JPS62188748A - 極めて保磁力の低い無方向性高珪素鋼薄帯 - Google Patents

極めて保磁力の低い無方向性高珪素鋼薄帯

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JPS62188748A
JPS62188748A JP61216377A JP21637786A JPS62188748A JP S62188748 A JPS62188748 A JP S62188748A JP 61216377 A JP61216377 A JP 61216377A JP 21637786 A JP21637786 A JP 21637786A JP S62188748 A JPS62188748 A JP S62188748A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は珪素5.0〜8.0%を含み、保磁力Hcが0
.1エルステッド以下である(100)面内無方向性高
珪素fiA薄帯に関するものである。
4〜10%の珪素、好ましくは5〜8%の珪素を含む高
珪素鋼板は従来の3%珪素鋼板に比べて磁歪が低く、特
に6.5%珪素量附近では磁歪が消失し、また磁気異方
性も小さくなっているので、優れた軟磁性を示す事が知
られている。しかしながら珪素が4%以上になり、特に
6%以上になると、きわめて脆くなり、工業的規模の圧
延加工が実質的に不可能となる。このために今日でも5
%以上の珪素を含むような高珪素鋼板は商品化されてい
ない。これに対して本出願人は先に特願昭53−141
290号において4〜10%の珪素を含む高珪素鋼薄帯
とその製造方法を提供した。これによれば4〜10%珪
素鋼の溶融体を移動する冷却体上に噴出して、400°
Cになるまでの間を103 °C/秒以上の速度で急冷
する事により、従来のように熱間と冷間の圧延を全く施
さないで、直ちに高珪素鋼の薄帯状の成品あるいは生成
品が得られる。また、これらを400〜1300℃で焼
鈍したり、さらに400〜650℃で追加焼鈍して規則
格子を生成させると良好な軟磁性を示すようになり、例
えば薄帯の長手方向に磁化した時の保磁力Hc(以下、
Hm=5エルステッド、DCの値を示す)は0.2エル
ステッド以下になり特に低いものは0.1工ルステツド
程度になる。一般に、珪素鋼板で代表される電磁鋼板は
電力用トランス、回転機、発電機などの鉄心として用い
られるが、緒特性の中で実用上は鉄損特性が良好である
事が最も重要となる場合が多いので、大部分は鉄損値に
よってランク付けされる。
この鉄損値は、板厚、電気抵抗とならんで、直流での履
歴損の値によって変化する。板厚は薄いほど高周波数側
での渦電流による損失が少なくなるが、その反面、履歴
撰が大きくなりまた、鉄心などへの組み立て作業が煩雑
になるので、実用的には用途に応じて板厚が規定されて
いる。電気抵抗は高いほど、やはり渦電流損は小さくな
るので、先の発明の高珪素鋼は従来の3%珪素鋼に比べ
て電気抵抗を高める上で好ましい。履歴損は磁歪と磁気
異方性によって、主にきまり、一般にこれらが大きいほ
ど大きくなる。高珪素鋼は、飽和磁束密度Bsが低くな
るという欠点をもつが、磁歪をほぼ消失させるので履歴
損が低くなるという長所をもつ。一方−2磁気異方性は
高珪素鋼においてもほぼ半減はするが、依然として残っ
ている。したがって以上の点から、6.5%あたりの高
珪素鋼は従来の3%珪素鋼と比較して、Bsの低下を犠
牲にして鉄損をさらに低くした素材と言うことができる
本発明は、各結晶粒の< 100 >軸が板面に平行に
揃い、いわゆる(100)面内無方向性であって保磁力
