JPH06322616A - アクリル系炭素繊維およびその製造方法 - Google Patents

アクリル系炭素繊維およびその製造方法

Info

Publication number
JPH06322616A
JPH06322616A JP10940293A JP10940293A JPH06322616A JP H06322616 A JPH06322616 A JP H06322616A JP 10940293 A JP10940293 A JP 10940293A JP 10940293 A JP10940293 A JP 10940293A JP H06322616 A JPH06322616 A JP H06322616A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boron
carbon fiber
compound
acrylic
elastic modulus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10940293A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3303424B2 (ja
Inventor
Makoto Kobayashi
真 木林
Akira Okuda
章 奥田
Hideo Saruyama
秀夫 猿山
Hitoshi Nishiyama
等 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP10940293A priority Critical patent/JP3303424B2/ja
Publication of JPH06322616A publication Critical patent/JPH06322616A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3303424B2 publication Critical patent/JP3303424B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】結晶サイズLcが80オングストロームを越
え、引張弾性率が70×103 kgf/mm2 以上であること
を特徴とするアクリル系炭素繊維。不活性雰囲気中、2
000℃以上でホウ素またはその化合物の存在下、連続
的に黒鉛化して高弾性率炭素繊維を製造するにあたり、
ホウ素またはその化合物と処理糸条とを接触させずに黒
鉛化することを特徴とするアクリル系炭素繊維の製造方
法。 【効果】特に弾性率の高い炭素繊維を提供することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクリル系炭素繊維およ
びその製造方法に関するものである。さらに詳細には、
弾性率の高いアクリル系炭素繊維およびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は比強度、比弾性率が金属材料
などに比べて高いため、近年、ゴルフシャフト、釣竿な
どのスポーツ、レジャー用途や航空宇宙用途を主体に軽
量構造体として大量に使用されるにいたり、その需要の
拡大にともなって品質の一層の向上が望まれている。た
とえば、高弾性率の炭素繊維を得るためには高い温度で
焼成することが不可欠であるが、実用的な意味での最高
熱処理温度は3000℃とされている。それは、この温
度を越えて黒鉛化炉を使用すると炉の寿命が極端に短く
なり、実質的に生産が困難となるからである。できるだ
け低い熱処理温度で高い弾性率の炭素繊維を得るため
に、触媒を用いて黒鉛化する方法が以前より報告されて
いる。
【0003】たとえば、特公昭47−50331号公報
には、黒鉛ルツボに一旦ホウ素を浸透させ、その中に炭
素繊維を入れて黒鉛化する方法が提案されている。しか
し、この方法は効率が悪く、工業的手段とはなり得な
い。
【0004】また、原料繊維中にホウ素化合物の微粉末
を混入させたり(特開平2−251609号公報)、原
料繊維をホウ素化合物溶液中に浸漬したり(特公昭48
−9801号公報)、ホウ素化合物を繊維に付着させた
りして(特開平2−200819号公報)黒鉛化する方
法等が提案されているが、長い浸漬時間を要したり、得
られる炭素繊維の強度が低下するという問題を有してい
る。
【0005】特に、特開平2−200819号公報に
は、ホウ素あるいは分子中に酸素を含まないホウ素化合
物の固体粉末と原料炭素繊維とをホウ素あるいはホウ素
