JPS6214009Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野： 本考案は、木材や他の木質繊維素原料をパルプ
化するための装置に用いられ、さらに詳しく述べ
れば木片、鋸屑および類似の原料を搬送するため
のパルプ生産装置用ねじコンベヤに関するもので
ある。

従来技術： 1930年代の熱機械的（themo−mechanical）パ
ルプ化操作（例えばアスプラント（Asplund）に
附与された米国特許第2145851号参照）の発明以
来、パルプ製造に関する繊維分離操作や装置は、
ますます広汎な市場用途が見出されてきた。この
ような操作と装置において、例えば木片、削り屑
や鋸屑あるいは砂糖きびの搾り殻のような非木材
繊維素原料が、ホツパまたは貯蔵ビンから、ねじ
コンベヤへ、さらに機械的繊維分離機または他の
デイスク形精砕機や、蒸解がま、およびその他の
周知のパルプ化装置へ供給される。満足な収量を
得るために原料の生産量や操作の連続性を維持す
るには、ねじコンベヤの無事故運転が望ましい。

考案が解決しようとする問題点： それにもかかわらず、蝶旋形ねじコンベヤは、
上記コンベヤを通る原料の均一な流れを阻害する
閉塞（plugging）を起し、費用のかさむ機会休止
時間を招くことが知られている。上記ねじコンベ
ヤのこのような閉塞は、上記パルプ化装置が例え
ば木片、木皮、削り屑、鋸屑、砂糖きびの搾り殻
およびその他水分を含んだピツチ状およびゴム版
の材料の如き比較的細かい原料の操作に使用され
る場合に特に起り易い。ねじ送りボアに溝付の円
筒部を使用することは、このような事故のある面
の減少には役立つようになつたが、上記ボアの入
口端部ではまだ閉塞を生じ過負荷状態をひき起し
ている。このような場合、ねじコンベヤがパルプ
原料とともに回転して、ねじコンベヤの摩耗を生
じることになる。

考案の目的： 本考案の目的は、上記のような閉塞事故を減少
し、ねじコンベヤの摩耗を減少、かつ運転時間の
休止を減少でき、特に、朝顔形の内周部分の周り
に配置された多数のくさび形ストツパ・バーによ
つて、パルプ原料がねじコンベヤと一緒に回転す
るのを防止し、ねじコンベヤの摩耗を減少できる
パルプ生産装置用ねじコンベヤを提供することで
ある。

問題点を解決するための手段、考案の構成： 上記目的を達成するための本考案は、パルプ原
料を受け入れるためのケーシング内に回転自在に
支持されかつ上記ケーシングを通つて上記パルプ
原料を前進させる供給用ねじを備えたパルプ生産
装置用ねじコンベヤにおいて、 上記ケーシングは、上記パルプ原料が漸次に圧
縮される円錐形ボアを有する延長部を備えている
ことと、 朝顔形の内周部分が、上記延長部の入口端部に
設けられていることと、 多数のくさび形ストツパ・バーが、上記朝顔形
の内周部分の周りに配置されていることと、より
なることを特徴とするものである。

考案の効果： 本考案の上記ねじコンベヤは、閉塞事故を著し
く減少し、運転休止時間の休止を減少できる。さ
らに本考案の上記ストツパ・バーを含むねじコン
ベヤのねじは、摩耗し難くかつ上記ねじのねじ山
と上記ボアとの間の隙間が増加しても、その影響
をうけにくい。特に、朝顔形の内周部分の周りに
配置された多数のくさび形ストツパ・バーによつ
て、パルプ原料がねじコンベヤと一緒に回転する
のを防止し、ねじコンベヤの摩耗を減少できる。
なお、また本考案による上記ねじコンベヤは、10
％から20％の間位、高い供給能力をもたらす。

本考案に関する前述の特徴やその他の特徴、目
的や効果は、次に示す図面と共に述べる本考案の
実施例についての下記の説明で、さらに明らかと
なるであろう。

第１図に一般に参照番号１０で示すコンベヤを
示してある。コンベヤ１０には、１個の歯車函１
４を経て１個のケーシング１８の内部に設けた１
個のヘリカルねじ１６（第２および第３図）を回
転駆動する１個の電動機１２が含まれる。上記電
動機１２、歯車函１４およびケーシング１８は、
すべて１個の台座支持部材２０上に支えられてい
る。

