JPS62199785A - 電気防食用不溶性電極の取り付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、鉄筋コンクリート構造物表面に装着されて
、その鉄筋を電気防食するための電極体に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

コンクリート構造物中の鉄筋は、例えば、臨海または海
洋環境下においては、海水、潮風または気温の変化等に
起因するコンクリートの中性化やコンクリート中の塩水
濃度の上昇に伴って腐食し、それによってコンクリート
構造物の強度が低下するので、このような腐食を受は易
いコンクリート中の鉄筋を防食するために、従来電気防
食が利用されている。

この電気防食は、コンクＩ）　−ト構造物表面に電極を
取υ付けて、電解質であるコンクリートを介して、この
電極からコンクリート中の鉄筋中に、腐食電流に対抗す
る防食電流を供給し、それによって、その鉄筋を飽和硫
酸銅電極基準に対して一８５ＯＦＦＩＶよりも低い電位
に維持して、その腐食を防止するもので、それには例え
ば、コンクリート構造物表面に線状電極を網状に固定し
てその全面にセメントモルタルを吹き付けたシ、あるい
は溶融亜鉛をコンクリート表面に吹き付けて硬化させた
ものを電気防食用の犠牲陽極とする方法が知られている
。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、これらの電気防食法は、一般にコンクリ
ート構造物の上面には比較的容易に適用することができ
ても、流動状態のモルタルや溶融亜鉛を使用しなければ
ならないために、前記構造物の垂直面や下面に対して適
用することは技術的に困難であり、しかも、前記の線状
電極をモルタルの吹付によってコンクリート構造物に固
定する方法では１モルタルを付着させようとするコンク
リートが硬化後長時間経過していると、その表面はモル
タルとの接着性が弱くなるため、これを避けるにはコン
クリート表面を十分前処理する必要があシ、またその表
面処理を施してもモルタルの接着力は経時的に低下して
いく結果、そのモルタルはコンクリート表面から剥離し
、しかもこのモルタルの吹付には規模の大きい機材を必
要とするために施工場所が制限される上に、モルタルを
均一に吹き付けるために施工者の熟練を必要とし、さら
に硬化性のモルタルを使用するところから、作業時間と
作業温度を考慮しながら施工しなければならないという
多くの欠点があシ、一方、溶融亜鉛をコンクリート表面
に吹き付けて硬化させたものを電気防食用の犠牲陽極と
する前記方法では、して、遂に亜鉛陽極がコンクリート
表面から剥離するという問題があった。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は、上記のような状況に鑑みて発明されたもの
で、構造が簡単で、どのような場所にも容易に、しかも
強固に取り付けることができ、かつコンク’Ｊ　−ト表
面との間で良好な接触状態を維持することによって、十
分な大きさの防食電流を長期にわたり安定して供給でき
る電気防食用の電極体を提供することを目的とし、 ｆｉｌ　　コンクリート構造物表面に取υ付けられて、
そのコンクＩＪ　　）中の鉄筋を電気防食するための電
極体であって、この電極体が、難溶性電極と、イオン電
導性まだは電子電導性を有する軟質繊維状または軟質海
綿状の帯状体または板体からなる接触層と、これらの電
極および接触層を、その接触層を前記コンクリート構造
物と前記電極との間に挾んで前記コンクリート構造物表
面に圧接固定させる取付具とを含むことを特徴とする、
前記電極体、および （２）　　コンクリート構造物表面に取り付けられて、
そのコンクリート中の鉄筋を電気防食するための電極体
であって、この電極体が、難溶性電極と、イオン電導性
または電子電導性を有する軟質繊維状または軟質海綿状
の帯状体または板体からなる接触層と、絶縁板と、これ
らの電極、接触層および絶縁板を、前記電極を前記絶縁
板と前記接触層との間に挾んで、前記接触層が前記コン
クリート構造物に接触する向きに、あるいは前記接触層
を前記絶縁板と前記電極との間に挾んで、前記電極が前
記コンクリート構造物に接触する向きに、前記コンクリ
ート構造物表面に圧接固定させる取付具とを含むことを
特徴とする、前記電極体、に係わるものである。

〔作用〕

この発明における接触層は、電極とコンクリート構造物
との電気的な接触を増進して、これらの間に介在する接
触抵抗を低下烙せるとともに、この発明の電極体は取付
具によって長期にわたりコンクＩＪ　−ト構造物に圧接
され１強固な装着状態を維持する。

〔実施例および実施例に基づく効果〕

ついで、この発明の電極体を実施例によシ図面を参照し
ながら説明する。

実施例１ 第１図は、この発明による電極体の一例を、コンクリ−
ト供試体１に取り付ける前の個々の部材に分けて示した
水平断面図であり、そして第２図はこの電極体Ａをコン
クリート供試体１に一体に取り付けた状態を示す斜視図
である。

