JPS62109218A - 垂直磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

垂直磁気記録媒体およびその製造方法

Info

Publication number
JPS62109218A
JPS62109218A JP24938485A JP24938485A JPS62109218A JP S62109218 A JPS62109218 A JP S62109218A JP 24938485 A JP24938485 A JP 24938485A JP 24938485 A JP24938485 A JP 24938485A JP S62109218 A JPS62109218 A JP S62109218A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cracks
substrate
gas
magnetic recording
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24938485A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Oka
哲雄 岡
Kenji Hayashi
健二 林
Takayoshi Akamatsu
孝義 赤松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP24938485A priority Critical patent/JPS62109218A/ja
Publication of JPS62109218A publication Critical patent/JPS62109218A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は金属薄膜形の垂直磁気記録媒体およびその製造
方法に関する。
[従来の技術] 従来より薄膜型磁気記録媒体の耐摩耗性を向上させるた
めに磁性層表面に微細な亀裂を形成させる試みがなされ
ている。
該微細な亀裂は、冷却基体上に強磁性体などの高融点材
料を真空蒸着じしめただけでも形成される他、積極的に
形成する方法としては蒸着中あるいは蒸着後に基体に張
力を加える、あるいは蒸着後に加熱する、圧延ロールな
とて磁性層を押圧する、おるいは加熱しながら押圧する
などの形成方法がある。
[発明が解決しようとする問題点] 上述した機械的な方法により形成される亀裂は、従来の
長手磁気記録においては耐摩耗性が改善されるが、垂直
磁気記録においてはヘッドギャップまたは主ヘッド厚に
対する亀裂の幅が太く、必ずしも耐摩耗性は改善されな
い。また上述の製法で亀裂を形成する場合、長尺基体を
搬送しながら連続的に処理が施されるため亀裂に方向性
が生じる。
このような方向性のめる亀裂はテープ状媒体の場合、ヘ
ッドの走行方向が一定であるため、摩擦係数を下げ、耐
摩耗性を向上するのに有用であるが、フロッピーディス
クなどの回転走行する媒体では摩家計数変動の原因とな
る。
本発明の目的は上記欠点を解決することであり、摩擦係
数に変動がなく、耐摩耗性に優れた垂直磁気記録媒体お
よびその製造方法を提供せんとするものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は次の構成を有する。なすわら本発明は基体と、
基体面と垂直方向に磁気異方性を有するコバルトおよび
醸化コバルトから主として成る磁性層とを備えた垂直磁
気記録媒体において、磁性層表面に幅が100〜100
0Å、長さが0.1μm〜5μm、数が0.01個/μ
が以上である不連続な亀裂を有するすことを特徴とする
垂直磁気記録媒体を提供するものであり、また真空容器
内部に長尺基体の供給装置、基体冷却ドラムおよび基体
巻取り装置からなる走行系を備えた蒸着装置を設け、該
真空容器の真空雰囲気中にガスを導入しながらCoを主
成分とする蒸発材料を真空蒸着して走行する長尺基体上
に垂直磁気記録層を形成するに際して、化学的活性の小
さいガスと酸素ガスとの混合ガスを基体移動方向に対し
上流側から蒸着層形成領域に供給し、酸素ガスを蒸発源
近傍に供給しながら蒸着せしめることを特徴とする垂直
磁気記録媒体の製造方法を提供するものである。
本発明で用いることのできる基体としては、特に限定さ
れるものではないが、アルミニウム、銅、鉄、ステンレ
スなどで代表される金属、プラスチックフィルムなどの