化合物が実質的に溶融を起こさない処理温度で直接接触
させながら黒鉛化する方法が提案されている。しかし、
この方法ではホウ素含有固体粉末と原料炭素繊維とが直
接接触するため、毛羽発生するなど物理的、化学的に欠
陥を生成するために強度の低下が大きい。さらに、ホウ
素含有固体粉末から発生するホウ素蒸気濃度は高温にな
るほど高くなるので、触媒黒鉛化の効果を大きくする観
点からは処理温度を上げることが好ましいにもかかわら
ず、ホウ素含有固体粉末の融点付近以上の処理温度で
は、融着してサンプリングが不可能になるという致命的
な欠点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上記の
ような問題点を解決し、従来にない弾性率の高い炭素繊
維を提供すること、さらに弾性率向上効果が大きく、連
続的に短時間で処理が可能で、しかも得られた炭素繊維
の強度が高いホウ素処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のアクリル系炭素繊維は次の構成を有する。す
なわち、結晶サイズLcが80オングストロームを越
え、引張弾性率が70×103 kgf/mm2 以上であること
を特徴とするアクリル系炭素繊維である。
【0008】また、本発明のアクリル系炭素繊維の製造
方法は次の構成を有する。すなわち、不活性雰囲気中、
2000℃以上でホウ素またはその化合物の存在下、連
続的に黒鉛化して高弾性率炭素繊維を製造するにあた
り、ホウ素またはその化合物と処理糸条とを接触させず
に黒鉛化することを特徴とするアクリル系炭素繊維の製
造方法である。
【0009】本発明のアクリル系炭素繊維とは、ポリマ
ーの少なくとも一部分がポリアクリロニトリルからなる
プリカーサーを焼成して得られた炭素繊維を意味する。
つまり、ポリアクリロニトリルと他のポリマーの混合物
からなるプリカーサーから得られた炭素繊維を含む。
【0010】本発明において黒鉛結晶サイズLcは次の
ように測定する。すなわち、繊維束を40mm長に切断
して、20mgを精秤して採取し、試料繊維軸が正確に
平行になるようにそろえた後、試料調整用治具を用いて
幅1mmの厚さが均一な試料繊維束に整える。薄いコロ
ジオン液を含浸させて形態が崩れないように固定した
後、広角X線回折測定試料台に固定する。X線源とし
て、Niフィルターで単色化されたCuのKα線を用
い、2θ=26.0°付近に観察される面指数(00
2)のピークを赤道方向にスキャンして得られたピーク
からその半価幅を求め、次式により算出する。
【0011】Lc=λ/(β0 cos θ) β0 2 =βe 2 −βl 2 (λ:X線の波長(この場合1.5418A)、θ:回
折角、β0 :真の半価幅、βe :見かけの半価幅、
βl :装置定数(本発明において使用した装置[理学電
機(株)製4036A2型X線発生装置]の場合、1.05×
10-2rad である。))また、本発明において弾性率は
JISに準拠し、以下の樹脂含浸ストランド法により求
める。すなわち、“ベークライト”ERL−4221
(登録商標、ユニオン・カーバイド(株)製)/三フッ
化ホウ素モノエチルアミン(BF3 ・MEA)/アセト
ン:100/3/4部を炭素繊維に含浸し、得られた樹
脂含浸ストランドを130℃で30分間加熱して硬化さ
せ、JIS R 7601に規定する樹脂含浸ストラン
ド試験法に従って測定する。
【0012】本発明のアクリル系炭素繊維は、引張弾性
率を70×103 kgf/mm2 以上とするものであり、75
×103 kgf/mm2 以上であることが好ましい。
【0013】また、Lcは大きいほど高い弾性率が得や
すいため、80オングストロームを越える必要があり、
85オングストローム以上が好ましく、90オングスト
ローム以上がより好ましく、95オングストローム以上
がさらに好ましい。
【0014】本発明の炭素繊維の製造方法に用いられる
原料炭素繊維はアクリル系、レーヨン系などいずれであ
ってもよいが、機械特性を優れたものにする観点からは
アクリル系原料繊維が好ましい。以下、本発明の炭素繊
維の製造方法についてアクリル系炭素繊維の例をあげて
説明する。
【0015】アクリル系炭素繊維のプリカーサーを構成
するポリアクリロニトリルとしては、アクリロニトリル
85%以上、アクリロニトリルと共重合可能な重合性不
飽和単量体を15%以下含む重合体であることが好まし
い。重合性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸およびそれらのアルカリ金属塩、ア
