納姿勢では、両スタンドステー５間の幅長を越え
て拡がつたその左、右の脚部がエンジンＥの下端
高さ水準にて車体後方へ向つて伸長している。

前記構成および作用の説明から明らかなよう
に、本実施例では、メインスタンド８が前後方向
車体中心より前方位置でスタンドステー５に支持
されているため、メインスタンド８を起立させる
時には、比較的軽量の前車輪側が浮き、後車輪が
接地したままであり、従来のものに比して、スタ
ンド起立操作が楽である。

また、一対のスタンドステー５が、エンジンＥ
の前部両側方に配位されているため、ストツパー
軸１１、鉤止軸１２を含めてエンジン保護部材
（エンジン・ガード）を兼ねることになり、両ス
タンンドステー５間の幅長を越えて拡がつた左、
右の脚部を有し、ほぼ水平の収納姿勢で車体後方
へ向つて伸長する開脚形状のメインスタンド８も
全体として有効なエンジン保護部材（エンジン・
アンダーガード）となる。

しかも、下メインフレーム４にスタンドステー
５を垂下状に延設した構造では、メインスタンド
の支持部を高くして最低地上高を稼ぐことができ
る。

さらに、鉤止片１４，１５によつて、メインス
タンド８のロツクを行う構造では、特に遠心クラ
ツチ式、あるいはオートマチツク・クラツチ式の
エンジンを搭載した車輌において有効に機能す
る。

なお、前記実施例におけるエンジンＥは、水平
型であるが、直立型エンジン搭載車輌において
も、本考案を効果的に適用し得る。

考案の効果 以上、実施例の説明から明らかなように、本考
案では、前、後車輪の中間部にエンジンが配置さ
れた自動二輪車において、ヘツドパイプに連結さ
れ、車体後方へ伸長するフレーム部材に、垂下状
に延設された左右一対のスタンドステーと、各ス
タンドステーの下部に回転自在に支持された開脚
形状のメインスタンドとを有し、前記両スタンド
ステーはエンジンの前部両側方にあつて、エンジ
ンの下端高さ水準にまで伸長しており、かつ前記
メインスタンドは、前後方向車体中心よりも前方
位置でスタンドステーに支持されるとともに、跳
ね上げられた収納姿勢で、両スタンドステー間の
幅長を越えて拡がつたその左、右の脚部がエンジ
ンの下端高さ水準にて車体後方へ向つて伸長する
構成を採用したため、相対的に軽量な前車輪側を
持ち上げるスタンド起立操作が楽であり、しか
も、スタンドステーおよびメインスタンドが、エ
ンジン保護部材（エンジン・ガード、エンジン・
アンダーガード）を兼ね、別体エンジン保護部材
が不要であり、車体の軽量化、車輌製作経費の削
減を計り得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るメインスタン
ドを備えた自動二輪車の右側面図、第２図は同要
部左側面図、第３図は前記メインスタンドの支持
構造を示す説明図、第４図は第２図における−
線矢視図である。 １……自動二輪車、２……ヘツドパイプ、３…
…上メインフレーム、４……下メインフレーム、
５……スタンドステー、６……ブラケツト、７…
…スタンド軸、８……メインスタンド、９……支
持ブラケツト、１０……顎、１１……ストツパー
軸、１２……鉤止軸、１３……コイルスプリン
グ、１４……鉤止片、１４ａ……顎、１５……鉤
止片、１５ａ……顎、１６……ワイヤー取付け
片、１７……リリーズワイヤー、１８……引張り
コイルスプリング、２０……軸、２１……ステツ
プ、２２……ブレーキペダル、Ｅ……エンジン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前、後車輪の中間部にエンジンが配置された自
   動二輪車において、 ヘツドパイプに連結され、車体後方へ伸長する
   フレーム部材に、垂下状に延設された左右一対の
   スタンドステーと、各スタンドステーの下部に回
   転自在に支持された開脚形状のメインスタンドと
   を有し、前記両スタンドステーはエンジンの前部
   両側方にあつて、エンジンの下端高さ水準にまで
   伸長しており、かつ前記メインスタンドは、前後
   方向車体中心よりも前方位置でスタンドステーに
   支持されるとともに、跳ね上げられた収納姿勢
   で、両スタンドステー間の幅長を越えて拡がつた
   その左、右の脚部がエンジンの下端高さ水準にて
   車体後方へ向つて伸長することを特徴とする自動
   二輪車。