有機重合体材料などがあげられる。特に加工性、成形性
、可撓性が重視される場合には、有機重合体材料が適し
ており、中でもポリエレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリエチレンジカルボキシレート、ポ
リエチレンα、βビス(2−クロルフェノキシ)エタン
−4,4−ジカルボキシレートなどのポリエステル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオ
レフィン、ポリメチルメタアクリレート、ポリカーボネ
ート、ポリスルホン、ポリアミド、芳香族ポリアミド、
ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド
、ポリアミドイミド、ポリイミド、あるいはこれらの混
合部、共重合物などが適している。待にに二軸延伸され
たフィルム、シート類は、平面性、寸法安定性に優れ最
も適しており、中でもポリエステル、ポリフェニレンス
ルフィド、芳香族ポリアミドなどが最も適している。基
体の形状としては、ドラム状、ディスク状、シート状、
テープ状、カード状などいずれでも良く、厚みも特に限
定されるものではない。
シー1〜状、テープ状、カード状等の場合、加工性、寸
法安定性の点で、厚みは2μ〜500μ、中でも4μ〜
200μの範囲が好ましい。
本発明で用いられる基体は、次に述べる磁気記録層の形
成に先だち、易接着化、平面性改良、着色、帯電防止、
耐摩耗性付与等の目的で各種の表面処理や前処理が施さ
れても良い。
また本発明に述べる垂直磁気記録媒体の磁性層主成分は
CoとCO酸化物であり、磁気特性の値の調整、または
耐食性、耐摩耗性などを向上するために上記主成分にF
eまたはNiまたはこれらの酸化物を添加することは差
し支えない。
また本発明に述べる磁性層は、基体面に対し垂直方向に
磁気異方性を有するものであって、水平方向に磁気異方
性を有するものは、本発明の範囲ではない。具体的には
異方性磁界(Hk)が2゜5にエルステッド以上のもの
である。
本発明において磁性層表面に形成される不連続な亀裂は
、亀裂と亀裂が分離独立しているもので必って、強磁性
体などの高融点材料あるいは酸化物の真空蒸着膜などで
観察される連続的な亀裂(クラック)とは明らかに異な
るものである。また本発明における不連続な亀裂は実質
的に方向性をもたず、ランダムに配列されているもので
、その幅が100〜1000Å、長さが0.1〜5μm
、数が0.01個/μT12以上、好ましくは0゜01
〜30個/μTr12のものであり、たとえば第1図に
示すような亀裂形状を有するものである。該亀裂の幅が
1000人を越えると垂直磁気記録媒体では耐摩耗性が
不良となる。亀裂幅が100人未満あるいは長さが0.
1μm未満では耐摩耗性向上効果が少ない。また長さが
5μmを越えると亀裂に方向性が生じ摩擦係数の変動が
生じるため好ましくない。また亀裂の数が0.01個/
μTr12未満でも充分な耐摩耗性が得られず、亀−の
数は0.1個/μTr12以上がさらに望ましい。
従来の機械的な方法で形成される連続的な亀裂では、垂
直磁気記録方式などの高密度の記録・再生においてビッ
トエラー・ドロップアラi〜などの原因となり得るが、
上述したような本発明の微細な不連続な亀裂では、ビッ
トエラー・ドロップアウトなどの問題は生じない。
また磁性層の耐摩耗性を向上する目的で、磁性層上に保
護層を積層することができる。この保護層の厚さは可撓
性の上から50大〜1000人が望ましく、スペーシン
グロスを低減する上から50大〜500大がざらに望ま
しい。厚さが50人未満では保護効果が小さい。
該保護層の形成方法としては、後)ホする方法でも形成
できるが、磁性層形成後にスパッタリング、真空蒸着、
イオンブレーティング、あるいはプラズマ重合などの方
法により形成することが可能である。
上述したように該保護層は磁性層上に非常に薄く積層さ
れるため、磁性層に形成された不連続な亀裂がそのまま
保護層表面にも現れる。本発明にあける保護層の表面に
は幅が100〜1000Å、長さが0.1μm〜5μm
、数が0.01個/μTr12以上である不連続な亀裂
を有していることが望ましい。
本発明に述べる保護層の材料については、特に限定する
ものではないが、望ましくは主成分がコバルトの酸化物
より成るものである。保護層材料が磁性層材料に近似し
ていることで磁性層と保護層間の接着力に優れる。
