JPS6211842B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は物品保管ラツクの孔明きビームにデツ
キ・パネル、クロス・バーその他同様なものを装
架するのを容易にするクリツプに関する。

本発明の対象となる型式の保管ラツクは米国特
許第3042221号に記載されている。そのようなラ
ツクのビームは同一平面内で相互に向きあつた棚
部を備え、デツキ・パネル、クロス・バーその他
のラツク部材の両端部を受けるか、または直接に
パレツトの両端部を受ける。従来のそのような型
式のラツク構造は使用時にデツキ・パネルまたは
クロス・バーをビーム上に確実に設置する手段ま
たはビームからそれら部材が不測に外れるのを防
止する手段を欠いていた。具体的にいうと保管ラ
ツクに物品を出し入れするフオークリフト・トラ
ツクのフオークの上方向力によつてクロス・バー
やデツキ・パネルがビームから不測に外されるこ
とはしばしば起きる。これは特にデツキ・パネル
やクロス・バー上に荷が載つていない場合よく生
じることである。

本発明はそのような従来技術の欠点を改良する
ものとして、物品保管ラツクに物品を出し入れす
る際にラツクのデツキ・パネルが孔明きビームか
ら外れないようにパネルを孔明きビームに装架す
るためのクリツプであつて、実質的に平らな体部
とフインガとを有し、体部にはフランジとタブと
が設けられており、フランジは、体部の一方の辺
縁で体部に担持されかつ一方の辺縁から該一方の
辺縁と対向する他方の辺縁の方向へ該タブに向か
つて延びかつ体部に対して離間して延びており、
またタブは、体部からフランジに向かつて延びか
つフランジから遠ざかる方向に撓曲自在であり、
フインガは、前記一方の辺縁に平行に体部を越え
て該体部から延びておりかつビームの孔を貫通し
て挿入される係合部を有することを特徴とするク
リツプを提供するものである。

本発明のクリツプは簡単で経済的な構造をも
ち、また別個の締結具を用いずに容易に取付ける
ことができる。クリツプのフインガの形状と寸法
はビームの孔に容易に挿入できるようにされる
が、この挿入後はフインガが孔から抜けるのを阻
止する。

以下図面を参照に好適な実施例について説明す
る。

図面において本発明によるクリツプが全体的に
５０で示される。ラツク使用に際し２個ないしそ
れ以上のクリツプ５０がデツキ・パネル６０に取
付けられてこれを保管ラツク９０の離間したビー
ム７０に対し装架する。

各デツキ・パネル６０は好適には金属のシート
材料で一体に作られ、そして細長い平らな矩形の
プラツトフオーム６１を備え、これの両側辺縁に
はそれぞれ下方へ延びる側壁６２，６３が備えら
れ、これら側壁の下辺縁は内方へ曲げられてフラ
ンジ６６，６７を形成する。これらフランジは相
互に同一平面内にあつてプラツトフオーム６１に
平行に設けられ、そこでデツキ・パネル６０の横
断面は全体的にＣ形となる。好適には各側壁６
２，６３の両端部近くに小さな円形孔６５が備え
られる。

保管ラツク９０は複数個の竪ポスト９５を備
え、これらポストはそれぞれ４個の側壁９６を有
する全体的に四角の管部材で構成される。側壁９
６の１つは長手方向に延びるスロツト９７を備
え、これによつてポストの横断面は全体的にＣ形
になる。その他の側壁９６は複数個の長手方向に
離間した孔９８を備える。ポスト９５は矩形の角
部に設置され、その前側ポストのスロツト９７と
後側ポストのスロツト９７が向き合せにされ、そ
してそれら前側と後側ポスト９５は、上側および
下側水平控え部材１０１と斜め控え部材１０２の
両端部を該スロツト９７に嵌入して適当な締結具
で各ポストに固定することにより相互に連結され
る。

前側ポスト９５どうしは水平方向に延び且つ垂
直方向に離間したビーム７０によつて相互に連結
され、また後側ポスト９５どうしも同様にして連
結される。第２図ないし第６図から明瞭なよう
に、各ビーム７０は好適には１つの金属板の両側
辺縁７２と７３を重ねて溶接し水平な底壁８７を
形成して成る中空管で構成される。底壁の前辺縁
と後辺縁から外側壁８１と内側壁８６が平行に立
上り、ここで外側壁８１は内側壁８６より高く延
ばされる。外側壁８１の上辺縁から頂壁８２が底
壁８７と平行に前方にビーム幅の中間点まで延び
る。また内側壁８６の上辺縁から棚壁７５が底壁
と平行に後方へ肩壁８３のところまで延びる。こ
の肩壁は内外側壁８６，８１と平行に垂直に頂壁
８２と棚壁７５の間に延在してこれらを連結す
る。

