JPS6219376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、プレス型の保持具に係り、特にプレ
ス型の上型を、下型との間に適当な間〓を有して
保持するプレス型保持具に関するものである。

従来、プレス型の上型を、下型との間に適当な
る間〓を有して保持する場合、弾褥性を有するス
トツクブロツクを利用するプレス型保持具が用い
られている。このプレス型保持具は、第１図の平
面図及び第２図の断面図に示すように、下型５１
の隅に設けられているガイドポスト５２の部位を
それぞれ横方向に延長部５３を形成し、その延長
部５３に第２図に示されるごとく、弾褥性を有す
る材料で中空状に形成され、その中空部５４にス
リーブ５５が設けられているストツクブロツク５
６をボルト５７によつて固着させたものである。
しかしながら、このようなプレス型保持具におい
てはストツクブロツク５６を配設するための延長
部５３を形成しなければならず、下型が大きくな
る欠点がある。またプレス機に上型又は下型を取
り付けたり、取り外すといつたプレス機を停止さ
せて行なう型段取りもしくは型合わせ、型修理等
の微妙な作業においてストツクブロツク５６が障
害となる欠点がある。

本考案は、上記のような欠点を解消するために
なされたもので、プレス型の型段取を容易に行な
うと共にプレス型を小型化することができるプレ
ス型保持具を提供することにある。

本考案の要旨は、プレス型の上型を、下型との
間に適当な間〓を有して保持すべくストツクブロ
ツクを使用するプレス型保持具において、該スト
ツクブロツクは弾褥性を保有する材料によつて中
空状に形成され、その弾褥性はプレス型の保管時
には上型の重量に対抗して下型との間に適当な間
〓を存する高さに前記上型を持ち上げ、プレス成
形時には成形圧により下型レベルに圧縮されるよ
う形成されており、該ストツクブロツクを下型に
設けられているガイドポストに間〓を有して同軸
状に嵌挿すると共にその高さを下型に設けられて
いるストロークエンドパイプより高くして下型に
配設し、かつこのストツクブロツクの上端にワツ
シヤーを設けたことを特徴とするものである。

以下、本考案のプレス型保持具の一実施例を図
面に従つて詳細に説明する。

第３図は本考案のプレス型保持具を設けた下型
の平面図を示し、第４図は第２図のロ−ロ線に沿
う断面図を示す。また第５図は本考案のプレス型
保持具を設けたプレス機の一部を示す断面図であ
る。第３図ないし第５図において、１はボルスタ
ー２に設けられている下型であつて、この下型１
の４つの隅３にはラム４に設けられている上型５
を案内するためのガイドポスト６がそれぞれ設け
られている。このガイドポスト６の外側には円筒
状に形成されたストロークエンドパイプ７がそれ
ぞれ設けられており、このストロークエンドパイ
プ７は上型５が下降した時の下死点となるよう設
けられている。そしてガイドポスト６のそれぞれ
には下記に示すようなプレス型保持具が該ガイド
ポスト６と間隔を有して同軸状に嵌挿されてい
る。

本考案のプレス型保持具は、第４図および第５
図に示されるようにストツクブロツク本体８とこ
のストツクブロツク本体８の上端に設けられてい
るワツシヤー９とからなつている。そしてこのス
トツクブロツク本体８はポリウレタン樹脂、ウレ
タンゴム等の弾褥性を保有する材料によつて中空
状に形成されており、このストツクブロツク本体
８の弾褥性は、プレス型の保管時にはラム４より
取り外された上型５をその重量に対抗して下型１
との間に適当な間〓を有する高さに保持すること
ができ、かつプレス加工時には下型１に配設され
たままの状態で上型５の加圧力により下型レベル
まで圧縮されうるような弾性を有する肉厚に形成
されている。そしてこのストツクブロツク本体８
の上端には金属又は硬質合成樹脂等の硬直性を保
有する材料によつて形成されているワツシヤー９
が設けられている。ワツシヤー９が設けられたス
トツクブロツク本体８は下型１に設けられている
ガイドポスト６に間隔を有して同軸状に嵌挿され
ていると共にその高さは下型１に設けられている
ストロークエンドパイプ７より高くして下型１に
配設されている。