本発明の垂直磁気記録媒体は磁性層の上に潤滑剤を被覆
して使用するのがよい。
また磁性層に保護層を設ける場合、基体/磁性層/保護
層/潤滑剤層の順に積層するのがよい。
ざらに、記録・再生の感度を上げる目的で、本発明の磁
性層の下地層として軟磁性層を設けることは、−向に差
し支えない。また、本発明の垂直磁気記録媒体は、その
磁性層が基体の片面だけでなく、両面に配した構成のも
のも本発明の範囲である。
本発明に使用される潤滑剤としては高級脂肪酸、高級ア
ルコール、高級アミン、高級エステル類、金属石ケン、
フッ化炭素、シリコーン、界面活性剤などが適宜使用で
きるが、中でもフッ化炭素系潤滑剤が長期耐摩耗特性に
優れるため望ましい。
フッ化炭素系潤滑剤とは骨格が炭素または炭素と散索か
らなり、かつフッ素で飽和されている重合体もしくはそ
の共重合体を指す。その代表例は、パーフロロアルカン
またはパー70ロアルキルポリエーテルでおり、ざらに
詳しくは一般式が次の各式、 (但し、Rは−F、−CF    −0−CIllFn
    2n+11 2m+1、n、m:1〜10の整数)で表わされる繰り
返し単位を有する重合体あるいはこれらの共重合体であ
る。) 上記繰り返し単位をもつ重合体としては、(n、mは整
数) などがあり、また上記繰り返し単位をもつ共重合体の例
としては、 ト   ト          FF−FF     
   F (n、mは整数) などが挙げられる。
これらの極性基を有しないフッ化炭素系潤滑剤の具体例
としては、ダイキン工業(株)製“ルブロン″、デュポ
ン社製“フライ1〜ツクス”143、モンテジソン社製
“フォンプリン+12.、“フォンブリン゛Yなどが挙
げられるが、適宜合成するも任意である。
以上のフン化炭素系潤滑剤の他、その主鎖が前記の極性
基を有しないフッ化炭素系潤滑剤の主鎖と同一であり、
かつその末端が一〇H1−NH2、−NO2、−CN、
エチレンオキシド、スルホン酸系極性基およびカルボン
酸系極性基の群から選ばれる少なくとも1種の極性基で
あるものを含む。
これらの極性基はいずれも金属または金属酸化物との接
着性が良好で有効に使用できるがカルボン酸系極性基が
特に好ましい。
カルボン酸系極性基としては、−COOHl−〇 ON
 H2、−Coo  NH4+、−COO−M+、−C
OOR’ 、−CONR’ 2および−C00−NR’
4+ (但し、M:金属アンモニウム、置換アンモニウム、R
’:CHn:1以上50以下の整n  2n+11 数)が挙げられるが、これらの中では一〇〇〇Hが最も
好ましい。
またスルホン酸系極性基としては、−3O3H1−30
2NH2、−3O3−NH4+、−303−M+、−3
O3R’ 、−3O2NR’ 2aよび−303NR’
4” (但し、M:金属アンモニウム、置換アンモニウム、R
′” n H2n+1、n:1以上50以下の整数)が
挙げられる。
これらの特定の極性基を有するフッ化炭素系潤滑剤の具
体例としては、(株)ネオス礼製“フタージエント″シ
リーズ、大日本インキ(株)製“メガファツク″シリー
ズ、旭硝子(株)“ザーフロン″シリーズ、デュポン社
製“クライトツクス゛’157FSシリーズ、モンテジ
ソン社製“フオンプリン+l Zシリーズなどが挙げら
れ、これらは−01−1、−CN、エチレンオキシド、
カルボン酸系、スルホン酸系などの極性基を有するもの
である。
本発明の製造方法で使用される蒸発材料はC○であるが
、磁気特性値の調整、耐摩耗性、耐食性などを向上する
目的でFeまたはNiなどを添加しても良い。ただし垂
直方向保磁力(Ho□)、異方性磁界(HK)などを低
下させないため蒸発材料の内Coの占める割合は、重量
比で80%以上が望ましく、ざらに望ましくは90%以
上である。
本発明で述べる真空蒸着法としては、抵抗加熱蒸着、誘
導加熱蒸着、電子ビーム蒸着、イオンブレーティング、
イオンビーム蒸着、レーザービーム蒸着、アーク放電蒸
着などの真空蒸着法のいずれの方法でも実施が可能であ
るが、保磁力、異方性磁界などの磁気特性を向上する上
で、また速い蒸発速度を得るために電子ビーム蒸着、イ
オンブレーティングなどの方法が適しており、ざらに操
業性、■産性などの工業的観点から電子ビーム蒸着が最
も適している。
本発明において化学的活性のま小さいガスとは、蒸発材
料である強磁性体に吸着されないガスまたは吸着される
速度の遅いガスであり、その内蒸発材料である強磁性体
への化学吸着熱が室温において10Kcal/mol以
