JPH11200516A - 防食補強コンクリート組立体並びにその防食方法及び組立方法 - Google Patents
防食補強コンクリート組立体並びにその防食方法及び組立方法Info
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Abstract
布が均一となり、塩素ガス等の発生を低減することがで
き、通電する電圧を高くしなくても防食が達成され、且
つ強度等に優れたコンクリート組立体及びその防食方
法、並びに既存のコンクリート構造物を簡便な方法で補
強し、且つ塩素ガス等の発生を低減し、通電電圧を高く
しなくても防食できる防食補強コンクリート組立体の組
立方法を提供する。 【解決手段】コンクリート及び鋼材を含むコンクリート
構造物、その表面上に設けられた炭素繊維シート、並び
に鋼材及びシートに接続された通電手段を含む防食補強
コンクリート組立体、及びこの鋼材を陰極とし炭素繊維
シートを陽極とするよう通電することを特徴とする防食
方法、並びに既存のコンクリート構造物の表面上に炭素
繊維シートを導電性接着剤を介して貼付し、鋼材を陰極
としシートを陽極とするよう通電手段を接続することを
特徴とする組立方法。
Description
ート組立体並びにその防食方法及び組立方法に関する。
レストレスドコンクリート(PC)構造物等のコンクリ
ート構造物においては、酸素、水、及び塩化物イオン等
の浸透によって、鉄筋あるいは鋼材の腐食が発生する。
鋼材等が腐食すると腐食生成物によりコンクリートにひ
び割れが発生し、腐食をさらに加速させ、最終的にはコ
ンクリート構造物の強度等が低下する。
を防止する極めて有効な方法として、電気防食法があ
る。電気防食法とは、金属を電気化学的に安定な電位領
域に変化させ腐食を停止させることをいい、特にコンク
リート構造物においては、コンクリート構造物中の鋼材
等の電位を、外部電源等により強制的に変化させること
によって鋼材等の腐食を停止させることをいう。即ち、
電位を変化させない状態におけるコンクリート構造物中
の鋼材等の表面ではアノード反応(酸化反応)及びカソ
ード反応(還元反応)が同時並行的に起こり腐食電池を
形成してその結果鉄水和酸化物等が発生し腐食が起こる
のに対し、鋼材等の電位を変化させることにより、鋼材
等の表面でカソード反応のみが起こる状態とすることが
でき、その結果鉄水和酸化物等の発生を防止することが
できる。
ンクリート表面に陽極を設け、一方鋼材等を陰極とす
る。これによりコンクリートを介して鋼材へ電流を供給
して鋼材の電位を卑方向に変化させ、防食を実現する。
は、電気伝導性が高いこと、安定性、耐久性、経済性に
優れること、及び施工が簡便であること等の性能が求め
られる。現在実用化されている陽極としては、白金系金
属酸化物を表面に被覆したチタン線、亜鉛、炭素繊維線
等が使用されている。
電気防食を行うと、コンクリートの表面に電位分布の不
均一が生じたり、また、コンクリート表面と電極とが接
する部分での電圧が大きくなるために塩素ガスが発生す
る等の問題が生じる。
構造物に対し、その耐力を補強するために補修を行う際
に、併せて電気防食のための装置を設け、補修後に電気
防食を行ってさらなる鋼材の腐食を停止させることが行
われる。しかしながら、このような電気防食のための装
置を設ける工程は、従来コンクリート構造物の耐力を補
強するための補修とは別個独立に行われているのが現状
である。
防食を行う際コンクリートの表面の電位分布が均一とな
り、塩素ガス等の発生を低減することができ、通電する
電圧を高くしなくても防食が達成され、且つ強度等に優
れたコンクリート組立体を提供することにある。
の電位分布が均一となり、塩素ガス等の発生を低減する
ことができ、通電する電圧を高くしなくても防食が達成
されるコンクリート組立体の防食方法を提供することに
ある。
構造物を簡便な方法で補強し、且つコンクリートの表面
の電位分布が均一となり、塩素ガス等の発生を低減する
ことができ、通電する電圧を高くしなくても防食が達成
される電気防食を行えるようにする、防食補強コンクリ
ート組立体の組立方法を提供することにある。
リート及び該コンクリート内に設けられた鋼材を含むコ
ンクリート構造物、コンクリート構造物表面上に設けら
