JPS6213944B2 - - Google Patents

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JPS6213944B2
JPS6213944B2 JP6525880A JP6525880A JPS6213944B2 JP S6213944 B2 JPS6213944 B2 JP S6213944B2 JP 6525880 A JP6525880 A JP 6525880A JP 6525880 A JP6525880 A JP 6525880A JP S6213944 B2 JPS6213944 B2 JP S6213944B2
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sodium
nitrite
alkali metal
dinitrodiphenyl
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JP6525880A
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Hikotada Tsuboi
Tadatoshi Pponda
Minoru Toda
Katsutoshi Tao
Kenjiro Fujiki
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Wakayama Seika Kogyo Co Ltd
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Wakayama Seika Kogyo Co Ltd
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、農薬、医療、さらに機能性高分子材
料などの広範な分野に用いられるジニトロジフエ
ニルエーテル類の製造方法に関するものである。 従来、ジニトロジフエニルエーテルの製造法と
して、一般的に用いられているのは、ハロニトロ
ベンゼンとニトロフエノールのアルカリ塩を縮合
させる、いわゆるウイリアムソン反応によるもの
である。しかしながら、ハロニトロベンゼンとニ
トロフエノールのアルカリ塩との反応性は、必ら
ずしも高くなく、この方法を用いて良い収率を得
るには、200℃以上の高温で長時間加熱反応させ
る必要があつた。すなわち、この従来法は、高温
長時間の反応であるため、副反応が起り易く、製
品の劣化、着色などが著しいことはもとより、高
温で発火または爆発性を有するニトロフエノール
のアルカリ金属塩の取扱いなど、安全性の面でも
大きな問題があつた。 上記の欠点を改良するために、種々の方法が検
討され、ハロニトロベンゼンに亜硝酸イオンの存
在下、アルカリ金属の無機化合物を、極性有機溶
媒中で反応させる方法が、見い出されている(特
開昭54−55537、特開昭54−66633)。これらの方
法では、反応を比較的低温で実施することがで
き、反応速度も大きく、また原料として高価でし
かも安全性に問題のあるニトロフエノール塩を使
用する必要がないという利点がある。この方法に
おいて、亜硝酸塩とともに多用されるアルカリ金
属化合物であるアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素
塩および水酸化物などは極性有機溶媒への溶解度
が必ずしも大きなものではなく、実際には、反応
液中で不溶粒子として懸濁または沈澱しているこ
とが多く、有効に利用されていない。したがつ
て、反応は完全な均一状態で進行しておらず、良
い成果を得るには撹拌を十分に行なう必要があつ
た。 また、この方法は、温和な反応条件で比較的良
い収率が得られるが、収率および選択率は、未だ
必ずしも十分に満足できるものではない。これ
は、ハロニトロベンゼンからジニトロジフエニル
エーテルに至る反応過程が単純でなく、2種類以
上の素反応の組合せにより成立しているため、反
応中間体またはこの反応中間体を経る副生成物
が、反応終了時まで残存し、目的物の選択率およ
び収率を低下させる傾向があるためであつた。さ
らに、これらの方法は、反応副生成物の中に、活
性で熱的に不安定なものが含まれており、これら
の化合物の生成を抑制することが、反応およびそ
の後の処理操作の安全性をさらに向上させる目的
からも重要な点であつた。 本発明者らは、上記のハロニトロベンゼン類よ
り出発してジニトロジフエニルエーテル類を得る
方法において、反応の均一性をさらに改良し、併
せて、ジニトロジフエニルエーテル類への選択性
およびその収率を向上させる目的で検討を行なつ
た結果、アルカリ金属の化合物としてギ酸ナトリ
ウム塩を用いると上記の目的が達成されることを
見い出し、本発明を完成するに至つた。 すなわち本発明は、一般式() (式中、Xはハロゲン原子を示し、nは1もしく
