JPS6217501Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテクスチヤードヤーン製造装置に関す
る。

紡出された状態のフイラメント糸は、一般に平
滑で風合が悪く、例えばナイロンの断面は円形を
しているため、すべすべして特殊用途の他は何ら
かの加工を施さないと実用に不適である。

このためフイラメント束に永久的なループ、渦
巻、コイル、もつれ等を生じさせてフイラメント
糸にみられない伸縮性、かつ高性を与えることが
種々の方法によつて行われている。

例えば、予め水を付着させたフイラメントをノ
ズルのエアジエツト流の撹乱流にさらし、単糸フ
イラメントを互いに分離させると共に、撹乱流内
で激しく動き回るようにし、連続して撹乱流域か
ら張力のかからないように大気中へ放出し、この
放出する瞬間にフイラメントのゆるみによつてル
ープ、渦巻、コイル、もつれ等が不規則に混在し
た嵩高性のあるテクスチヤードヤーンが形成され
る装置がある。

そして、このような装置でもつてフイラメント
束からテクスチヤートヤーンを製造する場合、嵩
高性をより増強するためあるいは風合いを変化さ
せるために、複数本の同種あるいは異種のフイラ
メント束を合わせて一本のノズル内に導入するよ
うになされるが、このようにしてテクスチヤード
ヤーンを製造する場合、合糸する複数本のフイラ
メント束のうち１本でも糸切れを起こせば製造さ
れるテクスチヤードヤーンは全く商品価値のない
不完全なものとなる。

そこで、ノズルに各糸を導入する以前に、各糸
の糸道に糸切れ検知装置を取付けておくことが考
えられるが、ノズルの上位の複数本のフイラメン
ト束が錯綜している場所に、そのような検知装置
を多数設けることは設計上好ましくないし、当該
検知装置の直後で糸切れが生じてしまえばその糸
切れを見逃がしてしまう欠点もある。

この考案は上記欠点がなく、製造されたテクス
チヤードヤーンの糸切れに基づく不完全性のみな
らず、該テクスチヤードヤーン自体の糸切れをも
完全に検知して、いずれの支障がある場合にも直
ちにフイラメント束の供給を断つて不良なテクス
チヤードヤーンの製造が続行されるのを停止する
新規なテクスチヤードヤーン製造装置を提供する
ものである。

以下、図面に基づいて実施例を説明する。

すなわち、第１図は本考案に係るテクスチヤー
ドヤーンの全体側面図であり、中央のフイラメン
ト束処理装置１を挾んで両側に作業通路２があ
り、さらにその両側にフイラメント束供給装置と
してのパツケージ支持装置３（図中右側の装置は
省略）が配置されている。

上記パツケージ支持装置３は複数段のクリール
スタンド４に多数のパツケージ５を支持してな
り、全体が八角柱状に組立てられたパイプよりな
つている。６は各段間に張設された糸端の落下防
止用の金網である。

一方、中央のフイラメント束処理装置１は側面
Ｉ字形状のフレーム７に、順にドローローラ装置
８、テクスチヤード加工部材９、ヒータ１１およ
び巻取装置１２を組付けたものであり、この例の
場合ドローローラ装置８は、パツケージ支持装置
３から供給される３本のフイラメント束Ｆのうち
２本のフイラメント束を延伸するドローローラ１
３，１４の組と、１本のフイラメント束を延伸す
るドローローラ１５，１６の組との２組の対のド
ローローラとその中間に設けたホツトピン１７と
からなり、テクスチヤード加工部材９はボツクス
１８内に収容した水付着装置１９と加工ノズル２
１とからなつている。

そして、前記パツケージ支持装置３から引き出
されたフイラメント束Ｆは作業通路２の上部を通
過して上記ドローローラ装置８により２本と１本
とで各別に延伸され、該ドローローラ装置８のほ
ぼ真下のテクスチヤード加工部材９へと異なるフ
イード率でそれぞれオーバーフイードされ、ノズ
ル２１の直前にて初めて合流されてノズル２１内
に導入され、該ノズル２１の作用によりテクスチ
ヤード加工されたフイラメント束Ｆ（つまりテク
スチヤードヤーン）は、さらに入側のフイードロ
ーラ２２、ヒータ１１および出側のフイードロー
ラ２３を経て巻取装置１２によつて巻取られる
が、上記ヒータ１１と巻取装置１２との間に、次
のようにして製造されたテクスチヤードヤーンの
デニール計測装置２４が設けてあり、パツケージ
支持装置３とドローローラ装置８との間にはデニ
ール計測装置２４からの信号により作動する次の
ようなカツタ装置２５を設けてある。