れた炭素繊維シート、並びに該鋼材及び該炭素繊維シー
トに接続された通電手段を含む防食補強コンクリート組
立体が提供される。
クリート組立体の該鋼材を陰極とし該炭素繊維シートを
陽極とするよう通電することを特徴とする防食補強コン
クリート組立体の防食方法が提供される。
該コンクリート内に設けられた鋼材を含む既存のコンク
リート構造物の表面上に炭素繊維シートを導電性接着剤
を介して貼付し、該鋼材を陰極とし該炭素繊維シートを
陽極とするよう通電手段を接続することを特徴とする前
記防食補強コンクリート組立体の組立方法が提供され
る。
立体は、コンクリート及び該コンクリート内に設けられ
た鋼材を含むコンクリート構造物を含む。
材及び粗骨材等を含む通常のコンクリートに加えモルタ
ル、セメントペースト等を硬化させたものをも含む。
られる金属をいい、RC中に設けられる鉄筋及びPC中
に設けられる鋼材等の、コンクリートの耐久性等を高め
る等の目的でコンクリート内に設けられる金属を含む。
コンクリート構造物表面上に設けられた炭素繊維シート
を含む。
み、電気防食を行う際に陽極として使用した場合、貼付
した面の電位分布が均一となる形状を有するものであ
る。具体的には、シートの長さ方向に延長する直径7〜
10μmの炭素繊維を、幅方向1mあたり1千万本以上
並べて織込んだシートであって、厚さが0.05〜0.
2mmのものを挙げることができる。このような炭素繊
維シートとしては、例えば「TUクロス」(商品名、日
本石油(株)製)を用いることができる。
10-4〜1×10-3Ω・cmであることが、陽極の荷電
電圧をより低くすることができるので好ましい。
0,000kgf/cm2以上、特に約35,000〜
72,000kgf/cm2以上、また引張弾性係数は
約2.35×106〜8.00×106kgf/cm2で
あることが、強度の高い防食補強コンクリート組立体を
得ることができるために好ましい。
物表面上に、炭素繊維の引張強度がコンクリート構造物
を補強する方向となるように設けられることが好まし
い。さらに、必要に応じ、十分な補強を達成するため
に、炭素繊維シートを、コンクリート構造物表面上に2
層以上設けることができる。
表面上に設ける態様としては、コンクリート表面上に電
流を分配できる態様であれば特に限定されないが、導電
性接着剤によりコンクリート構造物表面上に貼付するこ
とが、コンクリート構造物を補強しながら導電性を確保
できるために好ましい。
抗率が10Ω・cm以下であり、硬化した際にコンクリ
ート表面と前記炭素繊維シートとの間において20kg
f/cm2以上の接着強度が得られることが好ましい。
えば銀、炭素等の導電性を有する粉末を含むエポキシ樹
脂等の樹脂を挙げることができる。前記樹脂中の前記粉
末の含有割合は、60〜90重量%であることが好まし
い。
構造物表面上に設ける際には、前記炭素繊維シートを前
記導電性接着剤によりコンクリート構造物表面上に貼付
した後、さらに他の接着剤を繊維の中に含浸させること
が、炭素繊維シートの接着強度及び耐久性を向上させる
ことができるため好ましい。前記他の接着剤としては、
エポキシ樹脂等を挙げることができる。
前記鋼材及び前記炭素繊維シートに接続された通電手段
を含む。
ることができるものであれば特に限定されず、市販のも
の等の各種の直流安定化電源装置等を用いることができ
る。
ば、前記鋼材に被覆リード線をスポット溶接、ねじ止め
等で接続して設けた排流端子等と、前記通電手段とを接
続することにより行うことができる。
続は、前記炭素繊維の端部等にねじ止め等で接続したリ
ードと、前記通電手段とを接続することにより行うこと
ができる。
必要に応じて、電気防食における防食電流量の調整や防
食効果を確認するための鉄筋電位の確認等のため、照合
電極を含むことができる。前記照合電極としては、塩化
銀電極又は鉛電極等を用いることができる。前記照合電
極は、前記コンクリート構造物中の、前記鋼材の近傍に
設けることが好ましい。
新たにコンクリート構造物を建造するにあたり組み立て
ることができるが、既存のコンクリート構造物の補修と
して、既存のコンクリート構造物の表面上に炭素繊維シ
ートを導電性接着剤を介して貼付し、既存のコンクリー
ト中の鋼材を陰極とし前記炭素繊維シートを陽極とする
よう通電手段を接続することにより組み立てることもで
