JPS6215663Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、工場等の排ガス、温排水等の顕熱を
作動流体の蒸発、凝縮によつて回収する熱交換
器、特にその蒸発部と凝縮部が長く離れた位置に
独立して存在するセパレート型熱交換器におい
て、前記凝縮部に滞溜した非凝縮ガスを排除する
装置に関する。

蒸発部（受熱部）と凝縮部（放熱部）が長く離
れた位置に存在するセパレート型熱交換器の動作
原理は、第１図に示す如く、蒸発部１と凝縮部２
とを別々の断熱されたパイプ（蒸気管５、凝縮液
管６）で連結し、作動流体の蒸気が蒸発部１から
凝縮部２へ一方のパイプ５を通つて流れ、逆に凝
縮液が凝縮部２から蒸発部１へ他方のパイプ６を
通つて流れ、これによつて前記蒸発部１と前記凝
縮部２との間を作動流体が相変態しながら循環す
るようになつている。作動流体は蒸発部１と凝縮
部２の高さ位置によつて自然循環するか、ポンプ
３で強制的に循環させる。このセパレート型熱交
換器は、蒸気と凝縮液の還流が良好で、蒸発部と
凝縮部とを長い距離離して配置してもいわゆるヒ
ートパイプの機能を有効に果たすことができる。

しかし、このようなヒートパイプ装置を実際の
排熱回収に適用する場合、作動流体の系路内で非
凝縮ガス（主として水素ガスや空気）が発生する
ことがある。このガスが作動流体の移動を阻害し
たり、凝縮部を占有したりして熱交換の効率を低
下させる。したがつて非凝縮ガスの発生を速やか
に検知して、これを適当なタイミングで排除する
必要がある。

非凝縮ガスの排出手段としては、凝縮部付近に
非凝縮ガスの逃がし管を設け、系内の圧力により
非凝縮ガスを排出する方法がまず考えられる。し
かしこの方法を適用するには系内圧力が外気圧よ
りも高くなければならない。系内圧力が外気圧よ
りも低いと系内のガスを排出できないばかりか逆
に外気が系内に侵入することとなる。またこの方
法では連続的に非凝縮ガスを系外に放出すること
ができず、程度の差はあつてもどうしても非凝縮
ガスが凝縮部に留まりがちとなる。この問題を解
決するため、実願昭56−87877号（実開昭57−
199777号公報参照）に示されるように、凝縮部の
下部に非凝縮ガス集積室を設け、前記非凝縮ガス
集積室に弁を介して分離タンクを連結し、前記分
離タンクに導入した液体の自重流出により非凝縮
ガスを前記非凝縮ガス集積室から前記分離タンク
へ引き込むようにした非凝縮ガス分離装置が提案
されている。この装置は系内圧力に関係なく系内
に発生する非凝縮ガスを系外に分離、排出するこ
とができるが、分離タンクに非凝縮ガスを引き込
み、、排出するための液体として、凝縮部におけ
る作動流体の凝縮液を用いており、分離タンクへ
の液体の導入・流出系統と、熱交換にあずかる前
記作動流体の循環系統とが完全に分離、独立して
いるとはいえず、前記分離タンク内での液体の自
重流出が必ずしも効率的ではなかつた。

本考案は、非凝縮ガスの排出のための液体の系
路と熱交換系路とを分離させ、系内圧力に関係な
く非凝縮ガスの系外排出を確実に行い得る非凝縮
ガス排出装置を提供することを目的とする。