すなわち、上記出側のフイードローラ２３の直
後にはオイル付着用ローラ２６が配設されている
が、該ローラ２６の直前に、静電容量の変化を利
用して通過する糸条のデニールの変化を検出する
デニール計測装置２４が配設されており、ドロー
ローラ装置８の直前には、上記デニール計測装置
２４からのデニールの減少信号によつてソレノイ
ドが作動し、該ソレノイドの作動によつて係止さ
れていた切刃がばねによつて閉動作して糸切作用
を行うカツタ装置２５を設けてあるのである。

なお、上記デニール計測装置２４はフイードロ
ーラ２３の直後に設けたので、フイードローラ２
３に糸が捲きつく等して当該部位で糸切れが起こ
つてもその糸切れをも検出しうるが、該デニール
計測装置２４はフイードローラ２３の直前のヒー
タ１１との間に設けてもよい。

この例のテクスチヤードヤーン製造装置は以上
のようになつていて、パツケージ支持装置３から
引き出された複数本のフイラメント束Ｆがドロー
ローラ装置８、テクスチヤード加工部材９、およ
びヒータ１１を経る間に前述のようにしてテクス
チヤード加工され巻取られるが、複数本の供給フ
イラメント束Ｆのうち、いずれかあるいは全部
が、ドローローラ装置８からフイードローラ２３
までの間で、糸切れを起こせば、前記デニール計
測装置２４を通過する糸条の太さ（デニール）が
変化するので静電容量が変化し、該デニール計測
装置２４からカツタ装置２５へとデニールの減少
信号、つまりカツタの作動信号が発せられる。

そして、デニール計測装置２４からの作動信号
によつて、カツタ装置２５が作動するので、供給
されるフイラメント束Ｆすべてがフイラメント束
処理装置１に進入する直前において切断され、不
良なテクスチヤードヤーンの継続的な製造が停止
されるのである。

なお、上記デニール計測装置２４は静電容量の
変化を利用して通過する糸条の太さ（デニール）
を計測するものであつたが、フオトトランジスタ
を用いる光学式等の他のタイプのものであつても
よい。

以上の説明で明らかなように、本考案のテクス
チヤードヤーンの製造装置は、フイラメント束供
給用のパツケージ支持装置と、ドローローラ装
置、テクスチヤード加工部材、ヒータ、オイル付
着用ローラ巻取装置を順に配設してなるフイラメ
ント束処理装置において、前記ヒータとオイル付
着用ローラとの間に、製造されたテクスチヤード
ヤーンのデニール計測装置を設け、前記パツケー
ジ支持装置とドローローラ装置との間にデニール
計測装置からのデニール減少信号によつて作動す
るカツタ装置を設けたので、冒述したように多数
の糸切れ検出装置を設けなくとも、１個の計測装
置でもつて複数本のフイラメント束のいずれの糸
切れをも検出でき、規定の本数以下の本数によつ
て出来る不良なテクスチヤードヤーンの製造を未
然に防止することができる。またデニール計測装
置は巻取装置とヒータとの間に設けているので、
合糸され１本のテクスチヤード加工糸となつた糸
条の糸切れについても検知機能を有し、巻取装置
への巻取糸条の糸切れを検知するための糸切れ検
知装置を別に設ける必要がない。さらに、デニー
ル計測装置はヒータ通過後に設置されているの
で、テクスチヤード加工部材通過時に付着した水
が該ヒータにより乾燥した状態のテクスチヤード
ヤーンを計測することになり、該ヤーンへの水分
付着量の多少による計測ミス、あるいはデニール
計測装置への水分付着による該計測装置の故障な
どをなくし、また、オイル付着用ローラの通過以
前に設けることにより、オイルが付着したテクス
チヤードヤーンを計測する際のオイル付着ムラに
よる計測ミスあるいは計測装置へのオイル付着に
よる故障などをなくした。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るテクスチヤードヤーン製
造装置の全体側面図である。 １……フイラメント束処理装置、３……パツケ
ージ支持装置、８……ドローローラ装置、９……
テクスチヤード加工部材、１１……ヒータ、１２
……巻取装置、２４……デニール計測装置、２５
……カツタ装置、２６……オイル付着用ローラ、
Ｆ……フイラメント束。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フイラメント束供給用のパツケージ支持装置
   と、ドローローラ装置、テクスチヤード加工部
   材、ヒータ、オイル付着用ローラ、巻取装置を順
   に配設してなるフイラメント束処理装置とを備え
   たテクスチヤードヤーン製造装置において、前記
   ヒータとオイル付着用ローラとの間に、製造され
   たテクスチヤードヤーンのデニール計測装置を設
   け、前記パツケージ支持装置とドローローラ装置
   との間に上記デニール計測装置からのデニール減
   少信号によつて作動するカツタ装置を設けたこと
   を特徴とするテクスチヤードヤーン製造装置。