Heが0.1エルステッド以下の高珪素鋼を提供するこ
とを目的とするものであり、前記特許請求の範囲に記載
の薄帯の製造方法を提供することによって、その目的を
達成することができる。
本発明は下記の第1発明及び第2発明にある。
第1発明 重量%で珪素5.0〜8.0%を含有し、残部実質的に
鉄および不可避不純物から成り、結晶粒の< 100 
>軸が板面法線にほぼ平行で、(100)面内無方向性
の立方集合組織を有し、保磁力0.1エルステッド以下
であることを特徴とする橿めて保磁力の低い(100)
面内無方向性高珪素鋼薄帯。
第2発明 珪素5.0〜8.0%を含有し、副成分としてアルミニ
ウム2%以下、マンガン2%以下、コバルト10%以下
、ニッケル3%以下の何れか1種または2種以上を含有
し、残部実質的に鉄および不可避不純物から成り、結晶
粒の< 100 >軸が板面法線にほぼ平行で(100
)面内無方向性の立方集合組織をし、保磁力0.1エル
ステッド以下であることを特徴とする極めて保磁力の低
い(100)面内無方向性高珪素鋼薄帯。
次に本発明の詳細な説明する。
本発明者らは、前記特願昭53−141290号の高珪
素鋼薄帯について種々研究をおこなった結果、ある特定
組成の高珪素鋼を特定の温度範囲と特定雰囲気(水素雰
囲気)又は真空中において焼鈍を加える事により、薄帯
の各結晶粒の<100>軸が板面に平行に揃い、いわゆ
る(100)面内無方向性高珪素鋼が得られ、その結果
として保磁力Hcが0.1エルステッド以下になる事を
見出し、本発明に想到した。(100)面内無方向性珪
素鋼は学術文献や特許でこれまでにも製造法が開示され
た事はあるが、工業的な製造が困難であったり、又コス
トが高くつくために、商業ベースで工業生産はされては
いない。従来の珪素鋼板は、各結晶粒の方位が特定の方
向に揃っていない無方向性珪素鋼と、(110) C0
0L)方位に高度に集積した方向性珪素鋼に分けられ、
前者は主として回転機や発電機のように、磁束が板面内
のいろいろな方向にかかる鉄心材料に用いられ、後者は
一方向のみに磁束がかかるトランスなどに用いられる。
このような用途においては本発明の(100)面内無方
向性高珪素鋼は従来の無方向性珪素鋼が用いられていた
場合に比べて、より高い性能とより低い鉄損を生み出す
と考えられる。一方、後述するように本発明の高珪素鋼
薄帯は保磁力Hcが0.1エルステッド以下と極めて低
く、(この値は薄帯面のどの方向についても、はぼ同等
と考えられる。)現在、市販されている方向性珪素鋼の
それに、はぼ匹敵するので、トランスなどの鉄心材料と
しても充分に応用が可能であると考えられる。この場合
、従来の方向性珪素鋼では、トランスに組み込んだ際、
鉄心のコーナ一部で磁束の曲がりが充分でなく余分の鉄
損を発生させるが、本発明の高珪素鋼薄帯では磁束の曲
がりは良好であるので実機特性においては、むしろ良好
な鉄損特性を示すと予想される。
以上の観点から本発明の保磁力の低い(100)面内無
方向性高珪素鋼薄帯は、電気機器の鉄心材料として用い
られる事ができ、この場合、従来の珪素鋼板に比べて性
能の向上と鉄損の減少により大きく寄与すると考えられ
る。
次に本発明の薄帯において成分組成を限定する理由を説
明する。
珪素は5.0%より少ないと磁気特性が従来成品と同程
度のものしか得られないし、一方8.0%より多いと脆
化する上にかえって磁気特性が劣化するので、保磁力H
c0.1エルステンド以下の薄帯とするためには珪素は
5.0〜8.0%の範囲内にする必要がある。
本発明の第1発明の薄帯の成分組成に、副成分としてア