ンモニウム塩およびアルキルエステル類、アクリルアミ
ド、メタクリルアミドおよびそれらの誘導体、アリルス
ルホン酸、メタリルスルホン酸およびそれらの塩類また
はアルキルエステル類等をあげることができる。また、
不飽和カルボン酸等、耐炎化反応を促進する重合性不飽
和単量体を共重合することが好ましい。その共重合量は
0.1〜10%であることが好ましく、0.3〜5%で
あることがより好ましく、0.5〜3%であることがさ
らに好ましい。不飽和カルボン酸の具体例としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、シ
トラコン酸、エタクリル酸、マレイン酸、メサコン酸等
をあげることができる。ポリアクリロニトリルの重合方
法としては、懸濁重合、溶液重合、乳化重合など従来公
知の方法を採用することができる。ポリアクリロニトリ
ルの重合度としては、極限粘度[η]で表現すると好ま
しくは1.0以上、より好ましくは1.35以上、さら
に好ましくは1.7以上である。
【0016】溶液紡糸の場合の溶媒は、有機、無機の公
知の溶媒を使用することができる。重合体は公知の方法
によってプリカーサーとすることができる。紡糸は、直
接凝固浴中へ紡出する湿式紡糸法や、一旦空気中へ紡出
した後に浴中凝固させる乾湿式紡糸法、あるいは乾式紡
糸法、さらには溶融紡糸によってもよい。溶媒、可塑剤
を使用する紡糸方法による時には、紡出糸を直接浴中延
伸してもよいし、また、水洗して溶媒、可塑剤を除去し
た後に浴中延伸してもよい。浴中延伸の条件は、通常、
50〜98℃の延伸浴中で約2〜6倍に延伸される。浴
中延伸後の糸条はホットドラムなどで乾燥することによ
って乾燥緻密化が達成される。乾燥温度、時間などは適
宜選択することができる。また、必要に応じて乾燥緻密
化後の糸条をより高温(たとえば加圧スチーム中)で延
伸することもおこなわれ、これらによって、所定の繊
度、配向度を有するプリカーサーとすることができる。
また、乾燥緻密化に先立って、焼成中の単繊維間接着を
防止するために、耐熱性の高いシリコン油剤を付与する
ことが好ましい。
【0017】プリカーサーの単繊維繊度としては、弾性
率向上の観点から引き続く耐炎化工程において焼成ムラ
を起こさないよう細い方が好ましく、好ましくは1.5
d以下、より好ましくは1.0d以下、さらに好ましく
は0.8d以下である。
【0018】かかるプリカーサーを焼成することにより
高性能な炭素繊維とすることができる。耐炎化条件とし
ては、従来公知の方法を採用することができ、酸化性雰
囲気中200〜300℃の範囲で、緊張、あるいは延伸
条件下が好ましく使用され、密度が好ましくは1.25
g/cm3 以上、より好ましくは1.30g/cm3
達するまで加熱処理される。この密度は、1.60g/
cm3 以下にとどめるのが一般的であり、これ以上にす
ると、物性が低下するので好ましくない。一般に雰囲気
については、公知の空気、酸素、二酸化窒素、塩化水素
などの酸化性雰囲気を使用できるが、経済性の面から空
気が好ましい。
【0019】耐炎化を完了した糸条は、従来公知の方法
で不活性雰囲気中炭化処理をおこなうが、弾性率向上の
観点からは糸条に毛羽を発生させない可能な範囲で延伸
することが好ましい。
【0020】さらに不活性雰囲気中黒鉛化処理をおこな
う。本発明においては不活性雰囲気中、2000℃以上
でホウ素またはその化合物と処理糸条とを接触させずに
黒鉛化することが必須であるが、従来公知の黒鉛化方法
を併用することもできる。その際、従来公知の黒鉛化に
先立って本発明のホウ素存在下での黒鉛化をおこなって
もよいし、逆に従来公知の黒鉛化の後に本発明のホウ素
存在下での黒鉛化をおこなうこともできる。
【0021】本発明におけるホウ素またはその化合物
は、室温で固体のもの、たとえばホウ素、炭化ホウ素、
窒化ホウ素、酸化ホウ素、ホウ化チタン等を挙げること
ができる。しかし、ホウ素化合物中に酸素を含んでいる
と、炉芯管、処理する炭素繊維、あるいは混合した黒鉛
と反応して気体を発生することがあるため、ホウ素化合
物は酸素を含んでいないことが好ましい。ホウ素または
その化合物は、粉末状態、成型品等その形態を問わな
い。
【0022】また、本発明においてはホウ素またはその
化合物の融点以上の温度で処理する場合があるため、流
動化して炉芯管から流れ出したり、炉芯管内での位置が
変わったりすることを抑制するため、炭素と混合されて
いることが好ましく、たとえば、ホウ素またはその化合