下のガスが望ましく、具体的には、N2、Ar、)−1
e、Ne、xe、Rnから選ばれる1種または2種以上
のガスを使用することが望ましい。さらに入手が容易、
安価であることなどから工業的規模での使用ではN2、
Arかもっとも適している。
本発明の製造方法で使用する化学的活性の小さいカスと
酸素ガスの混合ガスの組成比は、酸素濃度で15体積%
未満、5体積%以上が望ましく、さらに望ましくは10
体積%以下、5体積%以上である。酸素濃度が15体積
%以上では磁性層に連続的亀裂を生じる恐れがあり、5
体積%未満では垂直方向の磁性特性が著しく低下する。
次に図面に塁いて本発明の製造方法の一例を説明する。
第2図は本発明の製造方法を実施する電子ビーム蒸着装
置の一例である。第2図において巻き出し軸1、ニップ
ロール2.主ドラム3、ニップロール4、巻き取り軸5
によって有機高分子より成る長尺フィルム6の走行系が
構成されている。巻き出し軸1にロール状に巻かれた有
機高分子フィルム6を配設する。フィルム6はニップロ
ール2、主ドラム3、ニップロール4を経て巻き取り軸
5に配設させた巻き取りコアに巻き取られる。主ドラム
3は有機高分子フィルム6の裏面を50’C以下に保つ
ように、例えば通水などによる冷却機能(図示省略)を
有している。14.14は真空槽10を巻取室15と蒸
着室16に2分する隔壁で、各隔壁の一端側は、それぞ
れ図示のごとく主ドラム3に密接状に配設されている。
巻取室15と蒸着室16は、各々排気口11.12より
排気される。遮蔽板7A・7Bは蒸発蒸気流の入射角度
を制限するためのもので、その中央には蒸発蒸気流入射
用の開口部17が形成されている。
ここで、入射角とは第3図において基体面Cに入射する
蒸発蒸気流Aと基体面Cに立てた法線Bとのなす角θで
ある。第2図における遮蔽板7A・7Bは入射角が45
度以下の選ばれた角度を越える蒸発蒸気流が基体面Cに
入射しないように配設される。該遮蔽板の内基体走行方
向に対し上流側の7Aは、供給される化学的活性の小さ
いガスと酸素ガスとの混合ガスが基体近傍より流出しな
いように一端は隔壁14に連接され、他端は主ドラム下
面に近接して配設されている。一方基体走行方向に対し
下流側の遮蔽板7Bは、供給される酸素ガスが蒸発源近
傍にも供給可能なように隔壁14とは連接させず、隔壁
14との間に開口部19が形成されている。
該遮蔽板7A・7Bにより制限されない蒸発蒸気流、す
なわち垂直に入射する成分が17の開口部を経て基体に
入射する。8は電子ビーム蒸着器、9は例えばCoであ
る。2OAおよび20Bは隔壁14と遮蔽板7Aまたは
7Bと主ドラム下端側周面によって形成されたカス供給
室で、各ガス供給室から開口部17近傍の蒸着層形成領
域に所定のガスが供給されるように形成されている。蒸
着雰囲気へ供給されるガスは13A・13Bのガスコン
トロールバルブを経て18A・18Bのガス供給管を通
り、カス供給室2OA・20Bに供給される。下流側の
ガス供給室20Bは前述したように下部に開口部19を
有する。
21は電子ビーム蒸着器8のフィラメント部分(図示せ
ず)が被蒸着物で汚れないようにするためと酸素ガスの
影響を低減するための汚れ防止板である。
上記の装置を使用して、本発明の製造方法により垂直磁
気記録媒体を形成するものであるが、上記した装置にの
み限定されるものではない。
第2図に示した蒸着装置の長尺フィルム走行系に有機重
合体材料より成る長尺フィルム、例えばポリエチレンテ
レフタレートフィルムを配設し、電子ビーム蒸着器8の
凹部に例えばCOを配した状態にて巻取室15と蒸着室
16を排気口11.12より各々排気する。巻取室15
は圧力が5×10−4丁orr以下になるまで、蒸着室
16は、圧力が5 x 1Q−”’ Torr以下にな
るまで各々排気口11.12より排気する。次いで、化
学的活性の小さいガスと酸素ガスとの混合ガスをガス流
量コントロールバルブ13Aより供給管18Aを経て基
体移動方向に対し上流側にあるカス供給室2OAに供給
し、同時に酸素ガスをガス流量コントロールバルブ’1
3Bより供給管18Bを経て基体移動方向に対し下流側
にあるガス供給室20Bに供給する。
ガス供給室20Bに供給されたガスの内一部は基体近傍
の蒸発蒸気流に供給され、一部は開口部1つを経て電子
ビーム蒸着器8の上部近傍に供給されて、蒸発源を酸素
ガス雰囲気に保持する。
一方蒸着室16内の圧力はガス流量コントロールバルブ
