JPS6219613Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 考案の分野 この考案は、温州みかん、ネーブル、伊予柑、
またはナシやリンゴ等の果物を、選別装置に供給
するための果実等の移送供給装置に関する。

(ロ) 考案の背景 近年、上下の選果板の選別孔の大きさを異なら
せた複数枚の選果板を上下に積重ね、小径の選別
孔を設けた下部の選果板から順次下方に回動する
ことにより果実を大きさ別に選果する方式のプレ
ート式選果装置が注目されている。

このプレート式選果装置は、被処理物にほとん
ど衝撃を与えず、選果作業中に被処理物を傷付け
たりすることがなく、また、小型で設備場所が少
なくて済み、しかも騒音が少ないという利点を有
している。

しかし、一つの問題点は、選果板の選別孔に被
処理物を確実に供給しなければ、選果が確実に行
なわれず、上述した利点が発揮されない点にあ
る。

そのため、現在では、果実を上述の選果装置へ
供給するに当り、第１図、第２図に示す如き移送
供給装置が用いられている。

すなわち、移送供給装置１はその振動コンベヤ
２の条溝３により、被処理物Ｓを整列すると共
に、この条溝３に沿つて移送し、この被処理物Ｓ
を供給装置４を介して選別装置５に供給する。

上述の供給装置４は、回転軸６および回転軸６
に設けた十字状の小杆体７からなり、この小杆体
７上に被処理物Ｓを載置しながら、回転軸６が回
転することによつて、被処理物Ｓは選別装置５に
供給される。

なお、回転軸６の回転は、選別装置５と同期さ
れ、被処理物Ｓはこの同期によつて選別装置５の
選別孔８内に正確に供給される。

ところが、被処理物Ｓの供給スピードを上げた
場合、往々にして被処理物Ｓの一部は小杆体７の
先端に衝突し、そのまま小杆体７によつて跳ね上
げられて、仮想線で示す如く、遠心力で遠くまで
放り出されてしまい、正確に選別孔８内に落下せ
ず、選果が確実に行なえない問題点があり、さら
に、小杆体７による強制移送であるため、果実を
傷付ける問題点を有していた。

(ハ) 考案の目的 この考案は、上述の如き現状に鑑みてなされた
もので、被処理物Ｓの供給速度が増大しても、被
処理物Ｓを損傷することなく正確に選別装置に供
給することができる優れた果実等の移送供給装置
の提供を目的とする。

(ニ) 考案の構成 この考案は、移送方向側に下降傾斜する傾斜面
をＶ字状に配して傾斜状の移送溝を形成すると共
に、この移送溝を幅方向に複数個設けて移送板を
形成し、上記移送溝の溝方向を一致させて複数個
の移送板を移送方向に併設し、これら移送板の１
枚置きに設定される２つのグループの支持板のそ
れぞれを支持する一対の支持体を設け、これら一
対の支持体を揺動杆の両端に連結すると共に、該
揺動杆の中間部を中心として相互の支持体を相反
する方向に上下動させる駆動機構を設けた果実等
の移送供給装置であることを特徴とする。

(ホ) 考案の作用効果 この考案によれば、被処理物Ｓは上方に持上げ
られた移送板から、次の下方に降下した移送板の
方向へ傾斜に沿つて転動し、次いで再び上方に持
上げられる動作を繰返しながら、移送溝に沿つて
移送供給されるので、移送方向への強制力を受け
ず、例えば、一つの移送板を飛び越えて跳ね出す
ことがなく、前後左右の間隔を確実に維持して、
整列状態で移送される。

そのため、この移送供給装置と選別装置とを同
期させておけば、移送スピードを早くしても、被
処理物Ｓの飛び出しがなく、選別装置の選別孔に
確実に被処理物Ｓを供給することができる効果が
ある。

しかも、被処理物Ｓの自重転動であるため、被
処理物Ｓには強制力が掛らず、これを損傷させる
ことなく、供給することができる効果がある。

さらに、支持板を上下動させる駆動機構は、２
つのグループに分けて支持した支持体を、揺動杆
の揺動に基づいて一挙に上下動させる構成である
ため、小さい部品がなくて、構造が簡単簡素とな
り、故障や部品の破損がなく、しかも部品相互の
当接摺動部分がないため、騒音の発生がなく、静
かな作業環境が得られる効果がある。

(ヘ) 考案の実施例 この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述
する。

図面は果実の移送供給装置を示し、第３図〜第
５図において、フレーム１０に搭載したモータ１
１の出力は、ベルト１２、プーリ１３を介して、
フレーム１０に架設軸受したシヤフト１４に伝達
して、このシヤフト１４に固定したクランク板１
５を所定方向に回動するように構成している。

上述のクランク板１５に植設したクランクピン
１６には、連結杆１７の一端を連結し、この連結
杆１７の他端は、連結ピン２３を介して操作杆１
９の下端を連結し、また、上述の操作杆１９の上
端は、フレーム１０に架設軸受した揺動軸１８に
固定している。

そのため、クランク板１５が回動することに基
づいて、連結杆１７を介して操作杆１９が、第４
図において左右に揺動すると、揺動軸１８は正逆
方向に回動するように構成している。

上述の揺動軸１８には揺動杆２０の中間部を固
定するが、この固定状態は操作杆１９と揺動杆２
０との位置関係が側面から見てＴ字状（第４図参
照）になるように固定している。

上述の揺動杆２０の前後両端（第４図、第５図
では左右両端）には、連動軸２１，２２を軸受
し、これらの連動軸２１，２２には移送部支持体
２４，２５を軸支している。

そのため、前述の揺動軸１８が正逆回動するこ
とに基づいて、揺動杆２０の前後両端は相反する
側に同時に上下動し、移送部支持体２４，２５も
同時に上下動するように構成している。