棚壁７５と肩壁８３が共同してビーム７０に棚
部７１を形成することは理解されよう。棚壁７５
に一連の離間した孔７６が設けられる。これら孔
はそれぞれ全体的に長円形であり、棚壁７５の横
断方向に延びる両側縁７７とこれを連結する弧状
の両端縁７８で画成される。ビーム７０の両端部
に装架ブラケツト１００が溶接され、これらブラ
ケツトはポスト９５の孔９８に嵌合するピンまた
はラグ（図示せず）を備えられる。

ラツク使用に際し、棚壁７５が同一水平面にあ
つてラツク９０の内側の方へ設定されるようにビ
ーム７０がポスト９５に取付けられる。その各対
の棚壁７５の間に複数個のクロス・バーまたはデ
ツキ・パネル６０が渡される。デツキ・パネル６
０はこれのプラツトフオーム６１が上向き且つ水
面になるよう設置され、そして物品を載せる実質
的に連続的なデツキを形成するに充分な個数のデ
ツキ・パネル６０が使われる。デツキ・パネルは
これの両端部が棚壁７５で支持されるように各対
のビーム７０の間に渡される。デツキ・パネルの
側壁６１，６３の高さは、それを棚壁７５上に乗
せたとき、その物品積載プラツトフオーム面６１
とビーム頂壁８２が実質的に同一平面になるよう
なものとされる。

第７図ないし第１２図に詳細に示すようにクリ
ツプ５０は単一のばね鋼のような金属板から作ら
れ、そして全体的に１１０で示される実質的に平
らな矩形の体部を備え、この体部は平らな外面１
１２と平らな内面１１３を有する。体部１１０は
１１１のように不規則形に切抜かれて部分円形の
タブ１１５を形成する。このタブは内面１１３よ
り内方へ突出するように小さな角度だけ曲げられ
る。矩形体部１１０は頂辺縁１１７と底辺縁１１
８および側辺縁１１９によつて画成される。側辺
縁１１９の反対側の辺縁には全体的に１２０で支
持されるフランジが形成され、このフランジは体
部の内面１１３の方へ折返され、その内方先端縁
１２５が内面１１３と平行に且つこの内面とタブ
１１５から所定距離だけ離間するように設定され
る。体部１１０はフランジ１２０への折返し付近
において１２１のように切抜かれ、これによつて
フランジ１２０を体部へ連結するヒンジ様の上部
および下部折曲げまたは湾曲部１２２が形成され
る。体部１１０の辺縁１１８と１１９が交わる角
部１３０は折曲げ線１３２に沿つてタブ１１５と
同じ内方向へ曲げられて三角形のチツプ１３１を
形成する。

切抜き１１１と１２１の間の区域において体部
１１０の下辺縁１１８から全体的に１４０で示さ
れるフインガが延出する。このフインガは平らな
頚部１４１を備え、この頚部の内外面は実質的に
体部の内外面１１３，１１２と同一平面にある。
頚部１４１の先端部１４９から前方および後方へ
全体的に三角形の突起１４２，１４３延出し、そ
れぞれ頚部の平面から内へおよび外方へと折曲げ
線１４６，１４７に沿つて曲げられてフインガの
係合部を形成する。

第６図、第１０図および第１１図に示すように
クリツプ５０はデツキ・パネル６０の一方の側壁
６２または６３の端縁に取付けられる。図示の場
合クリツプ５０は第６図のようにデツキ・パネル
６０の側壁６２に取付けられている。クリツプ５
０はこれの上下辺縁１１７，１１８がパネル側壁
６２の上下辺縁に平行に隣接し、また内面１１３
がパネル側壁６２の外面に沿うようにし、しかし
てパネル側壁６２の端縁をクリツプの体部１１０
とフランジ１２０の間に受けるように、パネル６
０に取付けられる。クリツプ５０が所定位置に取
付けられた状態、すなわちフランジ１２０の湾曲
部１２２がパネル側壁６２の端部に当てられ、タ
ブ１１５が小孔６５内にぱちんと嵌入してクリツ
プ５０を所定位置に固定した状態（第１０図参
照）において、フランジ１２０の先端部１２５と
体部１１０の内面１１３の間の距離はパネル側壁
６２の厚さより少しく大きくなる。