ねじ１６の一部は、１個の円錐形ボア２４を有
する延長部２２の内方へ延びている。ねじ１６の
円錐形ボア２４の内部にある部分のねじ山２６は
円錐形ボアにならつてその輪郭を円錐形としてあ
る。ケーシング１８には、それに原料を供給する
ための貯蔵ビン、ホツパ、シユートまたは類似の
ものから受ける原料の入口としての役割をする１
個の入口開口２８を上記ケーシングの頂部に備え
ている。円錐形ボア２４は、３０における１個の
出口開口で終つている。図示の実施例において、
１個の導管３２は、パルプ化装置を経て、さらに
例えば蒸解がま（図示せず）の方へ移送するため
上記原料を受取れるよう、それぞれ適当なフラン
ジ３４と固定用ボルト３６により、延長部２２の
出口端部に固定される。延長部２２は、例えば空
気、水あるいは他の媒体の排出用開口４０を有す
る１個のフード３８で囲まれていることが示され
ている。

円錐形ボア２４を形成する延長部２２は、複数
個のボルト４２によつてケーシング１８に取外し
可能なように固定されている。ケーシング１８に
隣接するボア２４の入口端部の内周部分は、４４
に示すように朝顔形に拡げてある。複数個のスト
ツパ・バー４６は、第２および３図の拡大詳細図
に示す如く、上記朝顔形内周部分４４の周りに対
称的に配置してある。第３図に示す複数個の長手
方向の溝４９は、上記ねじコンベヤのボア２４に
沿つて延びている。

第２図は、第１図の４３における朝顔形ボアか
ら４５における勾配付部分までのびており、かつ
第１図に示すように上記溝４９に接し、また４７
において若干重り合つている朝顔形内周部分４４
の周りに対称的に配置された８個のストツパ・バ
ー４６を示す。第４図に示す各ストツパ・バー４
６は、朝顔形内周部分４４の内面に密接する小さ
く比較的平坦な面４８を有し、かつストツパ・バ
ー４６を朝顔形の内周部分４４内で位置ぎめをし
たとき、連続溶接の形成余地を与えるため、下方
に勾配をつけた開先用縁５０を有する。連続溶接
は、また開先用縁５０と反対の端面に沿つても出
来るようにしてある。上記ストツパ・バー４６
（第２および４図）は、上記ボアの軸線を通る平
面と傾斜をなし、かつ溝４９に沿つて傾斜する側
面５２を有し、その角度は、25゜が適している。
第２図において、隣接する面５４と側面５２は、
第２図に示すように双方共ボアの軸線と長手方向
で平行な平面に対して傾斜をなすように、ストツ
パ・バー４６の長手方向に傾斜をつけてもよい。
上記のストツパ・バーはまた、各サイズのボアを
製造するのに使われる原形の鋳物の一部分をなす
ように作つておいてもよい。

第４図において、上記ストツパ・バーの先導端
５６は、上記バーの軸線を通る垂直面に対して僅
かな傾斜を有し、平坦な面４８に直角に、かつこ
のような垂直面に例えば45゜の如き大きい角度即
ち面取りを有するアンダ・カツト部分５８に終る
ものとすることができる。ねじ山２６が接近して
通る面５４もまた第４図に示すように斜面をと
る。側面５２の反対側の面６０は、比較的平坦で
ある。

運転に当りパルプ化装置内で処理せんとする、
例えば木片、削屑や鋸屑のような形の原料は、入
口２８を経てケーシング１８に供給される。ねじ
１６を正しい方向に回転させると、上記原料は、
朝顔形内周部分４４と円錐形ボア２４の方向へ押
し進められる。半径が次第に縮小するので、上記
屑類は、延長部２２を通過するに従い圧密され
る。原料は、ささに前進し、次操作に移るために
導管３２中に入る。