きる。
発明の防食補強コンクリート組立体を組み立てる場合
は、前記炭素繊維シートの貼付に先立ち、コンクリート
構造物中の鋼材に排流端子等を設け、又コンクリート構
造物中に前記照合電極を設けることが好ましい。また、
コンクリート構造物中の全ての鋼材が電気的に導通して
いるかを確認し、必要に応じて溶接等により鋼材を導通
させることが好ましい。そして、コンクリート構造物表
面に付着している汚れやレイタンス等を、サンドブラス
トや超高圧ウォータージェット等で取り除き、さらにコ
ンクリートの粉末を圧縮空気で取り除く等の処理を行う
ことが好ましい。
ンクリート構造物表面に前記導電性接着剤をローラー刷
毛やゴムべら等で均一に下塗りした後直ちに前記炭素繊
維シートを付着させ、さらにシート表面を繊維方向へゴ
ムべら等でしごき、さらに前記含浸用の接着剤を含浸さ
せることにより行うことができる。
食方法では、前記防食補強コンクリート組立体該鋼材を
陰極とし該炭素繊維シートを陽極とするよう通電する。
補強コンクリート組立体の構造等に応じて異なるため、
通電試験によって決定することが好ましい。具体的に
は、以下の手順により決定することができる。
材の電位との関係を求める。
の通電電流量を求める。
間以上通電する。
0mV以上)が得られるか確認する。
は、特定の構造を有するため、電気防食を行う際コンク
リートの表面の電位分布が均一となり、塩素ガス等の発
生を低減することができ、通電する電圧を高くしなくて
も防食が達成され、且つ強度等に優れたコンクリート組
立体となる。
食方法では、前記特定の防食補強コンクリート組立体に
通電する防食方法であるため、コンクリートの表面の電
位分布が均一となり、塩素ガス等の発生を低減すること
ができ、通電する電圧を高くしなくても防食が達成され
る。
立方法は、既存のコンクリート構造物に特定の構造を設
け前記特定の防食補強コンクリート組立体とする組立方
法であるため、既存のコンクリート構造物を、電気防食
を行う際コンクリートの表面の電位分布が均一となり、
塩素ガス等の発生を低減することができ、通電する電圧
を高くしなくても防食が達成され、且つ強度等に優れた
コンクリート組立体として補修することができる。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
模式的に示されるように炭素繊維シート、電源装置等を
設け、防食補強コンクリート組立体1を組み立てた。
筋コンクリート3(長さ2.25m、幅1.99m、厚
さ0.21mで、長さ方向に延長するD19鉄筋ST3
45をかぶり30mm、ピッチ150mmの間隔で内部
に有するRC橋梁床板)の劣化部をはつり、コンクリー
トの表面金属を除去し、セメントペーストでコンクリー
トの表面を下地処理した。コンクリート中の鉄筋2にリ
ード線をスポット溶接により接続し、排流端子9及び測
定端子12を設けた。さらに、鉄筋にプラスチックバン
ドで塩化銀照合電極10を固定した。また、コンクリー
ト構造物中に存在する鉄筋2の全てが電気的に導通して
いるかどうかを測定し、導通していない鉄筋があれば溶
接して接続し全ての鉄筋を導通させた。
造物3の底面に付着している汚れやレイタンス等をサン
ドブラストや超高圧ウォータージェット等で取り除き、
コンクリートの粉末を圧縮空気で取り除いた。コンクリ
ートの表面が乾燥した後、コンクリート表面に炭素エポ
キシ系導電性接着剤4(エポキシ樹脂:炭素粉末=2:
8の混合物)をローラー刷毛やゴムべら等で均一に塗布
した後、直ちに炭素繊維シート(商品名「TUクロ
ス」、日本石油株式会社製)5を貼り付け、シート表面
を繊維方向へゴムべらでしごき、さらにその上からエポ
キシ系樹脂接着剤6(日本石油株式会社製、商品名「ボ
ンドE200P」)を繊維の中に含浸させた。炭素繊維
シートの端部をねじ止めでリード7と接続した後、直流
電圧計を用いて、設置した炭素繊維シート陽極が電気的
に導通していることを確認した。
装置8を収納する電源ボックスをコンクリート製の台座
にアンカーボルトで固定した。排流端子9が陰極側とな
り、リード線7が陽極側となるよう、これらと直流電源
装置8とを接続した。接続のための線及び接続箇所等は
全て絶縁材と防水材で処理した。
コンクリート組立体について、直流電源装置8及び電圧
