JPS62196439A - ベルト式無段変速機 - Google Patents
ベルト式無段変速機Info
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- JPS62196439A JPS62196439A JP3798386A JP3798386A JPS62196439A JP S62196439 A JPS62196439 A JP S62196439A JP 3798386 A JP3798386 A JP 3798386A JP 3798386 A JP3798386 A JP 3798386A JP S62196439 A JPS62196439 A JP S62196439A
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Landscapes
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- Pulleys (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、ベルト式無段変速機に関し、更に詳しくは、
自動車などの変速機として適用可能なヘルドを用いた無
段変速機に係るものである。 〔従来の技術〕 ヘルド式無段変速機は、一方の回転軸と他方の回転軸に
V字形断面の周溝(■溝)を有する金属製プーリが設け
られており、このプーリ間に動力伝達用金属ベルトが巻
き掛けられている。そして、上記プーリのV溝幅寸法が
変えられることにより、一方の回転軸から他方の回転軸
に回転動力が無段階に変速されて伝達されるようになっ
ている。 この種の無段変速機に使用される動力伝達用金属ベルト
の一つとして、複数枚の金属製帯状フープが積層されて
形成された可撓性を有する無端キャリアと、その無端キ
ャリアの長手方向に沿って自由に移動し得るよう互いに
密接した状態で支持され、その両端面にてプーリのV溝
に摩擦接触する多数の金属製ブロックとを有する金属ヘ
ルドが知られている(例えば、特公昭55−6783号
公@)。 この金属ベルトを用いた無段変速機においては、各ブロ
ックが入カブーリ (駆動プーリ)から回転動力を伝達
されたブロックによりこれらと摩擦係合する無端キャリ
アと共に互いに当接した状態にて出力プーリ (駆動プ
ーリ)へ向けて順次押し進められ、出力プーリにおいて
これに回転動力を伝達することにより入力プーリから出
力プーリへ回転動力が伝達されるようになっている。そ
して、大きな駆動力を伝達し得るところがら、例えば自
動車の変速機などのよつに荷重条件の苛酷な変速機用ベ
ルトとして注目されている。なお、プーリとブロックの
材料としては通常熱処理した鋼が用いられている。 しかしながら、金属ヘルド自体あるいはプーリの耐久性
に問題があり、まだ実用段階に達したとは言えないのが
実情である。その問題の一つに、金属ヘルドの一構成要
素であるブロックとプーリとの接触面の耐摩耗性の問題
がある。すなわち、ブロックとプーリとの接触面を完全
な平滑面とした場合には、摩擦係数が不足して両者の間
に滑りが発生し易く、接触面の摩耗が速やかに進行し、
甚だしい場合には焼き付きを生ずる。 そのため、上記ブロック端面(プーリ接触面)に、ショ
ツトブラスト処理などを施すことによって無数の微細な
凹凸を形成し、以てプーリと金属ヘルドとの間の必要と
される摩擦係数を確保し、伝導作用を安定的に行わせる
ことが提案されている(例えば、特開昭60−8153
7号公報)。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上述した構成の動力伝達用金属ベルトを
用いたヘルド式無段変速機においては・プーリとブロッ
クの接触部が局部的に高面圧となり、ブロック端面に形
成された微細な凹凸に起因してプーリの表面(ベノ
