JP2002220685A - 鋼材の防食方法 - Google Patents

鋼材の防食方法

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JP2002220685A JP2001016148A JP2001016148A JP2002220685A JP 2002220685 A JP2002220685 A JP 2002220685A JP 2001016148 A JP2001016148 A JP 2001016148A JP 2001016148 A JP2001016148 A JP 2001016148A JP 2002220685 A JP2002220685 A JP 2002220685A
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Isao Yasuda
安田勲
Masanobu Sakamoto
坂本全布
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工性に優れ、安定した防食効果を得ること
ができる本体構造物の鋼材の防食方法を提供すること。 【解決手段】 本体構造物7に使用した鋼材71の腐食
を防ぐ防食方法において、陽極層2と、前記陽極層を保護
するための保護層3と、を備えたパネル1を本体構造物
の表面に設置し、前記鋼材と前記陽極層を導電体で直接
又は間接的に接続し、前記鋼材と前記陽極層の間に電流
を流すことを特徴とする方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート構造
物や鋼構造物等に使用されている鋼材の腐食を防ぐため
の鋼材の防食方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、鋼構造物やコンクリート構造
物等(以下、本体構造物という)に使用されている鋼材
の腐食を防ぐ方法として電気防食工法がある。電気防食
工法は、構造物の表面から構造物の内部の鋼材に電流を
流入させることにより、鋼材の腐食を防止する方法であ
る。電気防食工法には、流電陽極方式と外部電源方式の
二通りの方法がある。
【0003】流電陽極方式は、異なった金属の間の電位
差を利用して防食電流を流すもので、陽極として亜鉛、マ
グネシウム、アルミニウム及びこれらの合金を使用す
る。鉄よりイオン化傾向の大きな金属と鋼材とをつない
でおくことにより、その金属がイオンとなり、鋼材を陰極
として電気が流れる。この方法では、陽極となる金属は
次第に消耗してゆく。
【0004】外部電源方式は、商用電力を変圧整流して、
鋼材を陰極として強制的に防食電流を流すものである。
陽極としてチタン、黒鉛などの不溶性陽極を使用する。
この方法では、陽極となる金属が消耗することがないた
め、恒久的に使用できる。電気防食によって、本体構造物
の鋼材は電気化学的に不活性状態となり、鋼材の腐食を
防止することができる。
【0005】電気防食工法を実施するにあたっては、ま
ず、本体構造部の表面に陽極となる材料を設置する必要
がある。従来、陽極となる材料を設置するために、新設の
場合は予め陽極となる材料を配置した後に、コンクリー
トを打設して本体構造物を構築していた。また、既設の
本体構造物に使用した鋼材の防食をおこなう場合は、陽
極材を設置して、その上からコンクリート等の吹付け又
は打設を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の鋼材の
防食方法にあっては、次のような問題点がある。 <イ>鋼材が腐食しやすい場所は、桟橋など水上であっ
たり、橋梁など高所であったりして作業性が悪い場所が
多い。このような場所にある既設構造物の裏側などに、
金属製の陽極材を設置して、コンクリートの吹付け又は
打設を行うには、大掛かりな足場を組む必要があり工事
費が増加する。また、このような場所では作業手順が多
いほど、工期が長くなり、危険作業も増える。 <ロ>作業条件が悪い場所での施工においては、施工精
度にばらつきが生じるおそれがある。 <ハ>新設の構造物に陽極材を設置する場合は、予め防
食計画が立てられている必要がある。このため、環境的
な要因により経年劣化が生じ、鉄筋やH型鋼材などの鋼
材が腐食したり、コンクリートの表面にひび割れが生じ
たりした場合には対処できない。
【0007】
【発明の目的】本発明は上記したような従来の問題を解
決するためになされたもので、施工性に優れ、安定した
防食効果を得ることができる本体構造物の鋼材の防食方
法を提供することを目的とする。また、本体構造物の鋼
材の防食と、本体構造物の補強を同時に行うことができ
