JPS6212835Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はデイーゼルエンジンの振動、騒音低下
対策としての吸気絞り装置に関する、一般にデイ
ーゼルエンジンの振動、騒音は火花点火式エンジ
ンのそれに比べ高いレベルにあり、そのためデイ
ーゼルエンジンを搭載した車輛では特にアイドリ
ング時に運転者及び車輛周辺者に不快感を与えて
いるのが実情である。

またデイーゼルエンジンを停止する際の振動も
高レベルにあり、アイドリング時同様に運転者の
不快感は免れ得ないのが実情である。

かかるデイーゼルエンジンの振動、騒音を低減
するための一方法として吸気を絞ることが考えら
れる。この吸気絞りにより、低負荷時特にアイド
リング時には、吸気を絞らない場合の振動、騒音
レベルと比較して相当の効果が認められる。

しかし、低負荷時以外特に高速高負荷時に吸気
絞りを行なうと、エンジン出力の低下や排気色、
エミツシヨンの悪化などの悪影響を起すことが認
められている。また、吸気絞りはデイーゼルエン
ジンが停止する時における振動低減に対しても効
果があることが知られている。しかし、このエン
ジンが停止する時の吸気絞りは吸入空気を殆んど
零にしないと効果が少なく、一方、アイドリング
時に吸入空気を殆んど零にするとエンジンの燃焼
状態が悪化し運転困難となる。従つて、デイーゼ
ルエンジンの振動、騒音低下のための吸気絞り方
式として、エンジンのアイドリング時と停止する
時とでは、吸気絞りの状態を変える必要がある。

本考案は、上記の点に鑑み、低負荷時特にアイ
ドリング時には適度な吸気絞りを行ない、高負荷
運転時には吸気絞りを解除して通常の吸気状態を
保ち、またエンジンが停止する時にはエンジンの
吸入空気量を殆んど零にする装置を、デイーゼル
エンジンの吸気系に配設されているエアクリーナ
に配設することにより、エンジン出力や排気煙、
エミツシヨン等に大きな不具合を与えることなく
デイーゼルエンジンの振動、騒音を低減させる吸
気絞り装置を提供することを目的とするものであ
る。

以下、本考案を図に示す実施例について説明す
る。第１図及び第２図は本考案になるデイーゼル
エンジンの吸気絞り装置の第１実施例の構成を示
し、第１図はエアクリーナの横断面図、第２図は
第１図図示の−線に沿う縦断面模式図で、１
はエアクリーナのケース、２はエレメント、３は
空気吸入口、５は主空気排出口４に設けた開閉弁
で、支点９を通り開閉弁５に結合したワイヤ８と
リターンスプリング１０により矢印Ａ方向に開閉
可能とし、アイドリング時及び停止する時にこの
開閉弁により前記主空気排出口４を全閉とし、そ
の他の運転状態では全開となるようにしてある。
４′は前記主空気排出口４の近傍に別途に設けた
副空気排出口で、その面積は前記主空気排出口４
の面積より小さくしてあり、その下流に設けた出
口６は前記主空気排出口４の下流に開口してお
り、同じく副空気排出口４′の下流にピストン７
を設けこのピストン７をこれと結合したロツド９
により矢印Ｂ方向に摺動可能とし、アイドリング
時には副空気排出口４′よりの排出空気量を調整
し、停止する時には前記出口６を殆んど全閉とす
るようにしてある。

上記構成になる本考案吸気絞り装置の第１実施
例の作動について説明すると、エンジンの低負荷
時特にアイドリング時には主空気排出口４をワイ
ヤ８を引くことによつて開閉弁５により全閉とし
副空気排出口４′の出口６よりロツド９の動きで
ピストン７を調整することにより適度な空気量を
排出し、エンジンの吸入空気量を適度に制限して
エンジン騒音を低減する。エンジンの高速高負荷
時には、主空気排出口４及び副空気排出口４′を
リターンスプリング１０により及び、ロツド９を
引くことにより全開とし、吸入空気量の制限を解
除する。また、エンジンを停止する時には、主空
気排出口４を全閉にすると共に副空気排出口４′
もピストン７により出口６を塞いで殆んど全閉と
しエンジンへの吸入空気量を殆んど零にして、エ
ンジン振動を低減する。

第３図、第４図は本考案になる吸気絞り装置の
第２実施例を示し、第３図はエアクリーナの横断
面図、第４図は本考案装置の要部説明図で、空気
排出口４に羽根状の絞り弁１１を複数個設け、１
１′を支点とし、ロツド１４を矢印Ｅ方向に図示
せぬ機構によつて動かすことにより回転するリン
グ１３によつてレバー１２を矢印Ｃ方向に動かす
ことにより絞り弁１１の先端が矢印Ｄのように空
気排出口４の中心方向に向つて動くようにしてあ
る。

この第２実施例においては、エンジンのアイド
リング時には、ロツド１４を適度に押して複数の
羽根状の絞り弁１１を全部同時に空気排出口４の
中心に向つて適度に動かせば、第３図図示のよう
に空気排出口４の中心部は開口した状態で、排出
口４の面積を減少させ、空気の排出量を減少させ
エンジンの空気吸入量を制限してエンジンの騒音
を低減させることができる。エンジンを停止する
時には、ロツド１４を充分に押して絞り弁１１の
先端を空気排出口４の中心方向に向つて充分に動
かすことにより、、複数の絞り弁１１の先端によ
り空気排出口４を殆んど閉塞すれば、エアクリー
ナより排出される空気量は殆んど零になり、エン
ジンへの吸入空気量は殆んど零になつて、エンジ
ンの振動、騒音を低減することができる。第５
図、第６図は本考案になるデイーゼルエンジンの
吸気絞り装置の第３実施例の構成を示し、第５図
はエアクリーナの縦断面模式図、第６図はエアク
リーナの横断面模式図である。２はエアクリーナ
のフイルターエレメント、３は空気吸入口、４は
空気排出口である、１５は前記空気排出口４より
大径の円板で、１７は前記円板１５の中心より偏
心した位置で円板１５を回動可能にエアクリーナ
ケースの底面に支持する軸棒であり、１６はロツ
ドで前記円板１５に設けた支柱１８に連結してあ
り、このロツド１６を図示しない動力源により矢
印Ａ方向に押すと、第７図図示のように円板１５
が前記軸棒１７を支点として回動し空気排出口４
を殆んど完全に覆うようにしてあり、またロツド
１６をＡ方向に適度に押すと円板１５が空気排出
口４の一部を覆い、排出口４の面積が適度に減少
する。