図示されるように、鉄筋２の腐食を促進するために、予
め食塩を０．５チ添加したコンクリートに亘径：１０鶏
の鉄筋７本を平行、かつ５０１ｍの間隔で等間隔に埋め
込んで硬化させ、それによって４　Ｑ　Ｑ　ｔｎ　Ｘ　
５　Ｑ　Ｑ　ｗｂ　Ｘ　２Ｑ　Ｑ　ｍの直方体を呈する
コンクリート供試体１を用意した。

ついで、黒鉛を含む硬質のポリエステル樹脂からなる導
電性樹脂でつくられた、３０．０ｇｍｘ５００Ｗ　Ｘ　
５　ｍの寸法を有する板状電極３に、２９０８Ｘ４９Ｑ
ｍＸ厚さ：約３鶏の寸法を有する軟質の石綿＆４を接着
剤で部分的に接着した後、これらの板状電極３および石
綿板４にそれぞれ取付具としての絶縁性取付ボルト５を
挿入するための孔３ａおよび４ａをそれぞれ５個ずつあ
けた。前記石綿板４には濃厚な塩化ナトリウム水溶液を
含浸させることによって、これを接触層４とした。

供試体１の垂直面にも、前記孔３ａおよび４ａに対応す
る５個の取付孔１ａを水平に穿ち、これらの孔に絶縁性
取付ボルト５を嵌合することによって、第２図に示され
るように、電極３および石綿板４を供試体１の垂直面に
圧接固定した。

つぎに、このようにコンクリート壁面に装着した電極３
、石綿板４およびポルト５からなる電極体Ａの性能を試
験するために、鉄筋２および電極３からそれぞれ引き出
した導線６および７を別途用意した直流電源のマイナス
極およびプラス極にそれぞれ接続して、約５’ｍＡの電
流を約２年間流し、この間、腐食作用の激しい海洋環境
を想定して、１週間に１度の頻度で供試体ｌに海水をか
けるとともに、高感度直流電圧計および飽和硫酸銅基準
電極（Ｃ８Ｅ）を用いて鉄筋２の電位を測定した。

この試験によると、鉄筋２の電位は通電を開始してから
最後まで基準の防食電位である一８５０ｍＶＣ８Ｅより
も卑の値を維持し、試験期間を通して鉄筋２が前記電極
体Ａによって防食状態に保たれたことがわかるとともに
１通電に要する電圧から求めた電極体とコンクリートと
の接触抵抗は比較的低い値（５０Ω・−以下）にとどま
り、電極体とコンクリートとの接触が良好に保たれたこ
とも確認された。また、試験後に電極体を分解して観察
したところ、それの劣化や変質は認められなかった。

さらに、この発明の電極体中に組み込まれる接触層の作
用を調べるために、前記石綿板４を介在させないで、板
状電極３をコンクリート供試体１に直接圧接固定して、
°前述の試験と同様な試験を繰り返したところ、板状電
極３とコンクリート供試体ｌとの接触抵抗は１９００〜
２４００Ω・Ｒとなり、このように大きい接触抵抗は鉄
筋２を防食するのに必要な防食電流を電極体からこの鉄
筋２に供給するのを実際上不可能とすることを示してい
るので、石綿板４は電極３とコンクリート供試体１との
接触抵抗を著しく低減できることが判明した。

なお、ここに例示した電極体Ａを、第３図に示されるよ
うに、例えば板状電極３０片側端面と外周面および接触
層４の外周面を覆う合成樹脂製カバー８で保護してもよ
く、このようなカバー８を備えた電極体Ａ′もこの発明
に包含されることは言う迄もない。

実施例２ 第４図は、この発明による電極体のもう一つの例を、コ
ンクリート供試体１に取り付ける前の個々の部材に分け
て示した断面図であり、この図では、実施例１の電極体
Ａを構成する各部材と同一の部材に対しては既に使用し
た参照符号と同じ符号を付けた。

図示された電極体Ｂは、電極３′がいずれも直径：２鵡
×長さ；４００１１％の寸法を有する２本の平行に並ん
だ白金めつきチタン線からなるとともに、接触層４′が
２９　Ｑ　ａｓ　ｘ　４９　Ｑ　Ｍｂ　Ｘ厚さ：約３ｗ
Ｌの軟質な黒鉛フェルトからなシ、この線状電極３′が
、３　Ｑ　Ｑ　ＲＩＢ　Ｘ　５　Ｑ　Ｑ　ｍ　×厚さ：
３騙の寸法を有するエポキシ系樹脂製の硬質絶縁板９、
前記黒鉛フェルト４′およびコンクリート供試体ｌにそ
れぞれ形成されている取付用の孔９ａ、４’ａおよび１
ａに嵌合される絶縁性取付ボルト５によって、前記電極
３′を圧迫支持する前記絶縁板９を介して、他の部材と
ともに供試体１に圧接固定される点が、実施例１の電極
体Ａと相違しているだけで、その他ノＸ極３’や黒鉛フ
ェルト４′の作用等は実施例１の場合と同様である。

