JPS6214979Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は棒状化粧品繰出し容器に係る。

この種容器におけるキヤツプ着脱の不便を除い
た繰出し容器として、先に実願昭56−174014号
（実公昭60−36202号公報）の考案を出願したが、
この場合、容器内への埃等の侵入防止が不充分と
なる欠点があつた。

本案はその欠点を除去したもので、以下図面に
ついて説明する。まず従来と同様の構造部分につ
いて説明すると、１は上端面を開口させた筒部２
の前壁３に第１縦長孔４を縦設させた外筒であ
る。該外筒は横断面四角形にするとよく、前壁３
の下端部内面の左右いずれか一方に載置台５が付
させてあり、載置台を設けた側と反対側の側壁６
上部の前後両側には、上端面開口の縦割溝７，７
が穿設させてある。又該外筒上部の前後両壁の中
央部内面には係合凹部８，８が穿設させてある。
尚前壁前面には、後述把手前面を前壁前面と面一
とするための凹部３ａが形成させてある。

上記外筒内には棒状化粧品嵌着用の受皿９を上
下動可能に嵌合させる。該受皿は皿部１０の前壁
１１から柄部１２ａを介して把手１２を突出させ
たもので、柄部１２ａは既述第１縦長孔４に貫通
させて柄部前端に把手１２を付設させている。

上記皿部の前壁１１と外筒前壁３との間には摺
動板１３を嵌合させる。該摺動板は、板部１４に
第２縦長孔１５を穿設させており、又上記載置台
側の上方側部に横割溝１６を有する。第２縦長孔
は直線孔部１５ａ下端から上記載置台側下方へ傾
斜孔部１５ｂを連続させたもので、該第２縦長孔
には既述把手の柄部を遊挿させる。摺動板１３
は、外筒内で左右方向に移動可能となし、第２図
が示すように、把手柄部が第２縦長孔１５の傾斜
孔部１５ｂ下端に位置する状態では摺動板下端部
が載置台側方へ位置すると共に、このとき第１縦
長孔４と上記直線孔部１５ａとは位置ずれし、又
把手を引きあげて摺動板下端を載置台上へ載置さ
せると第３図のように第１縦長孔と直線孔部とが
重合うよう設けてある。

１７は蓋カバーで、既述外筒の上端開口面を閉
塞できる頂壁１８の前後両側から、脚板１９，１
９を垂設させ、該両脚部を外筒上部の前後両壁の
内側へ嵌合させてこれ等両壁と枢着させている。
両脚板外面からは第１係合突子２０，２０が突出
させてあり、既述係合凹部８，８内へ嵌合させる
よう設けてある。又前方脚板１９下部の、縦割溝
７，７と反対側の側部の内面からは第２係合突子
２１が突出させてあり、摺動板上部に設けた横割
溝１６内に係合させてある。摺動板の上下動によ
り蓋カバー１７は、第２図、第３図が示すように
上記枢着部を中心に起伏自在とする。該起伏時に
おいて脚板１９，１９は縦割溝７，７内を揺動す
る。

上記構成において、第２図が示すように蓋カバ
ーが起立している状態から、把手１２を引きあげ
ると、始めは直線孔部１５ａと第１長孔４とが位
置ずれしており、かつ摺動板の下部側面が載置台
側面に接するため、把手と共に摺動板１３が共に
押上げられ、又該押上げにより蓋カバー１７が第
３図のように倒れる。このとき摺動板下端は載置
台５上面よりも高く押上げられて載置台側面との
係合が外れ、すると把手柄部１２ａは傾斜孔部１
５ｂに沿つて相対的に上昇し、把手柄部が直線孔
部１５ａ下端内に入つたとき、摺動板下端の左端
部は載置台上に乗上げる。該状態からは直線孔部
と第１縦長孔とが重合うため、摺動板をその位置
に残したまゝ把手引き上げにより受皿９が押上げ
られて棒状化粧品２２が繰出される。該化粧品の
繰込みは把手を直線孔部１５ａ下端まで押下げる
ことで棒状化粧品が外筒内に入り、傾斜孔部１５
ｂ下端まで押下げることで蓋カバーが起立し、か
つ摺動板下端は第２図のように載置台から外れて
元の位置に復帰する。

