JPS621932Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、一般にテーラーバツグと称される
ような洋服類の携行、携帯用に用いられる手提げ
バツグに関する。

従来、この種のバツグとしては、合成樹脂フイ
ルムないしはシートで形成された袋主体内に、ハ
ンガーに吊下げ状態とした洋服類を収納し、上記
袋主体を２つ折状となしてその端部から前記ハン
ガーの提手部を外方に突出せしめることにより、
手に提げて携行しうるようになされたものが多く
用いられている。

上記のような従来の洋服用バツグは、外観上、
いかにも洋服類を携行していることが明瞭である
ため、近時殊に若人等の趣味感に合わず、その使
用が嫌がられる傾向が見られる。のみならず、上
記の如き従来品は、袋本体とハンガーとの組合わ
せで用いなければならず、材質が合成樹脂製であ
ることも相俟つていささかコスト高につくと共
に、洋服類の出し入れもいささか面倒であるとい
うような難点があつた。

この考案は、ユーザーの求めるよう優れたフア
ツシヨン性を有する洋服類の携行用手提げバツグ
を提供することを目的として、かつ材料費及び製
作費を含めてのコストが安く、洋服の出し入れ操
作が簡易にできる実用性能に優れたバツグの構造
を提供しようとするものである。

以下、この考案の構成を図示実施例に基づいて
説明する。

１，２は腰のややしつかりした紙でつくられた
前後壁であり、これらは左右両側縁の下部と下縁
とが接着あるいは折曲によつて一体に連続されて
扁平な袋状に形成され、前壁１の高さの略1/3程
度に相当する上部１ａが折目線９を介して外方に
折返し自在なものとなされている。

４は後壁２の上端に連設された帯状の折返し部
であり、該折返し部は後壁２の上端延長部分を内
部に厚紙からなる帯状芯板３を包み込むようにし
て捲回することにより形成されたもので、その両
端部のみが止金１０で後壁２に接結されることに
より、後壁２との間に遊離間隙５を形成したもの
となされている。

一方、前壁１はその上端部に上記遊離間隙５に
挿入可能な帯状の挿入部７が設けられている。こ
の挿入部７は、前壁１の上端延長部分を複数回捲
回状態に折畳むことによつて高強度に形成された
もので、かつ左右両側縁が斜めに切除されること
により幅を縮小されて前記遊離間隙５に挿入可能
なものとなされている。

８は把手孔であり、上記挿入部７と後壁２の上
端部と折返し部４との重合部分の中央部に貫通状
態に穿設されている。なお、１１は前後壁１，２
の両側縁の連続部分の上端に止着された補強接結
金具である。

上記のバツグ使用に際しては、第３図に示すよ
うに前壁１の上部１ａを外方に折返した状態にし
て、洋服類Ａを後壁２との間の袋状の収納空間に
挿し入れたのち、上記前壁１の上部１ａを第４図
に矢印イで示すように上方に起こしてその上端の
挿入部７を後壁２の上端部の折返し部４との間の
遊離間隙５に挿入する。これによつて洋服類の包
装状態を実現し、把手孔８に手をかけてこれを提
持携行するものである。

なお、前後壁１，２の材料は、コスト面及び収
容物の安定保持等の面から紙製のものとすること
が好ましいが、これに限定されるものではなく、
比較的腰のしつかりした合成樹脂シートないしは
フイルムを用いて作製しても良い。また、前後壁
１，２の両側縁及び下縁等の接合には、該部を布
製の縁テープで包み込んで縫着することによつて
行うものとしても良い。

この考案は上述のようなものであるから、使用
状態において全体が方形の扁平な鞄の状態を呈
し、およそ外観上、テーラーバツグの如くには印
象されないものとなつて体裁が良いのはもちろ
ん、紙製のものとなしうること、及び構造が極め
て簡単で製作が容易であることが相俟つて、量産
性が良く非常に安価に製作提供できる。また、洋
服類の出し入れは、第３図に示すように前壁１の
上部１ａを外方に折返して、洋服類を後壁２上で
前壁１との間に滑り込ませる如く為すことによつ
て簡単に収納しうるのはもとより、上部１ａを折
返した前壁１の上端から突出状態となる収納洋服
類の該突出部分を引張ることによつて引き出しう
るから、袋口を拡げて洋服類を出し入れするよう
な場合に較べ、洋服類に皺を生じさせることなく
その操作を非常に容易になしうるし、洋服類を入
れて鞄状態としたときは、前壁１の上端挿入部７
が後壁２上端と折返し部４との間に挾み込まれて
前後壁１，２の上端が合一的に閉鎖されるから、
携行中徒らに袋口が開くおそれが皆無であり、か
つ収納洋服が前後壁１，２間にしつかりと挾み込
まれる状態となるために、それが内部で遊動した
り、ずり落ちて袋底部に偏在するというような欠
点を生じることもない。また前後壁１，２の上端
の折返し部４及び挿入部７を実施例の如くして補
強したものとなすことによつて、これらが袋口の
補強縁材の役目を果し、提持携行中、収納物の重
量によつて上縁がへ字状に変形するというような
欠点がなく、常時良好な保形性を維持して体裁の
良いものとなしうる等の優れた効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は斜視図、第２図は第１図−線の平面図、第
３図は洋服類を収納する途上の状態時の斜視図、
第４図は第３図−線の拡大断面図である。 １……前壁、１ａ……上部、２……後壁、３…
…帯状芯板、４……折返し部、５……遊離間隙、
７……挿入部、８……把手孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 方形の前後壁１，２が両側縁下部と下縁とを
   一体に連続されて扁平袋状に形成され、前壁１
   の上部１ａが外方折返し自在に形成されると共
   に、後壁２の上端に、前面側に折返された帯状
   の折返し部４が連設され、かつ該折返し部４は
   両端のみが後壁２に接結されて後壁２との間に
   遊離間隙５が形成される一方、前壁１の上端部
   に前記遊離間隙５に挿入可能な幅に形成された
   挿入部７が設けられると共に、該挿入部７と前
   記後壁２及び折返し部４の重合部分の中央に貫
   通状に把手孔８が穿設されてなる洋服類携行用
   バツグ。 (2) 前後壁１，２がいずれも紙製である実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の洋服類携行用バツ
   グ。