ルミ・ニウム2%以下、マンガン2%以下、コバルト1
0%以下、ニッケル3%以下の何れか1種または2種以
上を含有させることができる。
アルミニウムは強い脱酸元素であるので、アルミニウム
を添加することにより、さらに酸素の低い素材を得るこ
とができ、また電気抵抗を高めるので渦電流損を低くす
る点で好ましいが、2%より多いと磁歪を大きくするの
で、アルミニウムは2%以下にする必要がある。
マンガンは不可避元素として通常の製鋼においては約0
.05%含有されており、この元素は固溶しているSと
結合してMnSとなり、Sの鉄損劣化に及ぼす悪影響を
抑制するばかりでなく、圧延加工する上でも好ましいこ
とが知られている。しかしマンガンが2.0%より多い
と磁気特性がかえって劣化し、さらに硬化するため成品
の加工が困難になってくるので、マンガンは2.0%以
下にする必要がある。
本発明薄帯は珪素分の含有が高いので必然的に飽和磁束
密度が低くなる短所をもつ。Fe−5i合金にコバルト
を添加すると飽和磁束密度が高くなるので、本発明にお
いても必要に応じてコバルトを添加し前記短所を補うこ
とができる。しかしコバルトは極めて高価な元素である
ので、コバルトは10%以下に限定する。
ニッケルは靭性を向上させる作用を有する元素であるが
、3%より多くても特に靭性はより向上しないばかりで
なく、経済的でないのでニッケルは3%以下に限定した
。なお、ニッケル0.2〜1.5%のときが好適である
本発明の薄帯において不可避不純物として酸素、硫黄、
炭素、窒素が混入してくるが、これらはいずれも成品中
にあると鉄損特性を劣化させかつ、薄帯を脆化させ加工
性も劣化させるので極力低く抑えるのが望ましい。これ
らの不純物の総量が0.1%を超すと鉄損は大きくなり
従来の珪素鋼に比べて劣るので上限を0.1%とする。
なお、現在の製鋼技術においては、0 <50ppm 
、、S <80ppm 、 C< looppm、 N
 < 50ppmとすることができるのでこの範囲内と
するのが特に好ましい。
以上述べた他の不純物として、クロム、モリブデン、タ
ングステン、バナジウム、チタン、錫等の元素が約0.
1%以下含有されても本発明の薄帯の緒特性は妨害され
ない。
次に本発明の薄帯の製造方法を説明する。
従来の珪素鋼板の製造方法によれば、鋼塊あるいは連続
鋳造スラブを熱間圧延して1.5〜41厚のホットスト
リップにしたあと、適当な冷間圧延と熱処理を組み合わ
せて通常0.28〜0.50mm厚の成品を作るのであ
るが、本発明においては、前述した組成をもつ珪素鋼溶
融体を直接超急冷して直ちに所定の厚みをもつ薄帯に仕
上げるのである。すなわち珪素鉄溶融体から直接に成品
もしくはそれに近い生成品にするのであって、従来工程
に不可欠であった熱間圧延工程および冷間圧延工程を完
全に除くことが可能となる。溶融体を超急冷して薄帯と
する方法はそれが充分に幅が広く所定の厚みがあり、か
つ厚みが均一であり、連続してコイル状にとり出せるも
のであればどのような方法であっても良いが、代表的に
は第1図(a) 、 (b) 。
(c) 、 (d)に示すように、溶融体を椀状回転デ
ィジ、単ロール、双ロール、無限コンベヤーとロール間
等の連続的に移動する移動面上に適当な形状をもつ孔か
ら連続的に噴出させて急冷凝固させ、所定の厚みをもつ
ストリップをコイル状に得るのがよい。
第1図(a)は、移動面として椀状回転体2を用い、内
側回転面上に噴出ノズル1より溶融体4を噴出させ急冷
凝固された連続帯状薄帯3を得る装置の略図が示されて
いる。又第1図(b) 、 (c)には1個の回転ロー
ル5上あるいは同一の大きさとは限らない2個の近接し