る鋼材の防食方法を提供することを目的とする。さら
に、施工後も劣化しにくい鋼材の防食方法を提供するこ
とを目的とする。本発明は、これらの目的の少なくとも
一つを達成するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明の鋼材の防食方法は、本体構造物に
使用した鋼材の腐食を防ぐ防食方法において、陽極層と、
前記陽極層を保護するための保護層と、を備えたパネル
を本体構造物の表面に設置し、前記鋼材と前記陽極層を
導電体で直接又は間接的に接続し、前記鋼材と前記陽極
層の間に電流を流すことを特徴とする方法である。ここ
で、陽極層とは電気防食をおこなう場合に陽極となる層
をいい、導電体とは導線や、導体からなる棒材や板材をい
う。また、導電体で間接的に接続する場合とは、間に外部
電源やモニタリング装置などを介在させる場合をいう。
パネルを本体構造物の表面に設置するには、その間に接
合材を介在させるのが好ましい。接合材はパネルや本体
構造物に予め塗布しておいても、パネルを設置した後に
本体構造物との間に接合材を充填してもよい。
【0009】また、前記陽極層を前記鋼材よりイオン化
傾向の大きい金属で構成することができる。この場合、
上述した流電陽極方式の電気防食を行うことができる。
ここで、鋼材よりイオン化傾向の大きい金属とは、亜鉛、
マグネシウム、アルミニウム及びこれらの合金をいう。
【0010】また、本発明の鋼材の防食方法は、本体構造
物に使用した鋼材の腐食を防ぐ防食方法において、2枚
のフレキシブルボードの間に陽極層及び補強層を配置し
て一体化したパネルを本体構造物の表面に設置し、前記
鋼材と前記陽極層を導電体で直接又は間接的に接続し、
前記鋼材と前記陽極層の間に電流を流すことを特徴とす
る方法である。ここで、補強層とはパネルの強度を上げ
るために配置するもので、炭素繊維シート等が使用でき
る。また、上記発明の保護層としてフレキシブルボード
を使用することができる。
【0011】また、前記陽極層と前記補強層の間に中間
ボードを介在させてもよい。中間ボードには、フレキシ
ブルボードなどを使用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら本発明の
実施の形態について説明する。
【0013】<イ>対象構造物 鋼構造物やコンクリート構造物等(以下、本体構造物7
という)は、材料的、構造的、環境的な種々の要因により
経年劣化が生じ、鉄筋やH型鋼材などの鋼材が腐食した
り、コンクリートの表面にひび割れが生じたりする場合
がある。このため、必要に応じて、本体構造物7の表面に
パネル1を貼って補強又は補修を行う。本発明はパネル
1を使用した防食及び補強又は補修の方法の発明であ
る。本体構造物7の構造耐力が低下していない場合の補
修においては、本体構造物7の表面を保護し、更なる劣化
や腐食を防ぐ目的でパネル1を使用する。また、本体構
造物7の構造耐力が低下している場合の補強若しくは補
修、又は耐震性能の向上等を目的とする場合の補強にお
いては、補強用のパネル1を構造物の表面に設置する。
なお、本体構造物7を新設する場合においても、本発明の
パネル1を埋設型の型枠として使用することができる。
【0014】<ロ>パネル パネル1は、保護層3と陽極層2で構成する。必要に応
じて陽極層2を2枚の保護層3で挟んで形成してもよ
い。この場合、保護層3の材質は、上層と下層で異なるも
のを使用してもよい。さらに、陽極層2と保護層3の間
に補強層4を設けることもできる。この場合、パネル1
を本体構造物7の補強に使用することができる。
【0015】本体構造物7の表面にパネル1を貼れば、
外気、水、紫外線等の劣化の原因となるものを遮断でき
る。そして、本発明では電気防食機能の付いたパネル1
を使用して、積極的に鋼材などの腐食を防ぐ。このため、
鋼材71の腐食の進行を抑えることができる。さらに、
補強用のパネル1を使用した場合、構造物の構造耐力を
向上させることができる。
【0016】<ハ>陽極層 陽極層2は、電気防食をおこなう場合に陽極となる材料
からなる層である。上述した流電陽極方式によって電気
防食をおこなう場合は、亜鉛、マグネシウム、アルミニウ
ム及びこれらの合金を使用して陽極層2を構成する。例
えば、亜鉛シート、アルミニウムシート、亜鉛容射皮膜等
が使用できる。また、外部電源方式によって電気防食を
おこなう場合は、チタン、黒鉛などの不溶性陽極を使用し
て陽極層2を構成する。例えば、網状のチタンメッシュ
(図2の陽極層2参照)、チタンの板材を間隔をおいて
並列させ電流分配材6で連結したグリッド陽極層2a
(図5参照)、白金チタン線と導電塗膜とで構成するも
の(図示せず)などが使用できる。
