JPS6215234Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、長手被加熱物たとえば線材の連続焼
鈍炉に関する。

第１図を参照して、従来からの線材の連続焼鈍
炉では、炉本体１内を線材３が矢符２で示す方向
に走行する。炉本体１の天井部１ａに前記走行方
向２の下流側に向けてバーナ４が設けられるとと
もに、側部１ｂにはバーナ５が設けられており、
線材３は主としてバーナ４，５の火炎の輻射熱に
よつて加熱される。そのため燃焼排ガスと線材３
との接触による伝熱に考慮がほとんど払われてお
らず、熱効率が劣つていた。また焼鈍炉では加熱
された線材３を徐々に冷却することが必要である
が、第１図に示す従来技術では炉本体１の両端部
に排気口６，７が形成されているので、炉本体１
の出口部（第１図の右端部）にも燃焼排ガスが流
通する。そのため高速で走行する線材３を徐冷す
るには、冷却領域を比較的長距離にわたつて設定
しなければならず、したがつて炉本体１の長さが
大となる。

本考案は上述の技術的課題を解決し、熱効率を
向上するとともにコンパクトにした長手被加熱物
の連続焼鈍炉を提供することを目的とする。

以下、図面によつて本考案の実施例を説明す
る。第２図は本考案の一実施例の断面図である。
この連続焼鈍炉１０の炉本体１１は横方向に長く
形成され、炉本体１１の内部には一端部から他端
部に向けて順に、予熱領域１２、加熱領域１３、
均熱領域１４および徐冷領域１５が設定される。
焼鈍すべき長手被加熱物たとえば線材１６は、矢
符１７で示すように炉本体１１の一端部から他端
部に向けて炉本体１１の内部を走行し、予熱領域
１２、加熱領域１３、および均熱領域１４を順次
通過して加熱されるとともに、徐冷領域１５で徐
冷されて取り出される。

炉本体１１の天井部１１ａにおいて、加熱領域
１３から均熱領域１４にかけては複数のバーナ１
８が設けられる。これらのバーナ１８は、炉本体
１１の長手方向および幅方向に間隔をあけて複数
個づつ設けられる。均熱領域１４の徐冷領域１５
寄りにおける天井部１１ａには複数のバーナ１９
が設けられる。これらのバーナ１９は炉本体１１
の幅方向に間隔をあけて設けられており、各バー
ナ１９は走行方向１７の上流側に臨みしかも線材
１６に向けて設けられる。均熱領域１４と徐冷領
域１５との境界部分には、天井部１１ａから仕切
壁２０が垂下されており、この仕切壁２０によつ
て各バーナ１８，１９の燃焼排ガスが徐冷領域１
５に侵入することが防止される。炉本体１１の一
端部には排気口２１が形成されており、したがつ
て各バーナ１８，１９の燃焼排ガスは線材１６の
走行方向１７と逆方向に流通して排気口２１から
排出される。

なお、バーナ１８としてはいわゆるトロイダル
形式の火炎を形成するバーナが選ばれ、バーナ１
９としては燃料の噴出速度が比較的早く、しかも
線材１６に達するまでに燃焼が完結するバーナが
選ばれる。

徐冷領域１５においては、天井部１ａ付近で伝
熱管２２を敷設して成る熱交換器２３が設けられ
る。この熱交換器２３の伝熱管２２内には冷却流
体たとえば各バーナ１８，１９に供給するための
燃焼用空気が流通する。それによつて徐冷領域１
５の雰囲気温度が低下する。また、排気口２１か
ら排出される燃焼排ガスと熱交換して燃焼用空気
を予熱するための予熱器２４が設けられる。その
ため、燃焼用空気が充分に予熱されて各バーナ１
８，１９に供給される。

加熱領域１３において炉本体１１の底部１１ｂ
には砂の貯留部２５が設けられる。この砂貯留部
２５には線材１６が接触する。そのため、バーナ
１８によつて加熱された砂の顕熱が熱伝導によつ
て線材１６に与えられる。

このように構成された連続焼鈍炉１０におい
て、バーナ１９の燃焼排ガスは線材１６と衝突す
る。しかも各バーナ１８，１９の燃焼排ガスは走
行方向１７と逆方向に流通するので、線材１６の
燃焼排ガスに対する相対速度が大となる。そのた
め対流伝熱係数が大となり、燃焼排ガスの顕熱が
効率良く線材１６に伝達される。また砂貯留部２
５との接触によつて砂の顕熱が線材１６に与えら
れる。さらに排気口２１から排出される燃焼排ガ
スの顕熱が予熱器２４を介して燃焼用空気に与え
られるとともに、線材１６から放熱される熱が熱
交換器２３を介して燃焼用空気に与えられる。し
たがつて熱交率が向上する。

徐冷領域１５の雰囲気は熱交換器２３によつて
冷却されるので、徐冷領域１５の長さは比較的短
くてすみ、したがつて炉本体１１がコンパクトに
構成される。

上述の実施例では長手被加熱物として線材１６
を取り上げて説明したが、長手被加熱物としては
パイプであつてもよい。

上述のごとく本考案によれば、長手被加熱物と
燃焼排ガスとの対流熱伝導が促進されるととも
に、砂貯留部との熱伝導が図られるので全体とし
ての熱効率が向上する。また徐冷領域の長さが比
較的短くてすむので、全体としてコンパクトにな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術を示す断面図、第２図は本考
案の一実施例の断面図である。 １０……連続焼鈍炉、１１……炉本体、１２…
…予熱領域、１３……加熱領域、１４……均熱領
域、１５……徐冷領域、１６……線材、１７……
走行方向、１８，１９……バーナ、２１……排気
口、２３……熱交換器、２５……砂貯留部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 横方向に延び一端部から他端部に向けて順に予
   熱領域、加熱領域、均熱領域および徐冷領域が設
   定され、前記一端部には排気口が形成され、その
   内部で長手被加熱物が一端部から他端部に向けて
   走行される炉本体、 前記加熱領域から均熱領域間において炉本体に
   設けられ少なくとも前記走行方向上流側に臨み長
   手被加熱物に向けて設けられたバーナ、 前記加熱領域において炉本体の底部に設けられ
   走行する長手被加熱物と接触する砂貯留部、なら
   びに 前記徐冷領域に設けられ冷却流体によつて徐冷
   領域の雰囲気を冷却するための熱交換器を含むこ
   とを特徴とする長手被加熱物の連続焼鈍炉。