JPS62125017A - 炭素繊維 - Google Patents

炭素繊維

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JPS62125017A
JPS62125017A JP23654886A JP23654886A JPS62125017A JP S62125017 A JPS62125017 A JP S62125017A JP 23654886 A JP23654886 A JP 23654886A JP 23654886 A JP23654886 A JP 23654886A JP S62125017 A JPS62125017 A JP S62125017A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な物性を具備する炭素繊維(以下黒鉛繊維
も含む)に関するものであり、さらに詳しくはアクリル
系繊維製造過程において紡出繊維束を熱延伸する前に所
定の熱水浴にて特定条件下の延伸処理を行なうことによ
り熱延伸工程を走行せる紡出繊維束のサパキ度合を所定
の範囲に維持ならしめて作製したアクリル系繊維を用い
、これを焼成することにより、特異な荷重伸張挙動を示
す炭素繊維を工業的有利に製造し得る技術的知見を提供
するものである。
アクIJ )し系繊維を、酸化性雰囲気中にて、200
〜400 ’Cに加熱して環化せしめ、ついで非酸化性
雰囲気中にて高温(普通800°C以上)焼成すること
によって、補強材料、発熱体、耐熱材として優れた炭素
繊維が得られろことは周知の事実である。
しかしながら、アクリル系繊維を先ず酸化性雰囲気中に
て加熱処理し、かかる繊維構造中にナフチリジン環の環
化構造を形成せしめる工程、所謂耐炎化工程は、最終生
成物たる炭素繊維の物性を左右する極めて重要な工程で
あり、従来よりかかる工程には長時間の加熱処理操作が
必要とされており、そこに炭素繊維の低生産性の原因が
あったのである。
しかして、炭素繊維の生産性を高めるために高温耐炎化
条件あるいは急昇温操作を採用する場合があるが、かか
る場合をこおいては、繊維の発熱転移点付近の温度にて
分子間架橋や分子内環化等の急激な反応が起こり、これ
に伴って局部的な蓄熱が惹起され、そこにピッチ・ター
ル状物質を生じる等の不均一な反応を惹起し、そのため
繊維同士が融着(マクロ融着)したり、また機械的強度
の低下等の炭素繊維の物性に著しい悪影響をもたらして
いた。
そこで、従来よりかかる環化反応を促進し、以て短時間
にて耐炎化繊維を得るために種々なる方法が提案されて
いるが、いずれも繊維形成重合体に特殊な共単量体成分
を共重合せしめたり、特殊な薬品処理手段を採用したり
または複雑な耐炎化工程を採用する方法であって、必ず
しも炭素繊維の経済性、工業的生産性の向上に寄与する
ものではなかった。また上記手段では繊維同士がマクロ
融着する不都合はある程度解消され得るが、ミクロ融着
現象は未だ残存しているのである。かかる炭素繊維の二
本乃至数十本がきわめて微細なオーダーで融着するミク
ロ融着現象が残存すると、炭素繊維から炭素、ta維樹
脂複合材料(いわゆるコンポジット)を製造する(該炭
素繊維に張力を掛けつつ樹脂を含浸させて成形する)場
合、′ヌツポ抜け”現ゑなるトラブルが派生され、著し
く成形加工性を低減するのみならず、商品価値に富んだ
複合材料、つまり強度等に秀でた炭素製品が提供される
に至っていないのが現状である。
ここにおいて、本発明者等は上記欠陥を克服し、開維間
のミクロ融着現象を惹起しない炭素繊維を工業的有利に
提供すべく鋭意研究した結果、無成形(無処理)の状態
の炭素繊維束を測定して得られる荷重伸張率曲線に着目
し、ミクロ融着挙動と該荷重伸張率曲線による物性挙動
との相互関係を見出し、さらにこの関係が強化複合材料
の性能(例えば引張強度等)に密接な関連を有すること
を見出して本発明に到達した。