上記構造において本案では、載置台５の第１縦
長孔側の側部下面に第２載置台５ａを付設させ、
又第１縦長孔４の下端部を巾広部４ａとし、更に
把手の柄部１２ａは弾性に抗して皿部１０への押
込みが可能とし、柄部両側に第３係合突子１２
ｂ，１２ｂを付設させた。

第２載置台５ａは第２図が示すように、把手を
下限まで押下げたとき、把手の柄部１２ａが傾斜
孔部１５ｂ下端縁に、又摺動板下端面の一部が第
２載置台上にそれぞれ圧接して摺動板が位置決め
されるよう設けたものである。図示例の場合は摺
動板右側面が外筒右側壁の前部内面に圧接する。

第１縦長孔の下端部は巾広部４ａとし、該巾広
部の上面両側部に係合段部４ｂ，４ｂを形成させ
た。図示例のように第１縦長孔上端部にも第２巾
広部４ｃを形成させてもよい。

把手柄部は弾性に抗して皿部１０への押込みが
可能に形成させる。該構造として、第４図、第６
図、第７図から理解されるように、皿部前壁１１
および、皿部上壁１０ａに切割り１１ａ，１０ｂ
を設けて、柄部差込み孔１１ｂを有する皿部部分
を弾性変形部１１ｃとしてもよく、又第８図が示
すように柄部後端と皿部後壁との間にコイルスプ
リング２３を設け、該スプリングに抗して柄部の
押込みが可能としてもよい。尚第８図実施例の場
合も柄部後端部の上下側面には、第５図の場合と
同様、差込み孔後端縁に係合する係合片１２ｃ，
１２ｃが付設させてあつて、差込み孔からの柄部
の抜出しを防止している。上記両実施例共柄部の
左右両側には第３係合突子１２ｂ，１２ｂが付設
させてあり、把手を下限まで押下げたとき、柄部
が弾性復元して、第３係合突子が係合段部４ｂ，
４ｂに係合し、既述摺動板の位置決め状態が保持
されるよう設ける。把手押込みにより第３係合突
子１２ｂ，１２ｂは係合段部から外れるから、該
状態から受皿を押上げることが出来、第１縦長孔
上端に第２巾広部４ａを設けた場合は、第３係合
子が該第２巾広部内に、柄部の弾性復元により入
ることで受皿の下降が阻止される。この場合は、
把手を押込みして、又第２巾広部を設けない場合
はそのまゝで、把手を押下げできる。尚第１縦長
孔の両側部内面と外筒後壁の両側部内面とには、
間隙保持子２３，２４が付設させてあり、外筒前
壁と摺動板との間を上記第３係合突子が摺動し、
又外筒前壁と摺動板との間および外筒後壁と受皿
後壁との間で蓋カバーの脚板１９，１９が揺動で
きるよう設けてある。

