JPS6211139Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は引出しタイプの計器の外筐と内器との
間に接続されたテープ状ケーブルが外筐内に内器
が収納されると同時にアコーデオン状に折畳まれ
る際、テープ状ケーブルの損傷を防止するテープ
状ケーブルの保護装置に関する。

一般に引出しタイプの計器は第１図に示すよう
に内器１を外筐２から引出して計測或いは点検・
調整ができるように内器１と外筐２に夫々設けら
れたコネクタ３および４の間に、多数本の被覆電
線が帯状に一体形成されたテープ状ケーブル５が
接続されている。このテープ状ケーブル５は内器
１が引出される時には伸長し、一方内器１が外筐
２内に収納される時にはアコーデオン状に折畳ま
れて外筐２内部に収納される。このような引出し
タイプの計器にはテープ状ケーブル５をガイドす
ると共に保護する装置が設けられている。

例えば、第２図に示すようにアコーデオン状に
繰返し折返えされた伸縮自在の帯状薄板にケーブ
ル貫通用の角孔６を有すると共に折返し部に切欠
部８を有するガイド板９がその一端を内器１に、
他端を外筐２に固設されたものがある。このよう
なガイド板９ではテープ状ケーブル５が前記角孔
６に通され、ガイド板９の折返し部７で折曲げら
れて順次懸架される。しかし、このようなガイド
板９においては、折曲げ部分ではテープ状ケーブ
ル５の曲げＲが大きくなつてしまい、折畳み時に
は折畳まれたテープ状ケーブル５の厚さが大きく
なるため収納スペースを大きくする必要があつ
た。

また、第３図に示す従来例においてはアコーデ
オン状に折畳み可能なガイド板１０にテープ状ケ
ーブル５を沿わせ、このテープ状ケーブル５の直
線部に薄板状の抑え板１１を添着したものであ
る。この場合、折畳み時のテープ状ケーブル５の
曲げＲを小さくすることができるが、ケーブル５
の伸縮を繰返すことによるストレス（疲労）が折
曲げ部に生ずるため、ケーブル５の耐久性が損わ
れる虞があつた。

さらに、第４図に示す従来例はアコーデオン状
に繰返し折曲げられたテープ状ケーブル５の折曲
部分を、その内側に芯を包容せしめて外側からク
リツプ１２で把持したものである。このようなテ
ープ状ケーブル５においては、折畳み時にはクリ
ツプ１２を合わせた厚さの分だけスペースがあれ
ば収納できるため収納スペースが少なくて済むと
共に、折曲げ部がクリツプ１２により曲げＲを大
きくして把持されるため繰返しストレス（疲労）
が加わらず、耐久性が保持される。しかしなが
ら、内器１の引出し時にテープ状ケーブル５に引
張力が直接加わるため、テープ状ケーブル５が断
線する虞があつた。

そこで本考案は上記従来技術に鑑み、引出しタ
イプの外筐より内器を引出す際、折畳まれたテー
プ状ケーブルに引張力を直接に加えないと共にケ
ーブル収納時にアコーデオン状に折畳み可能なテ
ープ状ケーブルの保護装置を提供することを目的
とする。かかる目的を達成するための本考案の構
成は、外筐より内器を引出して計測・調整等を行
なう引出し型計器の前記内器と外筐コネクタ間に
接続される一方、曲げＲを確保するクリツプによ
り夫々の折返し部が把持されてアコーデオン状に
折畳み収納されるテープ状ケーブルにおいて、柔
軟性を有すると共に前記テープ状ケーブルより大
きい耐引張り強度を具える一方、直線部が前記テ
ープ状ケーブルの表面、裏面或いは両面に沿つて
重ね合わされると共に夫々の折返し部が前記テー
プ状ケーブルを僅かに弛ませたまま当該テープ状
ケーブルの折返し部とともに前記クリツプにより
把持された保護テープからなることを特徴とす
る。