その結果、モータ１１で駆動されるクランク板
１５のクランク運動は、連結杆１７、操作杆１９
揺動軸１８、揺動杆２０を介して、移送部支持体
２４，２５を相反する方向に上下動させることに
なる。

さらに、前述の操作杆１９の中間部には、第２
の連結ピン２６を介して連動杆２７の一端を連結
し、この連動杆２７の他端には、第２操作杆１
９′の下端を第３連結ピン２８を介して連結し、
また、上述の第２操作杆１９′の上端は、フレー
ム１０に架設軸受した第２揺動軸１８′に固定し
ている。

上述の第２揺動軸１８′には第２揺動杆２０′を
固定するが、この固定状態は第２操作杆１９′と
第２揺動杆２０′との位置関係が、側面から見て
Ｔ字状（第４図参照）になるように固定してい
る。

上述の第２揺動杆２０′の前後両端（第４図で
は左右両端）には、第２連動軸２１′，２２′を軸
受し、これらの連動軸２１′，２２′には第２移送
部支持体２４′，２５′を軸支している。

その結果、モータ１１で駆動されるクランク板
１５のクランク運動は、前段の移送部支持体２
４，２５を上下動させることに連動して、後段の
移送部支持体２４′，２５′も、第２揺動軸１
８′、第２揺動杆２０′を介して、相反する方向に
上下動することになる。

上述の移送部支持体２４，２４′間には左右一
対の移送方向に長い支杆３０，３０を、また、他
方の移送部支持体２５，２５′間にも左右一対の
移送方向に長い支杆２９，２９をそれぞれ固定し
ている。

上述の支杆２９，２９の間、およぞ支杆３０，
３０の間には、１枚置きに設定される２つのグル
ープの移送板３１…、３２…が相互を１枚置きに
対応させて固定している。

すなわち、支杆２９，２９には、移送板３２…
を１枚分の間隔を隔てて固定しており、また、支
杆３０，３０には、移送板３１…を１枚分の間隔
を隔てて固定しており、これら２つのグループの
移送板３１，３２は交互に配列される。

そして、これらの２つのグループの移送板３１
…，３２…は移送部支持体２４，２４′および支
持体２５，２５′の上下動に連れて、互いに相反
する方向に同時に上下動するように構成してい
る。

上述の移送板３１，３２は、第３図で明らかな
ように、移送方向側に下降傾斜する傾斜面３４を
Ｖ字状に配して傾斜状の移送溝３３を形成すると
共に、この移送溝３３を左右の幅方向に複数個
（実施例では４列）形成し、各移送板３１…，３
２…はこの移送溝３３の溝方向を移送方向側が下
降する方向に一致して配設している。

このように構成した果実の移送供給装置は移送
板３１，３２を同時に相反する方向に上下動する
ことによつて、以下に示す如く被処理物Ｓを移送
することができる。

すなわち、第６図イは、移送板３１，３２，３
１′が同一高さにある状態を示し、右側の移送板
３１上にある被処理物Ｓは、中間の移送板３２の
側壁に妨げられて、左方には移動しないが、ロに
示す如く、右方の移送板３１が上昇し、中間の移
送板３２が下降し、傾斜面３４と３４′が一致す
ると、被処理物Ｓはこの傾斜面３４，３４′に沿
つて左方に転動し、右側の移送板３１′の側壁に
接当して移送板３２上に止まる。

次いで、移送板３１，３１′が下降し、中間の
移送板３２が上昇すると、ハの状態を経て、ニの
状態に至り、被処理物Ｓは移送板３２より３１′
の方へ移送される。

このように移送板３１…，３２…を交互に反対
方向に上下動させることによつて、被処理物Ｓは
順次左方に移送され、遂には第１図の選別装置５
の選別孔８に被処理物Ｓが投入される。

なお、移送板３１，３２には前述の如く、移送
溝３…が形成され、被処理物Ｓはこの移送溝３３
に従つて移送され、被処理物Ｓが左右の幅方向に
ずれることなく、選別孔８に向けて正確に移送さ
れる。

上述した実施例で移送板３１，３２を上下動さ
せる駆動機構は、上述の実施例で示した機構に限
らず、例えば、油圧駆動装置など任意の手段が採
用される。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は現
在の移送供給装置の斜視図、第２図はその側面
図、第３図はこの考案の移送供給装置の正面図、
第４図はその側面図、第５図は一部切欠き上面
図、第６図イ〜ニは被処理物を移送する状態を示
す作用図である。 １５……クランク板、１６……クランクピン、
１７……連結杆、１８，１８′……揺動軸、１
９，１９′……操作杆、２０，２０′……揺動杆、
２１，２１′，２２，２２′……連動軸、２４，２
４′，２５，２５′……移送部支持体、２９，３０
……支杆、３１，３２……移送板、３３……移送
溝、３４……傾斜面、Ｓ……被処理物。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 移送方向側に下降傾斜する傾斜面をＶ字状に配
   して傾斜状の移送溝を形成すると共に、この移送
   溝を幅方向に複数個設けて移送板を形成し、 上記移送溝の溝方向を一致させて複数個の移送
   板を移送方向に併設し、 これら移送板の１枚置きに設定される２つのグ
   ループの支持板のそれぞれを支持する一対の支持
   体を設け、 これら一対の支持体を揺動杆の両端に連結する
   と共に、該揺動杆の中間部を中心として相互の支
   持体を相反する方向に上下動させる駆動機構を設
   けた 果実等の移送供給装置。