JPS6217613Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はシステムキツチンにおけるシンクキヤ
ビネツトの幕板取付構造に関する。

〈従来の技術〉 一般にシステムキツチンは、床に敷設した台輪
上に数個のベースキヤビネツトを並べ、その上に
カウンターを装置して構成されており、上記、ベ
ースキヤビネツトの本体は上面と前面が開口した
箱状に形成されていることが普通である。

従つて、キヤビネツト本体は、その形状を保
ち、強度を保つため、前面開口部上部に左右側板
に亘つて横桟状の構造材を架設しており、特にシ
ンクキヤビネツト、即ち、カウンターに取りつけ
たシンクの下方に配置されるベースキヤビネツト
は保形、補強とシンク隠しを兼ねて幕板を架設し
ている。

しかし、上記従来の幕板はキヤビネツト本体の
側板に木ネジ、釘、或いはダボにより固着されて
いるため、例えばこのキヤビネツト本体と予めシ
ンクを取付けたカウンターを別々に現場に搬入す
ると共に該カウンターを現場にてキヤビネツト本
体の前面からスライドして取付ける際、上記幕板
が邪魔になつてシンクを取付けられないという問
題があつた。

そこで、上記幕板の左右両端を背後方向へ突出
させて通孔を夫々開穿、これら通孔内にボルトを
挿通してキヤビネツト本体の左右側板に配設され
るナツトに螺着することにより、幕板を着脱可能
にすることが考えられるが、このものの場合には
幕板の着脱時にボルトを取外さなければならずそ
の作業が面倒であり、これを解決するために通孔
の後端を開口させて幕板をスライド可能にする
と、幕板が十分に差込まれていない時幕板を所定
位置に正確に固定できないという問題がある。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案が解決しようとする問題点は、シンク取
付時における幕板の着脱を簡単にすると共に、幕
板が十分に差込まれない時でも幕板を所定位置に
固定可能にすることである。

〈問題点を解決するための手段〉 上記問題点を解決するために本考案が講ずる技
術的手段は、キヤビネツト本体の左右側板に亘つ
て、キヤビネツト補強及びシンク隠し用の幕板を
架設するシステムキツチン用シンクキヤビネツト
の幕板取付構造において、前記幕板の左右両端
に、キヤビネツト本体の左右側板に沿つて背後方
向へ突出しその先端から基部方向へ向けて差込み
スリツトを切欠き形成する連結金具を夫々固定
し、これら差込みスリツト内にボルト部材の螺杆
部を挿通して、キヤビネツト本体の左右側板内面
の所定位置に埋設されたナツト部材に夫々螺着す
ると共に、上記連結金具の先端部を夫々内方へ若
干折返して傾斜案内部を形成したことを特徴とす
るものである。

〈作用〉 本考案の作用はボルト部材をゆるめ幕板を前方
へ引いて連結金具をボルト部材の頭部とキヤビネ
ツト本体の左右側板との間から引き抜くことによ
り、キヤビネツト本体からの幕板の取外しが完了
すると共に、これと逆に幕板をキヤビネツト本体
内に挿入し連結金具の差込みスリツトをボルト部
材の螺杆部に差込んでボルト部材を締めつけるこ
とにより、キヤビネツト本体への幕板の固定が完
了し、更に幕板取付時において連結金具が所定位
置まで十分に差込まれていない時にはボルト部材
を締め込んでゆくに従つて連結金具が傾斜案内部
にガイドされて後方へスライドするものである。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図に基づいて説明す
る。

キヤビネツト本体Ａは底板１、左右側板２，３
及び背板４により、上面と前面を開口した箱状に
組立てられ、前面の開口部には該開口部を開閉す
る扉５が取りつけられている。

また、キヤビネツト本体Ａの左右側板２，３に
は夫々その内面の所定の位置にナツト部材６が回
転不能に埋込み装備され、底板１の所定位置には
間仕切桟支持金具７が設けられる。

ナツト部材６は図示例では各々の側板（２また
は３）に２個ずつ相互に上下適当な間隔を有して
設けられており、対向する側板２，３に設けられ
たものは相互に相対向している。

そして、このナツト部材６にはボルト部材８が
螺着される。

ボルト部材８は蝶ボルトよりなり、その頭部９
の基端には座金１０がフランジ状に一体に形成さ
れている。

間仕切桟支持金具７は下端に取付片１１を有し
てＬ型に形成されており、上記取付片１１を前に
向けて、底板１の前部中央に取りつけられて起立
し、その前面が底板１前縁との間に後述する間仕
切桟１２の厚さに相当する間隔を有する。またこ
の間仕切桟支持金具７はその適宜箇所にこれを前
後に挿通する透孔１３を有する。

一方、幕板１４は適当な幅の板材よりなり、キ
ヤビネツト本体Ａの側板２，３相互の間隔に相当
する長さを有し、その長さ方向中央部には該部よ
り下方へ垂直に延びる間仕切桟１２を一体に備え
ている。

また、幕板１４の背面には、補強桟１５と連結
金具１６が取りつけられている。

補強桟１５は幕板１４より１回り小さい板より
なり、幕板１４背面に密接状に沿わしめてこれに
取りつけられ、その周縁部が幕板１４の周縁部と
の間に所要の間隔を有する。

連結金具１６は後端に取付片１７を有してＬ型
に形成されており、上記取付片１７を内方に向け
て幕板１４背面の左右両端部に夫々２個ずつ取り
つけられ幕板１４の側端面と面一に幕板１４の背
後方向に突出する。

