JPS6211585Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は洗濯液を回転翼の裏羽根によつて強制
的にフイルターに通し、液中の糸クズ等を除去せ
んとする洗濯機に関し、特に翼室及び裏羽根を改
良して裏羽根によるポンプ能力を向上させたもの
である。

この種の洗濯機では回転翼を配設した翼室の周
側壁と回転翼との間から液が漏出してポンプ能力
を低下させる。そこで、従来は翼室内にポンプ室
を構成する別部品を取付けて上述の漏出を抑制
し、ポンプ能力を維持していた。本考案は翼室及
び裏羽根を改良することにより上記別部品を省略
すると共に液漏出を抑制するものであり、以下そ
の図面に基づいて説明する。

１は脱水槽２と共に並設された二槽式洗濯機の
洗濯槽で、底面に円形の翼室３を凹設すると共
に、右側面と後面との隅部に溢排水室４を窪ませ
て形成し、翼室３の底面の中央部付近から周側壁
５の一部洗濯槽１の底面を経て溢排水室４の下部
まで切欠するように凹ませて切欠部６を一体形成
している。

７は翼室３外の切欠部６から溢排水室４内を上
方に延びる吐出管で、上端開口をフイルター（図
示せず）に連通させると共に、下端開口を扇状に
拡開された筒状の吐出口部８の基部に連結してい
る。吐出口部８は拡開した先端部に曲線状の吐出
口９を形成すると共にこの吐出口９から下面だけ
を更に突出させており、翼室３内外の切欠部６に
跨つてこの切欠部６を下面にて覆い、これによつ
て下面と切欠部６との間に翼室３内の中央部と洗
濯槽１とを連通する連通路１０を形成している。
１１は翼室３の底面中央部に残された吸込口であ
る。又、この吐出口部８はその先端を翼室３内に
於ける切欠部６の端面に密着させ、この状態にて
翼室３底面のボスにビス止めされることによつて
連通路１０をシールしている。

１２は翼室３の周側壁５に一体形成された周段
部で、その上面全周には所定高さの突片１３を一
体形成している。１４は周段部側面１５に連続す
る翼室底面に一体形成された略環状の第１溝、１
６は周側壁５に連続する周段部上面に一体形成さ
れた略環状の第２溝である。

１７は翼室３内に配設された回転翼で、底面中
央に回転自在に軸支され、裏面には周段部側面１
５に届かない程度の長さの裏羽根１８を一体形成
している。１９は回転翼裏面から垂下する如く一
体形成された第１の環状リブで、裏羽根１８の外
周端を連結すると共に、上記周段部側面１５に隙
間２０を置いて近接対向し、垂下端２１を上記第
１溝１４に対向させている。２２は周側壁５に隙
間２３を置いて近接対向している回転翼外周端の
裏面に短く一体に垂設された補強用の第２の環状
リブで、その垂下端２４を第２溝１６に対向させ
ている。

尚、第５図に示すように翼室３内に於ける切欠
部６の端面を構成する周段部１２の端面は、吐出
口９の側壁（点線で示す）よりも吐出口９の内側
に位置して流路抵抗を減少させている。又、吐出
口部８を止着するビスの頭が流路抵抗とならない
ように、吐出口部８の止着部分は凹ませてある。
尚２５は翼室３外の切欠部６と溢排水室４の前面
開口を塞ぐカバーである。

回転翼１７を回転させることによつて洗濯槽１
内には水流が生じ、洗濯、すすぎを行なうことが
できる。裏羽根１８は遠心力によつて吐出口９に
液を圧送し、液は吐出管７を介してフイルターに
導かれ、糸クズ等を除去された後に洗濯槽１に戻
る。又、この間連通路１０及び吸込口１１を介し
て液が翼室３に入れられており、順次吐出管７か
らフイルターに送り込まれて糸クズ等が除去され
る。

一方、裏羽根１８は垂下端２１と第１溝１４間
から液を周段部側面１５に当て、第１溝１４内で
乱流を生ぜしめてこの部分の圧力を上げ、液漏出
を阻止する。又、一部の液が隙間２０を上昇して
も突片１３によつて外周方向への逃げを妨げる。
かくして、液漏出は減少するので、裏羽根１８は
液を吐出口７に効率良く圧送し、十分なポンプ能
力を発揮する。

尚、第２の環状リブ２２に対向する第２溝１６
にても上述同様に乱流が生じるので、突片１３を
越えた液が隙間２３から漏出するのを妨げてい
る。

このように本考案による洗濯機は、翼室周側壁
に周段部を一体形成し、裏羽根の環状リブを周段
部側面に対向させると共に、リブの垂下端に対向
する翼室底面に溝を形成し、周段部上面に突片を
形成したので、液を翼室底面に沿つて周段部側面
に当て、溝内で乱流を生ぜしめて圧力を上げるこ
とができ、液漏出を抑制できる。又、ここから漏
れても突片で液の逃げを押えることができる。こ
の結果裏羽根のポンプ能力を十分に発揮すること
ができ、別部品を用いてポンプ室を構成する必要
が無くなるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による洗濯機の回転翼とカバー
を除いた平面図、第２図は第１図に於ける要部の
拡大平面図、第３図は第２図のＡ−A′断面図、
第４図はカバーを取付けた状態の第２図のＢ−
B′断面図、第５図は要部の切欠斜視図である。 １……洗濯槽、３……翼室、５……周側壁、６
……切欠部、９……吐出口、１１……吸込口、１
２……周段部、１３……突片、１４……第１溝、
１５……周段部側面、１６……第２溝、１７……
回転翼、１８……裏羽根、１９……第１の環状リ
ブ、２１……垂下端、２２……第２の環状リブ、
２４……垂下端。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 洗濯槽の底面に凹設した円形の翼室内に裏羽
   根を有する回転翼を配設し、この翼室の周側壁
   の一部を切欠してこの切欠部にフイルターに連
   通する吐出口を配設すると共に、翼室底面の中
   央部付近に上記洗濯槽に連通する吸込口を設け
   たものにおいて、上記周側壁に周段部を一体形
   成すると共にこの周段部上面に突片を一体形成
   し、上記回転翼の裏面に裏羽根の外周端を連結
   する環状リブを垂設して周段部側面に対向さ
   せ、この環状リブの垂下端に対向する翼室底面
   に溝を一体形成したことを特徴とする洗濯機。 (2) 上記溝を周段部側面に連続して形成したこと
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の洗濯機。