すなわち、本発明の主要なる目的は新規な物性を有する
炭素繊維を提供することにある。
本発明の目的は、物性変動の少ない炭素繊維強化複合材
料を与え、しかも該複合材料の性能を向上し得る炭素繊
維を提供すること瘉こある。
さらに本発明の他の目的は、以下に記載する本発明の詳
細な説明より明らかとなろう。
かくの如き本発明の上記目的は、無成形(無処理)の状
態での炭素繊維束を測定して得られる荷重伸張率曲線に
おいて最大荷重ピークが伸度0.7%以上の領域に位置
し、かつ伸度0.5%以下の領域には上記繊維束を構成
する各繊維間相互作用に基づく荷重極大ピークまたはシ
ョルダー形状ピークが現われない炭素繊維を使用するこ
とにより達成され、またかかる炭素繊維は、アクリロニ
トリルを少なくとも90重量%含有せしめてなるアクリ
ロニトリル系重合体からなり、かつ該重合体を紡糸して
得られる紡出繊維束を熱延伸処理する前に熱延伸温度よ
り10℃以上低く、シかも温度が30℃を下まわらない
温湯浴下、下記(1)式を満足する如き延伸処理を行な
って後続の熱延伸工程を走行せる繊維束のサパキ係数(
下記(2)式で定義)を1.2〜4.0にならしめたア
クリル系繊維を焼成し、炭化ないしは黒鉛化せしめるこ
とによって有利に製造することが出来るのである。
かくして得られた炭素繊維は、低伸張時において切断現
象が惹起しないのでコンポジット成形時に同等トラブル
(いわゆるスッポ抜は等)を派生しない成形加工性に富
んだ有用なものである。なお、“スツボ抜け”とは、炭
素繊維束に伸張力を与えたとき、ごく低伸張領域よりa
続的に数本の単繊維が切断し最終的には単繊維の平均切
断伸度より低い伸張率において束全体が抜けるが如く切
断するトラブルを言う。
また上記方法に従えば、熱延伸槽内での撮維束(アクリ
ル系坐維)の単繊維相互間の分喉性が極めて良好な状態
に保持され得るため、該繊維束を構成する単繊維一本一
本の表面および内部基質が均一な化学的並びに物理的処
理をうけることになり、かかる均一処理されたアクリル
系繊維をその後焼成工程に供した場合には、該繊維構成
単繊維のそれぞれが均一な環化あるいは架橋反応をうけ
、最終的にミクロおよびマクロ融着のない品質均一性に
優れた炭素繊維が得られるのである。
さらに熱延伸直前に繊維束は延伸下に熱処理されるため
結晶化され、その後の熱延伸により高度の配向性を有す
ることとなり、かかる高配向性アクリル系繊維を焼成す
る場合には、高物性、高品質の炭素繊維が得られること
となる。
また上記方法によれば、乾燥熱楚理を経た最終繊維束が
その良好なサバキ性に起因して焼成工程において単繊維
相互間の融着、合着を惹起するものでないため急速昇温
か可能となり、炭素繊維の生産性が高められる。
さらに本発明に係る炭素繊維は、それを構成する一本一
本の単繊維が品質均一性に優れているので、それを炭素
繊維樹脂強化複合材料の形成素材に用いた場合、樹脂と
の接着性が充分になされ、以て実用的な、高品質のコン
ポジットを作製可能ならしめるものである。むろん前述
した如? ミクロ融着が認められないのでコンポジット
製造時に充分な張力を付与でき(コンポジット成形加工
性に優れ)、より一層高品質のコンポジットを作製する
ことが出来、その工業的意義を極めて高め得ることはい
うまでもないところである。
さらに本発明の詳細な説明する。
前述した如くミクロ融着と荷重伸張率曲線との相互関係
を明らかをこした点が本発明において重要である。つま
り、通常の炭素繊維の切断伸度は単繊維および繊維束と
もに1.0%〜1.5%である。理想的な無成形(無処
理)の状態の炭素繊維束はミクロ融着が全くなく単繊維
間の品質が完全に均一であるため単繊維の場合と同様、
最大荷重ピークは切断伸度の位置に求められるはずであ
るが、現実は理想切断伸度より低い伸度領域で最大荷重
ピークが存在する。この最大荷重ピークが伸度0.7%
に満たない領域にあれば、繊維束全体に比較的小さな融
