JPS6213896B2 - - Google Patents

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JPS6213896B2
JPS6213896B2 JP770182A JP770182A JPS6213896B2 JP S6213896 B2 JPS6213896 B2 JP S6213896B2 JP 770182 A JP770182 A JP 770182A JP 770182 A JP770182 A JP 770182A JP S6213896 B2 JPS6213896 B2 JP S6213896B2
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JP
Japan
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plunger
temperature
plastic
molecular orientation
hollow
Prior art date
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Expired
Application number
JP770182A
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English (en)
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JPS58124611A (ja
Inventor
Kyoshi Kawaguchi
Muneki Yamada
Nobuyuki Kato
Tomio Kano
Akira Sakamoto
Minoru Mihashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP770182A priority Critical patent/JPS58124611A/ja
Publication of JPS58124611A publication Critical patent/JPS58124611A/ja
Publication of JPS6213896B2 publication Critical patent/JPS6213896B2/ja
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はプラスチツク中空体の製造方法に関
し、さらに詳しくは分子配向された薄肉の胴壁部
を有し、かつ高さ/直径の比の大きい缶状プラス
チツク中空体の製造に特に適した方法に関する。
胴壁部が分子配向され、透明性、強度、ガスバ
リヤー性が改善された缶状のプラスチツク中空体
の製造法として、特公昭43−8631号公報には、押
出し成形法等によりプラスチツク予備成形材を形
成し、予備成形材の周縁部を締付け、その中央部
を分子配向温度に保つて圧縮しながら型空胴内に
押出して胴壁部を形成する方法が開示されてい
る。しかしながらこの方法の場合は、予備成形材
を形成する工程を必要とし、そのため積層材より
なる予備成形材を用意することが困難であり、ま
た予備成形材を型空洞に押出す前に、均一に成形
温度に加熱しなければならないという手間を要す
るという問題を有す。また特開昭54−131663号公
報には2層よりなる缶状のプラスチツク容器の製
造法が開示されているが、これは溶融成形法であ
つて、分子配向により透明性等の容器特性が改善
されたプラスチツク容器の製造方法ではない。
本発明は以上に述べた従来技術の問題点に鑑み
なされたものであつて、本発明は、フランジ部、
胴壁部および底壁部を有し、少なくとも該胴壁部
が分子配向しているプラスチツク中空体を製造す
る方法において、実質的に均一な厚さの平坦な、
分子配向可能温度上限以下の温度の分子配向性の
プラスチツク素材片の該フランジ部に対応する周
縁部を、ダイの上部キヤビテイと下部キヤビテイ
間の段差部において挾持し、該底壁部にほぼ対応
する中央部を第1のプランジヤと第2のプランジ
ヤにより圧縮しながら該下部キヤビテイ内に導入
して、該第1のプランジヤと該第2のプランジヤ
の間から延出する該プラスチツク素材片の材料に
より、胴壁部をほぼ分子配向可能温度に保持され
た該第1のプランジヤの側面と接触するようにし
て形成し、かつ前記導入の前期段階において、第
1のプランジヤと第2のプランジヤによる圧縮力
を比較的高めて、延出する材料を該第1のプラン
ジヤと下部キヤビテイ内面間の空隙にほぼ充満す
るよう蓄積し、その後該圧縮力を低下させて、該
蓄積した材料を軸方向に延伸することにより中空
成形体を形成し、その後該第1のプランジヤを復
帰させながら、該中空成形体の内部に加圧流体を
送出して該胴壁部を脹ませ、該分子配向可能温度
の下限より低い温度に保持された該下部キヤビテ
イの内面に接触せしめて冷却硬化することを特徴
とするプラスチツク中空体の製造方法を提供する
ものである。
さらに本発明はフランジ部、胴壁部および底壁
部を有し、少なくとも該胴壁部が分子配向してい
るプラスチツク中空体を製造する方法において、
実質的に均一な厚さの平坦な、分子配向可能温度
上限以下の温度の分子配向性のプラスチツク素材
片の該フランジ部に対応する周縁部を、ダイの上
部キヤビテイと下部キヤビテイ間の段差部におい
て挾持し、該底壁部にほぼ対応する中央部を第1
のプランジヤと第2のプランジヤにより圧縮しな
がら該下部キヤビテイ内に導入して、該第1のプ
ランジヤと該第2のプランジヤの間から延出する
該プラスチツク素材片の材料により、胴壁部をほ
ぼ分子配向可能温度に保持された該第1のプラン
ジヤの側面と接触するようにして形成し、かつ前
記導入の前期段階において、第1のプランジヤと
第2のプランジヤによる圧縮力を比較的高めて、
延出する材料を該第1のプランジヤと下部キヤビ
テイ内面間の空隙にほぼ充満するよう蓄積し、そ
の後該圧縮力を低下させて、該蓄積した材料を軸
方向に延伸することにより中空成形体を形成し、
その後該第1のプランジヤを復帰させながら、該
中空成形体の内部に加圧流体を送出して該胴壁部
を脹ませ、該分子配向可能温度の下限より低い温
度に保持された該下部キヤビテイの内面に接触せ
しめて冷却硬化し、かつ該中央部を該ダイスキヤ
ビテイ内に導入する前に、または導入中に、もし
くは該中空成形体を形成後に、該周縁部を材料が
主として半径方向外側に流れるように圧縮して、
薄肉の、もしくは整形されたフランジ部を形成す
ることを特徴とするプラスチツク中空体の製造方
法を提供するものである。
次に本発明は、フランジ部、胴壁部および底壁
部を有し、少なくとも該胴壁部が分子配向してい
るプラスチツク中空体を製造する方法において、
実質的に均一な厚さの平坦な、分子配向可能温度
上限以下の温度の分子配向性のプラスチツク素材
片の該フランジ部に対応する周縁部を、ダイの上
部キヤビテイと下部キヤビテイ間の段差部におい
て挾持し、該底壁部にほぼ対応する中央部を第1
のプランジヤと第2のプランジヤにより圧縮しな
がら該下部キヤビテイ内に導入して、該第1のプ
ランジヤと該第2のプランジヤの間から延出する
該プラスチツク素材片の材料により、胴壁部をほ
ぼ分子配向可能温度に保持された該第1のプラン
ジヤの側面と接触するようにして形成し、かつ前
記導入の前期段階において、第1のプランジヤと
第2のプランジヤによる圧縮力を比較的高めて、
延出する材料を該第1のプランジヤと下部キヤビ
テイ内面間の空隙にほぼ充満するよう蓄積し、そ
の後該圧縮力を低下させて、該蓄積した材料を軸
方向に延伸することにより中空成形体を形成し、
次いで該周縁部を材料が該胴壁部に向つて流れる
ように圧縮し、同時に該第1のプランジヤと該第
2のプランジヤを該ダイスキヤビテイ内にさらに
導入して、流れた材料により該中空成形体の胴壁
部上部を附加形成し、その後該第1のプランジヤ
を復帰させながら、該中空成形体の内部に加圧流
体を送出して該胴壁部を脹ませ、該分子配向可能
温度の下限より低い温度に保持された該下部キヤ
ビテイの内面に接触せしめて冷却硬化することを
特徴とするプラスチツク中空体の製造方法を提供
するものである。
また本発明は、フランジ部、胴壁部および底壁
部を有し、少なくとも該胴壁部が分子配向してい
るプラスチツク中空体を製造する方法において、
実質的に均一な厚さの平坦な、分子配向可能温度
上限以下の温度の分子配向性のプラスチツク素材
片の該フランジ部に対応する周縁部を、ダイの上
部キヤビテイと下部キヤビテイ間の段差部におい
て挾持し、該底壁部にほぼ対応する中央部を第1
のプランジヤと第2のプランジヤにより圧縮しな
がら該下部キヤビテイ内に導入して、該第1のプ
ランジヤと該第2のプランジヤの間から延出する
該プラスチツク素材片の材料により、胴壁部をほ
ぼ分子配向可能温度に保持された該第1のプラン
ジヤの側面と接触するようにして形成し、かつ前
記導入の前期段階において、第1のプランジヤと
第2のプランジヤによる圧縮力を比較的高めて、
延出する材料を該第1のプランジヤと下部キヤビ
テイ内面間の空隙にほぼ充満するよう蓄積し、そ
の後該圧縮力を低下させて、該蓄積した材料を軸
方向に延伸することにより中空成形体を形成し、
かつ該導入中に該周縁部を材料が該胴壁部に向つ
て流れるように圧縮して、流れた材料により該中
空成形体の胴壁部上部を形成し、その後該第1の
プランジヤを復帰させながら、該中空成形体の内
部に加圧流体を送出して該胴壁部を脹ませ、該分
子配向可能温度の下限より低い温度に保持された
該下部キヤビテイの内面に接触せしめて冷却硬化
することを特徴とするプラスチツク中空体の製造
方法を提供するものである。
以下図面を参照しながら本発明について説明す
る。
第1図〜第7図において、1は上部プランジ
ヤ、2は下部プランジヤ、3はダイス、4は押え
パツドである。ダイス3は、図示されない保持部
材に固設されており、第1図に示されるように、
上部キヤビテイ3aおよび下部キヤビテイ3bが
形成されている。上部キヤビテイ3aは短円筒状
であつて、その内径は、形成されるべきプラスチ
ツク中空体5(第6図参照)のフランジ部5aの
外径にほぼ等しく定められており、一方下部キヤ
ビテイ3bは円筒状であつて、その内径は形成さ
れるべきプラスチツク中空体5の胴壁部5bの外
径に等しく定められる。上部キヤビテイ3aの内
面3a1は水平な段差部3cを介して、下部キヤビ
テイ3bの内面3b1に連接している。
上部プランジヤ1の外径は、下部キヤビテイの
内面3b1とのクリアランスx(第5図参照)が、
押圧延伸成形されるべき中空成形体5′の胴壁部
5′bの肉厚yよりも大きく定められており、例
えばx−y=0.2〜0.8mm程度に定められている。
上部プランジヤ1には、導孔7が軸線方向に形成
されており、導孔7の下端開口部は、スプリング
9によつて上方に牽引される截頭円錐形状のプラ
グ8によつて常時は閉じられている(第5図)。
導孔7は図示されない導管、電磁バルブを介し
て、図示されない加圧エア源に連通しており、図
示されないリミツトスイツチによつて、上部プラ
ンジヤ1の底面1aがほぼダイス3の段差部3c
のレベルより下方に位置するとき、上記電磁バル
ブが開いて、導孔7に加圧エアが供給されるよう
に構成されている。なお、上部プランジヤ1は金
属(例えば工具鋼等)よりなり、望ましくは表面
に平滑な硬質表面処理層(例えば硬質クロムメツ
キ層)が形成されている。そして図示されないヒ
ータが内蔵されていて、底面1aおよび底面1a
より少なくとも形成されるべきプラスチツク缶胴
体の胴壁部5bの高さにほぼ等しい高さの部分の
側面1b(第5図)は、当該プラスチツクスの分
子配向可能温度附近に保持されている。
下部プランジヤ2は、下部キヤビテイ3b内を
摺動可能に構成されており、その上面2aには望
ましくは平滑な硬質表面処理層が形成されてい
る。後記の材料の圧縮による延出を容易にするた
めである。押えパツド4は、中空部4aを有して
いて、中空部4aの内面に沿つて上部プランジヤ
1が摺動可能に構成されている。また押えパツド
4の底面4bは平担であつて、段差部3cに対向
するよう配設されており、かつ押えパツド4の下
部4cは、上部キヤビテイ3a内を上下動可能
に、その外径が上部キヤビテイ3aの内径とほぼ
等しいか、それより僅かに小さく定められてい
る。押えパツド4の上下動はロツド11を介して
図示されない駆動機構(例えば油圧装置)によつ
て行なわれる。
上部プランジヤ1および下部プランジヤ2も図
示されない駆動機構(例えば油圧装置)によつて
上下動され、かつ上部プランジヤ1の底面1aと
下部プランジヤ2の上面2aの間にプラスチツク
素材片10の中央部10aを圧持して、下部キヤ
ビテイ3b内に導入するさい、中央部10aに制
御された圧縮力を加えることができるようにする
ため、図示されない制御機構により、上部プラン
ジヤ1と下部プランジヤ2の下降速度差が制御さ
れるようになつている。
プラスチツク素材片10は分子配向性を有する
熱可塑性プラスチツクスより主としてなる。この
種のプラスチツクスとしては、例えばアイソタク
チツクポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等の結晶
性ポリオレフイン樹脂、線状ポリエステル樹脂例
えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ニトリル樹脂、
あるいはこれらの共重体もしくはブレンド等が挙
げられる。製品であるプラスチツク中空体に特に
透明性が要求されない場合は、これらにタルク、
炭酸カルシウムや雲母フレーク等の充填剤を混入
したものであつてもよい。プラスチツク素材片1
0は、これらの分子配向性熱可塑性プラスチツク
ス単体よりなるシート、もしくはこれらの分子配
向性熱可塑性プラスチツクスを主体として、これ
に酸素ガスバリヤー性樹脂、例えばエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、ポリアミド、セルロー
ス系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニ
リデン、もしくはポリビニルアルコール等を積層
又はブレンドしてなる積層体又はブレンドのシー
トを所定サイズに切断することによつて形成され
る。プラスチツク素材片10の厚さは実質的に均
一であつて、約0.5〜6mmであることが好まし
く、より好ましくは約2〜4mmである。約0.5mm
よりより薄いと、プラスチツク中空体を成形のさ
い特に底部において破断を起し易く、一方約6mm
より厚いとフランジ部近傍において破断を生じ易
いからである。
なお積層体の場合、一般に接着剤層を介して加
熱接着された一体シートが用いられるのである
が、本発明の場合は、必ずしも一体シートとする
必要がなく、例えば第9図aに示すように、分子
配向性熱可塑性プラスチツクシート片100a
(例えば厚さ500〜2000μmのポリプロピレンシー
ト片)、接着剤フイルム片100b(例えば厚さ
50〜150μmの無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ンフイルム片)、バリヤー性熱可塑性プラスチツ
クスフイルム片100c(例えば厚さ200〜400μ
mのエチレン−ビニルアルコール共重合体フイル
ム片)、接着剤フイルム片100b、分子配向性
熱可塑性プラスチツクシート片100aの順に単
に重ね合せたもの(図では説明を明瞭にするため
各層間に大きな空隙が設けられているが、実際に
はほとんど空隙はない)をプラスチツク素材片1
0としてもよい。上部プランジヤ1と下部プラン
ジヤ2の間で分子配向可能温度の材料が圧縮され
て、上部プランジヤの側面1bに沿つて延出され
るさいに、各層間に生ずる辷り現象等によるもの
と推測されるが、成形中にフランジ部5aを除く
部分の各層間に十分な接合が行なわれるからであ
る。なおフランジ部5aについても、後記の第1
0図、第11図に示されるような方法で圧縮され
る場合は、上記の接合が行なわれるからである。
この場合は、(イ)切断(打抜き)屑の再利用が可
能である、(ロ)厚い積層体(プラスチツク素材片1
0の厚さは均一で、より好ましくは約2〜6mm)
の製造(例えば同時溶融押出し法により)は、巻
取りの困難、ならびに冷却速度が遅いため生産速
度の低下、ならびに微結晶のサイズが大きくなる
ことに起因する成形性の低下等の技術的問題が多
いが、このような問題を解消できる、(ハ)さらに予
熱したプラスチツク素材片10を用いて、プラス
チツク中空体の成形を行なう場合は、予熱時間の
短縮が可能である、等の利点を有する。
なお、第9図bに示すように、分子配向性熱可
塑性プラスチツクシート片100aに接着剤フイ
ルム片100bを接着した2枚の積層体片101
の間にバリヤー性熱可塑性プラスチツク片100
cをサンドイツチ状に単に挾んでなるプラスチツ
ク素材片10、又は第9図cに示すように、予め
比較的薄い複数の(図では3枚)積層材片102
を製造し、これらを単に重ね合せてなるプラスチ
ツク素材片10を用いてもよい。この場合も、前
述の成形中の接合が実現され、かつ前記の利点
(ロ)、(ハ)を有する。同様にして第9図dに示すよう
に、比較的薄い複数の(図では3枚)の分子配向
性熱可塑性プラスチツク片100aを単に重ね合
せてなるプラスチツク素材片10を用いてもよ
い。
プラスチツク素材片10の直径は、プラスチツ
ク素材片10を段差部3c上に載置して、押えパ
ツド4によつて挾持できるように、かつ所定のフ
ランジ部5aの幅が得られるように定められる。
すなわち上記直径は、上部キヤビテイ3a内面3
a1の内径とほぼ等しいか、もしくは上記内径と下
部キヤビテイ3bの内面3b1の内径の中間の寸法
に定められる。
プラスチツク素材片10は、好ましくは室温
(通常約10〜40℃)のまま、すなわち予加熱する
ことなしに、第1図に示すように、上部キヤビテ
イ3aに装入された後成形される。しかし、分子
配向可能温度上限(Tu)より低い所定温度に均
一に予加熱を行つた後、成形されてもよい。ここ
に分子配向可能温度上限(Tu)とは、アイソタ
クチツクポリプロピレン、高、中、低密度ポリエ
チレン等の結晶性熱可塑性プラスチツクスの場合
は融点(本明細書においては、大気圧下で、示差
熱分析法で測定された融解吸熱曲線の頂点温度で
定義される)を、結晶性熱可塑性プラスチツクス
であつてもポリエチレンテレフタレート等の冷結
晶化温度の存在する樹脂の場合は、当該冷結晶化
温度を、そしてポリ塩化ビニル、ニトリル樹脂、
ポリカーボネート樹脂等の無定形プラスチツクス
の場合は、液状流動開始温度(本明細書において
はJISK6719に記される高化式フローテスターを
使用してプランジヤー圧力160Kg/cm2のもとで等
速度で加熱した時に樹脂が直径1mm、長さ10mmの
ノズルから液状流動吐出を開始する温度で定義さ
れる)を意味する。またシート押出し成形ダイス
(図示されない)から出てくるシートが、冷却ロ
ールで冷却されて上記所定温度に達した状態で、
該シートをダイス3の上面3d上に載置し、押え
パツド4をカツターとして下降させて、押えパツ
ド4の下部コーナ4dとダイス3の上部キヤビテ
イ3aの開口部コーナ3d′(第1図においては、
開口部コーナ3d′は曲率部となつているが、この
場合は図示されないが、直角部となつている)に
より、プラスチツク素材片10に切断し、そのま
ま段差部3c上に切断された該プラスチツク素材
片10を載置してもよい。
室温のまま予加熱することなしに成形を行なつ
ても、プラスチツク素材片10の中央部10aが
上部プランジヤ1および下部プランジヤ2の間で
圧縮されるさい発生する加工熱による温度上昇、
および成形中に胴壁部および底壁部が、ほぼ分子
配向可能温度(T1)、すなわち分子配向可能温度
下限より約20℃低い温度以上、分子配向可能温度
上限より約60℃高い温度以下、より好ましくは分
子配向可能温度下限より約20℃高い温度以上、分
子配向可能温度上限より約20℃高い温度以下に保
持された、夫々上部プランジヤ1の側面1bおよ
び底面1aと接触することによる熱伝達によるも
のと推測されるが、成形中の中空成形体5′は、
第1〜5図の例の場合、フランジ部を除いて分子
配向可能温度に保たれたことを本発明者等は見出
した。従つてプラスチツク素材片10の予加熱設
備と予加熱工程を必要としない、前記予加熱なし
での成形法の採用がより好ましい。
本明細書において、分子配向可能温度とは、本
発明によつて形成が行われるプラスチツク中空体
5の少なくとも胴壁部5bを形成する分子配向性
プラスチツクスの高分子鎖が、通常の溶融成形に
比較して配向され、その結果力学的強度、ガスバ
リヤー性、透明性等の向上が認められるような温
度を意味する。例えばアイソタクチツクポリプロ
ピレンの場合は融点より低く、約120℃より高い
温度を、ポリエチレンテレフタレート等の線状ポ
リエステル樹脂の場合は、ガラス転移温度以上で
かつ冷結晶化温度より低い温度を、ポリ塩化ビニ
ル、ニトリル樹脂、ポリカーボネート等の無定形
プラスチツクの場合は、ガラス転位温度以上でか
つ液状流動開始温度より低い温度を、またポリオ
レフイン樹脂とエチレン−ビニルアルコール共重
合体を主とする積層体もしくは前記重ね合せ体の
場合は、後者のビニルアルコール含有モル%をM
とすると、当該ポリオレフイン樹脂の融点より低
い温度で、かつ(1.64M+20)℃以上の温度を意
味する。
前記の成形装置により、プラスチツク中空体5
は、例えば次のようにして製造される。
先ず第1図に示すように、上部プランジヤ1お
よび押えパツド4をダイス3の上方に上昇させた
状態において、プラスチツク素材片10の周縁部
10bをダイス3の段差部3c上に載置する。こ
の場合、プラスチツク素材片10が比較的高い分
子配向可能温度に予熱されている場合は、プラス
チツク素材片10の下部キヤビテイ3b上の軟化
した中央部10aが下方に撓むのを防止するた
め、下部プランジヤ2の上面2aを段差部3cと
同一レベルに予め配位しておくことが好ましい。
次いで第2図に示すように、押えパツド4を下降
させて、プラスチツク素材片10の周縁部10b
を、段差部3cと押えパツド4の底面4bによつ
て所定の押圧力で挾持する。
少なくとも上部プランジヤ1の底面1aがプラ
スチツク素材片10の上面10cに接触する前の
段階における上記押圧力は、周縁部10bの材料
が圧縮されて、半径方向内側に向つて殆んど流動
を生ずることなく、かつ周縁部10bが段差部3
c上に挾持されているような値に保たれることが
必要である。上記材料が半径方向内側に向つて流
動するほど、上記押圧力が過大であると、上部プ
ランジヤ1が下降するさいに該材料に大きな剪断
力が加わるためと推測されるが、中空成形体の胴
壁部とフランジ部の境界附近で屡々破断を生じる
からである。
上記挾持後、プラスチツク素材片10の中央部
10aに、第2図に示すように、上部プランジヤ
1と下部プランジヤ2を当接させ、中央部10a
を押圧しながら、第4図に示すように、上部プラ
ンジヤ1および下部プランジヤ2を同時に下部キ
ヤビテイ3b内を降下させる。降下の前期段階
(通常は全行程の約20〜40%に達するまでの段
階)における押圧力を比較的高くして、中央部1
0aの圧縮量を大きく、すなわち両プランジヤの
間から延出する材料の量を多くして、延出する材
料によつて形成される胴壁部5′b′が、第4図に
示すように、下部キヤビテイの内面3b′と上部プ
ランジヤ1の側面1b間の空隙をほぼ充満するよ
うにする。すなわち降下の前期段階において、前
記空隙に材料を蓄積する。前期段階を経過後押圧
力を低下して下降を続けると、両プランジヤの間
から延出する材料の量が少なくなるため、胴壁部
5′b′の前記蓄積された材料にテンシヨンが加わ
つて胴壁部5′b′は延伸する。従つて前期段階後
の降下の後期段階においては、胴壁部5′bは、
形成中の胴壁部5′b′の延伸によつて供給された
材料と、両プランジヤの間から延出する材料によ
つて形成される。
そのため降下が終了、すなわち中空成形体5′
が形成された時点では、第5図に示すように、胴
壁部5′bと下部キヤビテイ内面3b1の間に空隙
12が形成される。そして押圧力と降下速度の適
当な制御により、実質的に均一な肉厚の胴壁部
5′bが得られる。かくして0.2mmという薄肉の胴
壁部5′bを形成することも可能である。そして
降下の後期段階における押圧力は前述のように比
較的低いので、底壁部5′cの肉厚は比較的厚く
(例えば約1mm以上)、従つて成形時のテンシヨン
によるコーナ部5′dの破断が防止される。降下
の後期段階まで押圧力を高く保持する場合は、底
壁部5′c従つてコーナ部5′dが薄肉になつて破
断しやすく、また破断しない場合でも、プラスチ
ツク中空体5を密封後レトルト加熱殺菌のさい、
薄肉のため(特に0.3mm以下の場合)熱変形によ
りコーナ部5dにしわを生じ易い。さらに底壁部
5cが薄肉(約1mm以下)であることは、プラス
チツク中空体5の半径方向内側に向う外力に対す
る変形抵抗を弱め、さらにレトルト加熱殺菌処理
のさい、底壁部5cが脹れるという問題を有す
る。一方降下の前期段階から押圧力を比較的低く
して成形を行なう場合は、成形中の胴壁部への材
料の補給は、両プランジヤの間の中央部10aに
対応する材料からのみであるので、降下速度に対
して材料の補給が間に合わず、胴壁部に大きなテ
ンシヨンが加わるため、成形中の胴壁部の温度が
低い場合は破断し易く、温度が高い場合は表層に
マイクロクラツクを生じて胴壁部が白化し易いと
いう問題を生ずる。
なお上記降下中、底壁部5cおよび胴壁部5b
となるべき材料は、表面がほぼ分子配向可能温度
(T1)に保持された上部プランジヤ1と接触して
おり、かつ加工熱による温度上昇も起るので、前
記のようにプラスチツク素材片10が予熱されな
い室温のものであつても、成形中の上記材料は分
子配向可能温度に保たれる。ここにほぼ分子配向
可能温度(T1)とは、前述のように、分子配向可
能温度下限(TL)より約20℃低い温度以上、分
子配向可能温度上限(Tu)より約60℃高い温度
以下、より好ましくは分子配向可能温度下限(T
L)より約20℃高い温度以上、分子配向可能温度
上限(Tu)より約20℃高い温度以下の温度を意
味する。T1がTLより約20℃よりも低い場合は、
プラスチツク素材片10が予熱されないとき、成
形中の材料が分子配向可能温度まで昇温すること
が困難である。一方T1がLuより約60℃よりも高
い場合は、プラスチツク素材片10を予熱した場
合は勿論、予熱しない場合でも、成形中の材料の
温度が分子配向可能温度を越えるので好ましくな
い。なおTu<T1u+約60℃の場合でも、成形
速度が大きいときは、材料と上部プランジヤ1と
の接触時間が短いため、成形中の材料を分子配向
可能温度に保つことが可能である。
なお上記成形中、下部キヤビテイ内面3b1およ
び下部プランジヤ2の上面2aは、図示されない
内蔵ヒーターによつて当該分子配向性プラスチツ
クスの分子配向可能温度下限(TL)より若干低
い(通常約20〜50℃)温度、例えばポリプロピレ
ンの場合は約70〜100℃に保持される。内面3b1
および上面2aの温度が上記温度より低い場合
は、成形中の材料を分子配向可能温度に保持する
ことが困難になるので好ましくない。
中空成形体5′が形成された後、上部プランジ
ヤ1を上昇せしめると同時に、好ましくは下部プ
ランジヤ2を僅かに(例えば約5mm)下降させ
る。これは第6図に示すように、上部プランジヤ
1が上昇したごく切期段階では、まだプラグ8
は、タイムラグのため導孔7の開口部を閉じてい
て、そのため上部プランジヤ1の底面1aと底端
部5′cの間に形成される空隙13が減圧となつ
て、まだ分子配向可能温度の底端部5′cが内側
に向つて変形し易いが、下部プランジヤ2を僅か
に下降させると底端部5′cと下部プランジヤの
上面2aの間の空隙14も同様に減圧されて、底
端部5′cの上下側における圧力バランスが保た
れ、上記変形を防止することができるからであ
る。
さらに上部プランジヤ1を上昇させると、第7
図に示すように、エア圧力によつてプラグ8が下
つて、プラグ8と導孔7の開口部間の隙間20よ
り加圧エアが吹出されて、中空成形体5′は吹込
成形され、底端部5′cは下部プランジヤ2の上
面2aに、胴壁部5′bは下部キヤビテイの内面
3b1に密接して、分子配向可能温度より低い温度
まで冷却し、硬化する。そして第8図に示すよう
に、フランジ部5a、胴壁部5b、底壁部5cを
有するプラスチツク中空体5が形成される。その
後上部プランジヤ1の上昇を続け、押えパツド4
および下部プランジヤ2を上昇させて、ダイス3
よりプラスチツク中空体5を抜き出す。以上のよ
うにして胴壁部5bの外径と高さの比が約1.5〜
3であつて、胴壁部5bの肉厚が薄く(約0.1〜
0.3mm)、かつ実質的に均一であり、さらに胴壁部
5bが分子配向により透明性、ガスバリヤー性等
の容器特性において向上したプラスチツク中空体
5が得られる。なお用途により比較的厚い胴壁部
5bが要求される場合は、例えば0.4〜1.0mmの肉
厚の胴壁部5bを有するプラスチツク中空体5を
製造することができることはいうまでもない。
以上のようにして製造されたプラスチツク中空
体5のフランジ部5aは、その厚さがプラスチツ
ク素材片10の初めの厚さに実質的に等しいた
め、かなり厚い(約2〜6mm)場合が生ずる、ま
たその側端面5a′(第8図)はプラスチツク素材
片10を形成するさいの切断面の状態にほぼ近
く、従つてその表面が荒れている。そのため内容
物を充填後の、金属蓋(図示されない)の2重巻
締、または金属キヤツプ(図示されない)の巻締
が困難である。またプラスチツクシート又はフイ
ルム(金属箔との積層体を含む)よりなる蓋をヒ
ートシールした場合は、側端面5a′の外観が劣
る。以上の問題点の対策について以下に説明す
る。
第10図および第11図は、フランジ部5aを
薄くする方法の例を説明するための図面である。
第10図aにおいて、ダイス3′の上部キヤビテ
イ3′aの内径は、押えパツド4の外径より若干
大きく、空隙15が形成されるように定められて
いる。従つて上部プランジヤ1の降下終了後に、
押えパツド4(少なくとも底面4bの温度は、上
部プランジヤ1の側面1bとほぼ等しい温度に、
図示されない内蔵ヒータによつて保持されてい
る)の押圧力を高めてフランジ部5aを圧縮する
と、第10図bに示すように、材料は主として空
隙15内に流れ込み(本明細書においては、この
ような場合も材料が半径方向外側に流れると称す
る)、所定厚さのフランジ部5a1と、フランジ部
5a′に連接する立上り部5a2が形成される。立上
り部5a′はその基部から切断して除去する。なお
空隙15の幅が広い場合や、圧縮量が小さい場合
は、立上り部5a′が形成されないことがある。な
お上部プランジヤ1が降下前、又は下部キヤビテ
イ3′b内を降下中に上記圧縮を行なつてもよ
い。
第11図aにおいて、ダイス3″の上面3″d
は、押えパツド4の底面4bとほぼ同じレベルで
あつて、かつ上部キヤビテイ3″aの外径は、底
面4bおよびフランジ部5aの外径(両者はほぼ
等しい)より遥かに大きく定められている。そし
て段差部3″cには、フランジ部5aを包囲する
ように、環状の楔形小突起部16が設けられてお
り、小突起部16の高さは圧縮後のフランジ部5
a2の高さにほぼ等しく定められている。上部プラ
ンジヤ1の降下終了後、押えパツド4によりフラ
ンジ部5aを押圧圧縮すると、第11図bに示す
ように、材料は小突起部16の外側の上部キヤビ
テイ部分3″a′に流れこみ、部分3″a′内に流動し
た材料部分18は小突起部16によつて分離され
るので、形成された薄肉のフランジ部5a2との引
離しは容易に行なうことができる。上記圧縮を、
上部プランジヤ1が、降下前、又は下部キヤビテ
イ3″b内を降下中に行つてもよいことは、第1
0図の場合と同様である。
第12図は、フランジ部5aの側端面5a′およ
び底面5a″を整形するための例を示したものであ
つて、第12図aに示すように、ダイス3の上
面3〓dの内側には、整形後のフランジ部5a3
ほぼ下半部に対応する形状の凹部20が形成され
ており、凹部20の最内側にはフランジ部5a
(周縁部10b)を挾持するための突起部20a
が形成されている。一方押えパツド4′にはフラ
ンジ部4′aが設けられており、フランジ部4′a
の下面4′a′の内側には、整形後のフランジ部5
a3の側面のほぼ上半部に対応する形状の側面21
aを有する凹部21が形成されている。凹部21
の上面21bは幅がフランジ部5aの幅より僅か
に広い平面となつている。従つて上部プランジヤ
1の降下終了後(第12図の場合)、もしくは降
下前、又は降下中に押えパツド4′により、ダイ
ス3dと押えパツドのフランジ部下面4′a′が
接触するまで、フランジ部5aを若干押圧するこ
とによつて、側端面5a′および底面5a″が、第1
2図bに示すように、整形されたフランジ部5a3
を得ることができる。
なお図示されないが、上部プランジヤ1が下部
キヤビテイ3bを降下中、より好ましくは、降下
の前記後期段階に、押えパツド4の押圧力を高め
て、周縁部10bを圧縮して、フランジ部5aの
薄肉化を図つてもよい。第5図に示すように、中
空成形体5′の成形終了後、押えパツド4により
フランジ部5aを押圧、圧縮し、同時に上記圧縮
により胴壁部3bの高さが増大する分だけ上部プ
ランジヤ1および下部プランジヤ2を降下させる
ことによつても、フランジ部5aの薄肉化を実現
することができる。以上のようにフランジ部の圧
縮または整形を行なう場合は、プラスチツク素材
片10は必ずしも円形でなくてもよく、例えば正
多角形(例えば正6角形)であつても、外周が円
形のフランジ部を得ることが可能である。またこ
れらの場合、押えパツド4の底面4b、および押
えパツド4′の凹部21の側面21a、上面21
bの温度は、上部プランジヤ1の側面1bとほぼ
等しい温度に保持される。
以上の例においては胴壁部が円筒形のプラスチ
ツク中空体の製造法について述べたが、胴壁部の
断面形状が隅丸四角形等任意の形状のプラスチツ
ク中空体の製造も、キヤビテイ等の形状を変える
ことによつて容易に得られることはいうまでもな
い。
さらに、プラスチツク素材片の中央部のダイス
キヤビテイ内への導入は、上部プランジヤ1と下
部プランジヤ2を実質的に移動させることなく、
(ただし押圧に伴う若干の移動はある)、ダイス3
と押えパツド4を同時に上昇せしめることによつ
て行なつてもよい。また図示されないが、中空成
形体5′内への加圧エア(加圧流体)の吹込は、
プランジヤ1の側面1bから行なつてもよい。
本発明によれば、上部プランジヤと下部プラン
ジヤによりプラスチツク素材片の中央部の材料を
圧縮しながら該中央部をダイスキヤビテイ内に導
入するために、上部プランジヤが下降して中央部
に接触する前に、プラスチツク素材片の周縁部の
材料が半径方向内側に向つて流れることがないの
で、中空成形体の胴壁部とフランジ部の境界附近
で破断を生ずるおそれがないという効果を有す
る。
さらに胴壁部は分子配向可能温度において形成
されるので、分子配向しており、透明性、ガスバ
リヤー性、強度等の容器特性が改善されたプラス
チツク中空体が得られるという効果を有する。
また分子配向可能温度附近に保持された上部プ
ランジヤの側面と接触しながら、圧縮により延出
した材料により胴壁部が形成されるので、プラス
チツク素材片を予加熱することなく室温の状態か
ら成形しても、破断することなく分子配向した胴
壁部を有し、かつ高さ対直径の大きい缶状のプラ
スチツク中空体を得ることができるという利点を
有する。
さらにプラスチツク素材片は実質的に均一な厚
さのシート又はフイルムより切断により形成され
るので、射出成形法等により形成する場合にくら
べて、低コストで、かつ量産性に優れているとい
うメリツトを有する。
以下実施例について説明する。
実施例 1 メルトフローインデツクス(230℃測定)が0.9
g/10分、融点(差動熱量計法)が164℃の厚み
3mmのポリプロピレンシートから直径60mmのブラ
ンクを打ちぬいて用意した。第1図に示した装置
において上部プランジヤ(直径51.4mm)、下部プ
ランジヤ(直径53.0mm)、下部キヤビテイ(内径
53.05mm)の表面温度が各々155℃、100℃、75℃
となるよう予め内部ヒーターによつて予熱した。
室温(30℃)で上記ポリプロピレンブランクを
第1図に示すように、上部キヤビテイ内に置き、
押えパツドによつて10Kg/cm2の圧力でブランク周
辺を挾持した。その後上部プランジヤと下部プラ
ンジヤによりブランク中央部に1120Kg/cm2の圧力
を加えながら、ブランク中央部を下部キヤビテイ
内に50mm/秒の速度で導入し、下部プランジヤ先
端が下部キヤビテイ上端から25mmの位置でブラン
ク中央部の圧力を200Kg/cm2に低下させながら、
下部プランジヤ先端が下部キヤビテイ上端から
100mmとなるまで成形を行つた。
その後上部プランジヤを上昇させながら10Kg/
cm2の圧力のエアーを導入し、成形容器胴壁面を上
部プランジヤ側面より下部キヤビテイ表面に移動
させ胴壁部と底壁部の冷却固化を行つた。その後
押えパツドと下部プランジヤを上昇せしめ、胴壁
部の厚み0.3mm、高さ99mmの極めて透明性のすぐ
れた容器を得た。
実施例 2 メルトフローインデツクスが0.4g/10分、融
点が163℃の厚み1mmのポリプロピレンシートか
ら直径60mmのブランクを2枚打ち抜き用意した。
さらにメルトフローインデツクスが6g/10分、
融点が165℃のポリプロピレン(A)を最内外層、融
点が162℃の無水マレイン酸変性ポリプロピレン
(B)を接着層、ビニルアルコール含有量が70モル
%、そして融点が182℃のエチレン−ビニルアル
コール共重合体(C)を酸素バリヤー層としたA/
B/C/B/A構成の厚み1mm(酸素バリヤー層
であるエチレン−ビニルアルコール共重合体層の
厚みは約85μ)の対称5層積層シートから直径60
mmのブランクを1枚打ち抜き、各々をオーブンで
155℃に加熱した。
実施例1と同一の装置(上部プランジヤ等も実
施例1と同一温度に予熱された)の上部キヤビテ
イ内にポリプロピレンブランクが両側になるよう
に上記加熱された3枚のブランクを重ねて置き、
押えパツドによつて10Kg/cm2の圧力でブランク周
辺を挾持した。その後上部プランジヤと下部プラ
ンジヤによりブランク中央部に320Kg/cm2の圧力
を加えながら、ブランク中央部を下部キヤビテイ
内に50mm/秒の速度で導入し、下部プランジヤ先
端が下部キヤビテイ上端から25mmの位置でブラン
ク中央部の圧力を90Kg/cm2に低下させながら、下
部プランジヤ先端が下部キヤビテイ上端から100
mmとなるまで成形を行つた。
その後上部プランジヤを上昇させながら、10
Kg/cm2の圧力のエアーを導入し、成形容器胴壁面
を上部プランジヤ側面より下部キヤビテイ表面に
移動させ、胴壁部と底壁部の冷却固化を行つた。
さらに押えパツドと下部プランジヤを上昇せし
め、胴壁部の厚み0.3mm、高さ99mmの極めて透明
性のすぐれた、かつ酸素バリヤー性の極めてすぐ
れた容器を得た。胴壁部および底壁部は、3枚の
ブランクを重ねて成形したにもかかわらず、完全
に接着されていた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施に用いられる工具の例の
説明用縦断面図、第2図は第1図の工具によるプ
ラスチツク中空体の成形直前の状態を示す縦断面
図、第3図は第2図の−線に沿う横断面図、
第4図は第1図の工具による成形の前期段階の状
態を示す縦断面図、第5図は第1図の工具による
圧縮延伸成形が終了して中空成形体が形成された
時点の状態を示す縦断面図、第6図、第7図、お
よび第8図は夫々、第5図の中空成形体を吹込成
形する直前、中途、および終了後の状態を示す縦
断面図、第9図は重ね合せてなるプラスチツク素
材片の縦断面図であつて、第9図aは異種のプラ
スチツク単体片を重ね合せてなる場合、第9図b
は積層体片とプラスチツク単体片を重ね合せてな
る場合、第9図cは積層体片を重ね合せてなる場
合、第9図dは同種のプラスチツク単体片を重ね
合せてなる場合を示す図面、第10図は本発明の
実施に用いられる薄肉のフランジ部を形成可能な
工具の第1の例の要部縦断面図であつて、第10
図aはフランジ部を圧縮前の状態を示す図面、第
10図bはフランジ部を圧縮して薄肉化した後の
状態を示す図面、第11図は本発明の実施に用い
られる薄肉のフランジ部を形成可能な工具の第2
の例の要部縦断面図であつて、第11図aはフラ
ンジ部を圧縮前の状態を示す図面、第11図bは
フランジ部を圧縮して薄肉化した後の状態を示す
図面、第12図は本発明の実施に用いられる整形
されたフランジ部を形成可能な工具の例の要部縦
断面図であつて、第12図aはフランジ部を押圧
する前の状態を示す図面、第12図bはフランジ
部を押圧して整形した後の状態を示す図面であ
る。 1……上部プランジヤ(第1のプランジヤ)、
1a……底面、1b……側面、2……下部プラン
ジヤ(第2のプランジヤ)、3b……下部(ダイ
ス)キヤビテイ、3b1……内面、5……プラスチ
ツク中空体、5′……中空成形体、5a,5a1
5a2,5a3……フランジ部、5b……胴壁部、5
c……底壁部、10……プラスチツク素材片、1
0a……中央部、10b……周縁部。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 フリンジ部、胴壁部および底壁部を有し、少
    なくとも該胴壁部が分子配向しているプラスチツ
    ク中空体を製造する方法において、実質的に均一
    な厚さの平坦な、分子配向可能温度上限以下の温
    度の分子配向性のプラスチツク素材片の該フラン
    ジ部に対応する周縁部を、ダイの上部キヤビテイ
    と下部キヤビテイ間の段差部において挾持し、該
    底壁部にほぼ対応する中央部を第1のプランジヤ
    と第2のプランジヤにより圧縮しながら該下部キ
    ヤビテイ内に導入して、該第1のプランジヤと該
    第2のプランジヤの間から延出する該プラスチツ
    ク素材片の材料により、胴壁部をほぼ分子配向可
    能温度に保持された該第1のプランジヤの側面と
    接触するようにして形成し、かつ前記導入の前期
    段階において、第1のプランジヤと第2のプラン
    ジヤによる圧縮力を比較的高めて、延出する材料
    を該第1のプランジヤと下部キヤビテイ内面間の
    空隙にほぼ充満するよう蓄積し、その後該圧縮力
    を低下させて、該蓄積した材料を軸方向に延伸す
    ることにより中空成形体を形成し、その後該第1
    のプランジヤを復帰させながら、該中空成形体の
    内部に加圧流体を送出して該胴壁部を脹ませ、該