た回転ロール5′、5″間に噴出孔から珪素鋼溶融体を
連続的に噴出し2個のロール間で超急冷することにより
連続帯状薄帯を得る装置の略図が示されている。第1図
(d)は金属帯製無限コンベヤ7と回転ロール5との間
に溶融珪素鋼4を供給し、急速冷却させて連続的に薄帯
を得る装置の略図を示す。
本発明により珪素鉄薄帯を上記装置を用いて製造する場
合、重要なことは十分速い速度で溶融体が凝固冷却す−
ることである。まず、噴出孔から噴出され移動する冷却
体にあたって凝固するまでの時間が長いと噴出溶融体の
流れが一体でな(なり、ともすれば孔やボイドが生じた
り、又厚みが均一でない薄帯ができたりすると共に、大
気中で製造する場合には酸化や窒化を受けて良好な形状
の薄帯ができなくなるか、あるいはできても成品中に酸
素や窒素を含むために磁気特性が劣化してしまう。一方
、凝固してから、もはや結晶粒成長や規則格子化のおき
ない約400°Cの温度に達するまで時間が長いと、得
られる薄帯は部分的に規則格子をもち、又結晶粒が粗大
になってあとに続く剪断や打ち抜き、あるいは必要に応
じておこなわれる圧延が困難になってくる。本発明者ら
は、冷却回転体の回転数や溶融体の噴射圧をいろいろに
変えて実験した結果、溶融体がノズルから噴出されてか
ら、凝固、冷却され薄帯の温度が400°Cとなる間の
平均的な冷却速度が103℃/秒より遅いと望ましい薄
帯が得られないことを知見した。すなわち、この臨界冷
却速度よりも遅く冷却する大気中で製造した場合、酸化
して連続した良好な形状の薄帯が得られなかったり、あ
るいは得られても粒成長などのため極めて脆いものであ
ったりする。
実際上経済的にかつ確実に十分細かい結晶粒をもちかつ
規則格子が実質的に存在しない薄帯を得るには高温融体
の温度より400℃になるまでを10’〜106℃/秒
の冷却速度で冷却するのがよい。
次に本発明を実験データについて説明する。
Si5〜8%を含み、残部実質的にFeよりなる溶鋼を
第1図(c)に示す如き一対のロール上に噴射し、急冷
凝固させた厚さ70〜80μの薄帯について保磁力T(
cを調べ、さらに上記薄帯を1000〜1300℃で真
空又は水素雰囲気あるいは水素を主成分とし窒素、Co
、 、 Arを若干含む非酸化性雰囲気中で約50秒焼
鈍した後の保磁力Hcを調べた。その結果を第2図に示
す。同図より急冷後の薄帯は保磁力Hcのばらつきが著
しいが、特定雰囲気(水素雰囲気又は真空)中で焼鈍を
施すとHcは極めて小さくなり、特にSi6〜7%の薄
帯ではHco、1エルステッド以下になることが判る。
ここで水素の人、らない非酸化性雰囲気例えばアルゴン
(Ar)、窒素(N2)、炭酸ガス(CO2)では本発
明の目的は達せられない。
Si6.5%。Mn0.1%、Ni0.06  %、 
八10.1%、不純物として酸素(Oz)45 ppm
、炭素(C)100 ppm、硫黄(S )85ppm
、窒素(N、)65ppmを含む急冷した厚さ45μ厚
の薄帯を800°Cから1400°Cまで時間を変えて
焼鈍した時の焼鈍温度と保磁力との関係を第3図に示す
。同図より判るように焼鈍によってHcは急激に低くな
るが、特に1000°C以上で真空中、水素雰囲気又は
水素を主とする雰囲気中での焼鈍によってHcは0.1
エルステッド以下のレベルにまで達する。このようなH
cの急激な低下は急冷状態で残存している歪の除去や結
晶粒の粗大化あるいは不純物の表面への拡散に部分的に
は起因しているが、大部分は焼鈍による(100)面上
立方集合Mi織の形成、発達に起因する事を本発明者ら
は見出した。すなわち、惣、冷状態では第4図(A)に
示すように結晶粒の< 100 >軸が20°程度板面