は2である。)で表されるハロニトロベンゼン類
を極性有機溶媒中で、亜硝酸イオンの存在下にア
ルカリ金属化合物と反応させて、一般式() (式中、Xおよびnは一般式()の場合と同じ
意味である)で表されるジニトロジフエニルエー
テル類を製造するに際し、アルカリ金属化合物と
して脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩を用いる
ことを特徴とするジニトロジフエニルエーテル類
の改良された製造方法である。 本発明の方法によればアルカリ金属化合物とし
て、脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩を用いるの
で、脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩が反応系に
十分に溶解し、反応収率が向上し、同時に反応の
選択性が著しく改善される。通常、ハロニトロベ
ンゼン類よりジニトロジフエニルエーテル類を製
造する場合、反応の副生成物または中間体とし
て、ニトロフエノール類、ジニトロベンゼン類な
どが生成されやすいが、本発明の方法のように脂
肪族カルボン酸アルカリ金属塩を用いると、これ
らの生成物が殆んど認められないか、生成しても
極めて微量である。ニトロフエノール類、ジニト
ロベンゼン類などは、いずれも、活性な熱的に不
安定な化合物であるが、本発明の方法ではこれら
の副生を最小限に抑制でき、本製造法の操業安全
性を大巾に向上させ、危検防止のために必要な高
価な設備を、殆んど必要としなくなつた。 また、本発明の方法において、副生物の生成が
著しく少ないため、反応後、目的生成物を単に
別して回収した溶媒を循環使用することができ
る。すなわち、反応溶媒を単純な操作で回収、繰
返し循環使用して、ジニトロジフエニルエーテル
類を高収率で得ることができるうえに、反応媒体
を有効に利用できる。 このような効果は、前記のようにアルカリ金属
化合物として脂肪族カルボン酸のアルカリ金属
塩、とくに低級脂肪族カルボン酸のナトリウム
塩、とりわけギ酸ナトリウムを使用することによ
り得ることが可能であり、さらに極性有機溶媒と
して極性非プロトン溶媒、とくにスルホランを使
用すると一段と優れた効果が得られる。 本発明の方法に用いられるハロニトロベンゼン
類は、一般式()で表わされる化合物におい
て、Xで示すハロゲン原子としてはフツ素、塩
素、臭素、ヨウ素のいずれであつてもよい。した
がつて、具体例の化合物は塩素化合物を代表とし
て示す。すなわち、o−、m−またはp−ニトロ
クロルベンゼン、2・4−または2・6−ニトロ
クロルベンゼン等が挙げられる。またこれらのハ
ロニトロベンゼン類は、1種類または2種類以上
の混合物として使用される。好ましくは、ニトロ
クロルベンゼン類であり、さらにニトロクロルベ
ンゼン類のうち、p−ニトロクロルベンゼンおよ
びo−ニトロクロルベンゼンが特に好ましい。 本発明の方法に使用される極性有機溶媒として
は、スルホラン、ジメチルスルホキシド、N・N
−ジメチルホルムアミド、N・N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサ
メチルホスホロアミドなど、さらに、ピリジン、
キノリン、トリエチルアミンなどの塩基性化合
物、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル類2−n−ブトキシエタノール、2−エトキシ
エタノールなどのグリコールエーテル類があげら
れる。これらの溶媒は単独または二種類以上を混
合して用いる。特に好ましい極性有機溶媒は、ス
ルホラン、ジメチルスルホキシド、N・N−ジメ
チルホルムアミド、N・N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチル
ホスホロアミドなどの極性非プロトン溶媒であ
り、なかでもスルホランがとくに好ましい。使用
される溶液は、含水物でも無水物でもよく、必ら
ずしも溶媒を乾燥させる必要はない。一般に、極
性有機溶媒と称される溶媒類は、いずれも強い吸
湿性を有し、乾燥状態に保持するのは容易でない
が、本発明の方法においては、水分を含んだ極性
溶媒と使用しても、乾燥溶媒を使用した反応と、
同等または、それ以上の結果を得ることができ
る。含水の有機溶媒の場合、溶媒中の水分含有率
は30%以下が好ましく、30%を越えると、反応原
料であるハロニトロベンゼン類の溶解度が低下し
て、反応の進行が阻害されるので好ましくはな
い。極性有機溶媒の使用量は、溶媒の、原料ハロ
ニトロベンゼンの溶媒への溶解度などにより、多
少変動はあるが、原料ハロニトロベンゼンに対し
て、0.2〜15倍重量の範囲で十分良好な結果が得