着(ミクロ融着の部類に属す)が多く低伸度領域から少
しずつ単糸切断が惹起していることを物語っており、一
方伸度0.5%以下の伸度領域に荷重極大ピークもしく
はショルダー形状ピークが発生すれば、繊維束の単繊維
の数本乃至数十率の集中した比較的大きな融着(これも
ミクロ融着に属する)があり低伸度領域で数本乃至数十
率の単糸の集中した切断が惹起していることを物語るも
のである。いずれにせよコンポジットを製造する際、適
当な荷重を作用することは困難となるので体積含有率を
高ならしめることはできず、引張強度等に秀でた有用な
コンポジットを作製することはむつかしくなる。上記荷
重伸張率曲線の代表例を第1図(A)〜(C)に示す。
第1図中(A)は本発明に係る炭素繊維、第1図中CB
)および(C)は本発明から逸脱する場合のそれをそれ
ぞれ示している。なお、a点は最大荷重ピーク、b点は
荷重極大ピークおよび0点はショルダー形状ピークをそ
れぞれ示している。
またミクロ融着現象が認められる炭素繊維の荷重伸張率
曲線がなぜ前記曲線(B)または(C)の如ぎになるか
について説明を行なう。すなわち、ミクロ融着部分が介
在すると、応力が作用した場合作用力が不均一に分布し
融着部分に曲げ変形やねじり変形が発生する。これらの
変形(特にねじり変形)発生時の炭素繊維のタフネスは
その伸度が相対的に小さいため繊維軸方向の引張強度に
比して著しく低く、以て低伸張時でもいとも容易に切断
(前記曲線す点または0点)するからである。
上述の如き特異な性能を有する炭素繊維を製造するに際
し特に重要なことは、紡出後熱延伸直前において所定の
延伸、温度条件下で繊維束を水浴にて、延伸熱処理する
ことにより熱延伸槽を走行せる紡出繊維束の分繊性(サ
バキ性)を良好な状態に保持すること、換言すれば熱延
伸に入る直前の繊維束を熱延伸温度より10℃以上低く
、かつ30℃を下まわらない熱水浴中にて前述の(1)
式を満足するように延伸することに基づいて後述する紡
出繊維束のサバキ係数を1.2〜4.0にHUMならし
めることにある。すなわち、かかるサバキ係数が1.2
に満たない場合をこは紡出熾維束を構成する単繊維の表
面および内部基質が均一な化学的および物理的処理を受
けず得られた繊維束も化学的、物理的に均一なものであ
るとは言えないばかりか、熱延伸前の処理温湯の温度が
低いことから結晶化が進ます配向性の高い繊維であると
は言えないため最終的にミクロ融着のない、しかも高物
性、高品質の炭素繊維を製造することが困難となり好ま
しくない。一方、該サバキ係数が4を越える場合には熱
延伸槽内における分繊状態がかえって進行しすぎ該繊維
束を構成する単繊維同士が絡み合い、その結果前記紡出
繊維束の単糸切れおよび操業性低下等の不都合が派生さ
れ、また結果的に熱延伸前の処理温湯の温度が高いこと
から結晶化が進みすぎ延伸性が低下してやはり操業性が
低下し望ましくない。
なお、上述した紡出繊維束のサバ午碧数とは以下の方法
にて測定し定義づけしたものである。
即ち、通常の方法により作製されたアクIJ )し系紡
糸原液を2区分し、一方のものは紡糸、冷延伸、水洗、
ゲル処理、熱延伸工程を経由せしめた後、いったん系外
へ取り出し緊張固定状態にて熱延伸拍に再度導入せしめ
た。これに対し、もう一方のものは後述する所定の条件
の下で紡糸、冷延伸、水洗、ゲル処理を施された後、熱
延伸槽中に導入され、さらに後の工程(例えば乾燥熱処
理工程等)へと導いて最終繊維に作製した。そこでかか
る熱延伸槽中の紡出繊維束の最大系束幅をl (熱延伸
槽中にある紡出繊維束)および!′(緊張固定状態下で
の熱延伸槽中にある紡出繊維束)として、本発明に係る
サバキ係数を下記の如く定義した。
! 紡出繊維束のサバキ係数=− ノ′ またここにおいて、本発明の炭素ム維を製造する番こ当
り使用しうるアクリロニトリル系重合体とは、アクリロ
ニトリルを少なくとも90重景%以上含有するものであ
って、必要に応じてその他の不飽和単量体を共重合せし