本案は上記構成としたもので、把手１２を引き
あげると蓋カバーが倒れた後棒状化粧品が繰出さ
れ、又押下げると棒状化粧品が繰込まれた後蓋カ
バーが起立して外筒上端の開口を閉塞するから、
キヤツプを着脱する必要がなく便利であり、又把
手１２を第２縦長孔の傾斜孔部下端に位置させた
状態で摺動板下端部の側面が載置台側面に接して
位置すると共に第１縦長孔４と第２縦長孔の直線
孔部１５ａとが位置ずれし、又摺動板下端部を載
置台上へ載置させたとき、上記長孔と直線部とが
重合うよう設けたから、摺動板１３は蓋カバーを
倒すのに必要な範囲で把手引きあげにより受皿と
共に押上げられ、蓋カバーが倒れた後棒状化粧品
が繰出されることとなり、又棒状化粧品収納の際
も、受皿が下降を開始した後、時間差をもつて蓋
カバーが起立することとなり、蓋カバーの起伏と
棒状化粧品の繰出し、繰込みとの関係をスムース
に行わせることが出来る。更に第１縦長孔の下端
部に巾広部４ａを形成させると共に把手の柄部を
弾性に抗して皿部への押込みが可能に形成させ、
かつ柄部側面には第３係合突子を付設させ、把手
を下限まで押下げたとき、柄部が傾斜孔部の下端
縁に、又摺動板下端面が外筒の底部内面にそれぞ
れ圧接して摺動板が位置決めされるようにし、か
つこのとき上記第３係合突子が巾広部上面に係合
して、該押下げ状態が保持されるよう設けたか
ら、容器を傾けたような場合も摺動板上部が載置
台上方側へ傾斜して、その結果第１縦長孔４上方
と直線孔部１５ａ上方とが重つて該重なり部分か
ら埃等が容器内に入ることを防止でき、把手柄部
は弾性に抗して皿部への押込みが可能としてあ
り、柄部側面に付設させた第３係合子が把手下限
位置において巾広部上面に係合するよう設けてあ
るから、把手を上昇させた状態では第３係合子が
外筒前壁内面に圧接することとなり、従つて該圧
接により受皿が自重により下降することを防止
し、所定位置に受皿を停止させることが容易であ
り、棒状化粧品使用上便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案容器の分解斜視図、第２図はその
容器の縦断面図、第３図は受皿を上昇させた状態
で示すその容器の縦断面図、第４図は第２図−
線の横断面図、第５図は第４図−線の要部
を示す縦断面図、第６図は受皿の平面図、第７図
は受皿の正面からみた半断面図、第８図は別実施
例で示す本案容器の横断面図である。 １…外筒、９…受皿、１３…摺動板、１７…蓋
カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上端面を開口させた筒部２の前壁３に第１縦長
   孔４を縦設させると共に、該前壁下端部内面の左
   右いずれかに載置台５を付設させ、又該載置台と
   反対側の側壁上部の前後には縦割溝７，７を穿設
   させた外筒１と、該外筒内に皿部１０を嵌合させ
   ると共に該皿部から突出させた柄部１２ａを上記
   第１縦長孔に貫通させて該柄部前端に把手１２を
   付設させ、外筒１に対して上下動可能に設けた棒
   状化粧品嵌着用の受皿９と、上記皿部と外筒前壁
   との間に板部１４を嵌合させ、該板部には直線孔
   部１５ａ下端から上記載置台側下方への傾斜孔部
   １５ｂを連続させた第２縦長孔１５を穿設させ、
   該第２縦長孔に上記把手の柄部１２ａを遊挿させ
   た摺動板１３と、上記外筒の上端開口面を開閉さ
   せる頂壁１８の前後両側から脚板１９，１９を垂
   設させ、該脚板と外筒の前後両壁とを枢着させた
   蓋カバー１７とからなり、上記摺動板の載置台側
   上端部と前方脚板の一部とは、摺動板の上下動に
   より脚板が縦割溝７，７内を揺動して蓋カバーが
   起伏自在に係合させておき、把手の柄部を第２縦
   長孔の傾斜孔部下端に位置させた状態で、摺動板
   下端部の側面が載置台側面に接して位置すると共
   に、第１縦長孔と直線孔部１５ａとは重らないよ
   う設け、又摺動板下端が載置台上へ乗上げると第
   １縦長孔と直線孔部とが重合い、かつ蓋カバーが
   傾れて外筒上端面が開口するよう設けた繰出し容
   器において、上記第１縦長孔の下端部に巾広部４
   ａを形成させると共に、上記把手の柄部を弾性に
   抗して皿部への押込みが可能に形成させ、かつ該
   柄部側面には第３係合突子１２ｂ，１２ｂを付設
   させておき、把手を下限まで押下げたとき、該把
   手の柄部が傾斜孔部下端縁に、又摺動板下端面が
   外筒の底部内面にそれぞれ圧接して摺動板が位置
   決めされるようにすると共に、第３係合突子が上
   記巾広部上面に係合して該押下げ状態が保持さ
   れ、又把手押込みにより上記係合が外れて上方向
   への把手押上げが可能に形成させたことを特徴と
   する繰出し容器。