JPS6215227Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、鉄及び非鉄金属精錬用転炉の出鋼孔
を能率よく補修する装置に関するものである。

（従来技術） 製鋼用等の転炉に於ては、耐火材で造られた出
鋼孔を炉体の上方部に設け、炉体を傾動してこの
出鋼孔から出鋼が行なわれる。出鋼孔の断面積
は、溶鋼温度管理等で冶金的に適切な出鋼時間を
得ることやスラグの流出防止その他の理由から適
当な範囲の大きさでなければならず、そのために
流出する鋼やスラグによつ侵蝕された出鋼孔を補
修しなければならない。

出鋼孔の補修方法は円筒形レンガの交換による
方法が一般的であるが、補修作業による転炉操業
率の低下あるいは作業環境の改善等から、近年、
例えば特公昭53−43441号公報に見られるように
転炉の吹錬中に耐火モルタル等の補修材を補修筒
によつて吹付け、適切な孔径に修復する装置が使
用され始めている。

かかる装置に於て、補修材を吹付ける補修筒を
出鋼孔の位置と角度に合致させてから出鋼孔に挿
入するが、例えば300t転炉の場合、出鋼孔先端の
回転半径は約5.5mもあり、又出鋼孔長さは1.5m
程度であり、この転炉において転炉の停止角度誤
差が１゜生じた場合には出鋼孔先端位置は回転半
径上で約100mmのずれを生じ、出鋼孔長さに対し
ても25〜30mmに相当するずれを生じることにな
り、このため補修装置の補修筒の位置及び角度を
出鋼孔のそれに合致させる調整装置が必要とな
る。

ところで従来の調整装置は第２図に示すよう
に、設置床１０にそれぞれ別々に作動する伸縮装
置８，９を設置し、該両伸縮装置８，９をそれぞ
れ作動させてフレーム７上に台車５を介して設け
られている補修筒４の先端と補修筒の角度を転炉
本体１の出鋼孔２のそれに合致させている。

尚、第２図において、３は補修材タンク、６は
走行装置、Ｃは転炉の回動中心を示す。

上記装置において、出鋼孔端部と補修筒４の先
端との位置合せは比較的容易であるが、出鋼孔の
角度に補修筒４の角度を合せるのは非常に困難で
あり、このため調整に通常３〜５分程度を要し、
この調整の間に補修筒４の先端部は出鋼孔からの
熱を受けて変形又は溶損する等のトラブルがしば
しば発生している。

（考案の目的） 本考案は補修筒の先端と出鋼孔端部との位置合
わせを行うことにより補修筒を出鋼孔の角度に自
動的に合致させ得る調整装置を具備し、依つて調
整操作を容易に極めて短時間に完了でき、補修筒
の熱変形及び溶損の防止を可能とした転炉出鋼孔
の補修装置を提供することを目的とする。

（考案の構成と作用） この考案の要旨は、炉体方向へ進退自在なガイ
ドフレームに補修筒を設けてなる転炉出鋼孔補修
装置に於て、上記補修筒を有するガイドフレーム
の前後部をそれぞれ減速機を介して駆動されるジ
ヤツキで支持し、該両減速機の減速比を異ならし
めると共に、該両減速機を共通の駆動源で駆動せ
しめるようにしたことを特徴とする転炉出鋼孔補
修装置である。

以下、図面に示す実施例に基ずいて本考案を説
明する。

第１図は本考案の実施例の側面説明図であり、
この図について説明するが、先に説明した従来装
置と変らない部分の説明は省略する。

第１図に示す如く、補修筒４を有する進退用ガ
イドフレーム７の前部（転炉側）にウオームジヤ
ツキ１２が、そして後部にウオームジヤツキ１１
が設けられている。該後部のウオームジヤツキ１
１は電動機１３でシヤフト１７により連設された
減速機１４，１５を介して駆動され、前記前部の
ウオームジヤツキ１２は減速機１４，１６を介し
て駆動され、前記両減速機１５，１６それぞれの
減速比i₁₅，i₁₆がi₁₅：i₁₆＝_２：_１になるよう
に両減速比i₁₅，i₁₆を設定した。

転炉々体１の停止誤差がΔθだけ生じた場合、
出鋼孔先端位置はΔｈ変化し、出鋼孔はΔθ傾い
ている。この出鋼孔は補修筒を合致させるには、
補修筒の先端が出鋼孔の端部に合致するまで電動
機１３を駆動し、停止するだけでよい。すなわ
ち、この駆動によりウオームジヤツキ１１，１２
はそれぞれh₂，h₁伸又は縮（第１図では縮）し、
そしてh₂：h₁＝_２：_１であるから、該ウオー
ムジヤツキによりその位置を変えさせられた補修
筒の傾斜角は角度Δθに合致しているのである。

（考案効果） 本考案によれば、補修筒を有するガイドフレー
ムの前後部をそれぞれ減速機を介して駆動される
ジヤツキで支持し、該両減速機の減速比を異なら
しめると共に、該両減速機を共通の駆動源で駆動
せしめるようにしたので、転炉の停止位置の誤差
に対して１個の即ち共通の駆動源によつて補修筒
先端を出鋼孔端部に位置合せをするだけで補修筒
の角度が出鋼孔の角度に自動的に合致し、補修筒
の位置、角度の調整操作が非常に容易、かつその
調整時間が30秒程度で従来の1/10程度と極めて短
かくなり、補修筒先端の熱変形及び溶損等を生じ
ることがなく、補修装置の寿命向上に寄与すると
ころ大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の出鋼孔補修装置の側面説明
図、第２図は従来の出鋼孔補修装置の側面説明図
である。 １……転炉、２……出鋼孔、３……補修材タン
ク、４……補修筒、５……走行台車、６……走行
装置、７……ガイドフレーム、８，９……伸縮装
置、１０……設置床、１１，１２……ウオームジ
ヤツキ、１３……電動機、１４，１５，１６……
減速機、１７……シヤフト、Ｃ……転炉の回動中
心。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 炉体方向へ進退自在なガイドフレームに補修筒
   を設けてなる転炉出鋼孔補修装置に於て、 上記補修筒を有するガイドフレームの前後部を
   それぞれ減速機を介して駆動されるジヤツキで支
   持し、該両減速機の減速比を異ならしめると共
   に、該両減速機を共通の駆動源で駆動せしめるよ
   うにしたことを特徴とする転炉出鋼孔補修装置。