以下、本考案を、図面を参照しながら、実施例
について説明する。

第２図は本考案に適用される非凝縮ガス排出装
置の１例を示した図である。凝縮部２に非凝縮ガ
ス取出管２２および弁６３′を介して非凝縮ガス
集積室１００を設けてある。非凝縮ガス集積室１
００の下方に封液配管６８′および弁６５を介し
て予備の水を貯水しておく第１の封液室１０１を
設けてある。また、非凝縮ガス集積室１００より
上方位置に高架の第２の封液室６９を設け、該封
液室６９と第１の封液室１０１とを封液配管６８
で結びその途中に吸水ポンプ６６および弁６７を
設ける。第２封液室６９からガス集積室１００へ
導水管７４′を連結し、この途中に弁７４を設け
る。さらに第２封液室６９には水補給用配管７
０′および弁７０を連結し、ガス集積室１００に
は非凝縮ガス排出管７５′および弁７５を設け
る。なお、これらのガス集積室１００、第１封液
室１０１および第２封液室６９にはそれぞれ水位
計７１，７３、および７２を設けてある。

次に上述の非凝縮ガス排出装置の動作を説明す
る。予め、非凝縮ガス集積室１００に水などの液
体を満しておき、凝縮部に非凝縮ガスが発生した
とき、弁６３′，６５，６７，７０を開き、弁７
４，７５を閉じ、吸引ポンプ６６を作動させる。
これによつてガス集積室１００内の水が降下する
のに伴い、凝縮部２の底部の非凝縮ガスがその吸
引力でガス集積室１００に導びかれる。この時水
が若干残るような位置を水位計７１でみて吸引ポ
ンプ６６を停止し、弁６３を閉じる。集積室１０
０の底部に残る前記水により該集積室内の非凝縮
ガスは封液配管６８′には入らない。このような
状態で封液室１０１、封液配管６８を経由して高
架の第２封液室６９に導入された水は、集積室１
００に非凝縮ガスが導入された時点で弁７４，７
５を開、弁６３′，６５，６７を閉とすれば、導
水管７４′を通つて該集積室１００に自重で流下
し、これによつて集積室１００内の非凝縮ガスが
非凝縮ガス排出管７５′を通つて系外に排出され
る。なお、第１封液室１０１には予備水を封入し
ておく。以後、凝縮部２内の非凝縮ガス滞溜程度
に応じて上述の動作を繰返す。（吸水ポンプ６６
を図示実施例の位置に設けることにより、前記弁
６７，６８′は場合によつては除去してもよく、
該ポンプの停止によつて弁の作用をもたらすこと
ができる。） 本考案では熱交換器の作動流体の循環系路とは
別体の系路で非凝縮ガス排出用の液体を循環させ
るので、熱交換系が影響を受けることがなく、ま
た前記液体の循環系路内に封液室を設けたので、
液体の循環特に自重による流下、非凝縮ガスの引
込み、放出を円滑に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はセパレート型熱交換器の動作原理を説
明するための図、第２図は本考案の実施例に係る
非凝縮ガス排出装置の概略図である。 １……蒸発部、２……凝縮部、２２……非凝縮
ガス取出管、６６……吸水ポンプ、６９……第２
封液室、１００……ガス集積室、１０１……第１
封液室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蒸発部と凝縮部とを分離して独立に配置し、こ
   れらを断熱配管で連結してその間に作動流体を循
   環させるようにしたセパレート型熱交換器におい
   て、前記凝縮部に非凝縮ガス取出管を介して非凝
   縮ガス集積室を連結し、前記非凝縮ガス集積室と
   その下方位置に設置した第１の封液室と該集積室
   の上方位置に設置した第２の封液室とを封液配管
   で環状に連結して熱交換系路とは別体の液体循環
   系路を形成し、前記液体循環系路にポンプを連結
   し、前記非凝縮ガス集積室に非凝縮ガス排出管を
   連結し、前記非凝縮ガス排出管、前記非凝縮ガス
   取出管、および前記第２の封液室と前記非凝縮ガ
   ス集積室を結ぶ封液配管のそれぞれに開閉弁を設
   け、前記液体循環系路内の液体循環により前記凝
   縮部の非凝縮ガスを前記非凝縮ガス集積室へ取り
   込みかつ前記非凝縮ガス排出管から系外へ排出す
   ることを特徴とするセパレート型熱交換器の非凝
   縮ガス排出装置。