しかし体部１１０の直角方向のフランジ１２０
の先端部１２５とタブ１１５の先端部１１６間の
距離はパネル側壁６２の厚さより小さくなる。ク
リツプ５０は弾性材料で作られるから、タブ１１
５はパネル側壁６２がそれを通過するときの楔作
用によつて撓曲せられる。従つて例えデツキ・パ
ネル６０に孔６５が無くてもタブ１１５とフラン
ジ１２０はパネル側壁６２の内外面に対し堅く係
合してクリツプ５０を所定位置にしつかりと保持
する。フランジ１２０の底辺縁１２６は、少なく
ともデツキ・パネル６０のフランジ６６，６７の
厚さだけの距離、体部１１０の底辺縁１１８より
高くされる。またフランジ１２０の全高は、この
フランジがパネル６０のプラツトフオーム６１と
フランジ６６の間に嵌合できるよう、パネル側壁
６２の高さより少しく小さくされる。またクリツ
プ５０が取付けられたとき、その体部１１０の折
曲げられたチツプ１３１がパネル側壁６２の底辺
縁近くに係合してクリツプの固定を確実にする。

こうしてデツキ・パネル６０に取付けられたク
リツプ５０のフインガ１４０は下方向へ延びる。
フインガ先端部のビーム孔との係合部すなわち突
起１４２，１４３における幅は、頚部１４１のそ
れより全体的に大きく、またビーム棚壁７５の孔
７６のそれとほぼ等しい。さらに、フインガ１４
０の突起１４２の最内側点から突起１４３の最外
側点までの厚さは、頚部１４１のそれより全体的
に大きく、また孔７６のそれとほぼ等しい。そこ
で上記のようにデツキ・パネル６０に取付けられ
たクリツプ５０のフインガ１４０はこれを孔７６
の上方でこの孔に整合させ、そして第６図の矢印
で示すようにデツキ・パネル６０を動かせば、任
意の孔７６に差込むことができる。

普通デツキ・パネル６０をビーム７０上の所定
位置に固定するには、２個の固定クリツプ５０を
パネル６０の対角線上の２つの角部にそれぞれ取
付ければ充分である。フインガ１４０の頚部１４
１の厚さと幅は突起１４２，１４３のそれより小
さいので、すなわち頚部１４１は孔７６の寸法よ
り小さいので、物品をデツキ・パネルから出し入
れする際に、孔７６に挿入されたフインガ１４０
は多少変位して遊びがある。しかし、突起１４
２，１４３の寸法と孔７６のそれとはほぼ等しい
が、フインガ１４０が少しでも変位すれば、突起
１４２，１４３と孔７６との整合はずれる。すな
わち、突起１４２，１４３のどこか一部が孔７６
に引つ掛かることになり、デツキ・パネル６０に
上向きの力がかかつてもフインガ１４０が孔７６
から抜けることはない。しかして、パネル６０が
持上げられたとき偶然にもフインガ１４０が孔７
６に対し正確に整合していたという極めて稀な場
合を除き、デツキ・パネル６０がビーム７０から
外れることは防止される。すなわち、突起が正確
に孔７６に整合しかつデツキ・パネルに垂直方向
成分だけを持つ上向きの力がかかるという極めて
稀な場合だけデツキ・パネルがビームから外れる
ことがある。しかし、上向きの力に少しでも水平
方向成分があれば、これによりフインガ１４０は
頚部の遊びにより多少変位する。よつて、突起１
４２，１４３は正確には孔７６と整合しなくな
り、突起１４２，１４３のどこか一部が孔７６に
引つ掛かることになりデツキ・パネル６０はビー
ム７０から外れなくなる。

さらに曲げたチツプ１３１はクリツプ５０の性
能を良くする。普通クリツプ５０は、メツキ等の
ようなその製作工程、および保管や搬送において
集合的に取扱われる。そこでクリツプ５０は両突
起１４２，１４３や切欠き１１１，１２１を備え
るような不規則な形状を有しているため、集合的
に保管されている間に相互にからまつて結合し易
い。使用に際し、そのからまつた部品をほぐさな
ければならないが、そのために相当数の不良品が
できる。そこで体部１１０の面から少なくともタ
ブ１１５と同程度に外されるように曲げたチツプ
１３１を備えることにより、集合内のクリツプが
動いて相互にからまることが防止され、従つて不
良品の量も著しく減少できることが知られている
る。

クリツプ５０は好適にはばね鋼で作られるが、
その他の所要な強度と弾性を有する適当な材料で
作られてもよい。

本発明のクリツプの大きな利点は別個の締結具
を使わずにデツキ・パネルに取付けできることで
ある。このクリツプは道具を使わずに手で、ある
いは道具を使つてもせいぜい小さなハンマまたは
マレツトで、デツキ・パネル側壁の端縁に圧入嵌
合できる。