13A・13Bによって所定の圧力になるように調節さ
れる。
かかる状態とした後、基体である前記ポリエチレンテレ
フタレートフィルムを走行させ、該フィルム上に電子ビ
ーム蒸着により強磁性金属を溶融蒸発せしめ連続的に垂
直方向に磁気異方性を有する磁気記録層を形成するもの
である。
上述のように本発明の製造方法においては、化学的活性
の小さいカスと酸素ガスの混合ガスとを基体移動方向に
対し上流側から蒸着層形成領域に供給すること、すなわ
ち磁性層形成初期の部分に供給すること、および蒸着室
16内の電子ビーム蒸着器8の蒸発源を酸素ガス雰囲気
で覆うようにすることが重要な要件であり、この両者を
満足することにより、はじめて磁性層表面に不連続な亀
裂を形成することができるのである。
本発明の製゛造方法において基体移動方向上流側のガス
供給管18Aの吹出し口は近傍であることが望ましく、
具体的には基体面からの最短距離で50rnm以内であ
ることが望ましい。一方蒸着至16内の電子ビーム蒸着
型近傍へのガス供給管18Bは必ずしも第2図に示す位
置でなく、例えば第4図または第5図のように配置して
も良く、また第6図に示すように複数本配置しても良く
、要するに電子ビーム蒸着8の周面より上部近傍へ、酸
素ガスが蒸発蒸気流を覆うように供給されるように配置
すれば良い。
化学的活性の小さいガスと開票ガスの混合ガスおよび酸
素ガスを供給した時、蒸着室の圧力は1x 10− T
orr 〜5 x 10−2Torrの範囲が望ましく
、該範囲を低圧側に外れる場合は異方性磁界が低下し、
また高圧側に外れる場合は蒸発速度が低下し、異常放電
を生じるようになる。さらに磁気特性を向上する上では
、蒸着室の圧力は2 X 10 ’Torr〜2 X 
10 ’Torrの範囲が望ましい。
また、化学的活性の小さいガスと酸素ガスの混合ガスの
供給量(Qmix >と酸系ガスの供給量(0石)との
比(Qmix /Qo )は1以上20以下であること
が望ましい、核化((Qmix /Qo )が1未満で
は、全ガス供給田に占める閑素ガスの量が多過ぎるため
連続的な亀裂、または幅の太い亀裂の発生の恐れがあり
、また異方性磁界が低下する。核化が20を越えると酸
素の導入効果が消失し、不連続な亀裂の形成が困難とな
る。ざらに望ましくは、比(Qmix /Q石)は2以
上10以下である。
第7図は、本発明の製造方法の他の一実施態様を説明す
る図である。すなわち第7図の装置は第2図において遮
蔽板7Bの長さを短くするとともに隔壁14と遮蔽板7
Bの端部により形成される開口部19を広げたものであ
る。第7図の如くすることで走行する基体上には、開口
部17の部分で蒸発蒸気流22の内型直入射成分が入射
して磁性層が形成され、次いで該磁性層上に開口部19
の部分で蒸発蒸気流22の内斜め入射成分が入射し不連
続な亀裂を表面に有する保護層を形成することができる
。但し第7図に示す装置の場合酸素ガスの供給管である
18Bは遮蔽板7Bより上方にあることが、酸化物保護
層を形成する目的から望ましい。
なお本発明の製造方法により得られる磁性層の厚さは、
特に限定されるものでないが実用的には0.02μm〜
5μmの範囲であり、可撓性、磁気ヘッドとの接触、お
よび該磁気゛記録層の成膜速度を考慮した場合0.05
μm〜2.0μmの範囲が望ましい。
[作用] 上述したように本発明の製造方法によれば、不連続で、
かつランダムな微小亀裂を発生さぼることができる。走
行する基体に対し上流から酸素を含み活性の小さいガス
の割合の多いガスを供給し、これとは別に酸素の単独ガ
スを電子ビーム蒸着器の上部近傍に供給してやることが
重要である。前者の混合ガスは散索の割合が増加すると
連続的な亀裂を生じてしまう。または、電子ビーム蒸着
器上部近傍への酸素ガス供給量が多過ぎても亀裂は連続
的なものとなってしまう。また酸素ガスの通が少な過ぎ
るのか、おるいは酸素以外のガスでは本発明の不連続な
亀裂を発生させることはできない。
[特性の測定方法・評価基準] (1)  保持力、異方性磁界の測定方法磁気記録層の
磁気特性は、JIS  C−2561で示されている1
辰動試料型磁力計法や、身記磁束計法によって測定する
ことができる。本発明においては振動試料型磁力訓(理
研電子(株)製、BHV−30>によって測定した。
(2)導入ガス流量の制御および流量測定真空漕内に導
入するカスの流mは質量流量計とガス流量コントロール
バルブの組み合ぜにより行なった。具体的にはエステツ
