JP2898792B2 - 磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法Info
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Description
性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
重きをおいた高Siの材料と、高磁束密度を重視した普
通鋼成分系の材料がある。後者ではフルプロセスとセミ
プロセスの分類があり、両者の相違はセミプロセスの材
料はフルプロセスにスキンパスを施したもので、ユーザ
ーで打ち抜き加工をした後、歪み取り焼鈍をして結晶粒
の粗大化を可能にしたものである。この歪み取り焼鈍に
よる結晶粒の粗大化により、鉄損の顕著な低減が達成で
きるが(特開昭60−17014号公報参照)、ユーザ
ーによっては必要の焼鈍設備を有していないところもあ
るばかりでなく、設備をもっているところでも歪み取り
焼鈍による工程の増加は生産性に不利となる。
の焼鈍条件は連続焼鈍炉において10℃/s前後の速度
で昇温し、設定した750℃から850℃のフェライト
温度域で1分から2分間保持して焼鈍するのが一般的な
条件である。しかし、このような条件では、再結晶後の
粒成長が十分起きず、鉄損の減少に有利と言われる10
0μmから300μmの結晶粒径の粗大のフェライト組
織は得られない。また、A3変態点以上の温度に焼鈍し
て、一度オーステナイト組織にすると、従来の成分鋼で
はγ→α変態時に組織が微細化し、低い鉄損を達成する
ことができない。
の粗大化及び磁気時効の観点よりCの極低化及び成分の
高純化が指向されているが、これによる組織の粗大化は
従来の連続焼鈍条件では不十分である。一方、Cの極低
化及び成分の高純化により冷延焼鈍後の集合組織は{1
11}方位が高く、磁気特性に好ましい{100}方位
が低くなる欠点がある。また、鉄損の減少を狙い板厚を
薄くするために冷延率を高めると上記の集合組織形成の
傾向はより顕著になる。
従来の問題点を解消するために、通常の連続焼鈍時間及
び設備で鉄損減少に有利な100μmから300μmの
結晶粒径の粗大のフェライト組織を得られ、かつ、{1
11}/{100}方位の比が小さいすぐれた特性を有
する無方向性電磁鋼板の製造方法を提供することを目的
とするものである。
ト組織ならびに集合組織形成に及ぼす焼鈍温度の影響を
研究した結果、鋼の成分及びγ→α変態時の冷速を限定
すること、及び変態点以上に加熱することにより、変態
後、鉄損の減少に有利と言われる100μmから300
μmの結晶粒径の粗大のフェライト組織が得られること
を見いだした。また、{111}/{100}方位の比
も変態点以下の焼鈍に比較して半分以下になることが分
かった。
ものであって、その要旨とするところは、重量比でC:
0.004%以下、N:0.004%以下、Si:1.
0%以下、P:0.15%以下、S:0.005%以
下、Al:1.0%以下、必要に応じてB/Nで1.5
以下、そして他の添加元素を総和で1%以下含む鋼を、
冷延後の再結晶焼鈍において焼鈍最高温度をSi量とT
(℃)=910+50×{Si(wt%)+Al(wt
%)}の関係にある温度T℃以上とし、冷却工程におい
てT(℃)からT(℃)−30℃の平均冷却速度を50
℃/s以下とすることを特徴とする磁気特性の優れた鋼
板の製造方法である。
いて詳細に説明する。まず、本発明鋼の化学成分におい
て、Cは鉄損改善のためには少ないほうが好ましく、か
つ時効による磁性劣化を生じないためには0.005%
以下が好ましい。また、本発明法のプロセスで100μ
mから300μmの結晶粒径を得るにはCが0.004
%以下である必要があることが確認されたので、C量の
上限を0.004%とした。Nも鉄損改善のためには少
ないほうがよく、本発明鋼では上限を0.004%とし
た。特に、AlNの析出を抑制し、鉄損を下げる場合に
はBを添加してBNを析出させることが好ましいが、B
/Nの比が1.5超になると過剰Bが磁性を悪化させる
ので、Bを添加する場合はその添加量の上限をB/Nで
1.5と定めた。Siは鉄損改善のために添加される
が、1%以上の添加は必要な粗粒を得るのに妨げになる
ので、上限を1%とした。
にもなるが、0.15%以上の添加は熱間加工性を著し
く劣化し、熱間割れなどが発生する危険性が高いため、
上限を0.15%とした。Sは磁性向上に有害なMnS
などの非金属介在物を生成するので0.01%以下にし
なければ安定した磁性改善効果が得られない。また、下
記に示す焼鈍条件で適正な粒径のフェライト組織を得る
には、S量を0.005%以下にする必要があり、これ
らの条件よりS量の上限を0.005%とした。Alは
Siと同様鉄損改善のために添加されるが、1%以上に
なると熱間加工性が著しく劣化すると共に粗粒化の妨げ
になるので、添加量の上限を1%とする。強度を高める
元素として、Mn,Cr,Mo,Niなどの添加は本発
明の趣旨を損するものではないが、これらの元素の総和
が多過ぎると粗粒化を妨げるので、総和の上限を1%以
下とした。
延後の再結晶焼鈍において焼鈍最高温度TをT(℃)=
