JPS621167B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、可燃性廃棄物を燃焼させる装置の
改良に関するものである。

出願人は、可燃性廃棄物を効率よく燃焼させる
ことを目的とし、密閉ケーシングの内部に配設さ
れた焼却炉中に可燃性廃棄物を充填してこの廃棄
物の上部に着火し、炉中の温度上昇に伴い可燃性
廃棄物のガス化を促進し、得られた可燃性ガスを
炉床に設けた送風ノズルにより炉の上方に上昇さ
せ、燃焼帯域で燃焼させた後この燃焼により発生
した燃焼ガスを焼却炉と煙道を介して連通配置し
たサイクロン除塵室に送給し、可燃性廃棄物の焼
却熱を温水もしくは温風に転換することのできる
燃焼方法および装置を開発し、昭和55年10月16日
付で特願昭55−143629号（特開昭57−67718号）
として特許出願を行つた。

即ち、前記の先行特願出願においては、可燃性
廃棄物への着火と共に炉中への送風を行うことに
より廃棄物のガス化を促進して完全燃焼を達成す
ることを特徴としているが、更に燃焼効率を高め
ると共に燃焼により生ずる塵埃等の残渣物の減少
を図ることを目的として改良並びに試作を重ねた
結果、焼却炉の頂部に空気を送給するために配設
した送風管の一部、すなわち、焼却炉とサイクロ
ン除塵室とを連通する煙道に臨む送風管の外周部
に多数の通孔を穿設して炉内に送給される空気の
一部を煙道の方向に指向させ、燃焼帯域を通過し
た若干の燃焼ガスを更に燃焼させることにより燃
焼効率の向上と塵埃の減少化を達成できることを
突き止めた。

従つて、本発明の一般的な目的は、燃焼効率を
向上させると共に塵埃等の燃焼残渣物の減少化を
図ることのできる燃焼装置を提供するにある。

前述の目的を達成するため、本発明に係る燃焼
装置は、焼却炉とサイクロン除塵室とを隣接配置
し、前記焼却炉とサイクロン除塵室とを上部にお
いて煙道を介して連通し、前記焼却炉の頂部およ
び底部に送風管を臨ませてなる廃棄物燃焼装置に
おいて、前記焼却炉とサイクロン除塵室とを密閉
ケーシング内部に配設し、これら焼却炉とサイク
ロン除塵室および煙道の外周部に給排水可能な熱
交換部を前記ケーシングと一体的に設け、前記焼
却炉の上方に赤熱化する内向きフランジ板を配置
し、このフランジ板の中心開孔を煙道に連通する
と共にこの中心開孔に対し送風管を垂直に交差す
るよう配設し、さらに前記送風管の煙道に臨む外
周部に燃焼ガスの排気方向に指向させて多数の通
孔を穿設することを特徴とする。

次に、本発明に係る可燃性廃棄物の燃焼装置の
好適な実施例につき添付図面を参照しながら以下
詳細に説明する。

添付図面において、本発明に係る燃焼装置は台
座１０上に耐熱性の優れた金属板を材質とする直
方体形状の密閉ケーシング１２を載置し、この密
閉ケーシング１２の内部に円筒形状の廃棄物焼却
炉１４とこの焼却炉１４と上部において煙道１６
を介して連通するサイクロン除塵室１８とを並列
的に配設することにより基本的に構成されてい
る。なお密閉ケーシング１２は、後述するように
その内部に水等の熱交換流体を流通させるので流
体が漏出することのないように液密に構成すると
共にケーシング内に発生する熱の逃出を防止する
ため適宜の断熱材をライニング乃至コーテイング
しておくのが好ましい。

ケーシング１２内に配設されれる焼却炉１４は
通路２０を介してケーシング１２正面に開設した
廃棄物投入口２２と連通しており、また、焼却炉
１４内にはドーナツ状に中心部を開口したフラン
ジ板２４を炉頂近傍に水平に配置する。ケーシン
グ１２の上部適所には送風機２６を配置してこの
送風機２６から導出した送風管２８をケーシング
１２および焼却炉１４の頂部に貫通させて炉中に
垂下させ前記フランジ板２４の開口部下方まで延
在させる。この場合、焼却炉１４中に延在してい
る送風管２８の前記煙道１６に臨む外周部および
フランジ板２４の下方に延在する部分の外周部に
は夫々多数の空気吹出口３０および３２を穿設す
る、更に、焼却炉１４の底部にはその上面に多数
の空気吹出口３４を穿設した円板状の空気吹出ノ
ズル３６を配設し、このノズル３６には前記送風
機２６から分岐導出した送風管３８を接続する。

また、ケーシング１２内に焼却炉１４と共に並
列的に配設されるサイクロン除塵室１８は前記ケ
ーシング乃至は焼却炉と同様の耐熱性金属板でで
形成し、その下部において通路４０を介してケー
シング１２の正面に開設される灰出口４２と連通
し、さらに除塵室１６の頂部には、除塵室１６内
に垂直に進入して所定の高さ位置において開口す
る煙突４４を直立配置する。