以上の説明から解かるように本発明のクリツプ
によれば保管ラツクのデツキ・パネル等を簡単に
該ラツクの孔明きビームに取付けできる。

さらに具体的にはこのクリツプはこれから突出
するフインガを備え、これの寸法と形状をラツク
のビームの孔に嵌合するが抜けないようなものと
されることによつて、デツキ・パネルの装架を確
実に行うものである。

ここに本発明の好適な実施例を挙げてきたが、
なお多くの変化形が可能であり、従つて本発明は
それら全ての変化形も含めて特許請求の範囲によ
つてのみ規定されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のクリツプを使つてデツキ・パ
ネルを装架された保管ラツクの斜視図、第２図は
第１図の２―２線における垂直断面図、第３図は
第２図の３―３線における断面図、第４図は第１
図のラツクの頂面図、第５図はデツキ・パネルが
載せられるラツク・ビームの一部分の拡大頂面
図、第６図は本発明のクリツプによつてデツキ・
パネルを装架する方法を示すラツク・ビームとデ
ツキ・パネルの一部分の分解斜視図、第７図は本
発明によるクリツプの一実施例の拡大斜視図、第
８図は第７図のクリツプの前立面図、第９図は第
８図の９―９線における断面図、第１０図は第９
図のクリツプをデツキ・パネルに取付けたところ
を示す図面、第１１図は第８図の１１―１１線に
おける断面図、第１２図は第８図の１２―１２線
における断面図である。 ５０……クリツプ、６０……デツキ・パネル、
７０……ラツク・ビーム、７１……棚部、９０…
…保管ラツク、９５……ポスト、１１０……クリ
ツプ体部、１１２，１１３……外内面、１１５…
…タブ、１１７，１１８，１１９……上下および
側辺縁、１２０……フランジ、１２２……湾曲
部、１２５……先端縁、１３０……角部、１３１
……チツプ、１４０……フインガ、１４１……頚
部、１４２，１４３……突起。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 物品保管ラツクに物品を出し入れする際に該
   ラツクのデツキ・パネルが孔明きビームから外れ
   ないように該パネルを該孔明きビームに装架する
   ためのクリツプであつて、実質的に平らな体部と
   フインガとを有し、該体部にはフランジとタブと
   が設けられており、該フランジは、前記体部の一
   方の辺縁で該体部に担持されかつ該一方の辺縁か
   ら該一方の辺縁と対向する他方の辺縁の方向へ該
   タブに向かつて延びかつ該体部に対して離間して
   延びており、前記タブは、前記体部から前記フラ
   ンジに向かつて延びかつ該フランジから遠ざかる
   方向に撓曲自在であり、前記フインガは、前記一
   方の辺縁に平行に前記体部を越えて該体部から延
   びておりかつ前記ビームの孔を貫通して挿入され
   る係合部を有することを特徴とするクリツプ。 ２ 特許請求の範囲第１項記載クリツプであつ
   て、前記フランジが全体的に矩形であり、かつ前
   記タブの先端部が円形形状を呈していることを特
   徴とするクリツプ。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項に記載の
   クリツプであつて、前記フランジが湾曲部によつ
   て前記体部に結合されていることを特徴とするク
   リツプ。 ４ 特許請求の範囲第２項または第３項に記載の
   クリツプであつて、前記フランジと前記タブと前
   記フインガとが前記体部と一体になつていること
   を特徴とするクリツプ。 ５ 特許請求の範囲第２項から第４項までのいず
   れか一項に記載のクリツプであつて、前記フイン
   ガが、前記体部に隣接する比較的薄く狭い平らな
   頚部とフインガ先端部の係合部とを有し、該係合
   部の幅と厚さは前記頚部のそれより全体的に大き
   く、かつビームの孔とほぼ等しい寸法を有するこ
   とを特徴とするクリツプ。 ６ 特許請求の範囲第５項に記載のクリツプであ
   つて、前記係合部が、前記頚部と一体に形成され
   かつ該頚部の平面からずれて相互に反対方向に延
   びる２つの突起を有することを特徴とするクリツ
   プ。 ７ 特許請求の範囲第６項に記載のクリツプであ
   つて、前記突起がほぼ三角形であることを特徴と
   するクリツプ。 ８ 特許請求の範囲第１項から第７項までのいず
   れか一項に記載のクリツプであつて、前記他方の
   辺縁の角部が折り曲げられていることを特徴とす
   るクリツプ。