このような電極体Ｂも、電極体Ａと同様にコンクリート
供試体の垂直面に容易に取り付けることができるととも
に、実施例１と同様な試験を実施した結果、電極体Ａと
同様な性能および耐久性を示すことがわかった。

なお、前記絶縁板９は、これと接触層４′との間に電極
子を挾持して、この電極３′にｒシト５の押圧力を伝達
するとともに、電極３′を保護するカバーの役割も果す
ものであシ、このような絶縁板９を利用すれば、取付用
の孔を設けることができない電極、例えば塊状、小片状
、網状、繊維状等、種々の状態の電極をこの発明の電極
として採用することができる。

また、この実施例では電極３′を絶縁板９と接触層４′
との間に介在させたけれども、この電極３′は第５図に
示した電極体「のように、接触層４′とコンクリート構
造物１との間に介在させてもよく、この場合も、電極３
′は接触層４′に覆われた形でコンクリート表面に密着
し、この接触層４′によって電極３′とコンクリート構
造物１との間に良好な接触状態が形成されるので、電極
体Ｂ′とコンク１７−ト構造物１との接触抵抗は十分小
さくなり、所望の防食電流を鉄筋２に供給することがで
きる。

以上に例示した電極体ではいずれも取付具として絶縁性
取付ボルトを例に挙げたけれども、この取付具は、電極
体をコンクリート構造物に圧接固定できる部材ならばど
のような部材でもよいことは勿論であり、それには、例
えばひもや締付は用の帯を利用することもできる。

〔発明の総合的効果〕

以上述べた説明から明らかなように、この発明では、流
動性を有する硬化性のモルタルや溶融金属の使用を避け
るとともに、イオン電導性または電子電導性を有する軟
質繊維状まだは軟質海綿状の帯状体または板体とした接
触層を介して、電極を取付具でコンクリート構造物に圧
接固定する構造を採用しだので、この発明によると、場
所を選ばずに、すなわちコンク’Ｊ　−ト構造物の従来
施工困難な垂直面や下面などにも１作業時間や作業温度
に煩わされることなく容易に、かつコンクリート表面の
前処理のような面倒な作業を必要とすることなく簡単に
取り付けることができるとともに。

長期間にわたって十分な防食電流を安定して供給でき、
さらに接触層が電子電導性を有する場合はこの接触層も
陽極の一部として作用する結果、本電極の寿命が著しく
延長された、耐久性にすぐれ、かつ構造簡単で、小型軽
量化にも適した電気防食用電極体が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、この発明の電極体の実施例を、
コンクリート構造物に取り付ける前と後の状態でそれぞ
れ示した水平断面図および斜視図、第３図〜第５図はさ
らに別の実施例をそれぞれ別個に示す水平断面図である
。図において、１・・・コンクリート供試体　　　２・
・・鉄筋３．３′・・・電極　　　　　　４，４′・・
・接触層５・・・絶縁性取付ボルト６．７・・・導線９
・・・絶縁板　　　　　　Ａ、Ａ’、Ｂ、Ｂ’・・・電
極体。 出願人　　日本防蝕工業株式会社 代理人　　富　１）和　夫（外１名） く１ ト＜１

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）コンクリート構造物表面に取り付けられて、その
   コンクリート中の鉄筋を電気防食するための電極体であ
   って、この電極体が、難溶性電極と、イオン電導性また
   は電子電導性を有する軟質繊維状または軟質海綿状の帯
   状体または板体からなる接触層と、これらの電極および
   接触層を、その接触層を前記コンクリート構造物と前記
   電極との間に挾んで前記コンクリート構造物表面に圧接
   固定させる取付具とを含むことを特徴とする、前記電極
   体。
2. （２）コンクリート構造物表面に取り付けられて、その
   コンクリート中の鉄筋を電気防食するための電極体であ
   って、この電極体が、難溶性電極と、イオン電導性また
   は電子電導性を有する軟質繊維状または軟質海綿状の帯
   状体または板体からなる接触層と、絶縁板と、これらの
   電極、接触層および絶縁板を、前記電極を前記絶縁板と
   前記接触層との間に挾んで、前記接触層が前記コンクリ
   ート構造物に接触する向きに、あるいは前記接触層を前
   記絶縁板と前記電極との間に挾んで、前記電極が前記コ
   ンクリート構造物に接触する向きに、前記コンクリート
   構造物表面に圧接固定させる取付具とを含むことを特徴
   とする、前記電極体。