ケーシング１２の側部下方および上方には水供
給口４６および水流出口４８を夫々穿設し、夫々
の口部を適宜の配管（図示せず）に接続する。ま
た前記ケーシング１２の頂部にはそのケーシング
１２内と連通するシスタンク５０を配設すると共
にこのシスタンク５０の適所に水位検知装置（図
示せず）を配置してタンク内の水位を監視し、水
供給口４６から供給される水量を制御してケーシ
ング内に常に一定量の水が貯留されるようにして
おく。なお、参照符号５２は外部よりタンク５０
内の貯留水位を視認するために配設した液面計で
ある。

次に、このように構成した本発明に係る装置の
作用および効果につき説明する。

まず、使用に際しては、ケーシング１２正面に
開設した投入口２２を開放して、例えば、布片、
木片、プラスチツク、ゴム類等の可燃性廃棄物を
焼却炉１４中に投入する。この場合、廃棄物は極
めて密な状態となるよう圧縮しながら充填し、適
宜の手段により廃棄物の上部に点火して投入口２
２を密閉する。なお、廃棄物への点火と同時に送
風機２６を稼動して上部送風管２８および下部送
風ノズル３６からの炉内への送風を開始する。こ
れにより廃棄物の燃焼が開始され、充分な空気
（酸素）の補給の下に良好な燃焼が達成される。
すなわち、焼却炉１４中の廃棄物のガス化燃焼が
促進されて短時間でフランジ板２４が赤熱化さ
れ、このフランジ板２４の中央開口部を通過する
燃焼ガスは赤熱したフランジ板２４に接触して略
完全に燃焼する。なお、燃焼時に発生した煙およ
び若干残つた燃焼ガスは、焼却炉１４内の圧力が
上昇することと送風管２８の吹出口３０から吹出
される空気の吹出力とにより煙道１４に誘導され
ながら二次燃焼して隣接するサイクロン除塵室１
８に進入し、この除塵室内で渦巻施回して塵灰等
の残渣物が落下分離され、煙だけが煙突４４を介
して大気中に放出される。なお、この煙は完全燃
焼を経ると共に残渣物の除去がなされているので
大気中に放散されても汚染濃度は極めて低く略無
色で無公害に近いものとなつている。

このようにして、廃棄物が完全燃焼すると、焼
却炉１４は高温に保持され、またサイクロン除塵
室１８も高温の煙により相当の高温に保持される
ので、水供給口４６を介して水をケーシング１２
内に供給して充満させれば、水は高温の焼却炉１
４および除塵室１８と直接接触して効率の良い熱
交換が行われ温湯を容易に得ることができる。従
つて一般家庭あるいは企業において得られた温水
を浴室や台所等に供給したりあるいはラジエータ
を介して温水暖房を行なうことができ、極めて経
済的な廃熱利用を達成することができる。

先に述べたように、本発明に係る燃焼装置によ
れば、日常有効に利用されることなく投棄されて
いる可燃性廃棄物を略完全燃焼させると共に燃焼
時に発生する煙ないしは残留燃焼ガスを二次燃焼
させるので燃焼効率の向上と燃焼残渣物の減少を
図ることができ、また得られた熱を有効に転換し
て利用することができるので省資源、省エネルギ
ーに大きく貢献できる等の利点を有する。

以上、本発明に係る燃焼装置の好適な実施例に
つき説明したが、本発明はこの実施例に限定され
るものではなく、例えば、ケーシング内に供給す
る水に代えて空気を送り込んで温風を得るように
構成する等本発明の精神を逸脱しない範囲内にお
いて種々の設計変更をなし得ることは勿論であ
る。

また、本発明装置の構成としては、前述した実
施例の構成に限定されることなく、送風機から焼
却炉へ導入される送風管の本数並びにその構成装
置、焼却炉とサイクロン除塵室との構成配置並び
にこれらを連通する煙道の構成等につき、種々の
設計変更をなし得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る燃焼装置の好適な実施例
を示す縦断面図、第２図は第１図に示す燃焼装置
の頂板を取外した状態を示す平面図である。 １０……台板、１２……密閉ケーシング、１４
……焼却炉、１６……煙道、１８……サイクロン
除塵室、２０……通路、２２……廃棄物投入口、
２４……フランジ板、２６……送風機、２８……
送風管、３０，３２……空気吹出口、３４……空
気吹出口、３６……空気吹出ノズル、３８……送
風管、４０……通路、４２……灰出口、４４……
煙突、４６……水供給口、４８……水流出口、５
０……シスタンク、５２……液面計。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 焼却炉とサイクロン除塵室とを隣接配置し、
   前記焼却炉とサイクロン除塵室とを上部において
   煙道を介して連通し、前記焼却炉の頂部および底
   部に送風管を臨ませてなる廃棄物燃焼装置におい
   て、前記焼却炉とサイクロン除塵室とを密閉ケー
   シング内部に配設し、これら焼却炉とサイクロン
   除塵室および煙道の外周部に給排水可能な熱交換
   部を前記ケーシングと一体的に設け、前記焼却炉
   の上方に赤熱化する内向きフランジ板を配置し、
   このフランジ板の中心開孔を煙道に連通すると共
   にこの中心開孔に対し送風管を垂直に交差するよ
   う配設し、さらに前記送風管の煙道に臨む外周部
   に燃焼ガスの排気方向に指向させて多数の通孔を
   穿設することを特徴とする廃棄物燃焼装置。