上記構成になる本考案吸気絞り装置の作動につ
いて説明すると、エンジンのアイドリング時にロ
ツド１６を矢印Ａ方向に適度に押すと、円板１５
が空気排出口４を適度に覆つて排出口４の面積は
減少し、エアクリーナよりの排出空気量は減少し
エンジンの吸入空気量は減少し、エンジンの振動
騒音を低減することができる。エンジンの通常運
転時には、ロツド１６を矢印Ｂ方向に充分引くと
円板１５は空気排出口４より離れ、エアクリーナ
よりの排出空気量を制限せず、エンジンの吸入空
気量を制限しない。また、エンジンが停止する時
には、ロツド１６を矢印Ａ方向に充分押すと円板
１５が空気排出口４を殆んど完全に覆い、空気排
出口４よりの排出空気量は殆んど零となり、エン
ジンへの吸入空気量は殆んど零になつてエンジン
の振動、騒音を低減することができる。

次に、第８図、第９図は本考案になるデイーゼ
ルエンジンの吸気絞り装置の第４実施例の構成を
示し、第８図はエアクリーナの横断面図、第９図
は第８図図示の−線に沿う縦断面模式図で、
１はエアクリーナのケース、２はエレメント、３
は空気吸入口、４は空気排出口で、５は前記空気
排出口４に設けられた開閉弁で矢印Ａ方向に開閉
可能としてあり、開閉弁５の面積を空気排出口４
の面積より大きくしてある。８は矢印Ｂ方向に摺
動可能なワイヤーであり、支点９を介して開閉弁
５に結合してある。１０は開閉弁５とケース１の
上壁に結合されたリターンスプリングである。前
記ワイヤ８を適度に引張ることにより前記リター
ンスプリング１０の力に抗して開閉弁５を例えば
点線図示の位置まで下げることにより、排出口４
の面積を実質的に減少させることができる。また
ワイヤー８を充分引張れば、空気排出口４を開閉
弁５により殆んど完全に閉塞することができる。
なお、この第４実施例において、通電することに
よりストツパー２０が突出する電磁ストツパー１
９を設け、キースイツチの位置がONの時に通電
してストツパー２０が突出し、キースイツチの位
置がAccの時に非通電となつてストツパー２０が
引込むようにしてもよく、こうすれば、アイドリ
ング時に開閉弁５を点線の位置に安定に保持して
エアクリーナよりの排出空気量を適度に減少させ
また停車するときには開閉弁５にて空気排出口４
を殆んど完全に閉塞することができ、他の実施例
と同様に、エンジンの振動、騒音を低減すること
ができる。

上述のように、本考案においては、エンジンの
吸気系に既に配設されているエアクリーナに、エ
アクリーナの空気排出口の面積を実質的に可変と
する機構を付加することにより、エンジンのアイ
ドリング時には前記空気排出口の面積を適度に減
少させ、停止する時には前記空気排出口を殆んど
閉塞するようにしてエンジンの振動、騒音を低減
しているから、デイーゼルエンジンの吸気絞り装
置としてコンパクトになるという実用的効果が大
である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案になるデイーゼルエ
ンジンの吸気絞り装置の第１実施例の構成を示し
第１図はエアクリーナの横断面図、第２図は第１
図図示の−線に沿う縦断面模式図、第３図及
び第４図は本考案装置の第２実施例を示し、第３
図はエアクリーナの横断面図、第４図は本考案装
置の要部説明図、第５図乃至第７図は本考案装置
の第３実施例を示し、第５図はエアクリーナの縦
断面模式図、第６図はエアクリーナの横断面模式
図、第７図は要部説明図、第８図及び第９図は本
考案装置の第４実施例を示し、第８図はエアクリ
ーナの横断面図、第９図は第８図図示の−線
に沿う縦断面模式図である。 １……エアクリーナケース、２……フイルター
エレメント、４……空気排出口、４′……副空気
排出口、５……開閉弁、１０……リターンスプリ
ング、８……ワイヤ、７……ピストン、９……支
点、１１……羽根状の絞り弁、１３……リング、
１４……ロツド、１１′……支点、１２……レバ
ー、１５……円板、１６……ロツド、１７……軸
棒、１８……支柱、２０……ストツパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンの吸気系に配設されたエアクリーナの
   空気排出口に、該排出口の面積を実質的に可変と
   する機構を設けると共に、アクセルペダルのオ
   ン・オフ信号、車速センサー及びキースイツチ等
   の信号によりアイドリング時及びエンジンが停止
   しようとする時を検出し、アイドリング時には前
   記空気排出口の面積を所定の大きさに減少させ、
   またエンジンが停止しようとする時は前記空気排
   出口を殆ど閉塞するという２段階の吸気絞りを行
   うようにしたことを特徴とするデイーゼルエンジ
   ンの吸気絞り装置。