JPS6212564Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、真空室に臨むバレルの吐出側にシユ
レツダを備えた真空土練機に関するものである。

扨て上記土練機は、粘土、坏土といつたペース
ト状の原料を混練、押し出しするのであるが、真
空土練機には、真空室に臨むシリンダの吐出側
に、例えば多孔板から成るシユレツダを設け、該
シユレツダの直前をバレル内の回転スクリユーに
より圧送された原料で充満させ、その圧力でシユ
レツダの小透孔から原料を押し出して細分化する
ことによつて脱気がしやすいようになつている。
該小透孔を原料が通過する際には大きな抵抗がか
かるために、シユレツダのバレル側は原料が過密
状態となり、且つ回転圧送される原料とシユレツ
ダ面とが厳しく擦れ合つて摩擦熱が発生する。従
つて該摩擦熱のため原料が乾燥し、それによりシ
ユレツダの小透孔を通過できにくくなつて目詰ま
りや押し出し量の低下を招く結果となる。よつて
通過できたとしても脱気が充分行なえなかつた
り、練り上がつた製品に乾燥した粒状の原料が混
入してしまうといつた欠点を生じている。

従来の真空土練機にあつては、前記摩擦熱の影
響を少なくするために、例えば特開昭56−129112
号公報に記載の押し出し成形機の如く、バレルの
周囲に冷却器を設けることにより、バレル全体を
外部から冷却するものが知られている。しかし冷
却器を備える位置がシユレツダの押し出し方向下
手側では、目詰まり防止等に対しては全く効果が
無く、仮えその位置が上手側であつても、シユレ
ツダの直前位置で発生する摩擦熱に対しては満足
できる充分な成果は得られない。即ち、摩擦熱は
シユレツダの押し出し方向上手側の極く狭い範囲
において局部的に発生し、原料はその部分のみが
高温となる。よつてバレルの周囲からいくら冷却
したところで、冷却効果は原料の内部にまでは到
底及ばず、いたずらに中心部と外周部との温度差
を大きくするばかりか、かえつて均一な押し出し
作用の妨げとなつてしまう。

そこで本考案は、従来の真空土練機に関して生
じている前記欠点に鑑みて、シユレツダの押し出
し上手側の面に、互いに連通した通水路を押し出
し方向と直交状に配して成る冷却器を添設するこ
とによつて効果的に摩擦熱の発生を抑えることを
目的としたものである。

以下本考案の実施一例を図面に従つて説明する
と次の通りである。

図面は本考案の真空土練機を示したもので、該
土練機は真空室１に臨むバレル２の吐出口２ａ
に、多数の小透孔３ａが穿設された板体から成る
シユレツダ３が備えられている。該シユレツダ３
は、バレルの吐出口２ａを閉塞可能な大きさの円
板状に形成され、片面にはその中央にスクリユー
軸４ａ支持用の軸受け装着部３ｂが取り付けら
れ、外周及び該軸受け装着部３ｂの周囲ヘリング
状に取り付けられた厚肉部と、その両リング状部
を厚肉部で十字状に連結して成る補強部３ｃが一
体的に備えられている。そして前記多数の小透孔
３ａは、該補強部３ｃが備えられていない面に穿
設されている。シユレツダ３のバレル２側（押し
出し方向上手側）の面には、前記補強部３ｃと重
合状態で互いに連通された通水路５ａが設けら
れ、それにより補強部３ｃと同じ形状の通水路網
が押し出し方向と直交状に配されて成る冷却器５
が形成されている。該冷却器５は、図示しないポ
ンプによつて、下方の入水口５ｂから上方の出水
口５ｃへ冷却水が通水路５ａ内を通過するように
なつている。前記シユレツダ３と冷却器５とは、
バレル２の吐出口２ａにボルト６，６…によつて
着脱自在に設けられていて、シユレツダ３が摩耗
したり、原料の種類に応じて透孔の大きさを変更
する必要がある場合にそれらを交換することが可
能となつている。

以上のように構成することによつて、スクリユ
ー４で圧縮された原料がシユレツダ３の直前で擦
れ合い、それにより発生する摩擦熱は、該原料が
冷却器を通過する際に奪われるため、温度が上昇
せず原料が乾燥する心配はない。

当該実施例の真空土練機は、バレル内に一本の
スクリユーを備えていて、シユレツダがバレルの
吐出口に設けてあるが、次に二本のスクリユーを
備え、シユレツダをバレル内に設けた他の実施例
を示す。

即ち第４図示の如く、二本のスクリユー４′，
４′を備えたメガネ型バレル２′の真空室１′に臨
む吐出口２′ａの内側に、前記実施例と同様軸受
け装着部３′ｂ、補強部３′ｃ、小透孔３′ａを具
備したシユレツダ３′が装着されている。該シユ
レツダ３′は、バレル２′の内側形状に合わせて第
５図示点線Ｌの如くメガネ形となつており、軸受
け装着部３′ｂはスクリユー４′，４′に対応して
二本設けられている。そしてバレル２′の内側に
あたるシユレツダ３′面には、通水路を押し出し
方向と直交状に配して成る冷却器５′が添設さ
れ、該通水路を冷却水が通過するようになつてい
るのである。

当該実施例の真空土練機は、二連スクリユーに
よつてより強力な練り合わせが行なわれるため、
シユレツダ面には更に強力な圧力が加わつて摩擦
もそれだけ大きいが、シユレツダのバレル側の面
に冷却器を添設したとによつて発熱量は極微に押
えられ、従つて従来のように原料が乾燥する虞れ
は全くないのである。

尚冷却器を構成する通水路は、互いに連通し、
且つ押し出し出し方向と直交状に配置されていれ
ば、太さ、配設方等は自由に定めて差し支えな
い。又シユレツダの構造も前記実施例に限定され
るものではない。

以上の如く本考案に依れば、通水路を押し出し
方向と直交状に配して成る冷却器が、シユレツダ
の押し出し上手側の面に備えられているから、原
料がその冷却器を通過する際に、通水路は原料の
発熱中心部を含む広範囲に接触し、それによつて
原料と通水路内の水との間において熱交換が効率
良く行なわれ、発生する摩擦熱は最小限に抑えら
れる。よつて乾燥してシユレツダの小透孔を通過
しにくくなつたり、製品に粒状原料が混入するな
どといつた加熱による弊害がなくなり、歩止りの
良い混練作業を行ない得るのである。

それにより製品の品質向上が図れその実益は多
大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である真空土練機の
一部を切除した正面図、第２図はバレルの押し出
し口部の拡大説明図、第３図は冷却器を装着した
シユレツダの説明図、第４図は他の実施例を示す
土練機の一部を切除した正面図、第５図は同左側
面図である。 １，１′……真空室、２，２′……バレル、２
ａ，２′ａ……吐出口、３，３′……シユレツダ、
３ａ，３′ａ……小透孔、３ｂ，３′ｂ……軸受け
装着部、３ｃ，３′ｃ……補強部、４，４′……ス
クリユー、４ａ……スクリユー軸、５……冷却
器、５ａ……通水路、５ｂ……入水孔、５ｃ……
出水孔、６……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 真空室に臨むバレルの吐出口にシユレツダを備
   えた真空土練機において、該バレルの吐出口に、
   互いに連通した通水路を押し出し方向と直交状に
   配して成る冷却器を、前記シユレツダの押し出し
   上手側の面に添設したことを特徴とする真空土練
   機。