以下に本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

引出しタイプの計器に装着されるテープ状ケー
ブル５は所用の折返し長でアコーデオン状に繰返
し折返され、夫々の折返し部が大きい曲げＲを確
保するクリツプ１２で把持されており、このテー
プ状ケーブル５の端部は内器１と外筐２のコネク
タ３，４に夫々接続されている。本考案の保護装
置は第５図に示すようにテープ状ケーブル５とほ
ぼ同一の幅で形成された保護テープ１３をテープ
状ケーブル５の裏面（図中下側）に重ね合せ、こ
の保護テープ１３の折返し部をテープ状ケーブル
５の折返し部とともにクリツプ１２により把持さ
れたものである。さらに、保護テープ１３は内器
引出し時の引張力がテープ状ケーブル５に加わら
ないよう、テープ状ケーブル５より折返し長を短
かくしてテープ状ケーブル５を僅かに弛ませた状
態でその折返し部がクリツプ１２に把持されてい
る。

尚、保護テープは充分な柔軟性を有すると共に
引張力に対してテープ状ケーブルより高い耐引張
り強度を有するものであればよく、例えばポリエ
ステルフイルム等が好ましい。

このような保護装置においては保護テープ１３
の夫々の折返し部がクリツプ１２によりテープ状
ケーブル５を共に把持されているため、テープ状
ケーブル５は内器１の引出しおよび収納時には保
護テープ１３と共に伸長し、折畳まれる。この場
合、保護テープ１３はケーブル５を僅かに弛ませ
て夫々の折返し部をケーブル５の折返し部と共に
クリツプ１２で把持されていることにより、内器
１の引出しによる引張力を保護テープ１３自体が
受け止めるため、ケーブル５に引張力が直接加わ
ることがない。その結果、ケーブル５の断線等、
引張力によるケーブルの損傷を防止できる。

尚、上述の実施例においては保護テープをテー
プ状ケーブルの裏面に設けた場合について説明し
たが、これに限らずテープ状ケーブルの表面或い
は両面に重ね合せて設けても同様の効果が得られ
る。

以上、実施例を挙げて具体的に説明したように
本考案によれば、柔軟性を有すると共にテープ状
ケーブルより耐引張り強度の大きい保護テープが
テープ状ケーブルを弛ませてその折返し部をテー
プ状ケーブルの折返し部とともにクリツプにより
把持して装着されることにより、テープ状ケーブ
ルの伸長時に内器の引出しによる引張力を保護テ
ープが受け止めるため、テープ状ケーブルに引張
力が直接加わることがなく、ケーブルの断線等を
防止できる。また、保護テープが充分に柔軟性を
具えることにより、折返し長が異なる種々のテー
プ状ケーブルに対応できると共に簡単に装着でき
るため、安価となり、また折畳み時のスペースも
少なくて済む。さらにテープ状ケーブルの折畳み
時に外筐との接触によるテープ状ケーブルの損傷
防止にも効果がある等優れた利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は引出しタイプの計器を示す概略説明
図、第２図〜第４図は従来例にかかる保護装置を
示す斜視図、第５図は本考案の一実施例にかかる
保護装置を示す斜視図である。 図面中、１は内器、２は外筐、５はテープ状ケ
ーブル、１２はクリツプ、１３は保護テープであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外筐より内器を引出して計測・調整等を行なう
   引出し型計器の前記内器と外筐コネクタ間に接続
   される一方、曲げＲを確保するクリツプにより
   夫々の折返し部が把持されてアコーデオン状に折
   畳み収納されるテープ状ケーブルにおいて、柔軟
   性を有すると共に前記テープ状ケーブルより大き
   い耐引張り強度を具える一方、直線部が前記テー
   プ状ケーブルの表面、裏面或いは両面に沿つて重
   ね合わされると共に夫々の折返し部が前記テープ
   状ケーブルを僅かに弛ませたまま当該テープ状ケ
   ーブルの折返し部とともに前記クリツプにより把
   持された保護テープからなることを特徴とするテ
   ープ状ケーブルの保護装置。