JPS6213002B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は合成樹脂成形用金型の保管棚に関し、
特に棚段を回転自在とすると共に最下位の棚段を
除く棚段の一部を少なくともクレーンの吊下げワ
イヤが入り込むことのできる幅に切欠したことを
特徴とするものである。

合成樹脂の射出成形工場には多数の成形用金型
が保管されている。これは成形品を成形するには
必ず成形用金型を必要とするので、少なくとも成
形品の種類と同数の金型が用意されることと、成
形用金型は使い捨てにされるのではなく、成形品
を一旦成形してから適宜な期間が経過したのち再
度成形する予定があるときは、成形金型を繰り返
して使用するので、射出成形機の機数に比べて格
段に多い数の成形金型が用意されるためである。

ところで、保管中の成形金型は成形以外には全
く利用価値がなく、しかも上に述べた様に数が多
いので、そのままでは他の作業の邪魔になる。そ
のため成形作業場には保管棚を設けて成形金型を
これに保管し、作業場内を整理する方法が採られ
ている、その作業、即ち、保管棚に成形金型を出
し入れする作業は作業場に備えた走行クレーンを
利用して行なうのであるが、成形金型は極めて重
く、数百キログラム以上であるから、その作業は
困難且つ危険である。しかも保管棚は作業場の隅
に据置するのが望まれるが、走行クレーンは、構
造上作業場の隅にまでは届かないから、結局保管
棚を据置する場所が限定されるのであり、そのた
め、作業場の作業スペースが狭められるのであ
る。

本発明は、上記した従来の保管棚が、単なる棚
であつて、成形金型はそれぞれを棚段の所定の位
置に押し入れ、引き出すものである点を改め、一
定の位置で吊り上げ、吊り降ろすことによつて載
せ換えができる様にしたものであり、これによつ
て棚段を作業所の隅の所望の場所に据置すること
のできる様にしたものである。

以下本発明を図示の実施例に基づいて具体的に
説明する。

図中、符号１は支柱、２は支持枠、３は棚段で
ある。支柱１と支持枠２とは、棚段３を一定の高
さに、且つ回転自在に支持するものであり、云わ
ば棚枠である。従つてその機能を有するものであ
れば形状や構造については特に限定するものでは
ない。例えばこのものが大形であつて、支柱１と
支持枠２との間隔が広い場合には両者の間、或い
は支持枠同志の間に梁４を渡すなどの補強手段を
講じるのである。そして、上記棚枠の適所に受部
材５及び６を取付ける。この受け部材５は棚段３
を支持するものであり、これに棚段３を載せるこ
とによつて棚段３を棚枠に取り付けるのである。
従つて、受け部材５及び６には棚段自体の重量に
加えて棚段に載せる金型の重量が加えられるか
ら、受け部材５及び６はその重量に充分耐えるこ
とのできるものであることが必要とされる。それ
故受け部材５及び６は支柱１と支持枠２とに、取
付けるのを可とする。しかしこのものは支柱１と
支持枠５に取付けることに限定はされないのであ
つて、支持枠２と支持枠２との間に梁４を渡した
ときは梁４自体を受け部材として利用しても、も
とよりさしつかえはない。

ところで、上に述べた様に棚段３は棚枠に対し
て回転自在に取付けるものであるから、云うまで
もなく支柱１は棚段３の回転中心に樹立するもの
であり、一方棚段３は円形又は多角形であつてそ
の中心に支柱１と嵌合するための嵌合孔が形成さ
れており、また受け部材と棚段とが接触する部分
にはスラストベアリング等の滑動部材が設けられ
て棚段３が円滑に回転する様になつている。尚、
図では受け部材６は台受けベアリングを用い、棚
段３のこれと接する部分にはレール９を取付けた
一例を示した。符号７は切欠部である。この切欠
部７は二段目以下の棚段に対して成形金型を積み
降ろしする際に利用するものであり、最下位の棚
段３ｄを除く全ての棚段に形成するもので、成形
金型を積み降ろししようとする時にその棚段より
上位の棚段の切欠部を同一垂直線上に位置させ、
然るのち、その切欠部の間にクレーンのワイヤを
通して金型の出き入れをするものである。従つて
切欠部７の幅は少なくともクレーンのワイヤが入
り込むに充分な広さに形成するのである。

上記の如く構成した保管棚について成形金型を
第三段目の棚段３ｃに載せる手順について説明す
る。

先ず第一段目の棚段３ａと二段目の棚段３ｂと
を適宜回転させ、その切欠部７ａ，７ｂを作業上
内の、例えば走行クレーンの届く位置に位置さ
せ、次いで三段目の棚段３ｃは成形金型を載せよ
うとする箇所を上記した切欠部７ａ，７ｂの直下
に位置させる（第３図参照）。

そして、図示しない走行クレーンによつて金型
を吊り、これを二段目と三段目の棚段の中間の高
さにまで吊り上げ、然してワイヤを切欠部７ａ，
７ｂの間を通して金型を所望の深さにまで挿し入
れ、そしてこれを三段目の棚段の上に降ろすので
ある。

以上詳述した様に本発明は数段の棚段を有する
保管棚の棚段を回転自在にすると共に最下位の棚
段を除く他の棚段のそれぞれに切欠部を形成した
ものである。よつて、成形金型を一定位置で吊り
上げ、吊り降ろすことにより全ての棚段の任意の
位置に対して積み降ろしすることが可能となつた
のであり、その作業が極めて簡単に、且つ安全に
行なわれ、更に、保管棚自体を作業場の何れの位
置にも据置することができるのである。

尚、棚段３にはこれを回転させるための把手を
取付けるのが望まし。そしてこの把手を起伏自在
に、或いは屈折自在にして、支持枠２等と係合す
る様にすれば、棚段３のストツパとして利用する
ことができるのである。

また、本発明は成形金型を保管するための保管
棚として説明したが、勿論保管対象物はこれに限
定されるものではなく、加工機材や工具等の重量
物も同様に対象とすることは云うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の一実施例を示す縦
断面図、第３図は斜視図である。 １；支住、２；支持枠、３；棚段、４；梁、
５；受部材、６；滑動部材、７；切欠部、９；レ
ール。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 支柱とその周囲に樹立した数本の支持枠に数
   段の棚段を取付けてなる保管棚において、棚段支
   柱及び支持枠に回転自在に取付けると共に最下位
   の棚段を除く棚段にはそれぞれ切欠部を形成した
   ものであり、切欠部はクレーンのワイヤが入り込
   むに充分な幅に形成したものであることを特徴と
   する重量物の保管棚。