JPS6214075Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は可動式ブームがパイルへ衝突するの
を防止するための衝突防止装置にかんする。

従来可動式ブームを有するスタツカー或はリク
レーマなどのバラ物荷役機械においては、荷役作
業時ブームの旋回・俯仰などの動作中あやまつて
パイルに衝突させ、ブームを損傷させることがあ
り、これを防止するため衝突防止装置を設けてい
る。

この衝突防止装置はブームの側方に、その長手
方向に沿つてワイヤロープを張設し、このワイヤ
ロープの両端及び中間要所個所をブーム壁から突
出させた腕杆で静電容量式スイツチを介して支持
させ、荷役作業中ワイヤロープがパイルに接触す
るとスイツチが作動し、このスイツチにインター
ロツクされている旋回駆動装置又は俯仰駆動装置
を止め、ブームを直ちに停止させるようになつて
いる。

しかし、ワイヤロープがパイルを接触検出し、
ブームを停止させるようスイツチが作動しても、
長大なブームは大きな慣性力を有しているのでブ
ームを直ちに止めることができず、ブームが更に
移動し、特にワイヤロープの中間に装備されてい
るスイツチがパイルに突込まれて破損することが
多々ある。

本考案はかかる問題点を改善するためになされ
たものであつて、ワイヤロープの中間に装備され
ている静電容量式検出器をブーム壁に可動支持さ
せ、静電容量式検出器が破損のない状態で長期間
にわたつて確実に作動できる衝突防止装置を提供
しようとするものである。以下その実施例を図面
に基づいて説明する。

第１〜３図において、１はスタツカーのブー
ム、２はブーム１の先端部ａと基端部ｂの両側に
突設された固定金具２で、両固定金具２には静電
容量式スイツチよりなる検出器３が対向して設置
されている。検出器３の電極部はそれぞれアイエ
ンドに形成され、両電極部の間にはスプリング４
を介してワイヤロープ５が張設されている。

５は固定金具２の間に所定の間隔で複数個設け
られたレバー取付金具であつて、該取付金具６に
はへの字形のレバー７がピン８でブーム１の長手
方向に対して直角方向に回転自在に枢着されてい
る。このレバー７の外端には静電容量式スイツチ
よりなる検出器９を、内端にはバランス用ウエイ
ト１０をネジ止め１１によつて夫々取付けてい
る。なお、レバー７のウエイト側には検出器９と
ウエイト１０とのバランス調整ができるよう、複
数個のネジ止め穴を長手方向に設けている。前記
検出器９の先端部はアイエンドに形成され、前記
ワイヤロープ５を貫通支持させている。

本考案は以上のように構成されており、次にそ
の作用について述べる。ブーム１が旋回操作さ
れ、水平方向（第３図矢印Ａ方向）に移動し、パ
イルＰに接近し、更に移動を続けるとワイヤロー
プ５がパイルＰに接触する。そして、ワイヤロー
プ５のパイル接触により検出器３，９の何れかの
スイツチが作動するとブーム１の旋回モータが停
止する。さて、このワイヤロープ５は検出器３，
９の電極部に貫通支持されているのでワイヤロー
プ５自体が検出体となり、パイルＰに接触するだ
けで瞬時にスイツチが作動する。

さらに、旋回モータが停止してもブーム１のも
つ運動慣性力によつてブーム１が若干動くが、こ
の時レバー７が矢印Ｂ方向に回動し、ワイヤロー
プ５並びに検出器９を逃がすこととなる。従つて
ワイヤロープ５及び検出器３，９に何等損傷など
の異状を起こすことはない。又、ワイヤロープ５
及び該ワイヤロープ５を貫通支持している検出器
９は、レバー７の復元作用（常時はワイヤロープ
５及び検出器３，９とバランスウエイト１０との
回転モーメントが釣合つて停止しているが、ある
物体が接触してレバー７がピン８を中心に回動す
ると、回転モーメントのバランスがくずれて元の
方向へ戻ろうとする力が働く。）によりブーム１
が反対方向（第３図A′方向）に移動されると所
定の位置に復帰する。

なお、上記説明では衝突防止装置をブーム１の
両側に設け、ブーム１の水平方向の動きに対して
の作用を説明したが、リクレーマ等ブーム１の俯
仰操作時に下方に位置しているパイルとの衝突が
生じるものについては、第４図のＣに示したよう
にブーム１の下方に本考案装置を設置すればよ
い。

又、上記実施例ではワイヤロープ５の両端を固
定金具２で定置支持しているが、第６図に示すよ
うに可動支持させてもよい。レバー７については
への字状のものを示したが、逆Ｔ字形などの他の
形状のレバーを用いても同効である。

更に、前記説明ではレバー７は取付金具６にピ
ン８で枢着しているが、第５図に示した球面支持
させるようにしておくと、パイルＰの任意方向作
用力に対するワイヤロープ５や検出器９の逃げが
より良好となりいつそう好適となる。

本考案は以上詳述したとおり、パイル検出用ワ
イヤロープの中間を、接触型の静電容量式スイツ
チよりなる検出器の電極部に貫通支持させたこと
により、ワイヤロープ自体が検出体となりパイル
に接触するだけで瞬時にスイツチが作動する。ま
た、この検出器の退避復元自在なレバーで支持す
るようにしたので、レバーを人手又は他の装置で
復帰させる必要がなく、しかも構造が簡単であ
り、長期間にわたつて確実に衝突を防止すること
ができ、スタツカーなどの荷役機械の安全運転向
上に寄与する効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を示す概略平面図、第２
図は同要部拡大平面図、第３図は第１図線に沿
う要部拡大側面図、第４図は本考案装置をブーム
下方に取付けた状態を示す概略側面図、第５図は
ワイヤロープ中間部を支持するレバーのブームへ
の取付構造の変形例を示す図、第６図はワイヤエ
ンド支持金具の変形例を示す側面図である。 １……ブーム、５……ワイヤロープ、６……取
付金具，７……レバー、９……検出器、１０……
ウエイト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブームガータの側部又は下部にレバー取付部を
   複数個設け、これら取付部にそれぞれレバーを枢
   着し、該レバーの一端に静電容量式検出器を他端
   にバランス調整自在なウエイトを設け、各々の静
   電容量式検出器の検出端にワイヤロープを貫通支
   持させ、該ワイヤロープに検出体が接触すること
   により前記検出器のスイツチが作動するようにし
   たことを特徴とする可動式ブームの衝突防止装
   置。