られる。 本発明の方法において反応系に亜硝酸イオンを
添加させるために亜硝酸塩または亜硝酸イオンを
生成する化合物が使用される。亜硝酸塩として
は、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸
リチウム、亜硝酸セチウム、亜硝酸マグネシウ
ム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸ストロンチウム、
亜硝酸バリウム、亜硝酸アンモニウム、亜硝酸コ
バルトアンモニウム、亜硝酸コバルトカリウム、
亜硝酸コバルトナトリウム、亜硝酸コバルトカリ
ウムナトリウム、亜硝酸銀などが用いられ、これ
らは単独または2種以上の混合物として使用され
る。また、あらかじめ反応液中に、塩基性化合物
を存在させておき、窒素酸化物を吹き込んで亜硝
酸塩を形成させ反応を進行させる方法もとること
ができる。この方法によれば、本発明の方法が反
応系中にアルカリ塩を存在させるために、塩基性
化合物を新たに加えることなく、窒素酸化物のガ
スを導入するのみで亜硝酸塩を形成させ反応を進
行させることもできる。導入する窒素酸化物とし
ては酸化窒素、2酸化窒素、無水亜硝酸などを挙
げることができる。 本発明の方法において、特に好ましい亜硝酸塩
は、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸
バリウム、亜硝酸アンモニウムなどである。亜硝
酸塩は、無水塩、含水塩、他の塩との複塩、また
は有機化合物を含む結晶塩などのいずれも使用す
ることができる。さらには、反応条件下で亜硝酸
イオンを生成する化合物として、例えばパラジニ
トロベンゼン、オルトジニトロベンゼン、1・
2・4−トリニトロベンゼン、1・3・4−トリ
ニトロベンゼン、3・4−ジニトロトルエン、
2・5−ジニトロトルエン、パラニトロベンゾニ
トリル、オルトニトロベンゾニトリル、3・4−
ジニトロベンゾニトリル、2・5−ジニトロベン
ゾニトリル、3・4−ジニトロアニソール、2・
5−ジニトロアニソール、3・4−ジニトロ安息
香酸等のニトロ化合物をあげることができる。 これらの亜硝酸塩または亜硝酸イオンを生成す
る化合物の使用量は、その種類やハロニトロベン
ゼン、溶媒の種類により多少変化するが、ハロニ
トロベンゼン類1モルにつき、0.001〜10モルで
ある。好ましくは、ハロニトロベンゼン1モルに
つき0.01〜5モルの範囲であり、さらに好ましく
は、0.1〜1.0モルの範囲である。亜硝酸塩または
亜硝酸イオンを生成する化合物の使用量がハロニ
トロベンゼン1モルにつき、0.001モルより少な
い場合は、反応は殆んど進行せず、亜硝酸塩によ
る反応促進効果が認められず、一方、10モルより
多い場合は、生成したジニトロジフエニルエーテ
ル類がさらに亜硝酸と反応して高分子量化または
分解が起り、目的物の収率は低下する。 本発明の方法に用いられる脂肪族カルボン酸ア
ルカリ金属塩は炭酸素数1〜20の脂肪族カルボン
酸のアルカリ金属塩が好ましい。塩の陽イオン成
分としてのアルカリ金属は、ナトリウム、カリウ
ム、リチウム、ルビシウム、セシウムが、ほぼ同
等に使用できる。脂肪族カルボン酸アルカリ金属
塩をナトリウム塩で例示すれば、ギ酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、
酪酸ナトリウム、イソ酪酸ナトリウム、トリメチ
ル酢酸ナトリウム、n−吉草酸ナトリウム、iso
−吉草酸カリウム、t−ブチル酢酸ナトリウム、
カプロン酸ナトリウム(ヘキサン酸ナトリウ
ム)、n−ヘプタン酸ナトリウム、オクタン酸ナ
トリウム、ノナン酸ナトリウム、デカン酸ナトリ
ウム、蓚酸ナトリウム、蓚酸水素ナトリウム、マ
ロン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、ジメチ
ルコハク酸ナトリウム、アジピン酸ナトリウム、
スベリン酸ナトリウム、セバシン酸ナトリウム、
ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウ
ム、マレイン酸ナトリウム、フマル酸ナトリウ
ム、シクロヘキサンカルボン酸ナトリウム、シク
ロヘキサンジカルボン酸ナトリウム、グルコン酸
ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、グリオキ
サル酸ナトリウム、マンデル酸ナトリウム、グル
タミン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、リ
ノール酸ナトリウム、フエニル酢酸ナトリウム、
トリクロロ酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウ
ム、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素ナトリウム、