法線方向に対して傾いた方位成分を主とする集合組織を
もつのに対して、例えば1200℃の水素雰囲気で1時
間焼鈍すると第4図(B)(C)に示すように、<10
0>軸が板面法線にほぼ平行ないしく 100 >軸が
5〜6°程度板面法線方向に傾いた方位成分を主とする
立方集合組織に極めて高度に集積するようになる。(な
お上述の< 100 >軸が5〜6°程度板面法線方向
に傾いた方位成分を主とする立方集合組織の傾き角は第
4図(B) 、  (C)より読みとった値である。)
5〜8%程度の高珪素鋼の磁気異方性は3%珪素鋼に比
べて半減してはいるが、依然として大きいので、磁化容
易軸<100>を板面に平行に揃えた、いわゆる(10
0)面内無方向性珪素鋼は、各結晶粒の方位がランダム
に分散した無方向性珪素鋼よりも、はるかに低い0.1
エルステッド以下のHcとなり、またその結果としては
るかに低いヒステリシス損を示すようになる。
このような(100)面内立方集合組織の発達の理由は
次のような理由によると考えられる。
急冷薄帯を1000〜1300℃で真空又は水素雰囲気
或は水素を主・とする非酸化性雰囲気中で焼鈍すると、
急冷により生じた微細結晶1〜100μのもが、0.0
5〜101凋迄結晶成長するが、この結晶の成長時に結
晶表面と雰囲気との相対関係で、結晶の表面エネルギー
が一番低くなる表面がある。ここで雰囲気を真空又は水
素雰囲気とすると、立方相の集合組織が(100)面で
一番低くなる。従って(100)面が薄帯表面と平行に
なったときにその結晶の表面エネルギーが最も小さくな
り、安定化する。従って(100)面に立方集合組織が
そろって結晶粒の<100>軸が板面法線にほぼ平行な
いしく 100 >軸が5〜6°程度の板面法線方向に
傾いた方位成分を主とする立方集合組織に極めて高度に
集積するようになる。このためには珪素5〜8%を含む
組成の高珪素鋼薄帯を上述の雰囲気中で特定の温度で焼
鈍しないと上述の現象が生じないのである。
すなわち900℃程度の焼鈍でこれが形成され始め、約
1000℃以上の焼鈍ではきわめて強い(100)立方
集合組織が得られる。第5図にSi6.1%、Mn0.
5%、Ni0.15%、AlO,5%、不純物として、
021 ppm、 C20ppm、 830 ppm 
 、 N35 ppmを含む急冷状態の高珪素鋼薄帯(
80μ厚)を950〜1350°Cで10〜104秒焼
鈍した時の保磁力Hcを示す。保磁力Hcが0.1エル
ステッドより低くなる領域は図中に斜線で示しであるよ
うに、1000°C以上の焼鈍を30秒以上施すような
条件である。またこの領域の焼鈍を経た薄帯は、全てき
わめて強い(100)立方集合組織を呈していた。以上
の2例で示したように1000℃以上で30秒以上焼鈍
すると尖鋭な(100)面内立方集合組織が形成され、
その結果、保磁力Hcが0.1エルステッド以下という
きわめてヒステリシス損の低い(100)面内無方向性
高珪素鋼薄帯が得られる事がわかる。このような薄帯の
高温焼鈍は工業的には、連続焼鈍されるかあるいは薄帯
にAl2O,、MgO、CaOなどの剥離剤を塗布して
コイル状に巻きBOX炉などで焼鈍することにより得ら
れる。しかし、このような焼鈍方法をもってしても13
00℃以上の焼鈍は工業的にはきわめて困難であり、コ
ストがかかる。また、1300℃以上で焼鈍しても特に
優れた特性が得られる訳ではないので、本発明において
は焼鈍を1000〜1300℃の温度範囲内で30秒以
上施す必要がある。この焼鈍にあたり、連続焼鈍のよう
に薄帯が炉内で露出されている場合には水素を主とする
非酸化性ガス雰囲気(N2又はN2とAr、、 N2.