【0017】<ニ>保護層 保護層3は、陽極層2を保護する層である。保護層3を
1枚のみ使用する場合は、本体構造物7とは反対側に配
置されるように使用する。保護層3は、パネル1の使用
目的が本体構造物7の補強でない場合は、コンクリート
板などの公知の化粧板として使用される材料が適用でき
る。
【0018】また、保護層3に強度を期待する場合は、高
強度のフレキシブルボード3aが使用できる。高強度フ
レキシブルボード3aは、セメント、けい酸カルシウ
ム、有機繊維(パルプ)を主成分としており、それらを
混練した後、ロール状に成形し、脱水プレスしたもので
ある。この高強度フレキシブルボード3aは、周知の製
品を使用することができ、入手が容易なものは、厚さ3
mm〜6mmの規格の製品である。高強度フレキシブル
ボード3aは、工場において容易に製造可能であり製品
の品質が安定しており、曲げ強度が30(N/mm
以上と大きく、表面にひび割れが発生しない、不燃性を
有するなどの耐久性からみた利点がある。さらに、曲げ
加工等が容易にでき、補強すべき本体構造物7の形状に
応じて、所望の形状に成形が可能であること、比重が
1.6〜1.8と軽いため作業性や運搬が容易であるこ
となどの施工性からみた利点もある。
【0019】また、保護層3を公知の繊維補強コンクリ
ートや高強度コンクリート等を使用して成形することも
できる。なお、パネル1に複数の保護層3を設ける場合
は、それぞれに異なる材料を使用することもできる。
【0020】<ホ>補強層 補強層4は、パネル1の強度を上げるために配置するシ
ート状、板状又は線状の材料からなる層である。例えば、
炭素繊維シート4a、アラミド繊維シート、ガラス繊維シ
ート、ビニロン繊維シート等が使用できる。ここで炭素
繊維シート4aは、比重が1.7〜1.8と軽量であ
り、錆びない特性を有するとともに、繊維方向では、鉄
筋の約5倍〜6倍である3000(N/mm)という
大きな引張強度を有している。そのため、高強度フレキ
シブルボード3aの間に、炭素繊維シート4aを配置す
ることにより、薄膜で鉄筋コンクリートと同等以上の構
造耐力を得ることができる。この炭素繊維シート4a
は、公知の単一配向シート、単一配向シートを合板のよ
うに交互に積層したもの、クロス状のもの等を使用する
ことができる。炭素繊維シート4aにはエポキシ樹脂を
含浸させて使用するのが好ましい。
【0021】<ヘ>中間ボード 中間ボード31は、必要に応じて陽極層2と補強層4の
間に介在させる板材である。上述した保護層3と同様の
材料を使用することができる。中間ボード31を介在さ
せることで、陽極層2の効果がより向上することが期待
できる。
【0022】<ト>接着剤 接着剤(51、52)は、保護層3と、陽極層2と、必要
に応じて配置する補強層4とを強固に接合して、一体成
形できる材料であればどのような種類のものを用いても
よいが、接着強度や作業性の点から、エポキシ樹脂が好
ましい。なお、その他の接着剤(51、52)として
は、酢酸ビニル樹脂系、EVA系(エチレン酢酸ビニル
共重合樹脂系)、アクリル樹脂系等の樹脂系接着剤や、
クロロプレンゴム系、スチレン・ブタジエンゴム系等の
ゴム系接着剤や、セメント系、石膏系等の水・気硬性接
着剤を用いることも可能である。
【0023】<チ>接合材 接合材8は、本体構造物7とパネル1の間に介在させて
両者を一体化する材料である。ここで、接合材8には、
高強度無収縮モルタル、エポキシ樹脂、EVA系、高分
子樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、ゴムラテックス系、アク
リルエマルジョン系、再生ゴム系、シリコーン系などの
接合材を用いることが可能である。
【0024】以下図面を参照しながら本発明の施工方法
について説明する。
【0025】<イ>パネルの設置(図1参照) 水上の桟橋、橋梁、トンネルの覆工、天井など、本体構造物
7が劣化及び腐食しやすい環境にありながら、作業環境
が悪い場所での施工に、本発明の効果が顕著に表れる。
まず、本体構造物7の表面にパネル1を設置する。パネ
ル1の設置方法には、所定の大きさのパネル1を本体構
造物7の表面に順次並べていく方法、複数のパネルを本
体構造物の形状に合わせて接合した後に本体構造物7の
表面に設置する方法がある。また、本体構造物7を新設
する場合はパネル1を型枠として使用する。
【0026】パネル1と本体構造物7を接合する方法に
は、以下の3通りの方法が存在するため、本体構造物7
の劣化の程度や、施工現場の状況等に応じて、適切な方
法を選択することになる。
【0027】(a)接合材を充填する方法 この方法は、本体構造物7の表面から10mm〜15m