めて作製されるものである。その他の不飽和単量体とし
て、7クリル酸、メタクリル酸、エタアクリルh払クロ
トン酸、イソクロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、メ
サコン酸、シトラコン酸およびこれらの水溶性塩(アル
カリ金属塩、アンモニウム塩)、アリルアルコール、メ
タアリルアルコール、オキシプロとオンアクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル、α−メチレンゲルタロニト
リル、イソプロペニルアセテート、アクリルアミド、ジ
メチルアミノエチルメタアクリレート、ビニルピリジン
、ビニルとロリドン、アクリル酊メチル、メタアクリ、
71/W!!2メチル、lビニル、アリルクロライド、
メタアリルスルボン酸ソーダ、p−スチレンスルホン酸
カリ等の周知のエチレン系不飽和化合物を挙げることが
出来る。またアクリロニトリル系重合体は一般に溶液重
合系、塊状重合系、乳化重合系あるいは懸濁重合系等の
周知の重合系を用いて製造され、さらにかかる共重合体
からのアクリル系繊維の製造に際して溶剤としては、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド等の有機溶剤;硝酸、塩化亜鉛水溶液、ロ
ダン塩水溶液等の無機塩溶剤が使用され、常法に従って
紡糸原液が作製され、紡糸、繊維化されることとなる。
なお、かかる紡糸手段としては、公知の湿式紡糸法、乾
式紡糸法、乾/湿式紡糸法等を任意に選択できるが、就
中上記の7クリロニトリル系重合体と溶剤からなるアク
リル系紡糸原液を、該紡糸原液の非凝固性気体である空
気または不活性ガス中に紡糸孔を通じて吐出せしめ、次
いで凝固液体中に導き凝固せしめろ方法(上記乾/湿式
紡糸法)を採用すれば、本発明の目的を有利に達成なら
しめることが出来る。
しかして紡出、繊維化された繊維束はこの後冷延伸、水
洗、ゲル処理等の工程を施した後熱延伸工程において所
望のサバキ係数が得られるように特定延伸条件下で前処
理を行なった後熱延伸し、さらに必要に応じて例えば加
圧蒸気中における追加延伸、乾燥緻密化、熱処理等を施
して焼成原糸としてのアクリル系繊維に作製される。
なお、上記のゲル処理工程とは紡出、冷延伸、水洗して
得られた水膨潤状態にあるゲル繊維をアルカリ金属カチ
オンもしくはアンモニウムイオンを含有するpHの調節
された水溶液にて処理するものであって、かかるゲル処
理によって上記繊維の分子にイオン結合される上記アル
カリ金属カチオンもしくはアンモニウムイオンの量がよ
”節され、以て炭素繊維製造にあたっての焼成時間の短
縮化もしくは耐炎化反応の暴走阻止を計ることができる
また上述した紡出繊維束のサバキ係数の調整は、前述の
如く熱延伸直前の特定延伸条件下で行なわれる温湯処理
の温度および延伸倍率を調節することにより行なわれる
が如何なる温度に設定すれ、ば熱延伸槽内におけるサバ
キ係歌を所望の1.2〜4にすることができるかの決定
は熱延伸に至るまでの工程要因即ちt紡出時の紡糸原液
温度、冷延伸比、水洗温度、水洗後ゲル処理時の処理液
pH,熱延伸時における溶液のpH。
延伸浴温度、延伸倍率および前述の乾/湿式紡糸を採用
した場合には紡糸孔の吐出面と凝固液体の液面との間隔
等の組合せに依存する。例えば紡糸原液温度が低い場合
は該温湯処理温度も低く、冷延伸比が高い場合はかかる
処理温度を低くしてやることが好ましいが、最終的には
、熱延伸前の延伸を熱延伸温度よII)10’C以上低
く、かつ30℃を下まわらない温渦中で、前記(1)式
に従う延伸倍率を採用して行なうことが必要である。
かくの如く熱延伸工程直前において繊維束を延伸熱処理
した場合その後の熱延伸工程において走行中の繊維束が
何故良好にさばけるかについての理論的根拠については
本発明者等も明確な理由を見出すに至っていないが、熱
延伸点の位置と関係があると推察される。