物の粉末と黒鉛粉末との混合物、ホウ素またはその化合
物を含有する黒鉛成型体等が挙げられる。黒鉛成型体の
形状は特に限定しないが、円筒状または多角形筒状のパ
イプであることが好ましい。この場合、黒鉛パイプは処
理糸条に垂直あるいは平行な方向に複数個に分割するこ
ともできる。この黒鉛パイプは炉芯管の中に静置して使
用することもできるし、また特に、処理糸条に平行な方
向に複数個に分割されている場合には、連続的または断
続的に炉芯管に挿入して使用することもできる。
【0023】本発明において重要なことは、上記ホウ素
またはその化合物の粉末、成型体、黒鉛との混合物等が
処理糸条と接触しないことである。ホウ素化合物は高温
下で分解し、ホウ素を遊離するものが多いが、そのホウ
素の存在によって触媒黒鉛化が進行すると考えられ、本
発明者らは、処理糸条はホウ素またはその化合物粉末等
と直接接触する必要はなく、そこから発生するホウ素蒸
気と接触することによって充分触媒黒鉛化することを見
出した。これによって比較的ホウ素蒸気濃度が高くなる
高温での連続処理が可能となったばかりでなく、強度低
下の少ない炭素繊維を得ることができる。
【0024】本発明における黒鉛化時間は、比較的短時
間で効果があることに特徴があるが、処理時間を長くす
ればさらに弾性率は向上するため、滞留時間は1分以上
が好ましく、3分以上がより好ましく、5分以上がさら
に好ましい。
【0025】さらに、高弾性率の炭素繊維を得るために
は黒鉛化時に延伸することが好ましい。処理温度が高く
なるほど高延伸することができ、毛羽などが発生しない
可能な範囲で延伸倍率を高くすることが高弾性率の炭素
繊維を得るためには好ましい。
【0026】このようにして得た炭素繊維に対して、必
要に応じてさらに従来公知の技術により表面処理、サイ
ジング付与などをおこなうことができる。
【0027】以下、実施例によって本発明の内容をさら
に具体的に説明する。
【0028】
【実施例】本実施例における引張強度は、弾性率の測定
においても採用したJIS R7601に規定する前記
樹脂含浸ストランド法によった。
【0029】また、繊維軸方向の配向度π002 は次のよ
うに測定した。結晶サイズLcの場合と同様に試料を調
整し、同様の解析手法により得られた(002)回折の
最高強度を含む子午線方向のプロフィールの広がりの半
価幅(H゜)から次式を用いて結晶配向度π002 (%)
を求めた。
【0030】 π002 =[(180−H)/180]×100 (実施例1)ジメチルスルホキシドを溶媒とする溶液重
合法により、アクリロニトリル98%とメタクリル酸2
%とからなる重合体濃度20%の紡糸原液を得た。これ
を3000ホールの口金を通じて一旦空気中に吐出して
空間部分を走行させた後、ジメチルスルホキシド水溶液
中で凝固させ、凝固糸条を水洗後、4倍まで浴延伸し、
工程油剤を付与した後、乾燥緻密化した。さらに、加圧
スチーム中で2.5倍まで延伸して単繊維繊度0.8
d、総繊度2400Dのプリカーサーを得た。
【0031】得られたプリカーサーを240〜280℃
の空気中で、延伸比1.05で加熱して密度1.37g
/cm3 の耐炎化糸を得た。ついで、窒素雰囲気中35
0〜500℃の温度領域での昇温速度を200℃/分と
し、8%の延伸をおこなった後、さらに2500℃まで
焼成して炭素繊維Aを得た。なお、2500℃での焼成
においては、炉芯管の底部に炭化ホウ素50部、黒鉛粉
末50部からなる混合物を処理糸条に接触しないように
充填して処理をおこなった。得られた炭素繊維Aの物性
を表1に示す。
【0032】
【表1】 (比較例1)2500℃の焼成において、炭化ホウ素と
黒鉛粉末の混合物を充填しなかったこと以外は実施例1
と同様に処理して炭素繊維Bを得た。得られた炭素繊維
Bの物性を表1に併せて示す。
【0033】(比較例2)2500℃での焼成に先立っ
て、処理糸条に炭化ホウ素粉末を付着させたこと、さら
には炭化ホウ素と黒鉛粉末の混合物を充填しなかったこ
と以外は実施例1と同様に処理したが、炭化ホウ素が溶
融して炭素繊維をサンプリングすることはできなかっ
た。
【0034】(実施例2)処理温度を2800℃とし、
実施例1と同じ装置においてホウ素化合物の供給方法を
炭素繊維織物よりなるコンベアにてホウ素50部、カー
ボンブラック50部よりなる混合物を連続的に炉芯管内
部へ供給する方法へと変更したこと以外は実施例1と同
様にして炭素繊維Cを得た。得られた炭素繊維Cの物性
を表1に併せて示す。
【0035】(比較例3)ホウ素化合物を炉芯管へ供給
しなかったこと以外は実施例2と同様に処理して炭素繊
