JPS6212594Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は簡易工業炉、簡易保温カバー（カーテ
ン）、熱風ダクト等に使用される多層耐熱断熱シ
ートに関する。

従来、簡易工業炉等のライニング構造は耐熱断
熱材として定形煉瓦、不定形耐火物、セラミツク
フアイバー等を用い、これらをケーシングの内面
にリテーナを使用して取付けたものであつた。

しかしながら、定形煉瓦、不定形耐火物を用い
た場合には、断熱性に欠けるのでライニング厚み
を厚くしなければならず、ケーシング・リテーナ
が必要となり柔軟性に欠けるという欠点がある。

また、セラミツクフアイバーを用いた場合には
気密性、防水性に欠け、抗張力がないのでケーシ
ング・リテーナが必要となり柔軟性に欠けるとと
もに高速熱風による摩耗、折り曲げによる疲労に
非常に弱いという欠点がある。

本考案は上記欠点を解消するためになされたも
のであり、ライニング厚さが薄くても断熱性が良
好で、気密性、防水性、耐摩耗性、抗張力、柔軟
性の優れた多層耐熱断熱シートを提供しようとす
るものである。

すなわち、本考案の多層耐熱断熱シートは高温
側にシリカ系シート層又はシリカーアルミナ系シ
ート層を設け、低温側を石綿系シート層とし、こ
れらの中間を石綿系シートより耐熱性の高いシー
ト層とし、かつ各シート層間にアルミニウム箔又
は鏡面板を介装したことを特徴とするものであ
る。

以下、本考案の実施例を図を参照して説明す
る。

高温側（炉内側）から順次厚さ0.6mmのシリカ
系クロス１、厚さ2.0mmのアルミナーシリカ系ク
ロス２、厚さ50μｍのアルミニウム箔（又は鏡面
板）３、厚さ2.0mmのアルミナーシリカ系クロス
４、厚さ50μｍのアルミニウム箔（又は鏡面板）
５及び厚さ1.2mmの石綿系クロス６を重ね合わ
せ、ステンレスの糸又はシリカ系ヤーンで縫製し
た合計の厚さ約6.0mmの多層耐熱断熱シートを、
パイプで作つた軽量フレームに前記糸で取付け、
クイツクピンで合せ止めにして縫合せることによ
り簡易炉を製作した。なお、前記石綿系クロス６
の表面にはシリコンゴムが蒸着されている。

しかして、上記多層耐熱断熱シートによれば、
高温側に耐熱性の高いシリカ系クロス１及びアル
ミナーシリカ系クロス２、低温側に石綿系クロス
６、これらの中間にシリカ系クロスより耐熱性が
低く、石綿系クロスより耐熱性が高いアルミナー
シリカ系クロス４を設け、かつ各層間にアルミニ
ウム箔３，５を介装しており、また、ケーシン
グ・リテーナを用いなくてもよいのでライニング
厚さが薄くても断熱性が良好で、気密性、防水
性、耐摩耗性、抗張力、柔軟性が優れている。

したがつて、複雑な形状の炉でも軽量となり、
かつ安価に製造することができる。また、耐摩耗
性が向上したことから例えば機械的巻取り式ある
いは伸縮自在（アコーデオン式）の耐熱断熱壁を
製作することができ、しかも長期間の使用に耐え
ることができる。また、円筒、角筒あるいはジヤ
バラ状とすることにより柔軟でしかも伸縮自在の
耐熱断熱ダクトを製作することもできる。

以上説明した如く、本考案の多層耐熱断熱シー
トによれば、断熱性、気密性、耐摩耗性等に優れ
た耐熱断熱壁を製作することができ、工業炉等の
軽量化、コスト低減に大きく寄与するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例における多層耐熱断熱シー
トの断面図である。 １……シリカ系クロス、２，４……アルミナー
シリカ系クロス、３，５……アルミニウム箔（又
は鏡面板）、６……石綿系クロス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高温側にシリカ系シート層又はシリカーアルミ
   ナ系シート層を設け、低温側を石綿系シート層と
   し、これらの中間を石綿系シートより耐熱性の高
   いシート層とし、かつ各シート層間にアルミニウ
   ム箔又は鏡面板を介装したことを特徴とする多層
   耐熱断熱シート。