すなわち、繊維束を構成する単、繊維の結晶化度の低い
ような場合には延伸点は熱延伸の供給ローラ上にあり、
該供給ローラを離れ熱延伸浴に入る際には繊維はすでに
延伸された状態にあって太さが変化することはなく、従
って繊維および繊維束からの水のしぼり出しという繊維
束をひろげよう(さばけさせよう)とする力が発生しな
いため熱延伸工程中においてさばけることはない。一方
、熱延伸前に特定延伸条件で温湯処理すると結晶化が進
み延伸されにくい繊維となる。従って、延伸点は繊維束
が十分昇温する供給ローラから離れ浴中の延伸ローラに
よった位置へ移動し固定されていない状態で延伸される
ことになることからご維および繊維束から水が外へしぼ
り出されるという糸をひろげようとする力が直接繊維に
作用し繊維束はさばける。
さらに少しでもさばけた繊維束は浮力が増して水面に対
して角度がつくために水をけたてて進む形となり、さば
きは大きくなると推察している。このような観点から勘
案すると、サバキ係数の調整が熱延伸槽内に繊維束を押
えつけるもしくは持ちあげることの可能なra維束に対
し直角方向の固定棒ガイドを設けることにより、延伸点
の位置を適当に移動させることにより可能とも考えられ
本発明者等による実験でも確認されているが、いかんせ
ん高物性を有する炭素繊維ならびに品質均一性に優れた
炭素繊維複合材料を得るためには原糸(焼成原糸)に可
能な限り儒(り乏ツク)をつけないことが必要であり、
そのためにはやはりこのような棒ガイドの使用は望まし
くないという知見も会得している。
かくして得られた、単繊推量相互の分湯状態を極めて良
好に保持したアクリル系繊維から炭素繊維を製造するに
際しては従来より公知の如何なる焼成方法をも採用する
ことができるが、一般に酸化性雰囲気中にて150〜4
00℃に加熱し環化せしめる(繊維中にナフチリジン環
の環化構造を形成せしめる)−法規成工程(所謂耐炎化
工程)と、次いで非酸化性雰囲気中もしくは減圧下にて
高温(普通800℃以上であり、黒鉛化の場合にあって
は2000℃以上の温度が採用される)焼成することに
より、炭化ないしは黒鉛化せしめる二次焼成工程からな
る焼成方法が好適に採用される。なお、耐炎化の雰囲気
としては空気が好適であるが、他に亜硫酸ガスもしくは
一酸化窒素ガス存在下または光照射下に耐炎化する方法
等も採用することが出来る。また炭素化ないし黒鉛化の
雰囲気としては窒素、水素、ヘリウム、アルゴン等が好
適に用いられる。さらに、より優れた強度、弾性率の炭
素繊維を製造する場合には一般法として知られているよ
うに張力を掛けて加熱することは好ましい方法の一つで
ある。特に耐炎化処理および炭素化ないし黒鉛化時に張
力を掛けることは効果的である。
かくして、かくの如き方法を採用することによって、ミ
クロ融層のない、高強度、高弾性率のしかも品質均一性
に優れた炭素繊維を生産性よく短時間にて製造すること
が可能となり、従つズかかる優れた性能を有する炭素繊
維は、高品質性能を与え得るべく樹脂強化材料(コンポ
ジット)の形成素材としても好適に使用され、補強材料
、発熱体、耐熱材料等の広範な分野に使用され得ること
となった。
本発明の理解を更に良好にするため、次に本発明の代表
的実施例を示す。なお、実施例中、特に断わらない限り
百分率および部は重量基準にて示す。
実施例 1 (NH4)*S*Oa / Nam5Os系レドツクス
触媒を用いて水系懸濁重合法により得られたアクリロニ
トリ/L’98%およびメタアクリル酸2%からなるア
クリロニトリル系重合体15.5部を、43.4%のロ
ダンソーダ水溶液84.5部に溶解して得た紡糸原液(
温度73℃)を、孔径0.15m、孔数50の紡糸口金
を通じて空気中に一旦吐出せしめ、次いで5℃、12%
のロダンソーダ水溶液からなる凝固浴中に導いて、凝固
せしめた。
かかる際の紡糸口金底面と凝固浴液面との間隔は0.3
 c/rLであった。次いで得られた紡出繊維束を1.