ク(株)製“マスフローコントローラ(SECシリーズ
)″を使用した。
(3)磁性層表面の亀裂の観察方法および測定方法磁性
層表面の亀裂の観察は、まず微分干渉顕微鏡(日本光学
工業(株)製、微分干渉顕微鏡“′0PTI PH0T
” )により磁性層表面の状態を観察する(ただし拡大
倍率:500〜1000倍)。
この段階で亀裂が連続なものか不連続なものかを判定で
きる。ざらに走査型電子顕微鏡((株)明石製作剛製”
Is I−DSl 30”走査型電子顕微鏡)により磁
性層表面写真を撤影(拡大倍率=15000倍)し、亀
裂の数、幅、長さを測定する。亀裂の数、長さは次に述
べる方法で測定した。
△、亀裂の数 本発明に述べる不連続な亀裂、すなわち個々の亀裂は種
々の形状を呈しているが、第8図〜第10図に代表例を
示す。第8図、第9図は枝分れしている例、第10図は
枝分れのない例であるが、第8図〜第10図はいずれも
1個と数える。ざらに具体的には、面積的39μm2の
写真中の数を上述の方法に基いて数え、この亀裂の数を
面積39μがで割り返し、単位面積(すなわち1μTr
12)あたりの数を亀裂の数とした。
B、亀裂の幅 第11図の矢印部分Eが亀裂の幅であるが、1個の亀裂
において最大幅を亀裂の幅とした。
幅はマイクロメータにより写真上で測定した。
C0亀裂の長さ 第1,1図で亀裂の長さの測定方法を示す、第11図破
線矢印部分D、すなわち亀裂の最端部間の距離を亀裂の
長さとした。
(4)磁性層の耐摩耗試験方法 試験材料に潤滑剤(デュポン(株)製、“クライトツク
ス”143AC)をバーコード法により約250大厚に
なるように塗布し、風乾後、5゜25インチのフロッピ
ーディスク形状に打ち扱き、ジャケットに納める。
上記のものをフロッピーディスク耐久性試験殿(東京エ
ンジニアリング(株)製5K−4296型)を垂直磁気
記録用に一部を改造した装置と、市販のフロッピーディ
スクドライブ(松下通信工業(株)製JA551)に市
販のギャップ長0゜25μのボタン型リングヘッド(反
対面二ヘッドバット、荷重約15g)を取り付けた装置
を使用し、同一1〜ラツクを走行させ、再生信号を記録
用紙に記録した。再生信号出力が70%以下となるまで
の総走行回転数を耐摩耗性とした。なおフロッピーディ
スクの回転速度は毎分300回転である。
〈5)磁性層の摩擦係数の測定方法 試験試料を耐摩耗性試験方法と同様に潤滑剤を塗布し、
フロッピーディスク形状に打ち扱いてジャケラ1〜に納
める。
上記のものをフロッピーディスク用摩擦係数測定機((
株)横浜システム研究新製MFD1000型)に市販の
ギャップ長0.25μのボタン型リングヘッドを取り付
けた装置を使用し、同一トラック上を荷重約15g、回
転速度毎分300回転で30分分間性させ、摩擦係数μ
を記録用紙に記録し、変動状況を見た。
[実施例] 以下実施例に基づいて本発明の一実施態様を示す。
実施例1〜3 第2図に示した電子ビーム蒸着装置を用い、巻取室圧力
、蒸着室圧力を各々5X 10−4 Torr以下、5
X10 5Torr以下になるまで排気し、次いで基体
移動方向に対し上流側の供給管18Aより窒素と酸素の
混合ガスを供給し、同時に下流側の供給管より酸素ガス
を供給して厚さ50μの2軸延伸されたポリエチレンテ
レフタレートフィルムを所定の走行速度で走行させ、電
子ビーム蒸着によりCo:Fe:N1=90:5:5 
(重量比)を溶融蒸発せしめ、前記フィルム上に連続的
に磁気記録層を形成する。なお該電子ビーム蒸着装置内
部には蒸発蒸気流の入射角が26°以下となる開口部を
有する遮蔽板を配設した。
上記酸素と窒素の混合ガスの組成が酸素濃度で、14体
積%、10体積%、5体積%で実施した例を実施例1.
2.3とする。なお下流側のガスは上述のとあり、いず
れも酸素である。また磁性層の厚さはおよそ3000人
になるように基体の走行速度を変えて調節した。また電
子ビーム蒸着器への投入電力はすべて4kW一定で実施
した。
実施例4 第7図に示した電子ビーム蒸着装置を用いた。
巻取室圧力、蒸@至圧力を各々5 X 10 ’Tor
r以下、5 X 10 ’Torr以下になるまで排気
し、次いで供給管18Aより窒素と酸素の混合ガス(酸
素濃度10体積%)を供給し、同時に下流側の供給管1
8Bより酸素ガスを供給して厚さ50μの2軸延伸され
たポリエチレンテレフタレートフィルムを所定の走行速
度で走行させ、電子ビーム蒸着によりCo:Fe:N=
90:5:5 (重量比)を溶融蒸発せしめ、前記フィ