自動車などの変速機として適用可能なヘルドを用いた無
段変速機に係るものである。 〔従来の技術〕 ヘルド式無段変速機は、一方の回転軸と他方の回転軸に
V字形断面の周溝(■溝)を有する金属製プーリが設け
られており、このプーリ間に動力伝達用金属ベルトが巻
き掛けられている。そして、上記プーリのV溝幅寸法が
変えられることにより、一方の回転軸から他方の回転軸
に回転動力が無段階に変速されて伝達されるようになっ
ている。 この種の無段変速機に使用される動力伝達用金属ベルト
の一つとして、複数枚の金属製帯状フープが積層されて
形成された可撓性を有する無端キャリアと、その無端キ
ャリアの長手方向に沿って自由に移動し得るよう互いに
密接した状態で支持され、その両端面にてプーリのV溝
に摩擦接触する多数の金属製ブロックとを有する金属ヘ
ルドが知られている(例えば、特公昭55−6783号
公@)。 この金属ベルトを用いた無段変速機においては、各ブロ
ックが入カブーリ (駆動プーリ)から回転動力を伝達
されたブロックによりこれらと摩擦係合する無端キャリ
アと共に互いに当接した状態にて出力プーリ (駆動プ
ーリ)へ向けて順次押し進められ、出力プーリにおいて
これに回転動力を伝達することにより入力プーリから出
力プーリへ回転動力が伝達されるようになっている。そ
して、大きな駆動力を伝達し得るところがら、例えば自
動車の変速機などのよつに荷重条件の苛酷な変速機用ベ
ルトとして注目されている。なお、プーリとブロックの
材料としては通常熱処理した鋼が用いられている。 しかしながら、金属ヘルド自体あるいはプーリの耐久性
に問題があり、まだ実用段階に達したとは言えないのが
実情である。その問題の一つに、金属ヘルドの一構成要
素であるブロックとプーリとの接触面の耐摩耗性の問題
がある。すなわち、ブロックとプーリとの接触面を完全
な平滑面とした場合には、摩擦係数が不足して両者の間
に滑りが発生し易く、接触面の摩耗が速やかに進行し、
甚だしい場合には焼き付きを生ずる。 そのため、上記ブロック端面(プーリ接触面)に、ショ
ツトブラスト処理などを施すことによって無数の微細な
凹凸を形成し、以てプーリと金属ヘルドとの間の必要と
される摩擦係数を確保し、伝導作用を安定的に行わせる
ことが提案されている(例えば、特開昭60−8153
7号公報)。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上述した構成の動力伝達用金属ベルトを
用いたヘルド式無段変速機においては・プーリとブロッ
クの接触部が局部的に高面圧となり、ブロック端面に形
成された微細な凹凸に起因してプーリの表面(ベノ
そこで本考案は、上述の問題点を解決するための手段と
して、次のような構成を採用したものである。 すなわち、本発明は、ベルト式無段変速機において、プ
ーリとしてクロムモリブデン鋼に高濃度浸炭(C,P、
= 1.0〜1.3)し、高周波焼入れ焼戻しを施して
表面硬さHv=750以上の硬化深さを0.1mm以上
としたものを用いると共に、ブロックとして軸受鋼に焼
入れ焼戻しを施して表面硬さをHシ=750以上とした
ものを用いたことを特徴とする。 具体的には、第1図を例にとって説明すると、ベルト式
無段変速機は、一対のプーリ (10・20)間に、こ
のプーリ (10・20)と摩擦接触する複数個のブロ
ック(50)を備えた動力伝達用金属ベルト(30)が
巻き掛けられて構成されている。 そして、摩擦接触する一方の部材であるプーリ(10・
20)として、クロムモリブデン鋼に高濃度浸炭(C,
P、= 1. O〜1.3)し、高周波焼入れ焼戻しを
施して表面硬さHシー750以上の硬化深さを0.1m
m以上としたものが用いられる。 更に、摩擦接触する他方の部材であるブロック(50)
として、軸受鋼に焼入れ焼戻しを施して表面硬さをHシ
