JPS6213436B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

発明の要約 電着による錫／鉛合金の光沢析出層は、硼弗化
水素酸の他に錫塩および鉛塩と、光沢剤と、表面
活性剤とを含有する浴を使用して得られ、ここで
光沢剤としては、芳香族アルデヒドとエピハロヒ
ドリンとの反応生成物である一般式 〔式中、Halは塩素または臭素であり、Ｒはフ
エニル、ナフチルまたはピリジル基であつて必要
に応じ塩素、臭素もしくは弗素原子、１〜３個の
炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシ
基、カルボキシおよびヒドロキシ基よりなる群の
うちの１〜３個により置換される〕 の一種もしくはそれ以上の環式アセタール反応生
成物が使用される。好ましくは、環式反応生成物
は、浴１当り0.1〜２ｇの量で浴中に含有され
る。 本発明は、錫／鉛合金の光沢被覆を、鉄もしく
は銅またはこれら金属の合金（たとえば青銅もし
くは黄銅）のような基体上に電着させるための酸
性の錫／鉛浴に関するものである。 米国特許第3769182号明細書から、錫および
錫／鉛層を電着するための酸性ガルヴアーニ浴が
知られており、これは錫イオンおよび必要に応じ
鉛イオンと、硼弗化水素酸と、２〜30個のアルキ
レンオキシ基を有する表面活性剤としてのアルコ
キシル化脂肪酸アルキロールアミドと、一種もし
くはそれ以上の芳香族アルデヒド、すなわちそれ
ぞれ２，４―および２，６―ジクロルベンズアル
デヒドまたはベンズアルデヒド、２，５―ジメト
キシベンズアルデヒド、トルイルアルデヒド、シ
ンナムアルデヒドもしくはアニスアルデヒドとを
含有する。芳香族アルデヒドは芳香族アミンと組
合せて使用されるが、ただし芳香族ハロアルデヒ
ドはホルムアルデヒドおよび１，２，４―トリク
ロルベンゼンおよび／またはアミンと共に使用さ
れる。すなわち、この特許の教示は、特にアミン
の不存在下ではアルデヒドが光沢剤として作用し
ないので、光沢析出層を得るため芳香族アルデヒ
ドと他の化合物との或る種の組合せ物を使用する
ことにある。 0.2〜1.2amp／ｄm²という狭い範囲の電流密度
においては、無光沢の着色した析出層のみが生成
されうる。さらに、不可欠な組合せとして開示さ
れているように芳香族アミンのｏ―トルイジンを
芳香族アルデヒドと共に使用すると、劣つた性質
のこれら析出層が得られることも見出された。
２，４―ジクロルベンズアルデヒドを他の添加物
と共に使用すると、6.5amp／ｄm²までの電流密
度は無光沢の析出層をもたらすことも見出され
た。 付加的光沢剤としてのナフタリンモノアルデヒ
ドならびに必要に応じアクリル酸、メタクリル酸
およびその低級アルキルエステルおよびアミドを
使用して上記のような欠点を回避することがドイ
ツ特許第2506158号明細書から知られているが、
それぞれ錫および錫／鉛の光沢析出層の電着を阻
害しかつ浴の正常な使用サイクルを妨げるような
タール状酸化生成物が形成されることが判明し
た。 今度、驚くことに、或る種の環式アセタールを
光沢剤として使用すれば、これらの欠点が生ぜ
ず、しかも0.01〜10amp／ｄm²という広範囲の低
電流密度でも同等の光沢乃至艶のある錫および
錫／鉛の軟かい析出層を生成させうることが見出
された。 本発明によれば、硼弗化水素酸の他に錫塩およ
び鉛塩と、光沢剤と、表面活性剤とを含有する光
沢ある錫／鉛被覆を電着させるための酸性の錫／
鉛浴は、光沢剤芳香族アルデヒドとエピハロヒド
リンとの反応生成物である一般式 〔式中、Halは塩素または臭素であり、Ｒはフ
エニル、ナフチルまたはピリジル基であつて必要
に応じ塩素、臭素もしくは弗素原子、１〜３個の
炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシ
基、カルボキシおよびヒドロキシ基よりなる群の
うちの１〜３個により置換される〕 の一種もしくはそれ以上の環式アセタール反応生
成物を含有することを特徴とする。 これらの環式アセタールは、100〜120℃までの
温度の2N〜3N硫酸における溶液中で極めて安定
である。 アセタールを製造するのに適するアルデヒドは
次のものである： ２―メトキシ―４―ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、 ｏ―メトキシベンズアルデヒド、 ４―ヒドロキシ―３―メトキシベンズアルデヒ
ド、 ３，４―メトキシベンズアルデヒド、 ｏ―クロルベンズアルデヒド、 ２，４―ジクロルベンズアルデヒド、 ２，６―ジクロルベンズアルデヒド、 ｐ―クロルベンズアルデヒド、 ｏ―フタルアルデヒド、 １―ナフタリンアルデヒド、 ２―ナフタリンアルデヒド、 ピリジン―３―アルデヒド。 添加物の溶解を向上させるため、当分野で知ら