910+50×{Si(wt%)+Al(wt%)}以上と
限定したのは、この温度以上の焼鈍によりα→γ変態が
起ると共に、成分の高純化によりオーステナイトが急速
に粒成長し、その後の冷却によるγ→α変態時に生じる
フェライト組織が粗粒化し、磁性に好ましい100μm
から300μmの粒径をもつフェライト組織が得られ、
かつ変態により方位がランダム化され{111}/{1
00}方位の比が小さい集合組織が得られるためであ
る。ここで焼鈍最高温度は板温の最高温度を意味する。
また、冷却工程でT(℃)からT(℃)−30℃の平均
冷速を50℃/s以下と限定したのは、変態時に冷速が
これより大きくなると結晶粒が微細になるか、フェライ
ト組織がアシキュラー的になり鉄損が高くなるため、こ
の温度域での平均冷速の上限を50℃/sとした。
表1及び表2に本発明鋼と比較鋼の成分、プロセス条
件、そして成品板の磁気特性を示す。実験番号18は双
ロール法により直接鋳込みにより1.5mmの板に鋳造し
た材料を冷延したが、他の材料は250mmの連続鋳造ス
ラブを3mmの板に熱延した後、冷延した。熱延仕上温度
は860℃〜900℃、巻取温度は700℃前後であっ
た。冷延板の板厚は0.5mmである。焼鈍方法は連続焼
鈍法によって行なった。
10,11,18は磁束密度、鉄損共に優れた値を示
す。薄スラブより製造した実験番号18は連続鋳造スラ
ブより磁気特性が優れている。冷延後の再結晶焼鈍にお
いて焼鈍最高温度が本発明の範囲より低い実験番号3,
8,9は結晶粒が細かくなり、本発明鋼より磁性が劣
る。
速が70℃/sと本発明の範囲より大きい実験番号5と
7の場合も結晶粒が細かく、本発明鋼より磁性が劣る。
Si量が本発明鋼の範囲より多い実験番号12、Mn量
が本発明鋼の範囲より多い実験番号17は共に組織が細
かく、本発明鋼より磁性が劣る。C量が本発明鋼の範囲
より多い実験番号14及びNが本発明鋼の範囲より多い
実験番号13でも組織が細かくなり、鉄損が劣化する。
S量が本発明鋼の範囲より多い実験番号16ではMnS
などの非金属系介在物が多く生成し、それが結晶粒径の
微細化をもたらし、本発明鋼より磁性が劣る結果になっ
ている。また、B量がB/Nで1.5と本発明鋼の範囲
より多い実験番号13も本発明鋼より磁性が劣る。
無方向性電磁鋼板が得られ、これによりモーター等のエ
ネルギー損失を下げ、地球温暖化などの環境問題の改善
にも寄与するためにその工業的な価値は極めて高い。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量比でC:0.004%以下、N:
0.004%以下、Si:1.0%以下、P:0.15
%以下、S:0.005%以下、Al:1.0%以下、
そして他の添加元素を総和で1%以下含む鋼を、冷延後
の再結晶焼鈍において焼鈍最高温度をSi量とT(℃)
=910+50×{Si(wt%)+Al(wt%)}の関
係にある温度T℃以上とし、冷却工程においてT(℃)
からT(℃)−30℃の平均冷却速度を50℃/s以下
とすることを特徴とする磁気特性の優れた鋼板の製造方
法。 - 【請求項2】 BをB/Nで1.5以下含有させたこと
を特徴とする請求項1記載の磁性に優れた無方向性電磁
鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16598391A JP2898792B2 (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | 磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16598391A JP2898792B2 (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | 磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05186833A JPH05186833A (ja) | 1993-07-27 |
JP2898792B2 true JP2898792B2 (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=15822699
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16598391A Expired - Lifetime JP2898792B2 (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | 磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2898792B2 (ja) |
-
1991
- 1991-07-05 JP JP16598391A patent/JP2898792B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05186833A (ja) | 1993-07-27 |
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