 Co、など混合ガス雰囲気)中あるいは真空、減圧中
でおこなうことができる。
実際にHz 、  N2 +NZ 、  Hz +co
□、あるいは10−1〜10−’Torrで焼鈍を施し
たがいずれの場合でも、強い(100)面内立方集合組
織が形成され保磁力Hcが0.1エルステッド以下の低
い保磁力の薄帯が得られた。一方、コイル状で、BOX
炉で焼鈍するに際して、Aha、、禎go 、 CaO
あるいはこれらの混合物をスラリー状にして薄帯に塗布
したが、やはり良好な集合組織と特性が得られた。
上述の如くして製造された薄帯は、その状態で、あるい
は絶縁のためのコーチング処理をして、積層しトランス
や回転機用鉄心など電気機器の鉄心として利用すること
ができる。
次に本発明を実施例について説明する。
裏庭炎上 Si:5.0%、Mn:0.4%、Aj!:0.2%、
N i : 0.08%を含み不純物として、O: 2
5 ppm。
C: 60 ppmX5 : 70 ppm、 N :
 65 ppmを含有する溶鋼を、500 rpmで回
転しているステンレス製双ロールにスリット状ノズルか
ら噴出して厚み110μの薄帯を連続的に作製した。こ
れを連続炉によってH2中で1260℃×7分の焼鈍を
施した。薄帯の集合組織はきわめて高度に集積した(1
00)面内無方向性立方集合組織を示しており、保磁力
Hc(W 流1a 化Hm = 5エルステッド)は0
.09エルステッドであった。
洟JL[津λ s+ニア、5  %、Mn:Q、99%、 八f:o、
01%、Ni:Q、15%、Co:0,2%を含み、不
純物として、O:15 ppm  、 C:40 pp
m、 S :40 ppm、 N: 35 ppmを含
む溶鋼を250Orpmで回転しているクロム鋼製の単
ロール上に噴出して厚み25μの薄帯を作った。これに
MgOとAl2O,の混合粉末をスラリー状にして塗布
して、最小曲率半径が100 vnのコイルとしBO,
X炉によって10−’Torrで1090°cx5時間
の焼鈍を施こした。この薄帯は(100)面内無方向性
立方集合組織を有していて、保磁力Hcは0.08エル
ステッドであった。
犬屓ll走 3t:6.5  %、Mn:0.3  %、 八#:Q
、l  %、Ni:0.10%を含み、O:15 pp
m  SC:30 ppm、S : 30 pl)m、
 N : 25 ppmを含有する溶鋼を20〜30m
1秒で動いている金属ベルトに噴射して、厚み80μの
薄帯を作製した。これを連続炉で夫々I]2゜60%H
2+40%N、 、  H2+ Ar、  H2+ 1
0%CO2の雰囲気中で1150℃×10分の焼鈍をお
こなった。
この時の保磁力Hcは、それぞれ、0.07エルステノ
ド、 0.08エルステッド、 0.09エルステッド
であった。
以上本発明の薄帯は(100)面内立方集合組織を有し
きわめて保磁力の低い(100)面内無方向性高珪素鋼
薄帯である。
実施貫土 Fe−6,5χ−Si組成にMn1%、Ni1%、Co
2%、A 10.5%およびCo15%、Ni3.5%
、八13.5%、Mn3.5%を夫々加えた溶鋼を実施
例3と同様な方法で作製した急冷薄帯を1200”cで
2時間焼鈍した時の保磁力Hcを第6図に示す。図中■
〜■は下記の組成を示し、■〜■は本発明の範囲内の組
成、■〜■は比較例として示した本発明範囲外の組成を
示す。
■Feqz、 5si6.5Mn、、。
■Fe、、z、5Sib、 JL、 。
■Feq+、 5Si6.5Co2.。
■Fears、oSj++、s八!。、5■Fet9.