ー750以上としたものが用いられる。 〔作 用〕 上述の手段によれば、プーリ (10・20)は、微細
な高炭素マルテンサイト組織が生成され、表面硬さおよ
び表面近傍の硬さが上昇すると共に、高圧縮残留応力が
発生し、適度な残留オーステナイト量が確保できる。 一方、ブロック(50)は、均一性の良いマルテンサイ
トのマトリックス中に細かいクロム炭化物が一様に分布
しているため、高硬度で粘り強いものとなり、疲労強さ
を向上している。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する
。 第1図は、本発明の一つの実施例に係るベルト式無段変
速機の変速部を示す要部斜視図である。 図において、】0はエンジンなどの駆動源Qこクラッチ
を介して連結された入力プーリであり、可動プーリ12
と固定ブー1J14とからなっている。 両プーリ】2・14にはヘルド接触面16・18が形成
されている。このヘルド接触面16・I8は両プーリの
駆動面となっており、大力プーリ10にV字形断面の周
溝(V溝)を形成している。 大力プーリ10に対向して出力プーリ20が配設されて
いる。この出力プーリ2oも可動プーリ22と固定プー
リ24とからなっている。両プーリ22・24には入力
プーリIOの場合と同様にベルト接触面26・28が形
成され、両プーリの従動面となっていると共に出力プー
リ20にV字形断面の周溝(■溝)を形成している。 そして、入力プーリ10のV溝と出力プーリ20のV溝
との間に後述する動力伝達用金属ヘルド(以下、金属ベ
ルトと称する)30が巻き掛けられる。こうして、エン
ジンの回転動力が大力プーリ10から出力プーリ20に
伝達され、史に図示しない歯車対、差動装置、駆動車軸
を経て車輪に伝達されるようになっている。 なお、入力側の可動プーリ12と出力側の可動プーリ2
2は、いずれも油圧などの手段によりV溝の幅寸法が連
続的に変更されることによって・金属ベルト30の掛り
径(有効径)が変更され、出力プーリ20の回転は無段
階に変速されて取り出される。 金属ベルト30は、第2図に詳しく示したように、可撓
性を有する一対の無端キャリア40と、その長手方向に
自由に移動し得るよう互いに密接した状態で取り付けら
れた多数のプロ・2り50とから構成されている。この
無端キャリア40は、薄い帯状のフープが5〜15枚程
度積層されることによって1.5〜3.0mm程度の厚
みに形成されている。ブロック50は、本体部52、頭
部54、およびこれらを連結する首部56とから一体的
に構成されており、その両端部には前記ベルト接触面と
同一角度の傾斜面(プーリ接触面)58が形成されてい
る。そし′ζ、その本体部52と頭部54との間に形成
された一対の矩形の切欠き溝内に前記無端キャリア40
が通されている。こうして、ブロック50は無端キャリ
ア40に規制されて前後の押圧面が互いに密接し、大力
プーリ10の回転動力を出カブ−920へ伝達するよう
になっている。 また、ブロック50のプーリ接触面58には、プーリl
O・20とブロック50間に滑りが生じないよう必要な
摩擦係数を確保するために、ショツトブラストなどの手
段により表面あらさ10〜40μRzの凹凸が設けられ
ている。 しかし、前述したようにブロックのプーリ接触面58に
形成した凹凸のためにプーリlO・20とブロック50
の接触部が局部的に高面圧となり、プーリのヘルド接触
面16・18・26・28に深さ数μm〜士数μmのク
ランクが多発することがある。また、プーリ接触面58
の凹凸が摩耗してなくなっていくと、プーリ10・20
とブロック50間の摩擦係数が低下して両者間に滑的が
発生し、その摩擦熱により両接触面にスカッフィングが
生じて摩耗が急速に進行することがある。 そこで、本実施例においては、−に記互いに摩擦接触す
る構成部材である一方のプーリlO・20の材料として
、クロムモリブデン鋼に高濃度浸炭(C,P、= 1.