りんご酸ナトリウム、などであり、これらの1種
または2種以上を使用することができる。 これらの脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩の
なかでも、とくにギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、プロピオン酸ナトリウム等の低級脂肪酸ナト
リウム塩が好ましい。 これらの脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩
は、無水物を使用してもよいし、水和物が含水物
を使用しても良い。また、アルカリ金属の水酸化
物、炭酸塩などと、遊離の脂肪族カルボン酸を、
それぞれ別々に反応液に加える方法により、実質
的に反応液中で脂肪族カルボン酸塩を生成させる
ものであつてもよい。脂肪族カルボン酸塩の使用
量は、その種類、ハロニトロベンゼン類、溶媒の
種類により影響を受けるが、通常、ハロニトロベ
ンゼン類1モルにつき、0.05〜10モルの範囲、好
ましくは0.1〜5モルであり、通常は0.2〜1モル
の範囲で、良好な効果を得ることができる。 脂肪族カルボン酸塩の使用量が、ハロニトロベ
ンゼン1モルにつき10モルより多くても、ジニト
ロジフエニルエーテル類の収率、純度とも新たな
向上は認められず、一方、0.05モル以下であると
目的物の収率は低下する。 本発明の方法を実施するに際しては、上記の各
反応原料を所定量の全量、反応前に反応器中にあ
らかじめ加えるのが、一般的な方法である。しか
しながら、反応原料の1種または2種以上を、少
量づつ連続的に、または一定時間ごとに反応器中
に加える方法をとることもできる。特に、亜硝酸
塩を多量に使用する場合には上記のいずれかの方
法で亜硝酸塩を後から加え、反応液中の亜硝酸塩
濃度が過大になることを防いだ方が、副反応を抑
制できる。 反応温度は、使用するハロニトロベンゼン類お
よび、極性有機溶媒の種類により異なるが、通常
80〜220℃の範囲で、特に好ましくは120〜200℃
の範囲である。80℃以下では、反応は殆んど進行
せず、ハロニトロベンゼンが未反応のまま回収さ
れ、1方、220℃以上では、生成したジニトロジ
フエニルエーテル類が、不安定になり、分解を受
けたり、さらに反応して高分子量化合物を形成
し、目的とするジニトロジフエニルエーテル類の
収率が極端に減少する。 反応時間は、反応温度、反応原料の種類などに
より異なるが、通常、0.5〜40時間の範囲内であ
り、好ましくは1.0〜15時間の範囲である。反応
温度が比較的高い場合は、生成したジニトロジフ
エニルエーテル類の分解、高分子量化などの好ま
しくない副反応が促進されるので、短時間の反応
の方が良い結果が得られる。 本発明の方法は、常圧でも加圧下でも実施する
ことができる。通常は、極性有機溶媒の沸点以下
で反応が進行するため、反応を必らずしも加圧下
で実施する必要はなく、常圧反応で容易に望まし
い収率を得られる。しかし、加圧下の反応で良好
な結果が得られる場合があり、特に、低沸点溶媒
を用いた場合は、最適反応温度で反応させるため
には、加圧反応が好ましい。 また、反応雰囲気に関して制約はないが、空気
のほかに不活性ガスまたは、その他の特定のガス
の 囲気中もしくは気流中、あるいはそれらのガ
スの加圧下に反応を行なうことができる。不活性
ガスとしては窒素、アルゴン、ヘリウムなどが用
いられ、その他の特定のガスの例としては、二酸
化炭素、二酸化窒素、一酸化窒素、三酸化二窒素
(無水亜硝酸)を挙げることができるが、その他
各種のガスを用いることができる。 本発明の方法を実施する反応様式としては特に
制約はなく、回分法、半回分法または連続法のい
ずれであつてもよい。 本発明の方法により生成したジニトロジフエニ
ルエーテル類は、反応液を室温付近まで冷却して
効果的に析出させることが可能であり、これを単
に、別、洗浄、乾燥するのみで、純度の高い目
的物が得られる。一方、極性有機溶媒よりなる液
は、そのまま、次の反応に使用できる。液を直
接、反応工程にサイクルすることにより、液中に
存在する微量の未反応物や反応中間体が有効に利
用されるばかりか、液中に溶存していたジニト
ロジフエニルエーテル類も、リサイクルによつて
最終的には、結晶として析出し、別、回収され
る。その上、液を直接、反応工程にリサイクル
するので、蒸留、精製などの処理をすることなし
に、反応媒体である極性有機溶媒を、非常に合理
的、かつ、経済的に再使用できる。本発明の方法
においては、副生成物の生成が極めて少ないとい
う効果を奏するので、溶媒中に含まれている物質
は、析出せずに溶解しているジニトロジフエニル
エーテル類を除けば、微量の未反応原料および反
応中間体のみであり、溶媒のリサイクルを数多く