維Dを得た。得られた炭素繊維Dの物性を表1に併せて
示す。
【0036】(実施例3)ホウ素化合物の供給方法を炭
素80部、ホウ素20部からなる黒鉛パイプを炉芯管の
中に配することへと変更し、処理温度を3000℃とし
たこと以外は実施例2と同様にして炭素繊維Eを得た。
得られた炭素繊維Eの物性を表1に併せて示す。
【0037】
【発明の効果】本発明により、特に弾性率の高い炭素繊
維を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】底部にホウ素またはその化合物を充填した炉芯
管の断面図。
【図2】ホウ素またはその化合物をコンベアに乗せて連
続的に供給する方式の炉芯管の断面図。
【図3】ホウ素を含有する黒鉛からなるパイプを炉芯管
の中に配した炉芯管の断面図。
【符号の説明】
1:炉芯管 2:ホウ素またはその化合物 3:炭素繊維 4:コンベア 5:ホウ素を含有する黒鉛からなるパイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西山 等 愛媛県伊予郡松前町大字筒井1515番地 東 レ株式会社愛媛工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶サイズLcが80オングストロームを
    越え、引張弾性率が70×103 kgf/mm2 以上であるこ
    とを特徴とするアクリル系炭素繊維。
  2. 【請求項2】不活性雰囲気中、2000℃以上でホウ素
    またはその化合物の存在下、連続的に黒鉛化して高弾性
    率炭素繊維を製造するにあたり、ホウ素またはその化合
    物と処理糸条とを接触させずに黒鉛化することを特徴と
    するアクリル系炭素繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】炉芯管の内部に、ホウ素またはその化合物
    を配して黒鉛化することを特徴とする請求項2に記載の
    アクリル系炭素繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】連続的、または断続的にホウ素またはその
    化合物を炉芯管に供給しながら黒鉛化することを特徴と
    する請求項2に記載のアクリル系炭素繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】ホウ素またはその化合物が炭素と混合され
    ていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載
    のアクリル系炭素繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】炉芯管の内部に、ホウ素またはホウ素化合
    物を含有する円筒状または多角形筒状の黒鉛パイプを配
    して黒鉛化することを特徴とする請求項2または請求項
    3に記載のアクリル系炭素繊維の製造方法。
JP10940293A 1993-05-11 1993-05-11 アクリル系炭素繊維の製造方法 Expired - Fee Related JP3303424B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10940293A JP3303424B2 (ja) 1993-05-11 1993-05-11 アクリル系炭素繊維の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10940293A JP3303424B2 (ja) 1993-05-11 1993-05-11 アクリル系炭素繊維の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06322616A true JPH06322616A (ja) 1994-11-22
JP3303424B2 JP3303424B2 (ja) 2002-07-22

Family

ID=14509342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10940293A Expired - Fee Related JP3303424B2 (ja) 1993-05-11 1993-05-11 アクリル系炭素繊維の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3303424B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0826481A2 (en) * 1996-08-27 1998-03-04 Daiwa Seiko Inc. Pipe-shaped body
