JPS6213443Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、センタードライブ型耕耘装置におけ
る耕耘爪軸構造の改良に関する。

この種のセンタードライブ型耕耘装置は、耕耘
爪として、一定方向に回転して土壌の反転耕耘を
行なうナタ爪と、ロータリケースの下部に未耕地
の残さないように、ロータリケースの下部土壌を
耕起する残耕処理爪とを備えており、かつ、残耕
処理爪はケース下部とケース側部とにわたる回転
軌跡をもつて回動するように、ナタ爪とは別の傾
斜爪軸に取付けられ、ナタ爪とは別系統で駆動さ
れるように構成されていたものであるが、従来の
耕耘装置は、前記ナタ爪および残耕処理爪をロー
タリケースに対して夫々装着された爪軸に固定的
に取付けていたため、アツパーカツト作業を行う
か、ダウンカツト作業を行うかにより、夫々の爪
軸を取外して別の爪軸に交換する必要があり、そ
の爪軸交換作業が煩らわしく、殊に、傾斜爪軸
は、多数のベアリング部やシール部を備えた傾斜
筒軸の分解・組付けに手数を要し、アツパーカツ
ト・ダウンカツトの作業の切換えを簡単には行え
ないものであつた。

このような不便さを解消するには、残耕処理爪
および反転耕耘用の爪を、総て正逆転両用の爪で
構成することも考えられるが、このようなもので
は、作業の切換えの便利さを向上することはでき
ても、爪形状が正逆転両用であることから、充分
な反転耕耘を行えるような形状にしようとすれば
耕耘爪の土壌への打ち込み抵抗がきわめて大とな
り、逆に、打ち込み抵抗を少なくしようとすれば
反転性能が低下し、結局、耕耘専用のナタ爪を用
いた場合のような、打ち込み抵抗少なく充分な反
転耕耘を行えることは望み得ないものであつた。

本考案は、上述のような従来技術の実情に鑑
み、耕耘爪軸に対するナタ爪および残耕処理爪の
取付け構造、ならびに、残耕処理爪の構造を工夫
することで、耕耘爪の土壌への打込み抵抗少な
く、しかも充分な反転耕耘を行えることが可能で
ありながら、アツパーカツト作業、ダウンカツト
作業の切換えが簡単に行ない易い耕耘装置を提供
することにその目的がある。

上記目的を達成するための本考案の特徴とする
構成は、センタードライブ型ロータリケースの下
端部に、そのロータリケースの両横側方に突出す
る状態で耕耘爪軸を支承させ、この耕耘爪軸のケ
ース側寄り位置に、正逆転兼用の残耕処理爪を装
着すると共に、その残耕処理爪よりも両軸端側寄
り箇所にナタ爪を装着し、かつ、そのナタ爪を装
着した両軸端側寄り箇所のナタ爪装着用軸部分
を、ロータリケースの左右で互に入れ換えて装着
できるように、耕耘爪軸に対する接続部を互に同
一仕様のもので構成した点にあり、かかる構成か
ら次の作用効果を奏する。

すなわち、残耕処理爪として正逆転兼用のもの
を用いたことと、ナタ爪装着用軸部分がロータリ
ケースの左右で互に入れ換えて装着できるように
構成されていることとの相乗により、アツパーカ
ツト作業、ダウンカツト作業の切換えに応じて耕
耘爪軸の回転方向を正逆何れかにに選択するに際
して、残耕処理爪が装着された取外し操作の煩雑
な傾斜爪軸は、そのままロータリケースに固定し
たままで、ナタ爪を装着したナタ爪装着用軸部分
のみを左右で入れ換えるように取付け状態を変更
するだけで良いものであるから、前記傾斜爪軸を
着脱操作するような従来構造のものに比べて、ア
ツパーカツト・ダウンカツトの各作業の切換えが
容易に行ない易くなつたものである。

そして、このように耕耘爪軸の正逆転切換えを
伴う作業の切換えが容易なものでありながら、耕
耘作業として重要な土壌の反転耕耘は、その反転
耕耘を行うに適したナタ爪を用いて行えるもので
あるから、正逆転兼用の耕耘爪を用いて行う場合
に比べて、充分な反転耕耘作業を、土壌への打込
み抵抗少なく行ない易いものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図で示すように、機体後方に向かつて突出
する動力取出し軸１と横軸芯周りで上下方向に駆
動揺動自在な左右一対のリフトアーム２とを備え
たトラクタ本体Ａの後部に、一本のトツプリンク
３と前記左右のリフトアーム２にリフトロツド４
を介して枢支連結されたロアーリンク５とを介し
てセンタードライブ型の耕耘装置Ｂを駆動昇降自
在に連結支持するとともに、前記トラクタ本体Ａ
側の動力取出し軸１と前記耕耘装置Ｂのベベルケ
ース６から前方に突出された入力軸７とを連動連
結してある乗用型耕耘機において、前記耕耘装置
Ｂは次の如く構成する。