mの間隔を設けてパネル1を設置し、両者の間隙に接合
材8を充填して両者を一体化する接合方法である。この
方法は、本体構造物7の表面が平滑でない場合に用いら
れる方法であり、本体構造物7の下地処理を簡易に済ま
せることができるという利点を有する。ここで、本体構
造物7とパネル1の間隔は10mm〜15mmの範囲と
することが最も好適である。その理由は、従来用いられ
ていたコンクリート増し厚工法における増し厚コンクリ
ートの厚さと比較して小さい間隔とすることができ、材
料が少なくて済むこと、トンネル等の内空断面を確保で
きること、作業が短く工期が短縮可能であるため経済的
であること等である。なお、前記間隙を10mm以下に
することもできるが、その場合には、本体構造物7の下
地処理を入念に実施する必要がある。また、ある程度の
間隔を確保しないと本体構造物7とパネル1が一体的に
ならない箇所が生じる危険性が大きい。
【0028】本方法で用いる接合材8の品質は、流動性
が良好で材料分離が起こらないこと、充填後の体積収縮
が起こらないこと、早期強度が得られること等が必要と
なる。このような性質を有する接合材8として、高強度
無収縮モルタルを用いる場合には、種々の材料及び配合
により試験をした結果、超早強セメント、膨張材、高性
能減水剤を主原料として混合した、材齢28日で40
(N/mm)以上の強度を有するものが最適であっ
た。また、湿潤面でも接着強度が得られるエポキシ樹脂
を接合材8として用いることも可能である。ここで、充
填する間隙が狭い場合には、作業性の点から、エポキシ
樹脂の粘性を小さくした、いわゆる高流動性のタイプを
用いることが適している。
【0029】(b)接合材を塗布する方法 この方法は、例えばパネル1の片側面に接合材8を塗布
し、パネル1と本体構造物7とを一体化する接合方法で
ある。本方法は、本体構造物7の入念な下地処理が不必
要な箇所で用いられる方法である。特に、充填用の間隙
を確保する必要がないため、トンネル等の内空断面を確
保する必要がある場所での施工に適している。また、上
記した(a)接合材を充填する方法と比較して、パネル
1の表面に接合材8を塗布して接合するだけで、迅速か
つ容易に補強がなされ、構造耐力を得ることができる点
で優れている。本方法で用いる接合材8は、接着強度や
作業性の点で、エポキシ樹脂が最適であるが、接合材8
としてのエポキシ樹脂は、粘性が大きく液ダレが発生せ
ず、非常に初期強度が大きいタイプのものを用いる必要
がある。また、エポキシ樹脂は、接着性を確保するため
に、パネル1の片面の全面積に塗布する必要がある。
【0030】(c)アンカーボルトを併用する接合方法 この方法は、前記した(a)接合材を充填する方法、又
は(b)接合材を塗布する方法に、アンカーボルトを組
み合わせる方法である。すなわち、接合材により貼り付
けたパネル1と本体構造物7に、パネル1の表面側から
所定数のアンカーボルトを挿通して、一体化する方法で
あり、パネル1と本体構造物7を強固に接合する必要が
ある場所で用いられる方法である。本方法で用いるアン
カーボルトは、パネル1が錆びない特徴を有しているた
め、錆びないステンレス製の材料を用いる。また、本体
構造物7の健全度により異なるが、アンカーボルトは、
標準的には、直径5mm〜12mm、長さ30mm〜1
50mmの寸法のものを用いる。本方法によれば、アン
カーボルトによるパネル1の固定作業が容易であり、大
きな構造耐力も得られるので非常に効果的である。な
お、外部電源方式で電気防食をおこなう場合は、アンカー
ボルトを兼ねたチタン陽極棒を使用することもできる。
この場合は、チタン陽極棒間はチタンワイヤーで結束す
る。
【0031】<ロ>陽極層と鋼材の接続 本体構造物7に使用した鉄筋などの鋼材71と陽極層2
を導電体で直接又は間接的に接続する。接続の方法は、
採用する電気防食の方法によって異なるため、以下で方
法ごとに説明する。また、接続の時期は、作業手順を考慮
して決めればよく、パネル1を設置する前に鋼材71に
導線91の一端を取り付けておいて、パネルを設置した
後に他端を陽極層2に取り付けても、パネル1を設置し
た後に同時に取り付けてもよい。
【0032】<ハ>電気防食 電気防食工法には、上述したように流電陽極方式と外部
電源方式の二通りの方法がある。以下に、それぞれの方
法を採用した場合の施工について説明する。
【0033】(a)流電陽極方式(図3(a)参照) 流電陽極方式を採用する場合は、本体構造物7の鋼材7
1と、陽極層2を導線91などでつなぐ。流電陽極方式
では異なった金属の間の電位差を利用するため、電源を
使用する必要はない。この場合、陽極層2には鋼材より