0〜1.3)シ、高周波焼入れ焼戻しを施して表面硬さ
■(シー750以上の硬化深さを0゜1mm以上とした
ものを用いる。また、摩擦接触する他方のブロック50
の材料として、軸受鋼に焼入れ焼戻しを施して表面硬さ
をHv−750以上としたものを用いる。こうして、両
者の組合せによりプーリ10・20およびブロック50
の耐摩耗性を向上し、耐久性の大幅向上を図ったもので
ある。 本発明者は、第1表に示す成分および第2表に示す熱処
理にて2種類のプーリと2種類のブロックを製作し、第
3表の各組合せで耐久試験を行った。 」L表 町炎色 第」1表− なお、試験条件は次のとおりである。 ・エンジン回転数−300Orpm ・出力トルク−・−−−−−−7,Okg −m・変速
比−−−−−e = 2.0 ・試験時間−−−−一−−−−200hr耐久試験後の
プーリおよびブロックの摩耗量を測定したところ、第3
図に示す結果が得られた。 第3図から分るように、試験品m1(A−a)の組合ゼ
の場合に最も優れた結果を得た。 すなわち、プーリとして、クロムモリブデン鋼に高濃度
浸炭(C,P、−1,0〜1.3)し、高周波焼入れ焼
戻しを施して表面硬さがHv=750以上の硬化深さを
0.1mm以上としたものを用い、一方のブロックとし
て、軸受鋼に焼入れ焼戻しを施して表面硬さをHv=7
50以上としたものを用いた組合せの場合が、プーリ、
ブロック共に摩耗量が極めて小さく、良好な結果が得ら
れた。 この組合せでプーリ、ブロック共に耐摩耗性が良い理由
は、次のとおりである。 先ず、プーリ側としては、クロムモリブデン鋼に高炭素
濃度で浸炭し、過剰な炭素を固溶させ、高周波焼入れ焼
戻しを施すことにより、(1)、微細な高炭素マルテン
サイト組織が生成し、(2)、表面硬さおよび表面近傍
の硬さが上昇し、(3)、高圧縮残留応力が発生し、 +41.J度な残留オーステナイト量が確保できるから
である。 一方、ブロック側としては、軸受鋼に焼入れ焼戻しを施
すことにより、均一性の良いマルテンサイトのマトリッ
クス中に細かいクロム炭化物が一様に分布しているため
、高硬度で粘りの強いものとなり、疲れ強さを向上して
いることによる。 以上の理由により、試験品m1(A−a)の組合せにお
いて、プーリ、ブロック共に摩耗量が極めて小さく、耐
久性の良い組合せとなっていることが理解される。 なお、プーリの熱処理の高濃度浸炭において、C,P、
= 1.0〜1.3と限定したのは、1.0以下では深
さ方向に十分な硬さが得られず、しかも残留圧縮応力が
低いために耐摩耗性(耐ピツチング性)が劣る。また、
1.3以上では片状セメンタイトが析出し、基地のマル
テンサイトの硬さが低下するために耐ピツチング性が著
しく劣るためである。 また、プーリとして、表面硬さHv=750以上の硬化
深さが0.1mm未満では、耐ピツチング性に劣り、過
大摩耗となる。更に、ブロックも表面硬さがHv=75
0未満では耐摩耗性に劣る。 以上、本発明を特定の実施例ついて詳細に説明したが、
本発明は、この実施例に限定されるものではなく、特許
請求の範囲に記載の範囲で種々の実施態様が包含される
ものであり、例えば、金属ベルトを構成するブロック、
無端キャリアの形状は適宜変更が加えられ得るものであ
る。また、前述の実施例に示した所謂ブツシュタイプ以
外の例えば、前記無端キャリアに代えてリンクと連結ビ
ンとを用いた所謂チェーンタイプの金属ヘルドを使用し
たヘルド式無段変速機にも適用可能である。 〔発明の効果〕 以上のように本発明によれば、プーリおよびブロックの
耐摩耗性を向」二することができる。 従って、ヘルド式無段変速機の耐久性を大幅に向上する
ことが可能である。
して、次のような構成を採用したものである。 すなわち、本発明は、ベルト式無段変速機において、プ
ーリとしてクロムモリブデン鋼に高濃度浸炭(C,P、
= 1.0〜1.3)し、高周波焼入れ焼戻しを施して
表面硬さHv=750以上の硬化深さを0.1mm以上
としたものを用いると共に、ブロックとして軸受鋼に焼
入れ焼戻しを施して表面硬さをHシ=750以上とした
ものを用いたことを特徴とする。 具体的には、第1図を例にとって説明すると、ベルト式
無段変速機は、一対のプーリ (10・20)間に、こ
のプーリ (10・20)と摩擦接触する複数個のブロ
ック(50)を備えた動力伝達用金属ベルト(30)が