本考案のストツパ・バーがない場合は、原料
は、上記ボアに沿つて長手方向に前進する代り
に、むしろ送りねじ１６の回転と一緒に回される
傾向を生じ、上記ボアの入口端部でねじコンベヤ
を閉塞するであろう。上記朝顔形内周部分４４内
に上記ストツパ・バーが存在すると、原料のこの
ような回転は防止され、上記入口端部における閉
塞事故を減少するのに効果があり、その結果とし
て上記ねじが摩耗し難くなり、また上記ねじと上
記ボア２４との間の隙間が過大な場合にもそれに
影響されない。閉塞現象を上記のように防止する
ことにより、結果として休止時間の減少による材
料供給の改善と、これに伴う生産性の向上と適切
なコスト軽減とが考えられる。

本考案はパルプ生産装置におけるねじコンベヤ
に特に有利に使用しうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、上記ねじコンベヤのボアに取付けた
複数個の上記ストツパ・バーを有する本考案の実
施例に従つてパルプ化装置に用いられる形式のね
じコンベヤについて部分的に断面にした側面図；
第２図は、上記ねじコンベヤの上記朝顔形ボアの
内周に設けた複数個の上記ストツパ・バーを示
す、第１図の２−２線にそつた断面図；第３図
は、上記複数個のストツパ・バーの位置より下流
の上記ねじコンベヤのボアの内周を示す、第１図
の３−３線にそつた断面図；第４図は、本考案の
実施例による上記ストツパ・バーの透視図であ
る。 １８……ケーシング、２２……延長部、２４…
…円錐形ボア、４４……朝顔形の内周部分、４６
……くさび形ストツパ・バー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) パルプ原料を受け入れるためのケーシング内
   に回転自在に支持されかつ上記ケーシングを通
   つて上記パルプ原料を前進させる供給用ねじを
   備えたパルプ生産装置用ねじコンベヤにおい
   て、 上記ケーシング１８は、上記パルプ原料が漸
   次に圧縮される円錐形ボア２４を有する延長部
   ２２を備えていることと、 朝顔形の内周部分４４が、上記延長部２２の
   入口端部に設けられていることと、 多数のくさび形ストツパ・バー４６が、上記
   朝顔形の内周部分の周りに配置されていること
   と、 よりなることを特徴とするパルプ生産装置用ね
   じコンベヤ。 (2) 上記くさび形ストツパ・バー４６は、上記延
   長部２２の入口端部の内周の周りに対称的に配
   置されていることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第(1)項記載のパルプ生産装置用ねじコ
   ンベヤ。 (3) 上記延長部２２は、円錐形であることと、 上記ボア２４は、その長さの一部分上に延び
   ている多数の長手方向の溝４９を有しているこ
   とと、 上記ストツパ・バー４６は、上記入口端部の
   内周の周りに配置されていることと、 よりなることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第(1)項記載のパルプ生産装置用ねじコン
   ベヤ。 (4) 上記ストツパ・バー４６は、上記溝４９に部
   分的に重なり合つていることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第(3)項記載のパルプ生産装
   置用ねじコンベヤ。 (5) 上記ストツパ・バー４６は、上記朝顔形の内
   周部分４４の内面に対して密接する比較的に平
   坦な面４８を有し、かつ上記ストツパ・バー４
   ６上に側面５２を形成し、上記側面は、上記延
   長部２２の軸線を通つて延びている平面に対し
   約25゜の角度で傾斜していることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第(1)項ないし第(4)項の
   うちのいずれか１項に記載のパルプ生産装置用
   ねじコンベヤ。 (6) 上記ストツパ・バー４６の上記側面は、上記
   延長部２２の軸線に平行する長手方向平面に対
   し傾斜するような斜面を形成していることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第(5)項記載の
   パルプ生産装置用ねじコンベヤ。 (7) 上記ストツパ・バー４６は、上記ストツパ・
   バーの軸線を通る垂直面に対し小さい角度を形
   成し、上記垂直面は、上記平坦な面４８に対し
   直角であり、かつ上記垂直面に対し45゜の角度
   を形成するアンダ・カツト部分５８で終つてい
   ることと、 上記側面５２の反対側の面６０は、比較的平
   坦であることと、よりなることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第(5)項記載のパルプ生産
   装置用ねじコンベヤ。