計11を用いて分極試験を行ったところ、10mA/m
2で所要の分極量(100mV以上)が得られることが
分かった。
中、陽極表面においては、塩素ガスの発生は見られなか
った。また、24時間通電後、復極試験を行ったとこ
ろ、100mV以上の復極量が得られることを確認し
た。
示す模式図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 コンクリート及び該コンクリート内に設
けられた鋼材を含むコンクリート構造物、コンクリート
構造物表面上に設けられた炭素繊維シート、並びに該鋼
材及び該炭素繊維シートに接続された通電手段を含む防
食補強コンクリート組立体。 - 【請求項2】 請求項1記載の防食補強コンクリート組
立体の該鋼材を陰極とし該炭素繊維シートを陽極とする
よう通電することを特徴とする防食補強コンクリート組
立体の防食方法。 - 【請求項3】 コンクリート及び該コンクリート内に設
けられた鋼材を含む既存のコンクリート構造物の表面上
に炭素繊維シートを導電性接着剤を介して貼付し、該鋼
材を陰極とし該炭素繊維シートを陽極とするよう通電手
段を接続することを特徴とする請求項1に記載の防食補
強コンクリート組立体の組立方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00849998A JP3728086B2 (ja) | 1998-01-20 | 1998-01-20 | 防食補強コンクリート組立体及び組立方法 |
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JPH11200516A true JPH11200516A (ja) | 1999-07-27 |
JP3728086B2 JP3728086B2 (ja) | 2005-12-21 |
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JP00849998A Expired - Fee Related JP3728086B2 (ja) | 1998-01-20 | 1998-01-20 | 防食補強コンクリート組立体及び組立方法 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007284726A (ja) * | 2006-04-13 | 2007-11-01 | Shinko Wire Co Ltd | 鉄筋コンクリート構造物の電気防食施工方法および電気防食構造体 |
CN103205759A (zh) * | 2013-04-16 | 2013-07-17 | 深圳大学 | 一种无需控制的钢筋混凝土结构阴极保护方法及装置 |
CN103205757A (zh) * | 2013-04-16 | 2013-07-17 | 深圳大学 | 采用cfrp阳极的钢筋混凝土结构阴极保护方法及装置 |
CN103205758A (zh) * | 2013-04-16 | 2013-07-17 | 深圳大学 | 用于对钢筋混凝土结构进行阴极保护的加固方法及装置 |
CN103215602A (zh) * | 2013-04-16 | 2013-07-24 | 深圳大学 | 具备阴极保护功能的钢筋混凝土结构加固方法及装置 |
JPWO2013031663A1 (ja) * | 2011-08-26 | 2015-03-23 | 藤森工業株式会社 | 補助陽極、それを用いたコンクリート構造物の防食構造および防食方法 |
-
1998
- 1998-01-20 JP JP00849998A patent/JP3728086B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN103215602A (zh) * | 2013-04-16 | 2013-07-24 | 深圳大学 | 具备阴极保护功能的钢筋混凝土结构加固方法及装置 |
CN103215602B (zh) * | 2013-04-16 | 2015-04-22 | 深圳大学 | 具备阴极保护功能的钢筋混凝土结构加固方法及装置 |
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