巻き掛けられて構成されている。 そして、摩擦接触する一方の部材であるプーリ(10・
20)として、クロムモリブデン鋼に高濃度浸炭(C,
P、= 1. O〜1.3)し、高周波焼入れ焼戻しを
施して表面硬さHシー750以上の硬化深さを0.1m
m以上としたものが用いられる。 更に、摩擦接触する他方の部材であるブロック(50)
として、軸受鋼に焼入れ焼戻しを施して表面硬さをHシ
ー750以上としたものが用いられる。 〔作 用〕 上述の手段によれば、プーリ (10・20)は、微細
な高炭素マルテンサイト組織が生成され、表面硬さおよ
び表面近傍の硬さが上昇すると共に、高圧縮残留応力が
発生し、適度な残留オーステナイト量が確保できる。 一方、ブロック(50)は、均一性の良いマルテンサイ
トのマトリックス中に細かいクロム炭化物が一様に分布
しているため、高硬度で粘り強いものとなり、疲労強さ
を向上している。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する
。 第1図は、本発明の一つの実施例に係るベルト式無段変
速機の変速部を示す要部斜視図である。 図において、】0はエンジンなどの駆動源Qこクラッチ
を介して連結された入力プーリであり、可動プーリ12
と固定ブー1J14とからなっている。 両プーリ】2・14にはヘルド接触面16・18が形成
されている。このヘルド接触面16・I8は両プーリの
駆動面となっており、大力プーリ10にV字形断面の周
溝(V溝)を形成している。 大力プーリ10に対向して出力プーリ20が配設されて
いる。この出力プーリ2oも可動プーリ22と固定プー
リ24とからなっている。両プーリ22・24には入力
プーリIOの場合と同様にベルト接触面26・28が形
成され、両プーリの従動面となっていると共に出力プー
リ20にV字形断面の周溝(■溝)を形成している。 そして、入力プーリ10のV溝と出力プーリ20のV溝
との間に後述する動力伝達用金属ヘルド(以下、金属ベ
ルトと称する)30が巻き掛けられる。こうして、エン
ジンの回転動力が大力プーリ10から出力プーリ20に
伝達され、史に図示しない歯車対、差動装置、駆動車軸
を経て車輪に伝達されるようになっている。 なお、入力側の可動プーリ12と出力側の可動プーリ2
2は、いずれも油圧などの手段によりV溝の幅寸法が連
続的に変更されることによって・金属ベルト30の掛り
径(有効径)が変更され、出力プーリ20の回転は無段
階に変速されて取り出される。 金属ベルト30は、第2図に詳しく示したように、可撓
性を有する一対の無端キャリア40と、その長手方向に
自由に移動し得るよう互いに密接した状態で取り付けら
れた多数のプロ・2り50とから構成されている。この
無端キャリア40は、薄い帯状のフープが5〜15枚程
度積層されることによって1.5〜3.0mm程度の厚
みに形成されている。ブロック50は、本体部52、頭
部54、およびこれらを連結する首部56とから一体的
に構成されており、その両端部には前記ベルト接触面と
同一角度の傾斜面(プーリ接触面)58が形成されてい
る。そし′ζ、その本体部52と頭部54との間に形成
された一対の矩形の切欠き溝内に前記無端キャリア40
が通されている。こうして、ブロック50は無端キャリ
ア40に規制されて前後の押圧面が互いに密接し、大力
プーリ10の回転動力を出カブ−920へ伝達するよう
になっている。 また、ブロック50のプーリ接触面58には、プーリl
O・20とブロック50間に滑りが生じないよう必要な
摩擦係数を確保するために、ショツトブラストなどの手
段により表面あらさ10〜40μRzの凹凸が設けられ
ている。 しかし、前述したようにブロックのプーリ接触面58に
形成した凹凸のためにプーリlO・20とブロック50
の接触部が局部的に高面圧となり、プーリのヘルド接触
面16・18・26・28に深さ数μm〜士数μmのク
ランクが多発することがある。また、プーリ接触面58
の凹凸が摩耗してなくなっていくと、プーリ10・20
とブロック50間の摩擦係数が低下して両者間に滑的が
発生し、その摩擦熱により両接触面にスカッフィングが
生じて摩耗が急速に進行することがある。 そこで、本実施例においては、−に記互いに摩擦接触す
る構成部材である一方のプーリlO・20の材料として
、クロムモリブデン鋼に高濃度浸炭(C,P、= 1.