上記のように構成されたプレス型保持具におい
て、型段取りを行なう場合について第５図に従つ
て説明する。先ず、下型１及び上型５をプレス機
のボルスター２に設置させ、所定の型高さになる
ように、ラム４の高さを調整する。次にラム４を
降下させ、第５図に示されるようにラム４の下面
を上型５の上面に密着させ、図示を省略する締付
けボルト又はダイクランパによりラム４に上型５
を結合せしめる。

前記ラム４に上型５を結合すべく上型５にラム
４を密着させるに当り、上型５はストツクブロツ
ク本体１によつて弾力的に保持されているため、
ラム４を上型５に当接させるのみでストツクブロ
ツク本体１の弾性変形により、前記ラム４と上型
５との結合面が直ちに密着するように自動的に面
合せが行なわれる。またラム４を１行程で急降下
させても、上型５に当接した際の衝撃がストツク
ブロツク本体１の弾性変形によつて吸収緩和さ
れ、ラム４自体の破損および上型５の破損が防が
れる。

上記の如く、プレス型のボルスター２への設置
及びラム４への上型５の結合作業を含む型段取り
の終了後は、下型１にプレス型保持具を配設させ
た状態のままで常法によりラム４を昇降操作し、
プレス成形を行なうことができる。このプレス成
形中、ストツクブロツク本体１はラム４の下降
時、成型圧によりストロークエンドパイプ７の頂
面まで長さが圧縮され、またラム４の上昇時、固
有の長さに伸長する。

また、プレス型を保管する場合には、ラム４を
下死点近くに停止させ、締付けボルト又はダイク
ランパを解いてラム４と上型５をプレス型保持具
上に載置させ、ラム４のみ上昇させる。ラム４の
上昇後、上型５はプレス型保持具により下型１の
上方に適当な間〓を有する高さに持ち上げられる
と共にこの状態で保管される。

本考案は、以上詳述した構成、作用のもので、
弾性変形しうるストツクブロツク本体を使用して
いるので、プレス型の使用時においてラムを上型
に当接する位置に１行程で急降下させても、その
衝撃力はストツクブロツク本体の弾性変形により
吸収緩和できると共に上型にラムを当接させるこ
とによつてストツクブロツク本体の弾性変形によ
りラムと上型との結合面が直ちに密着させること
ができる効果を有する。また、本考案によればプ
レス型保持具を下型に設けられているガイドポス
トに間隔を有して同軸状に嵌挿して配設したの
で、型合せ又は型修理等の微妙な作業時において
も障害となることはなく、しかも従来ようにプレ
ス型保持具を設けるために下型に特別な場所を形
成する必要がないのでプレス型の構造を簡単にし
て小型化できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のプレス型保持具を設けた下型の
平面図、第２図は第１図のイ−イ線に沿う断面
図、第３図は本考案のプレス型保持具を設けた下
型の平面図、第４図は第３図のロ−ロ線に沿う断
面図、第５図は本考案のプレス型保持具を設けた
プレス機の１部を示す断面図である。 １……下型、２……ボルスター、３……隅、４
……ラム、５……上型、６……ガイドポスト、７
……ストロークエンドパイプ、８……ストツクブ
ロツク本体、９……ワツシヤー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレス型の上型を、下型との間に適当な間隙を
   有して保持すべくストツクブロツクを使用するプ
   レス型保持具において、該ストツクブロツクは弾
   褥性を保有する材料によつて中空状に形成され、
   その弾褥性はプレス型の保管時には上型の重量に
   対抗して下型との間に適当な間隙を存する高さに
   前記上型を持ち上げ、プレス成形時には成形圧に
   より下型レベルに圧縮されうるように形成され、
   該ストツクブロツクを下型に設けられているガイ
   ドポストに間隔を有して同軸状に嵌挿すると共に
   その高さは下型に設けられているストロークエン
   ドパイプより高くして下型に配設し、該ストツク
   ブロツクの上端にワツシヤーを設けたことを特徴
   とするプレス型保持具。