3倍冷延伸した後、30℃の温度下で水洗し、続いてp
H2,2に維持したゲル処理槽に導入し第1表の如く種
々なる温度の水浴下延伸処理し、更に98℃、pH4,
0、第1表の如く延伸条件下熱延伸槽を走行せしめた。
その時の熱延伸工程中にある紡出繊維束のサパキ係数を
求めたところ、第1表の如くであった。この後熱延伸処
理を施された議維束は、過熱水蒸気中での延伸並びに乾
燥工程を通って単11t Q!aデニール1.3デニー
ルのアクリル系繊維に作製された。
かくして得られたアクリル系繊維を、それぞれ焼成し、
10種の炭素繊維を得た。即ち、焼成は電気炉を使用し
て空気雰囲気下、200℃から300℃まで20分間を
要して連続的に昇温することにより耐炎化繊維を得た後
、更にこの耐炎化繊維を窒素ガス雰囲気中において12
00℃まで100分間を要して連続的に昇温すること(
こより炭素化する方法を採用した。
ついで、得られた10種の炭素繊維の強度および強度変
動率並びにスツポ抜は挙動を測定し、その結果をアクリ
ル系繊維作製時での水浴処理温度および延伸倍率ならび
にサバキ度合等と対比して第1表に示すが、第1表の比
較より明らかな如く、本発明に従うことにより炭素繊維
の強度および物性変動率を著しく向上せしめ、しかもス
ツポ抜はトラブルが惹起されないことが出来ることとな
った。
よ−911 また前述の炭素繊維のうちN14、I’に8を無成形(
無処理)の繊維束の状態で荷重伸張率曲線を8:11定
したところ、−4は第1図中曲線(A)の如き、一方嵐
8は第1図中曲線(B)の如きものとなった。
なお、荷重伸張率曲線の測定方法は以下の方法に従かっ
た。すなわち、製造された無処理の炭素繊維束をインヌ
トロンModel  1115(インストロン社製;ゲ
ージ長200mt、引張速度50m/分)に供して測定
した。
また上記試料番号N[14および8にて示す炭素繊維を
強化材料として用いて一方向繊維強化樹脂を作製した。
即ち、樹脂としてはエポキシ系熱硬化性樹脂(エピコー
)$828、シェル化学株式会社社製)、硬化剤として
BF−MEAを使用し、また160°C(乾熱)×1時
間なる硬化熱処理条件および180℃(乾熱)×2時間
のボストキユアリング条件を採用した。なお、硬化後の
炭素繊維含有率はいずれも60%となるよう調製した。
かくして得られた2種の炭素繊維強化樹脂について、そ
の繊維方向の機械強度性能を測定し、その結果を第2表
に示した。
第2表の結果より明らかな如く、サバ中性の良好なアク
リル系繊維を焼成原糸から作製した、特異な物性挙動を
呈する炭素繊維を使用することにより、複合材料の強度
性能を著しく高めることが出来るのであり、また複合材
料間の強度変動率も極めて小さく、従って均一な、かつ
優れた性能を有する複合材料を有利に製造し得ることと
なった。
【図面の簡単な説明】
第1図は無成形(無処理)の状態での炭素繊維束を測定
して得られる荷重伸張率曲線の一例を示すものであり、
(A)は本発明に係る炭素繊維のもの、(B)および(
C)は在来のものの測定曲線を示す。 特許出願人   日本エクスラン工業株式会社ν−ヒに 第1図 イ1p  度  t5tノ 手続補正書 昭和61年10月 31日 1、事件の表示 昭和61年特許願第236548号2
、発明の名称 炭素繊維 3、補正をする者 事件との関係  M出願人 \にへ\ 4、代理人 明細書の特許請求の範囲の欄 ゛飄N−1− 6、補正の内容 (1)別紙■のとおり特許請求の範囲を訂正する。 (2)明細書第5頁第2行「上記目的は、」の次に「単
繊維強度が300kg/−以上であり、」を挿入する。 (3)同第5頁第4行「荷重伸張率曲線において」を「
荷重伸張率曲線において、東強度が50kg/ tni
以上で、かつ」と訂正する。 (4)同第19頁下より第3行「炭素繊維」の次に「(
後述する実施例1のデータから明らかな如くCV強度が
300に9/−以上で、かつSS強度が50に9/−以
上、好ましくは70kg/−以上)」を挿入する。 (5)同第23頁の第1表を別紙■のとおり訂正する。 (6)同第24頁下より第7行〜6行「シェル化学株式
会社社製」を「シェル化学株式会社製」と訂正する。 以上 別   紙   I 特許請求の範囲 1、単繊維強度が300Icg/−以上であり、無成形
(無処理)の状態の炭素繊維束を測定して得られる荷重
伸張率曲線において、束強度が50kg/−以上で、か
つ最大荷重ピークが伸度0.7%以上の領域に位置し、
しかも伸度O,S%以下の領域には上記繊維束を形成す
る各繊維間相互作用に基づく荷重極大ピークまたはショ
ルダー形状ピークが現われない炭素繊維。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)無成形(無処理)の状態の炭素繊維束を測定して
    得られる荷重伸張率曲線において、最大荷重ピークが伸
    度0.7%以上の領域に位置し、かつ伸度0.5%以下
    の領域には上記繊維束を形成する各繊維間相互作用に基
    づく荷重極大ピークまたはショルダー形状ピークが現わ
    れない炭素繊維。
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