0〜1.3)シ、高周波焼入れ焼戻しを施して表面硬さ
■(シー750以上の硬化深さを0゜1mm以上とした
ものを用いる。また、摩擦接触する他方のブロック50
の材料として、軸受鋼に焼入れ焼戻しを施して表面硬さ
をHv−750以上としたものを用いる。こうして、両
者の組合せによりプーリ10・20およびブロック50
の耐摩耗性を向上し、耐久性の大幅向上を図ったもので
ある。 本発明者は、第1表に示す成分および第2表に示す熱処
理にて2種類のプーリと2種類のブロックを製作し、第
3表の各組合せで耐久試験を行った。 」L表 町炎色 第」1表− なお、試験条件は次のとおりである。 ・エンジン回転数−300Orpm ・出力トルク−・−−−−−−7,Okg −m・変速
比−−−−−e = 2.0 ・試験時間−−−−一−−−−200hr耐久試験後の
プーリおよびブロックの摩耗量を測定したところ、第3
図に示す結果が得られた。 第3図から分るように、試験品m1(A−a)の組合ゼ
の場合に最も優れた結果を得た。 すなわち、プーリとして、クロムモリブデン鋼に高濃度
浸炭(C,P、−1,0〜1.3)し、高周波焼入れ焼
戻しを施して表面硬さがHv=750以上の硬化深さを
0.1mm以上としたものを用い、一方のブロックとし
て、軸受鋼に焼入れ焼戻しを施して表面硬さをHv=7
50以上としたものを用いた組合せの場合が、プーリ、
ブロック共に摩耗量が極めて小さく、良好な結果が得ら
れた。 この組合せでプーリ、ブロック共に耐摩耗性が良い理由
は、次のとおりである。 先ず、プーリ側としては、クロムモリブデン鋼に高炭素
濃度で浸炭し、過剰な炭素を固溶させ、高周波焼入れ焼
戻しを施すことにより、(1)、微細な高炭素マルテン
サイト組織が生成し、(2)、表面硬さおよび表面近傍
の硬さが上昇し、(3)、高圧縮残留応力が発生し、 +41.J度な残留オーステナイト量が確保できるから
である。 一方、ブロック側としては、軸受鋼に焼入れ焼戻しを施
すことにより、均一性の良いマルテンサイトのマトリッ
クス中に細かいクロム炭化物が一様に分布しているため
、高硬度で粘りの強いものとなり、疲れ強さを向上して
いることによる。 以上の理由により、試験品m1(A−a)の組合せにお
いて、プーリ、ブロック共に摩耗量が極めて小さく、耐
久性の良い組合せとなっていることが理解される。 なお、プーリの熱処理の高濃度浸炭において、C,P、
= 1.0〜1.3と限定したのは、1.0以下では深
さ方向に十分な硬さが得られず、しかも残留圧縮応力が
低いために耐摩耗性(耐ピツチング性)が劣る。また、
1.3以上では片状セメンタイトが析出し、基地のマル
テンサイトの硬さが低下するために耐ピツチング性が著
しく劣るためである。 また、プーリとして、表面硬さHv=750以上の硬化
深さが0.1mm未満では、耐ピツチング性に劣り、過
大摩耗となる。更に、ブロックも表面硬さがHv=75
0未満では耐摩耗性に劣る。 以上、本発明を特定の実施例ついて詳細に説明したが、
本発明は、この実施例に限定されるものではなく、特許
請求の範囲に記載の範囲で種々の実施態様が包含される
ものであり、例えば、金属ベルトを構成するブロック、
無端キャリアの形状は適宜変更が加えられ得るものであ
る。また、前述の実施例に示した所謂ブツシュタイプ以
外の例えば、前記無端キャリアに代えてリンクと連結ビ
ンとを用いた所謂チェーンタイプの金属ヘルドを使用し
たヘルド式無段変速機にも適用可能である。 〔発明の効果〕 以上のように本発明によれば、プーリおよびブロックの
耐摩耗性を向」二することができる。 従って、ヘルド式無段変速機の耐久性を大幅に向上する
ことが可能である。
第1図および第2図は本発明の一つの実施例に係るベル
ト式無段変速機を示すものであり、第1図は変速部を示
す要部斜視図、 第2図は第1図において動力伝達用金属ベルトの一部を
拡大して示す斜視図、 第3図は各材料組合せにおける耐久試験後のプーリとブ
ロックの摩耗量を示すグラフである。 符号の説明 10−一−−−人カプーリ 16・18−人力プーリのヘルド接触面20−−−−−
出力プーリ 26・28−出力プーリのベルト接触面30−−一動力
伝達用金属ヘルト 40−−−無端キャリア 50−−−−−ブロック 52− ブロックの本体部 54−−−ブロックの頭部 56− ブロックの首部 58−−−−ブロックのプーリ接触面 出願人 トヨタ自動車株式会社 7″ 第2図 1uブ 同ワ 岸 第3図
ト式無段変速機を示すものであり、第1図は変速部を示
す要部斜視図、 第2図は第1図において動力伝達用金属ベルトの一部を
拡大して示す斜視図、 第3図は各材料組合せにおける耐久試験後のプーリとブ
ロックの摩耗量を示すグラフである。 符号の説明 10−一−−−人カプーリ 16・18−人力プーリのヘルド接触面20−−−−−