また、この連結金具１６は先端部より若干基部
側に寄つた位置で内方へ斜めに折り曲げられて傾
斜案内部１８が形成されると共に先端より基部方
向に向けて差込みスリツト１９が切欠形成されて
いる。

尚、幕板１４の同じ側に設けられた２個の連結
金具１６，１６の夫々の差込みスリツト１９，１
９の幅方向中心部間の間隔は、キヤビネツト本体
Ａの一方の側板（２または３）に設けられた２個
のナツト部材６，６の中心間の間隔に略相当し、
各々の差込みスリツト１９の幅は前述のボルト部
材８の螺杆部２０の径に略相当する。

而して、幕板１４は、連結金具１６の差込みス
リツト１９を、キヤビネツト本体Ａの側板２，３
のナツト部材６に螺着したボルト部材８の螺杆部
２０に差込んで、キヤビネツト本体Ａの側板２，
３に亘つて架装され、ボルト部材８の締めつけに
より、キヤビネツト本体Ａに固定される。

即ち、連結金具１６の差込みスリツト１９を螺
杆部２０に差込んだ状態でボルト部材８を完全に
締めつければ連結金具１６は、ボルト部材頭部９
の座金１０とキヤビネツト本体Ａの側板（２また
は３）とで挾圧保持され、前方への引き抜けば連
結金具１６先端部の内方へ折り曲げられた傾斜案
内部１８がボルト部材頭部９の座金１０に掛止し
て防止される。

また幕板１４はボルト部材８の締めつけをゆる
めて、幕板１４を前方へ引くことにより連結金具
１６はボルト部材頭部９と側板（２または３）と
の間から引き抜かれ、キヤビネツト本体Ａから取
り外ずすことができる。

尚、ナツト部材６と連結金具１６及びその傾斜
案内部１８の位置関係は差込みスリツト１９をボ
ルト部材８に差込んでボルト部材８を完全に締め
つけ、傾斜案内部１８をボルト部材頭部９の座金
１０に掛止せしめた状態において、幕板１４上端
面と側板２，３上端面とが面一になり、幕板１４
前面と側板２，３前端面とが面一になるように決
められる。

従つて、幕板取付作業時、連結金具１６が仮に
所定の位置まで差込まれていなくとも、ボルト部
材８を締め込んでゆくに従つて、傾斜案内部１８
の傾斜面にガイドされてスライドし、確実に所定
の位置まで差込まれる。

幕板１４をキヤビネツト本体Ａに取りつけた状
態において、前述の間仕切桟１２は下端部がキヤ
ビネツト本体Ａの底板１に接する。そして、間仕
切桟１２の下端面には間仕切桟支持金具７の取付
片１１を逃げるための切欠２１が背面から切欠か
れており、その上方の背面には間仕切桟支持金具
７の透孔１３と対応するナツト部材２２が埋込ま
れている。

而して、この間仕切桟１２は間仕切桟支持金具
７の透孔１３を挿通せしめてナツト部材２２にネ
ジビス２３をねじ込んで上記支持金具７に固定さ
れる。

〈考案の効果〉 本考案は上記の構成であるから、以下の利点を
有する。

ボルト部材をゆるめ幕板を前方へ引いて、連
結金具をボルト部材の頭部とキヤビネツト本体
の左右側板との間から引き抜くことにより、キ
ヤビネツト本体からの幕板の取り外しが完了す
ると共に、これと逆に幕板をキヤビネツト本体
内に挿入し連結金具の差込みスリツトをボルト
部材の螺杆部に差込んでボルト部材を締めつけ
ることにより、キヤビネツト本体への幕板の固
定が完了し、更に幕板取付時において連結金具
が所定位置まで十分に差込まれていない時には
ボルト部材を締め込んでゆくに従つて連結金具
が傾斜案内部にガイドされて後方へスライドす
るので、シンク取付時における幕板の着脱を簡
単にでき、しかも幕板が十分に差込まれない時
でも幕板を所定位置に固定することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案システムキツチン用シンクキヤ
ビネツトの幕板取付構造の一実施例を示す平面
図、第２図は第１図のＸ−Ｘ線断面図、第３図は
第２図のＹ−Ｙ線断面図、第４図は要部の拡大断
面図で一部切欠して示す、第５図は第４図のＺ−
Ｚ線断面図、第６図は本考案の主要な構成要素で
ある連結金具とボルト部材の拡大斜視図、第７図
はシンクキヤビネツトを他のベースキヤビネツト
と組合せてカウンターを載置した状態の一部切欠
斜視図で幕板を取り外ずした状態を示す。 Ａ……キヤビネツト本体、２，３……側板、６
……ナツト部材、８……ボルト部材、１４……幕
板、１６……連結金具、１８……傾斜案内部、１
９……差込みスリツト、２０……螺杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤビネツト本体の左右側板に亘つて、キヤビ
   ネツト補強及びシンク隠し用の幕板を架設するシ
   ステムキツチン用シンクキヤビネツトの幕板取付
   構造において、前記幕板の左右両端にキヤビネツ
   ト本体の左右側板に沿つて背後方向へ突出しその
   先端から基部方向へ向けて差込みスリツトを切欠
   き形成する連結金具を夫々固定し、これら差込み
   スリツト内にボルト部材の螺杆部を挿通して、キ
   ヤビネツト本体の左右側板内面の所定位置に埋設
   されたナツト部材に夫々螺着すると共に、上記連
   結金具の先端部を夫々内方へ若干折返して傾斜案
   内部を形成したこと特徴とするシステムキツチン
   用シンクキヤビネツトの幕板取付構造。