イオン化傾向の大きな金属を使用するため、鋼材71が
陰極、陽極層2が陽極となる。なお、線材91の途中に、
モニタリング装置を設置してもよい。
【0034】(b)外部電源方式(図3(b)参照) 外部電源方式を採用する場合は、外部電源92の(+)
側に陽極層2を、(−)側に本体構造物7の鋼材71を
つなぎ、所定の電流を流す。この場合、陽極層2が消耗す
ることがないため、長期間使用することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明の鋼材の防食方法は以上説明した
ようになるから次のような効果を得ることができる。 <イ>本発明の鋼材の防食方法はパネルを本体構造物の
表面に設置するだけで陽極層とその保護層を一度に設置
できる。即ち、施工が簡単である。このため、水上の桟橋
や、高所の橋梁など作業性が悪い場所でも容易に施工す
ることができる。また、プレキャストパネルを使用する
ため、施工の良否に左右されない安定した効果を得るこ
とができる。 <ロ>陽極層を備えたパネルを本体構造物の表面に設置
して鋼材の防食をおこなう。このため、パネルを貼り付
けるだけで、電気防食のための陽極層の設置と、本体構造
物の補修又は補強を行うことができる。また、保護層が
本体構造物の表面をも覆うことになるため、外気、水、紫
外線等の劣化の原因となるものを遮断して本体構造物の
劣化を防ぐこともできる。さらに本発明では、電気防食
をおこなうため本体構造物の鋼材を不活性状態にして腐
食を積極的に防止することができる。 <ハ>パネルに補強層を設けた場合や保護層を高強度材
料で形成した場合は、補強パネルとしての役割も果た
す。この結果、1枚のパネルで本体構造物の鋼材の防食
と、本体構造物の補強を同時に行うことができる。 <ニ>流電陽極方式で電気防食をおこなう場合、陽極層
は時間の経過と共に消耗していく。しかし、本発明では
パネルを使用するため、消耗した場合は取り替えること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋼材の防食方法の実施例の斜視図。
【図2】本発明で使用するパネルの実施例の斜視図。
【図3】本発明の鋼材の防食方法の説明図。(a)流電
陽極方式。(b)外部電源方式。
【図4】中間ボードを使用する場合のパネルの実施例の
断面図。
【図5】グリッド陽極層を使用する場合の実施例の斜視
図。
【符号の説明】
1・・・パネル 2・・・陽極層 3・・・保護層 3a・・フレキシブルボード 31・・中間ボード 4・・・補強層 4a・・炭素繊維シート 7・・・本体構造物 71・・鋼材 91・・導線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04C 2/08 E04C 2/08 B 2/26 2/26 W Fターム(参考) 2D059 BB15 GG21 2E162 CA03 CA11 CA12 CA33 CA38 CB02 CD16 EA00 4K060 AA02 AA03 BA02 BA08 BA34 CA06 EA08 EB01 FA03 4K062 AA05 CA10 EA20 FA08 FA12 GA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本体構造物に使用した鋼材の腐食を防ぐ防
    食方法において、陽極層と、前記陽極層を保護するための
    保護層と、を備えたパネルを本体構造物の表面に設置し、
    前記鋼材と前記陽極層を導電体で直接又は間接的に接続
    し、前記鋼材と前記陽極層の間に電流を流すことを特徴
    とする、鋼材の防食方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の鋼材の防食方法おいて、
    前記陽極層を前記鋼材よりイオン化傾向の大きい金属で
    構成したことを特徴とする、鋼材の防食方法。
  3. 【請求項3】本体構造物に使用した鋼材の腐食を防ぐ防
    食方法において、2枚のフレキシブルボードの間に陽極
    層及び補強層を配置して一体化したパネルを本体構造物
    の表面に設置し、前記鋼材と前記陽極層を導電体で直接
    又は間接的に接続し、前記鋼材と前記陽極層の間に電流
    を流すことを特徴とする、鋼材の防食方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の鋼材の防食方法において、
    前記陽極層と前記補強層の間に中間ボードを介在させた
    ことを特徴とする、鋼材の防食方法。
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