れているように、公知の補助溶剤を浴中に使用す
ることができる。適する溶剤の例はイソプロパノ
ール、メタノール、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテルおよびエチレングリコールモノメチ
ルエーテルならびにエーテル類である。 本発明の浴中に使用される好適な表面活性剤ま
たは乳化剤は両性、陽イオン性および非イオン性
の表面活性剤およびその配合物である。特に好適
なものは、アルキルフエノール１モル当り約10〜
30モルの酸化エチレンと縮合した特にたとえばノ
ニルフエノールのようなアルキルフエノール類で
ある。 さらに、たとえば芳香族アルデヒドおよびケト
ンのような他の公知の添加物を、光沢剤として使
用されるアセタールと組合せて本発明の浴中に使
用することもできる。また、たとえばトリクロル
ベンゼンまたは特にアルカリ金属塩としてのクレ
ゾールスルホン酸のような酸化防止剤などの物質
も使用することができる。 本発明の浴中における、それぞれアセタールお
よびアセタール混合物の濃度は浴１当り0.1〜
２ｇ、特に0.4〜0.8ｇである。乳化剤の濃度は２
〜20ｇ／であり、溶剤の濃度は２〜10容量％で
ある。 参考例１および２ 次の浴を調製した：

【表】 電着を、25℃の温度で1amp／min.の電流密度
にてハルセル（Hull cell）を用いて行なつた。
鉄板（厚さ0.3mm）の基体を用いると、0.01〜
5amp／ｄm²にて艶のある錫析出層が得られた。 実施例 １ 次の浴を調製した（量はｇ／）： 弗化硼素酸錫 15 弗化硼素酸鉛 ５ 硼 酸 10 硼弗化水素酸 100 ２，６―ジクロルベンズアルデヒドとエピク
ロルヒドリンとの反応生成物 0.3 ノニルフエノール１モルとエチレンオキサイ
ド10モルとの縮合生成物 10 機械的撹拌下に2amp／5min.の電流密度を用い
てハルセル中にて電着を行なつた。厚さ0.3mmの
鉄板の基体を用いると、0.1〜10amp／ｄm²にて
光沢ある錫析出層が得られた。 実施例 ２ 錫―鉛浴を次のように調製した： 弗化硼素酸錫 15（ｇ／） 弗化硼素酸鉛 ５ 硼 酸 10 硼弗化水素酸 100 ホルムアルデヒド （還元剤として） ５（ml／） ２，４―ジクロルベンズアルデヒド／エピハ
ロヒドリンとの反応生成物 0.3（ｇ／） ノニルフエノール１モルと酸化エチレン14モ
ルとの縮合生成物（表面活性剤） 10 この浴は、25℃における0.1〜5amp／10min.の
電流密度での電着により厚さ0.3mmの鉄板に光沢
ある析出層を与えた。 実施例 ３ 錫―鉛浴を次のように調製した： 弗化硼素酸錫 20（ｇ／） 弗化硼素酸鉛 7.5 硼 酸 15 硼弗化水素酸 150 クレゾールスルホン酸ナトリウム（酸化防止
剤） １ ホルムアルデヒド（還元剤） 7.5（ml／） ２，６―ジクロルベンズアルデヒド／エピハ
ロヒドリンと反応生成物 0.3（ｇ／） ４―ヒドロキシ―３―メトキシ―ベンズアル
デヒドとエピハロヒドリンとの反応生成物
0.2 ノニルフエノール１モルと酸化エチレン14モ
ルとの縮合生成物（表面活性剤） ８ この浴は、25℃における0.05〜5amp／10min.
の電流密度での電気被覆により厚さ0.3mmの鉄板
に光沢ある錫／鉛合金の析出層を与えた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 硼弗化水素酸100〜150ｇ／の他に錫塩およ
   び鉛塩20〜27.5ｇ／と、光沢剤0.1〜２ｇ／
   と、表面活性剤２〜20ｇ／とを含有する光沢
   錫／鉛被覆を電着するための酸性の錫／鉛浴にお
   いて、前記光沢剤として、芳香族アルデヒドとエ
   ピハロヒドリンとの反応生成物である一般式 〔式中、Halは塩素または臭素原子であり、Ｒ
   はフエニル、ナフチルまたはピリジル基であつて
   塩素原子、臭素原子、弗素原子、１〜３個の炭素
   原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、カル
   ボキシ基、またはヒドロキシ基よりなる群から選
   択される原子または基の１〜３個により置換され
   ていてもよい〕 の環式アセタール化合物の一種もしくはそれ以上
   を含有することを特徴とする錫／鉛の光沢被覆を
   電着するための酸性の錫／鉛浴。 ２ 酸化防止剤0.5〜１ｇ／を含有する特許請
   求の範囲第１項記載の錫／鉛の光沢被覆を電着す
   るための酸性の錫／鉛浴。 ３ 酸化防止剤としてトリクロルベンゼンまたは
   クレゾールスルホン酸もしくはそのアルカリ金属
   塩を含有することを特徴とする特許請求の範囲第
   ２項記載の錫／鉛の光沢被覆を電着するための酸
   性の錫／鉛浴。