出力プーリ 26・28−出力プーリのベルト接触面30−−一動力
伝達用金属ヘルト 40−−−無端キャリア 50−−−−−ブロック 52− ブロックの本体部 54−−−ブロックの頭部 56− ブロックの首部 58−−−−ブロックのプーリ接触面 出願人 トヨタ自動車株式会社 7″ 第2図 1uブ 同ワ 岸 第3図
Claims (1)
- (1)、プーリと摩擦接触する複数個のブロックを備え
た動力伝達用金属ベルトを、一対のプーリ間に巻き掛け
て構成してなるベルト式無段変速機において、 前記プーリとしてクロムモリブデン鋼に高濃度浸炭(C
.P.=1.0〜1.3)し、高周波焼入れ焼戻しを施
して表面硬さHv=750以上の硬化深さを0.1mm
以上としたものを用いると共に、前記ブロックとして軸
受鋼に焼入れ焼戻しを施して表面硬さをHv=750以
上としたものを用いたことを特徴とするベルト式無段変
速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3798386A JPS62196439A (ja) | 1986-02-21 | 1986-02-21 | ベルト式無段変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3798386A JPS62196439A (ja) | 1986-02-21 | 1986-02-21 | ベルト式無段変速機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62196439A true JPS62196439A (ja) | 1987-08-29 |
Family
ID=12512800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3798386A Pending JPS62196439A (ja) | 1986-02-21 | 1986-02-21 | ベルト式無段変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62196439A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01234638A (ja) * | 1988-03-14 | 1989-09-19 | Toyota Motor Corp | チェーンベルト用vブロック |
JPH0225754U (ja) * | 1988-08-08 | 1990-02-20 | ||
US6254503B1 (en) * | 1998-10-30 | 2001-07-03 | Nissan Motor Co., Ltd. | V-belt driven pulley and continuously variable transmission using the same |
WO2009076999A1 (en) * | 2007-12-17 | 2009-06-25 | Robert Bosch Gmbh | Continuously variable transmission incorporating a drive belt, method for operating it and method for manufacturing the drive belt |
-
1986
- 1986-02-21 JP JP3798386A patent/JPS62196439A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01234638A (ja) * | 1988-03-14 | 1989-09-19 | Toyota Motor Corp | チェーンベルト用vブロック |
JPH0225754U (ja) * | 1988-08-08 | 1990-02-20 | ||
US6254503B1 (en) * | 1998-10-30 | 2001-07-03 | Nissan Motor Co., Ltd. | V-belt driven pulley and continuously variable transmission using the same |
WO2009076999A1 (en) * | 2007-12-17 | 2009-06-25 | Robert Bosch Gmbh | Continuously variable transmission incorporating a drive belt, method for operating it and method for manufacturing the drive belt |
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