ルム上に連続的に磁気記録層を形成する。なお該電子ビ
ーム蒸着装置内部には蒸発蒸気流の入射角が26°以下
となるよう開口部を有する遮蔽板を配設した。
ただし基体走行方向に対し上流側の遮蔽板は隔壁に連接
し、下流側の遮蔽板は隔壁との間には第7図に示すごと
きの開口部を設け、かつ蒸発蒸気流の内入射角が50°
以上の成分が下流側の基体に入射するように遮蔽板の長
さを短くしたものである。
なお磁性層の厚さはおよそ3500大となるよう調節し
た。電子ビーム蒸着器への投入電力は4kwである。
比較例1〜4 基体走行方向に対し上流側の供給管と下流側の供給ガス
を第1表の如くした以外は、実施例1〜3と同様の装置
、製法で実施した例を比較例1〜4とする。
第1表 以上述べた実施例1〜4、比較例1〜4のガスの種類・
組成・供給量、磁気特性、亀裂の状況等について第2表
に一括して示す。また摩耗試験の結果を第3表に示した
第2表から明らかなように実施例1〜4はいずれも本発
明で述べた不連続な亀裂の発生が必り、第3表に示すよ
うにいずれも安定した摩擦係数と優れた耐摩耗性を有し
ていた。一方比較例1〜4は幅の太い亀裂の発生が見ら
れ、摩擦係数μの変動が見られ、また耐摩耗性も不十分
であった。また比較例2.3は磁性層表面に亀裂の発生
がなく摩擦係数の変動が激しく耐摩耗性は著しく不良で
あった。
第3表 [発明の効果] 以上述べたように、本発明の製造方法により磁性層表面
おるいは保護層の表面に不連続な微小亀裂を実質的にラ
ンダム形成することができるので、次のような優れた効
果を得ることができた。
(1)  フロッピーディスクのような回転走行型の磁
気記録媒体においても摩擦係数の変動がなく安定してい
る。
(2)  垂直磁気記録媒体において摩擦係数μが小ざ
く長期耐摩耗性に優れている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の磁性層表面の不連続な亀裂を説明する
ための模式図、第2図は本発明の製造方法を実施する為
の電子ビーム蒸着装置の一例を示す概略断面図、第3図
は蒸発蒸気流の入射角の説明図、第4図、第5図および
第6図はそれぞれ本発明の製造方法を実施する装置の他
の例を示す要部概略断面図、第7図は本発明の製造方法
を実施する為の電子ビーム蒸着装置の更に他の例を示す
概略断面図、第8図、第9図および第10図は本発明の
磁性層表面の不連続な亀裂の数の測定法を説明するため
の亀裂の代表例の模式図、第11図は本発明の磁性層表
面の不連続な亀裂の幅および長さの測定法を説明するた
めの亀裂の模式図である。 1:巻き出し軸   3:主ドラム 5:巻き取り軸   6:有機高分子フィルム7A、7
B:遮蔽板 8:電子ビーム蒸着器9:蒸発材料   
10:真空槽 11.12:排気口 13A、13B:ガス流量コントロールバルブ17:開
口部 18A、188:ガス供給管19:開口部 2O
A、208:ガス供給室A:蒸発蒸気流  B:基体面
に立てた法線C:基体面    θ:入射角 特許出願大東 し 株 式 会 社 j)11Σ 第21乏( 灼3)込 伽−1A      グ巧い ご1(1ユ デ1 図面の浄丹(向ツに変更なし) 葵11図 1、事件の表示 昭和60年特許願第24938/1号 2、発明の名称 垂直磁気記録媒体およびその製造方法 3、補正をする考 事件との関係 特許用1領人 住所 東京都中央区日本橋室町2丁目2番地4、補正命
令の日付 61.1.28 (発送日)5、補正の対象 図面の第8〜11図 6、補正の内容

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)基体と、基布面と垂直方向に磁気異方性を有する
    コバルトおよび酸化コバルトから主として成る磁性層と
    を備えた垂直磁気記録媒体において、該磁性層表面に幅
    が100〜1000Å、長さが0.1〜5μm、数が0
    .01個/μm^2以上である不連続な亀裂を有するこ
    とを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. (2)真空容器内部に長尺基体の供給装置、基体冷却ド
    ラムおよび基体巻取り装置からなる走行系を備えた蒸着
    装置を設け、該真空容器の真空雰囲気中にガスを導入し
    ながらCoを主成分とする蒸発材料を真空蒸着して走行
    する長尺基体上に垂直磁気記録層を形成するに際して、
