JPS6215619Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は固定床式燃焼炉に関するものである。

従来の固定床式燃焼炉においては、燃焼室内に
横方向から燃焼用空気を供給する構造であつたた
め、燃焼用空気と被燃焼物との接触効率が悪く、
難燃物を完全に燃焼させることができなかつた。
また灰出しの手段としては、バツチ方式により灰
出し毎に扉を開いて人手によつてかき出したり、
あるいは炉底を開閉式にしてその開閉動作により
行なつていたが、前者の場合は非能率であり、ま
た後者の場合は炉底の構造が極めて複雑となり非
常に高価なものになるという問題があつた。

本考案は上記従来の欠点を解消するもので、被
燃焼物を効率良く燃焼させることができ、しかも
灰出しを簡単な構成で能率的に行なうことのでき
る固定床式燃焼炉を得ることを目的とする。

上記目的を達するため、本考案の固定床式燃焼
炉の灰出し装置は、炉底の上面を水平面に対して
傾斜させると共に、炉底上面に傾斜方向に沿う互
いに平行な複数条の凸部を突設し、前記炉底には
前記凸部の側壁面に開口する複数の燃焼空気送入
口を形成し、下面に前記凸部に遊嵌する複数条の
凹部を有しかつ前記炉底面の傾斜方向に沿つて往
復移動可能なプツシヤーを設け、このプツシヤー
に、前記プツシヤーを冷却するとともに燃焼空気
を兼る冷却用空気の通過する冷却用空気流通孔を
形成した構成である。

かかる構成によれば、燃焼空気送入口が炉底凸
部の側壁面に開口しているので、燃焼用空気は燃
焼空気送入口から相隣接する凸部間に形成された
溝に一旦流れ込み、この溝から燃焼室に上向きに
流入するとともに、冷却用空気流通孔を通過して
プツシヤーを冷却した後の冷却用空気が炉内に上
向きに流入して燃焼空気となるので、被燃焼物と
の接触効率が良く、難燃物をも完全に燃焼させる
ことができるのである。また、炉底上面に堆積し
た焼却灰をプツシヤーにより押し出すので、炉底
の構造を開閉可能な複雑なものにすることなく、
能率良く灰出しを行なうことができるのである。

以下、本考案の一実施例について、図面に基づ
いて説明する。

第１図及び第２図において、１は炉体であり、
この炉体１には、被燃焼物投入口２と燃焼ガス排
出口３と２次空気送入口４とが形成されており、
また水封式安全弁５と着火バーナ６とが取付けら
れている。７は炉底であり、この炉底７と前記炉
体１との間には、カバー体８によつて囲まれた灰
出し装置９が設置されている。前記炉底７の上面
は、水平面に対して若干傾斜しており、かつこの
傾斜方向に沿う互いに平行な複数の凸部１０が突
設されている。前記各凸部１０の両側壁面には、
多数の燃焼空気送入口１１が形成されており、こ
の燃焼空気送入口１１は、前記炉底７内に埋設さ
れた燃焼空気送入ヘツダ１２を介して前記炉底７
の下面に取付けられたホツパ１３に連通してい
る。１４はホツパ１３の燃焼空気流入口である。
前記灰出し装置９は、プツシヤー１５と、このプ
ツシヤー１５を駆動するシリンダ装置１６とから
成り、プツシヤー１５の後端部とシリンダ装置１
６のピストンロツドとは連結部材１７を介して連
結されており、この連結部材１７は前記カバー体
８の長孔を貫通して外部に突出している。前記プ
ツシヤー１５の先端部１５ａ底面には、前記炉底
７の凸部１０に遊嵌する凹部が形成されており、
また前記先端部１５ａには前記カバー体８の冷却
用空気流入口１８からの冷却用空気が通過する冷
却用空気流通孔１９が形成されている。前記プツ
シヤー１５の両側面には、前記カバー体８の内部
に前記炉底７の凸部１０と平行に設置されたレー
ル２０に案内される複数の車輪２１が回動自在に
取付けられており、前記シリンダ装置１６のピス
トンロツドを伸縮させることにより、前記プツシ
ヤー１５は前記炉底７上面の傾斜方向に沿つて往
復移動する。また前記プツシヤー１５の先端部１
５ａ両側面には側面カバー２２の一端部が取付け
られており、この側面カバー２２は、前記炉底７
の上面近傍から前記炉体１の底面近傍にわたる高
さを有し、かつプツシヤー１５が第１図に示す退
避状態のときに、前記凸部１０の側面を全長にわ
たつて覆う長さを有している。なお２３は前記カ
バー体８に形成された焼却灰排出口である。

次に動作を説明する。被燃焼物投入口２から燃
焼室２４に投入された被燃焼物は、ホツパ１３の
燃焼空気流入口１４及び燃焼空気送入ヘツダ１２
及び燃焼空気送入口１１を通つて燃焼室２４に供
給される１次燃焼空気と炉体１の２次空気送入口
４から供給される２次燃焼空気とにより完全燃焼
される。このとき、燃焼空気送入口１１は凸部１
０の側壁面に開口しているので、燃焼空気送入口
１１から流出した１次燃焼空気は一旦凸部１０，
１０間に形成された溝に流れ込み、この溝から上
向きに燃焼室２４に流入するので、被燃焼物との
接触が良好に行なわれ、燃焼効率が良く、難燃物
をも完全に焼却することができる。また、プツシ
ヤー１５は、その先端部１５ａに形成された冷却
用空気流通孔１９を通過する冷却用空気により過
熱を防止される。なお冷却用空気流通孔１９を通
過した冷却用空気は燃焼用空気として利用され
る。またレール２０や車輪２１等への燃焼室２４
からの輻射熱及び焼却灰の侵入は、側面カバー２
２により有効に防止される。そして適宜シリンダ
装置１６のピストンロツドを縮退させることによ
り、プツシヤー１５が第１図に示す退避状態から
第１図右方に移動し、炉底７上に堆積した焼却灰
はプツシヤー１５により押されて焼却灰排出口２
３から排出される。この焼却灰の排出は燃焼中に
おいても適宜行なうことができるので、炉の連続
運転を容易に行なうことができる。またプツシヤ
ー１５のストローク量を変えることにより、排出
量の調整を行なうこともできる。また上記のよう
に側面カバー２２によりレール２０あるいは車輪
２１への焼却灰の侵入が防止されるので、プツシ
ヤー１５の移動は極めて円滑に行なわれる。

以上説明したように、本考案によれば、被燃焼
物と燃焼用空気との接触が良好に行なわれ、効率
良く燃焼させることができ、難燃物を完全に焼却
し得る。また焼却灰の排出を簡単な構成で容易か
つ迅速に行なうことができ、炉の連続運転も可能
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における固定床式燃
焼炉の概略縦断側面図、第２図は要部の縦断正面
図である。 ７……炉底、１０……凸部、１１……燃焼空気
送入口、１５……プツシヤー、１６……シリンダ
装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉底の上面を水平面に対して傾斜させると共
   に、炉底上面に傾斜方向に沿う互いに平行な複数
   条の凸部を突設し、前記炉底には前記凸部の側壁
   面に開口する複数の燃焼空気送入口を形成し、下
   面に前記凸部に遊嵌する複数条の凹部を有しかつ
   前記炉底上面の傾斜方向に沿つて往復移動可能な
   プツシヤーを設け、このプツシヤーに、前記プツ
   シヤーを冷却するとともに燃焼空気を兼る冷却用
   空気の通過する冷却用空気流通孔を形成したこと
   を特徴とする固定床式燃焼炉。