JP2001279566A (ja) * 2000-03-29 2001-10-10 Toho Tenax Co Ltd 電極材用炭素繊維フェルトおよびその製造方法
JP2002194650A (ja) * 2000-12-19 2002-07-10 Toho Tenax Co Ltd 酸化繊維シート、圧縮酸化繊維シート、それらの製造方法、及び炭素繊維シートの製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0826481A2 (en) * 1996-08-27 1998-03-04 Daiwa Seiko Inc. Pipe-shaped body
EP0826481A3 (en) * 1996-08-27 1999-06-02 Daiwa Seiko Inc. Pipe-shaped body
JP2001279566A (ja) * 2000-03-29 2001-10-10 Toho Tenax Co Ltd 電極材用炭素繊維フェルトおよびその製造方法
JP2002194650A (ja) * 2000-12-19 2002-07-10 Toho Tenax Co Ltd 酸化繊維シート、圧縮酸化繊維シート、それらの製造方法、及び炭素繊維シートの製造方法
JP4582905B2 (ja) * 2000-12-19 2010-11-17 東邦テナックス株式会社 酸化繊維シート、圧縮酸化繊維シート、それらの製造方法、及び炭素繊維シートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3303424B2 (ja) 2002-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101658298B1 (ko) 탄소 섬유속 및 탄소 섬유의 제조 방법
TWI620843B (zh) 碳纖維束、碳纖維束的製造方法及樹脂系複合材料
EP1130140B1 (en) Acrylonitril-based precursor fiber for carbon fiber and method for production thereof
JP5656185B2 (ja) 耐炎化アクリロニトリル重合体の製造方法
US4452860A (en) Carbon fibers and process for producing the same
JP4228009B2 (ja) 炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法
JP2009197365A (ja) 炭素繊維前駆体繊維の製造方法、及び、炭素繊維の製造方法
US4948574A (en) Method of manufacturing of pitch-base carbon fiber
JPH06322616A (ja) アクリル系炭素繊維およびその製造方法
JPH02242920A (ja) 複合金属入り炭素繊維
JPH086210B2 (ja) 高強度高弾性率炭素繊維およびその製造方法
JP4875238B2 (ja) 炭素繊維およびその前駆体の製造方法並びに油剤付着方法
JP2001248025A (ja) 炭素繊維の製造方法
JP2004156161A (ja) ポリアクリロニトリル系炭素繊維及びその製造方法
JPH02264011A (ja) 黒鉛繊維製造用アクリル系繊維
JPS5920004B2 (ja) 炭素繊維の製造方法
JPS6141326A (ja) 炭素繊維製造用プレカ−サ−の製造方法
JP3964011B2 (ja) 炭素繊維用アクリロニトリル系前駆体繊維およびその製造方法
JP2004060126A (ja) 炭素繊維及びその製造方法
JP2946779B2 (ja) 黒鉛化繊維の製造方法
JPH07150420A (ja) 黒鉛繊維製造用加熱炉および黒鉛繊維の製造方法
JP3002698B2 (ja) 黒鉛繊維の製造方法
JP2007332498A (ja) 炭素繊維束の製造方法
JPH08209457A (ja) 炭素繊維およびその製造方法
JPH05339813A (ja) アクリロニトリル系繊維及びその製法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees