JPS6217006B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の利用分野 本発明は容器の底部から気体を吹込む製錬炉例
えば底吹転炉、上吹底吹併用転炉や溶銑、溶鋼鍋
等に使用される底吹き羽口ノズルの交換時に使用
するノズル交換装置に関する。

従来技術 例えば底吹転炉、上底吹転炉において、炉寿命
は羽口れんがの寿命に支配される。即ち、羽口部
れんがの寿命は、耐火物の材料、底吹ガスによる
冷却の程度、スラグコーテイング等の補修効果の
程度によつて支配されるが、現状の技術レベルで
はそれも限界があり、羽口を交換する方式が採用
されている。

しかし、従来の方式では、羽口れんが等の解体
が伴なうので、その解体及び差し込みに長時間を
要し、また施工精度も悪いという問題があつた。

この問題を解消するために、本出願人は例えば
特開昭56−81960号公報で転炉底吹羽口の脱着装
置を開示している。この脱着装置は、従来の炉底
分離取替方式を改めて、転炉稼動位置で行え、し
かも羽口れんが及び羽口管を取付け、取外しの一
連手順を一貫して行える装置を提案している。

しかるに、この装置は羽口管と羽口れんがを
別々に引抜くため、脱着治具の先端に設けられた
引抜棒を、羽口管及び羽口れんが引抜時専用の引
抜棒と取替えるため時間のロスを生じ、さらに引
抜時の反力を受ける支持部材が脱着治具に連結し
ているため、台車は反力に抗すべく、重構造にせ
ざるを得ない。

発明の目的 かかる問題点を解消するため、本発明者等は先
に特開昭59−136408号にて、転炉底吹羽口の取替
方法を提案している。この発明は、羽口への気体
吹込パイプの後端にアタツチメントを取付け、こ
のアタツチメントに引抜き具を持続し、パイプを
引抜くことによつて羽口れんが、風箱及びベース
れんがの３者を同時に引抜き及び差し込みを行な
う転炉底吹羽口の取替方法である。本発明はかか
る一体構造の羽口ノズルを引抜き及び差し込み時
最適なノズル交換装置を提供することにある。

発明の概要 即ち、本発明の要旨とする処は、新旧ノズル運
搬装置及び昇降装置を有し、気体吹込みパイプを
ロツド先端に設けられたアタツチメントによつて
連結し、さらに、引抜時の機体の前進反力を受け
るストツパーと、ノズル挿入時の機体後退反力を
阻止する鉄皮とストツパーとを結合する固定装置
を有したノズル交換装置にある。

発明の実施例 次に本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。

第１図は本発明によるノズル交換装置の全体説
明図で、第２図は要部拡大説明図である。第１図
において、１は転炉底部の鉄皮で、底吹羽口ノズ
ル２（以下単にノズルとする）が炉底部に設けら
れている。ノズル２は、羽口れんがの孔内に挿入
されたベースれんが４，４′と、ノズル耐火物５
と、このノズル耐火物内に複数本の金属パイプ６
が埋設され、各金属パイプ６の下端には金属製の
風箱７に溶接等により接続され、この風箱７の下
面に気体供給管８から構成されている。以上のノ
ズル構造は本発明者等が特開昭59−136408号にて
開示したものである。

本発明のノズル交換装置は上述したノズル構造
を交換するのに最適なもので、以下にその構成を
述べる。

９はロツドでアタツチメント１０を介して気体
供給管８と連結している。アタツチメント１０は
第２図の如く取外し自在のピン１１が差し込まれ
連結されている。又、アタツチメントは特にこれ
に限定するものではなく、他にボルト締付けやク
ランプ装置等も使用できる。

ロツド９は大推力の油圧シリンダー１２と連結
している。油圧シリンダー１２はシリンダー保持
枠体１３で固定され、枠体１３の端部に設けられ
たナツト１４を介してスクリユー１５と螺合され
ており、モーター１６の駆動により油圧シリンダ
ー１２本体を早送り移動できる構造になつてい
る。１７は油圧シリンダー１２本体及びノズル２
を保持し移動せしめるフレームである。なお、フ
レーム１７には、油圧シリンダー１２の保持枠体
１８に当接して、該油圧シリンダーの反力を受け
るストツパー１９が設けられている。さらにフレ
ーム１７の先端部にあつて鉄皮１と当接する場所
にもストツパー２０が設けられ、このストツパー
２０を挾持してフレーム１７を鉄皮１に固定する
装置としてコツター２１が設けられている。２２
はフレーム１７を上下に昇降させる昇降装置、２
３はフレーム１７の角度調整装置で、油圧機構
（図示せず）にて稼動するようになつている。２
４及び２５はいずれも台車を示し、台車２４は本
発明のノズル交換装置全体を移動させる台車で、
台車２５は台車２４上に載置され、ノズル２を積
載して系外の搬出搬入しやすい位置に移動させる
ものである。なお、２６はフレーム１７の水平方
向の位置合せを行う際に使用するコロ付アウトリ
ガーである。

次に、本発明のノズル交換装置の作用について
述べる。

先ず転炉炉底からノズル２を取外す場合、傾動
した転炉に台車２４を進める。この際ノズル２の
気体供給管８の先端と、油圧シリンダーロツド９
の先端とをアタツチメント１０にて連結するため
に、昇降装置２２、角度調整装置２３、水平方向
の調整装置アウトリガー２６と台車２４を移動調
整して位置ぎめを行う。しかる後、アタツチメン
トのピン１１を差し込んで気体供給管８とロツド
９を連結する。次に、連結が完了すると、フレー
ム１７の先端に設けられたストツパー２０をコツ
ター２１で鉄皮１と固定する。これでノズル２を
転炉炉底より引抜く準備が出来上つたわけであ
る。

次に、油圧シリンダー１２を駆動すれば、ノズ
ル２はアタツチメント１０によつてロツド９と連
結しているため、第２図矢示方向（右側）に引抜
かれる。ノズル２が引抜かれた今度はモーター１
６を駆動することによりスクリユー１５が矢示の
如く回転しナツト及び油圧シリンダー保持枠体１
３に固定された油圧シリンダー本体１２がさらに
矢示右側に早送りされる。あらかじめノズル２を
搬出しやすい位置（例えば第１図点線で示した位
置）で停止し、アタツチメントのピン１１を抜取
つて台車２５′上にノズル２′を載置させて、引抜
作業を終了する。以上でノズル引抜作業は終る
が、ノズル挿入作業は、上述した引抜作業の全く
逆の作業手順で行えばよい。

このように、本発明のノズル交換装置は、ノズ
ルとロツドとの位置合せ、連結及び装置の転炉鉄
皮への固定作業を行えば、容易にノズルを転炉か
ら引抜き、挿入することが出来るものである。
又、ノズル引抜き時及び挿入時に受ける力はすべ
て転炉鉄皮であり、ノズル交換装置本体には及ば
ないため、装置自体を軽量化することが出来る点
にも大きな利点がある。この点について、第２図
を使用して若干作用の補足説明を行う。

ノズルの引抜、挿入には過大な力を要し、特に
引抜力は大きく、まずノズル２の気体供給管８
と、アタツチメント１０を連結し、油圧シリンダ
ー１２を作動すれば、引抜力はロツド９、アタツ
チメント１０、気体供給管８を通してノズル２に
伝わる。一方油圧シリンダー１２の反力はストツ
パー１９、フレーム１７を通して転炉鉄皮１に伝
わる。また挿入力は、力の方向は逆であるが、油
圧シリンダー１２からノズル２への伝わり方は上
記と同様である。一方油圧シリンダー１２の反力
は、早送り装置１３，１４，１５，１６を通して
フレーム１７の後端ストツパー２０より転炉鉄皮
１に伝わる。すなわち、引抜・挿入による過大な
力を受ける部分は上記の部分のみであり、その他
の部分、例えば、昇降装置２２，２３、台車２４
等は小型、軽量化ができるのである。

発明の効果 以上述べた如く、本発明によれば、 (1) 新旧ノズル運搬装置を有し、かつ先端部のア
タツチメントの使い分けだけで、ノズル交換装
置を全体移動させず、同一装置で短時間交換が
可能となる。

(2) ノズルの引抜力、挿入力を炉鉄皮で受けるこ
とにより、装置と地面との摩擦力あるいは固定
装置を必要としない為、装置を軽量化でき、作
業性を向上できる。

(3) 小ストローク、大推力の流体圧シリンダーで
ノズルとスリーブれんがを確実に分離及び圧着
させ、かつ大ストローク、小推力の早送り装置
により、短時間のノズル交換が可能となる。

(4) ノズル引抜方式により、スリーブれんが内面
を損傷させず、地金さし込みがなく、ノズル寿
命が向上できる。

等のすぐれた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のノズル交換装置の全体説明
図、第２図は要部拡大平面図である。 １：転炉鉄皮、２：底吹羽口ノズル、８：気体
供給管、９：ロツド、１０：アタツチメント、１
２：油圧シリンダー、１４：ナツト、１５：スク
リユー、１３，１８：油圧シリンダー保持枠体、
１７：フレーム、１９，２０：ストツパー、２
１：コツター、２２：昇降装置、２４，２５：台
車。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 先端にノズル交換用アタツチメントを設けた
   ロツドを有する流体圧シリンダーと、モーターに
   よつて回転するスクリユーと、このスクリユーに
   螺合され上記流体圧シリンダーに結合されたナツ
   トと、上記流体圧シリンダー及びスクリユーを昇
   降させる昇降装置と、新旧ノズルを機体後部と上
   記流体圧シリンダーのロツド部の間を運搬するノ
   ズル運搬装置と、製錬炉のノズル装着部周囲の鉄
   皮に当接してノズル引抜時の機体の前進反力を受
   けるストツパーと、ノズル挿入時の機体後退反力
   を阻止する上記鉄皮とストツパーとを結合する固
   定装置とを備えてなる、ノズル交換装置。