    化学的活性の小さいガスと酸素ガスとの混合ガスを基体
    移動方向に対し上流側から蒸着層形成領域に供給し、酸
    素ガスを蒸発源近傍に供給しながら蒸着比しめることを
    特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
JP24938485A 1985-11-07 1985-11-07 垂直磁気記録媒体およびその製造方法 Pending JPS62109218A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24938485A JPS62109218A (ja) 1985-11-07 1985-11-07 垂直磁気記録媒体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24938485A JPS62109218A (ja) 1985-11-07 1985-11-07 垂直磁気記録媒体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPS62109218A true JPS62109218A (ja) 1987-05-20

Family

ID=17192201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24938485A Pending JPS62109218A (ja) 1985-11-07 1985-11-07 垂直磁気記録媒体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS62109218A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4888211A (en) Process for preparation of vertical magnetic recording medium
JPH0445889B2 (ja)
US4835070A (en) Magnetic recording medium and method of producing the same
JPH05342553A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPS62109218A (ja) 垂直磁気記録媒体およびその製造方法
JPH0417110A (ja) 磁気記録媒体
JP2000195035A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPS61139920A (ja) 磁気記録媒体
JPS6079518A (ja) 磁気記録媒体
JPH0192924A (ja) 磁気記録媒体
JPS62103851A (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
JPH01303623A (ja) 磁気記録媒体
JPS639014A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPS61284829A (ja) 磁気記録媒体
JPH1173643A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH01149218A (ja) 垂直磁気記録媒体
JPH01125723A (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
JPH0916952A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPS60185224A (ja) 磁気記録媒体
JPH01204219A (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
JPS62271222A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPS58222432A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH02216610A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH01319120A (ja) 磁気記録媒体
JPS63183609A (ja) 磁気記録媒体