JPH0320017Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、プレス金型パツドと上型本体との間
に介装される２段積スプリングの取付装置に関す
るものである。

〈従来の技術〉 板金材等のワーク端をプレスにより折り曲げ加
工するプレス金型は第２図で示すように、下型曲
刃１と上型本体４側に設けた曲刃３と、上型本体
４側に上型本体４の昇降動と相対移動可能に設け
られ、下型曲刃１上のワークＷの上面を押さえる
パツド２とから構成され、このパツド２と上型本
体４とを相対移動させるための２段積スプリング
５がパツド２の上面と上型本体４の下面との間に
介装されている。

上記２段積スプリング５は第３図及び第４図で
示すように、円筒状のゴム等の弾性体よりなり、
上段スプリング５ａと下段スプリング５ｂとの間
に可動プレート６が介在され、パツド２の上面に
固定したガイドピン７を前記上下段スプリング５
ａ，５ｂ並びに可動プレート６の中心部を貫通さ
せ、ガイドピン７の上端を上型本体４に明けた逃
し穴８に臨ませ、この逃し穴８の下面に固定した
プレート９に上面より当接するストツパ１０を前
記ガイドピン７の上端に固着した取付構造であ
る。

この上下段スプリング５ａ，５ｂは上型本体４
の上死点では第３図で示すように、上下段スプリ
ング５ａ，５ｂは最伸長状態となり、ガイドピン
７の上端はストツパ１０によつて固定のプレート
９に当接されている。

また、上型本体４の下死点では第４図で示すよ
うに、パツド２と上型本体４は相対移動し、上下
段スプリング５ａ，５ｂは圧縮されパツド２に対
する上型本体４の上昇相対移動力を蓄積する。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記従来の２段積スプリング取付構造では第４
図で示すように上下段スプリング５ａ，５ｂが圧
縮されたときにガイドピン７の上端と上型本体４
との相対移動を許容させるためのガイドピン７の
上端の逃しを必要とする。従つて、上型本体４の
肉厚ｈが相当寸法で必要とし上型本体４の重量が
増大するばかりでなく、型高さや送り高さが決ま
つているため設計が難しく、また、上型本体４に
逃し穴８の加工を要する問題点があつた。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、上記従来の問題点を解決したもので
あり、その構成は、下型上のワークを押えるパツ
ド上面と上型本体の下面との間に介装された上段
スプリングと下段スプリングとからなるプレス金
型パツドの２段積スプリングの取付装置におい
て、前記上段スプリングの下面と前記下段スプリ
ングの上面との間に可動プレートを介装し、前記
上下段スプリングの外側で前記上下段スプリング
の伸縮方向に軸線を向けた第１ガイドピンを上型
本体下面が接触する上部プレートに下方に向けて
固設し、また第２ガイドピンを前記パツド上面よ
り上方に向けて固設すると共に、前記第１、２ガ
イドピンに前記可動プレートを摺動可能に案内さ
せ、前記第１、２ガイドピンの先端にストツパ頭
部を備えたものである。

〈作用〉 本考案は、上型本体の昇降動による上下段スプ
リングの伸長圧縮時におけるガイドピンは、上型
本体の下面が接触する上部プレートに下向きに固
定された第１ガイドピンとパツド側に上向きに固
定された第２ガイドピンとが上型本体とパツド間
で相対移動して可動プレートを案内し、上下段ス
プリングの伸長圧縮作動を吸収する。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を第１図に基づいて説明す
る。２はパツド、４は上型本体である。前記パツ
ド２の上面にリテーナ１３を突設した下部プレー
ト１１を固定し、この下部プレート１１上に下段
スプリング５ｂを前記リテーナ１３に中心穴１２
を係合位置決めする。さらに下段スプリング５ｂ
の上面に可動プレート１４を載せ、この可動プレ
ート１４上に上段スプリング５ａを載せる。前記
可動プレート１４の上面にも前記下部プレート１
１のリテーナ１３と同心上にリテーナ１６が突設
され、このリテーナ１６に上段スプリング５ａの
中心穴１５を係合位置決めする。１７は上型本体
４の下面が接触する上部プレートであり、これに
上段スプリング５ａの上面に固定されている。

さらに、前記上部プレート１７に上下段スプリ
ング５ａ，５ｂの外側で上下段スプリング５ａ，
５ｂの伸縮方向に軸線を向けた第１ガイドピン１
８を下方に向けて固定し、下部プレート１１に第
２ガイドピン１９を上方に向けて固定する。そし
て、両ガイドピン１８，１９に前記可動プレート
１４を摺動可能に案内させ、両ガイドピン１８，
１９の先端にストツパ頭部２０，２１を設けたも
のである。

本考案は上記の通りの構造であるから、パツド
２が下型曲刃１のワークＷ上に当接した状態（第
２図参照）で上型本体４が下降動してパツド２と
相対移動すると第１ガイドピン１８と第２ガイド
ピン１９も相対移動し、上下段スプリング５ａ，
５ｂの圧縮に応じて可動プレート１４が第１、２
ガイドピン１８，１９に案内されて摺動するもの
である。

〈考案の効果〉 このように本考案によると、上下２段積のスプ
リングの伸縮を案内するガイドピンを上下段スプ
リングの外側で上型本体の下面が接触する上部プ
レートに下向きに上型本体に固定し、パツド側は
上向きにパツドに固定した上下に分けて相対移動
するようにした構成であるから、従来のように上
型本体の上方にガイドピンの逃しがなくなり、従
つて、上型本体の高さが最小に設計可能となり、
重量の軽減、型費の低減が図られると共に、加工
深さの大のものでも容易に対応させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の断面図、第２図はワーク
曲げ加工用のプレス金型の断面図、第３図は従来
装置の断面図であり上型本体上死点状態を示す。
第４図は同下死点状態を示す断面図である。 １……下型曲刃、２……パツド、４……上型本
体、５ａ……上段スプリング、５ｂ……下段スプ
リング、１４……可動プレート、１７……上部プ
レート、１８……第１ガイドピン、１９……第２
ガイドピン、２０，２１……ストツパ頭部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下型上のワークを押えるパッド上面と上型本体
   の下面との間に介装された上段スプリングと下段
   スプリングとからなるプレス金型パツドの２段積
   スプリングの取付装置において、前記上段スプリ
   ングの下面と前記下段スプリングの上面との間に
   可動プレートを介装し、前記上下段スプリングの
   外側で前記上下段スプリングの伸縮方向に軸線を
   向けた第１ガイドピンを前記上型本体下面が接触
   する上部プレートに下方に向けて固設し、また第
   ２ガイドピンを前記パツド上面より上方に向けて
   固設すると共に、前記第１、２ガイドピンに前記
   可動プレートを摺動可能に案内させ、前記第１、
   ２ガイドピンの先端にストツパ頭部を備えたこと
   を特徴とするプレス金型パツドの２段積スプリン
   グ取付装置。