    分子配向可能温度の下限より低い温度に保持され
    た該下部キヤビテイの内面に接触せしめて冷却硬
    化することを特徴とするプラスチツク中空体の製
    造方法。 2 プラスチツク素材片が同種又は異種のプラス
    チツクシート又はフイルムを重ね合せてなる特許
    請求の範囲第1項記載のプラスチツク中空体の製
    造方法。 3 プラスチツク素材片の温度が室温である特許
    請求の範囲第1項記載のプラスチツク中空体の製
    造方法。 4 フランジ部、胴壁部および底壁部を有し、少
    なくとも該胴壁部が分子配向しているプラスチツ
    ク中空体を製造する方法において、実質的に均一
    な厚さの平坦な、分子配向可能温度上限以下の温
    度の分子配向性のプラスチツク素材片の該フラン
    ジ部に対応する周縁部を、ダイの上部キヤビテイ
    と下部キヤビテイ間の段差部において挾持し、該
    底壁部にほぼ対応する中央部を第1のプランジヤ
    と第2のプランジヤにより圧縮しながら該下部キ
    ヤビテイ内に導入して、該第1のプランジヤと該
    第2のプランジヤの間から延出する該プラスチツ
    ク素材片の材料により、胴壁部をほぼ分子配向可
    能温度に保持された該第1のプランジヤの側面と
    接触するようにして形成し、かつ前記導入の前期
    段階において、第1のプランジヤと第2のプラン
    ジヤによる圧縮力を比較的高めて、延出する材料
    を該第1のプランジヤと下部キヤビテイ内面間の
    空隙にほぼ充満するよう蓄積し、その後該圧縮力
    を低下させて、該蓄積した材料を軸方向に延伸す
    ることにより中空成形体を形成し、その後該第1
    のプランジヤを復帰させながら、該中空成形体の
    内部に加圧流体を送出して該胴壁部を脹ませ、該
    分子配向可能温度の下限より低い温度に保持され
    た該下部キヤビテイの内面に接触せしめて冷却硬
    化し、かつ該中央部を該ダイスキヤビテイ内に導
    入する前に、または導入中に、もしくは該中空成
    形体を形成後に、該周縁部を材料が主として半径
    方向外側に流れるように圧縮して、薄肉の、もし
    くは整形されたフランジ部を形成することを特徴
    とするプラスチツク中空体の製造方法。 5 フランジ部、胴壁部および底壁部を有し、少
    なくとも該胴壁部が分子配向しているプラスチツ
    ク中空体を製造する方法において、実質的に均一
    な厚さの平坦な、分子配向可能温度上限以下の温
    度の分子配向性のプラスチツク素材片の該フラン
    ジ部に対応する周縁部を、ダイの上部キヤビテイ
    と下部キヤビテイ間の段差部において挾持し、該
    底壁部にほぼ対応する中央部を第1のプランジヤ
    と第2のプランジヤにより圧縮しながら該下部キ
    ヤビテイ内に導入して、該第1のプランジヤと該
    第2のプランジヤの間から延出する該プラスチツ
    ク素材片の材料により、胴壁部をほぼ分子配向可
    能温度に保持された該第1のプランジヤの側面と
    接触するようにして形成し、かつ前記導入の前期
    段階において、第1のプランジヤと第2のプラン
    ジヤによる圧縮力を比較的高めて、延出する材料
    を該第1のプランジヤと下部キヤビテイ内面間の
    空隙にほぼ充満するよう蓄積し、その後該圧縮力
    を低下させて、該蓄積した材料を軸方向に延伸す
    ることにより中空成形体を形成し、次いで該周縁
    部を材料が該胴壁部に向つて流れるように圧縮
    し、同時に該第1のプランジヤと該第2のプラン
    ジヤを該ダイスキヤビテイ内にさらに導入して、
    流れた材料により該中空成形体の胴壁部上部を附
    加形成し、その後該第1のプランジヤを復帰させ
    ながら、該中空成形体の内部に加圧流体を送出し
    て該胴壁部を脹ませ、該分子配向可能温度の下限
    より低い温度に保持された該下部キヤビテイの内
    面に接触せしめて冷却硬化することを特徴とする
    プラスチツク中空体の製造方法。 6 フランジ部、胴壁部および底壁部を有し、少
    なくとも該胴壁部が分子配向しているプラスチツ
    ク中空体を製造する方法において、実質的に均一
    な厚さの平坦な、分子配向可能温度上限以下の温
    度の分子配向性のプラスチツク素材片の該フラン
    ジ部に対応する周縁部を、ダイの上部キヤビテイ
    と下部キヤビテイ間の段差部において挾持し、該
    底壁部にほぼ対応する中央部を第1のプランジヤ
    と第2のプランジヤにより圧縮しながら該下部キ
    ヤビテイ内に導入して、該第1のプランジヤと該
    第2のプランジヤの間から延出する該プラスチツ
    ク素材片の材料により、胴壁部をほぼ分子配向可
    能温度に保持された該第1のプランジヤの側面と
    接触するようにして形成し、かつ前記導入の前期
    段階において、第1のプランジヤと第2のプラン
    ジヤによる圧縮力を比較的高めて、延出する材料
    を該第1のプランジヤと下部キヤビテイ内面間の
    空隙にほぼ充満するよう蓄積し、その後該圧縮力
    を低下させて、該蓄積した材料を軸方向に延伸す
    ることにより中空成形体を形成し、かつ該導入中
    に該周縁部を材料が該胴壁部に向つて流れるよう
    に圧縮して、流れた材料により該中空成形体の胴
    壁部上部を形成し、その後該第1のプランジヤを
    復帰させながら、該中空成形体の内部に加圧流体
    を送出して該胴壁部を脹ませ、該分子配向可能温
    度の下限より低い温度に保持された該下部キヤビ
    テイの内面に接触せしめて冷却硬化することを特
    徴とするプラスチツク中空体の製造方法。
JP770182A 1982-01-22 1982-01-22 プラスチツク中空体の製造方法 Granted JPS58124611A (ja)

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