即ち、第２図で示すように、前記ベベルケース
６に固定連結されたロータリケース８の下端横側
部に、耕耘爪軸９を水平又はほぼ水平姿勢で支持
する軸受部１０を固着し、この軸受部１０の横外
側面に、前記耕耘軸爪９の軸芯Ｘに対して傾斜す
る軸芯Ｙをもつ傾斜筒ボス１１を、その取付けフ
ランジ１１Ａを軸芯方向から面接当させた状態で
ボルト１２…を介して取付けるとともに、前記傾
斜筒ボス１１の外周部には、前記傾斜軸芯Ｙ方向
視においてほぼ円板状の残耕処理爪１３の取付け
ブラケツト１４を固着してある傾斜耕耘爪軸１５
を、ベアリング１６を介して回転自在に支持させ
ている。また、この傾斜耕耘爪軸１５と前記耕耘
軸爪９とをギヤ１７Ａ，１７Ｂを介して噛合い連
動させるとともに、前記耕耘爪軸９の、前記傾斜
耕耘爪軸１５よりも横外側方に突出する軸部分に
は、反転耕耘を行うに好適な耕耘爪であるところ
のナタ爪１８の取付けブラケツト１９を固定した
ナタ爪装着用軸部分２０が、一体回転状態で外嵌
固定してあり、かつ、ナタ爪装着用軸部分２０
は、前記ロータリケース８に対して、その左右で
互に入れ換えた状態で取付けられるように、耕耘
爪軸９に対する接続部分を左右同一仕様に構成し
てある。

前記残耕処理爪１３は次の如く構成されてい
る。

即、第３図、第４図で示すように、前記傾斜耕
耘爪軸１５の取付けブラケツト１４に対して挿抜
ならびに固定自在な取付け部２１を有し、この取
付け部２１の回転方向巾の中央部と前記爪軸１５
軸芯部を通る半径方向軸線に対する回転方向前後
位置に、前記軸線を対称の中心として前後対称形
で、かつ、前記傾斜耕耘爪軸１５の軸線方向に対
して垂直又はほぼ垂直な面内に沿つて回動移動す
る一対の切込み作用部２２，２２を有するととも
に、それら切込み作用部２２，２２の先端に、前
記の半径方向軸線側ほど傾斜耕耘爪軸１５の軸線
方向の一方に突出して、前記半径方向軸線上相当
部分が中高となるような反転作用部２３，２３を
一体形成している。

尚、前記傾斜耕耘爪軸１５の取付けブラケツト
１４及び残耕処理爪１３の取付け部２１を前記の
半径方向軸線に沿う直線状に構成しても良い。

次に、前記耕耘装置Ｂのカバー構造について説
明する。

即ち、第５図、第６図で示すように、前記残耕
処理爪１３及びナタ爪１８の上部及び前部を覆う
カバー２４，２５の横側部に亘つて、前記両カバ
ー２４，２５よりも上方に突出するその横外側部
分２６Ａを背面視において下向きに開口する状態
で彎曲形成してある中間カバー２６を固定連結す
るとともに、前記中間カバー２６の彎曲カバー部
分２６Ａに、この彎曲カバー部分２６Ａの上面に
沿う彎曲部分２７Ａを有する側面カバー２７を、
この側面カバー２７側に形成した左右方向の長孔
２８の範囲内で取付け姿勢変更自在に固定連結し
ている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る耕耘装置の実施例を示し、
第１図は乗用型耕耘機後部の側面図、第２図は耕
耘装置の要部の縦断面図、第３図、第４図は残耕
処理爪の斜視図と側面図、第５図、第６図は耕耘
カバーの要部の縦断面図とその平面図である。 ８……ロータリケース、９……耕耘爪軸、１３
……残耕処理爪、１８……ナタ爪、２０……ナタ
爪装着用軸部分、２１……取付け部、２２……切
込み作用部、２３……反転作用部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. センタードライブ型ロータリケース８の下端部
   に、そのロータリケース８の両横側方に突出する
   状態で耕耘爪軸９を支承させ、この耕耘爪軸９の
   ケース側寄り位置に、正逆転兼用の残耕処理爪１
   ３，１３を装着すると共に、その残耕処理爪１
   ３，１３よりも両軸端側寄り箇所にナタ爪１８…
   を装着し、かつ、そのナタ爪１８…を装着した両
   軸端側寄り箇所のナタ爪装着用軸部分２０を、ロ
   ータリケース８の左右で互に入れ換えて装着でき
   るように、耕耘爪軸９に対する接続部を互に同一
   仕様のもので構成してある耕耘装置。