5へib、 scO+ s■FeqoSib、 sNi
:+、 s■FeqoSi6.sへl 3.。
■FeqoSib、5Mn1.s 第6図より明らかなように、Fe−5i  5〜8%の
溶鋼に副成分としてA12%以下、Mn2%以下、00
10%以下、Ni3%以下を添加したものが何れも保磁
力Hcが0.1エルステッド以下となり、本発明方法お
よび(1oo)面内で無方向性高珪素鋼薄帯を得るに、
有効なことが認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図(a) 、 (b) 、 (c) 、 (d)は
夫々本発明の薄帯を製造するのに用いることができる移
動冷却体とその上に噴出される溶融体の溶融装置との相
対的配置を示す縦断面説明図、 第2図は薄帯成分組成中Si含有量と保磁力Hcとの関
係を示す図、 第3図は本発明の薄帯の焼鈍温度と焼鈍時間と、保磁力
との関係を示す図、 第4図(A)は急冷薄帯、(B) 、 (C)は前記薄
帯を焼鈍した薄帯の夫々極点図、 第5図は本発明の薄帯の焼鈍温度と焼鈍時間と保磁力と
の関係を示す図、 第6図はFe−5i6.5の組成のものに副成分として
Mn1%、Ni1%、Co2%、A A O,5%、比
較例としてCo15%、Ni1.5%、A A 3.5
%、Mn3.5%を夫々添加し1200°C12時間焼
鈍した場合の保磁力を示す特性比較図である。 特許出願人  津  屋    昇 代理人弁理士  杉  村  暁  秀同   弁理士
    杉   村   興   杵築1図 (a)(b)(C) (dン 第4図 (A) D 第4図 (B) F?D C200) 第4図 (C) D 手  続  補  正  書(方式) 昭和62年 3月12日 特許庁長官  黒  1) 明  雄 殿1、事件の表
示 昭和61年特 許 @第 216377号2発明の名称 棲めて保磁力の低い無方向性高珪素鋼薄帯3補正をする
者 事件との関係 特許出願人 津   屋       昇 4、代 理 人 1、発明の名称を 「極めて保磁力の低い無方向性高珪素鋼薄帯」に訂正す
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、重量%で珪素5.0〜8.0%を含有し、残部実質
    的に鉄および不可避不純物から成り、結晶粒の<100
    >軸が板面法線にほぼ平行で、(100)面内無方向性
    の立方集合組織を有し、保磁力0.1エルステッド以下
    であることを特徴とする極めて保磁力の低い(100)
    面内無方向性高珪素鋼薄帯。 2、珪素5.0〜8.0%を含有し、副成分としてアル
    ミニウム2%以下、マンガン2%以下、コバルト10%
    以下、ニッケル3%以下の何れか1種または2種以上を
    含有し、残部実質的に鉄および不可避不純物から成り、
    結晶粒の<100>軸が板面法線にほぼ平行で、(10
    0)面内無方向性の立方集合組織をし、保磁力0.1エ
    ルステッド以下であることを特徴とする極めて保磁力の
    低い(100)面内無方向性高珪素鋼薄帯。
JP61216377A 1986-09-13 1986-09-13 極めて保磁力の低い無方向性高珪素鋼薄帯 Granted JPS62188748A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5789523A (en) * 1995-07-11 1998-08-04 E. I. Du Pont De Nemours And Company Polyimide compositions with improved wear resistance and friction at high PV (pressure × velocity) conditions
JP2020190026A (ja) * 2019-05-15 2020-11-26 Jfeスチール株式会社 無方向性電磁鋼板およびその製造方法

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US5789523A (en) * 1995-07-11 1998-08-04 E. I. Du Pont De Nemours And Company Polyimide compositions with improved wear resistance and friction at high PV (pressure × velocity) conditions
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