続けても、不純物の蓄積が非常に少なく反応媒体
の循環使用を有利に行なうことができる。 本発明の方法において、反応液の冷却により析
出したジニトロジフエニルエーテル類は、別、
洗浄、乾燥するのみで、目標とする品位のものが
得られ、これを、直接各種用途に供することが、
十分可能である。さらに著しく高純度品が必要な
場合は、洗浄、再結晶など、種々の精製繰作によ
り、目的とする品位のジニトロジフエニルエーテ
ル類を得ることができる。 以下、実施例により本発明をさらに説明する。 実施例 1 p−ニトロクロルベンゼン(純度97%)18.0g
(0.111モル)、亜硝酸ナトリウム(純度97%)5.0
g(0.0703モル)、ギ酸ナトリウム(純度95%)
4.0g(0.056モル)、スルホラン50mlを、170〜
175℃で3.5時間撹拌反応させた。反応液に、水1
を加えて、固体を析出させ、過、水洗後、得
られた固体を水蒸気蒸留して未反応p−ニトロク
ロルベンゼン2.28gを回収し、4・4′−ジニトロ
ジフエニルエーテル11.51gを得た。さらに、ガ
スクロマトグラフイーにより純度を測定した。 収率79.8%(純度99.9%)、融点140〜141℃。 比較例 1 ギ酸ナトリウムを使用せず、スルホランを90ml
使用し、反応時間を6.0時間とした以外は、実施
例1と同様に行ない、未反応p−ニトロクロルベ
ンゼン4.12gを回収し、4・4′−ジニトロジフエ
ニルエーテル8.38gを得た。 収率58.1%(純度99.9%)、融点140〜141℃。 比較例 2 ギ酸ナトリウムの代りに、炭酸ナトリウム6.0
g(0.056モル)を使用する以外は、実施例1と
同様に行ない、未反応p−ニトロクロルベンゼン
3.61gを回収し、4・4′ジニトロジフエニルエー
テル類10.06gを得た。 収率69.8%(純度99.9%)、融点140〜141℃。 実施例 2および3 反応時間を5.0時間、7.0時間とした以外は、実
施例1と同様に行ない、表−1の結果を得た。
【表】 実施例 4 p−ニトロクロルベンゼン(純度97%)40.0g
(0.246モル)、亜硝酸ナトリウム(純度97%)
15.0g(0.211モル)、ギ酸ナトリウム(純度95
%)6.0g(0.084モル)と反応溶媒であるスルホ
ラン200mlを170〜175℃で、7.5時間撹拌反応させ
た。反応溶液を室温まで冷却し、4・4′−ジニト
ロジフエニルエーテルを析出させた。この反応液
を濾過し、析出固体と未析出4・4′−ジニトロジ
フエニルエーテルを含む濾液を得た。 析出固体は、水1で洗浄し無機物を除去し、
濾過後、水蒸気蒸溜を行つて、未反応p−ニトロ
クロルベンゼンを留出し回収した。水蒸気蒸溜の
釜残として4・4′−ジニトロジフエニルエーテル
を得た。さらに、ガスクロマトグラフイで純度を
測定した。 未析出4・4′−ジニトロジフエニルエーテルを
含む濾液を反応溶媒として再使用する他は同様の
操作を行い第2回目の反応を行つた。 第3回目から第6回目まで、第2回目と同様に
して反応を行つた。 結果を表−2に示す。 表−2の結果から、第1回目の反応で生成した
4・4′−ジニトロジフエニルエーテル類の大部分
が析出せず濾液に溶存するため単離収率が33.5%
と低いが、2回目以降は単離収率も91.5〜104.2
%とほぼ定量的な収率を示すようになる。
【表】 実施例 5 ギ酸ナトリウムの代りにプロピオン酸ナトリウ
ム6.0g(0.062モル)を使用する以外は実施例1
と同様に操作し、未反応p−ニトロクロルベンゼ
ン2.36gを回収し、4・4′−ジニトロジフエニル
エーテル類11.35gを得た。 収率78.7%(純度99.9%)、融点140〜141℃。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式() (式中、Xはハロゲン原子を示し、nは1もしく
    は2である。)で表されるハロニトロベンゼン類
    を極性有機溶媒中で、亜硝酸イオンの存在下にア
    ルカリ金属化合物と反応させて、一般式() (式中、Xおよびnは一般式()の場合と同じ
    意味である。)で表されるジニトロジフエニルエ
    ーテル類を製造するに際し、アルカリ金属化合物
    として脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩を用い
    ることを特徴とするジニトロジフエニルエーテル
    類の改良された製造方法。
JP6525880A 1980-05-19 1980-05-19 Improved preparation of dinitrodiphenyl ether Granted JPS56161354A (en)

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