JPS621068Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、各種菓子等を包装するための包装
容器に関するものである。

従来の技術 一般にクツキー、ビスケツト、煎餅等の菓子の
販売に際しては、菓子等の商品を包装用箱に一端
収納したのち、当該包装用箱を包装紙で丁寧に包
み、ついで包装された包装用箱を包装用袋に入れ
るか、或いは紐掛けをしたのち顧客に手渡してい
るので、その包装作業乃至紐掛け作業に大変な労
力と時間を要し、その結果これら作業が顧客の混
み合う場合には店頭混雑の原因となつていた。

かゝる現状に鑑み、近時は蓋体の表面に予め把
手を一体的に立設した包装用容器を使用すること
によつて包装の簡易化を図つている。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、蓋体の表面に把手を一体的に付
設した包装用容器は、把手が蓋体の表面に設けら
れているので、商品を収納した状態、或いは空箱
の状態で店頭等において積み重ねて載置すること
は不可能であつた。

一方、包装用箱を組み立て前の状態で保存する
ときは、場所を占めないが組み立て作業が大変で
店頭混雑時には顧客を待たせるため営業上得策で
ないなどの不都合があつた。

問題を解決するための手段 この考案は叙上のごとき現状に鑑み、把手を容
器本体に対し出没自在に設けることによつて包装
の簡易化を図つたもので、上面両開きの蓋体の先
端に差込片をそれぞれ連設すると共に、中蓋の中
央に縦方向にスリツトを形成した容器本体と、把
持用の長孔を形成した把手部材の下部両側に、先
端部を左右両方向にそれぞれ張出してストツパー
を形成した張出板を連設した把手とから構成され
るもので、前記把手の把手部材の上部をわずかに
蓋体の表面より突出した状態で前記スリツトに嵌
合することによつて、把手を容器本体内に出入自
在に収めたことを特徴とするものである。

作 用 この考案の包装用箱Ａは、容器本体と把手９と
から構成されるもので、この把手９はその把持部
材９ａの左右の縁部が中蓋６，８に形成したスリ
ツト１４，１４に嵌合すると共に、その上辺の一
部がスリツト１４，１４から突出させた状態で容
器本体内に上下動自在に収納され、張出板２１の
先端に設けたストツパー２２が容器本体の側板１
及び３の内側面と略当接した状態で装着されてい
るものである。

したがつて、使用に際しては把手１９の上辺を
以て上方に引き上げれば、把手１９は蓋体７，９
に連設した差込片１５，１５をガイドとして各ス
リツト１４，１４と係合した状態で容器本体内を
上方に移動する。その際、把手１９に張出板２１
を介して一体に設けられているストツパー２２も
同時に容器本体の側板１，３の内壁面に沿つて上
方に移動し、このストツパー２２が中蓋６，８の
裏面と当接すると、把手１９の上方への移動が阻
止されるものである。

一方、使用しないときは、把手１９は容器本体
内に収納しておくものである。

実施例 以下、添付の図面に基づいてこの考案の実施例
を詳細に説明する。

この考案の包装用箱は、容器本体は把手とから
構成されるもので、容器本体は第１図で示すブラ
ンクA′から構成される。

このブランクA′は、縦方向の折り目ａ，ｂ，
ｃ，ｄおよび横方向の長い折り目ｅ，ｆによつて
区分された長方形の側面板１，２，３，４、並び
に継ぎ代５と、前記各側面板１，２，３，４の上
縁に連設された中蓋６、蓋板７、中蓋８、蓋板９
と、前記各側面板１，２，３，４の下縁に連設さ
れた底面板１０，１１，１２，１３とか構成され
ている。

このブランクA′の中蓋６，８の中央部には前
記則側面板１，３の上縁方向に向けて縦方向にそ
れぞれスリツト１４が形成されると共に、前記蓋
板７，９の上縁には折り目ｇ，ｈで区分した差込
片１５がそれぞれ連設されている。

前記底面板１０，１２にはそれぞれ対向した形
状の切込みが形成され、かつその先端部には掛止
用の舌板１６が各々連設されている。

また、底面板１１の下端中央部には、比較的長
い長方形状の切欠き１７が設けられて、かつ底面
板１３の先細り形状となつている下端中央には、
前記底面板１１の切欠き１７に嵌合される差込片
１８が連設されているもので、かゝる構成部材か
らなるブランクA′の表面には、通例の包装用箱
と同様に、適宜の図形等がカラフルに印刷される
ものである。

一方、前記容器本体に出没自在に組み込まれる
把手１９は、例えば比較的厚手の板紙を長方形状
に二つ折りして構成したもので、第２図で示すよ
うに把持用の長孔２０を形成した把手部材１９ａ
の下部両側に、先端部を左右両方向にそれぞれ張
出してストツパー２２を形成した張出板２１を連
設したもので、このストツパー２２は前記容器本
体の両側内面と略接する長さになつている。

かゝる構成からなる容器本体と把手とを以つて
包装用箱Ａを組み立てるには、側面板１，２，３
を折り目ａ，ｂで折り曲げてコ字状とすると共
に、底面板１０，１１，１２を折り目ｆで折り曲
げて前記底面板１０，１２の舌板１６，１６を底
面板１１の切欠き１７の端部に嵌め込む。

ついで、側面板４、継代５を折り目ｃ，ｄで折
り曲げると共に、継代５の外面に塗布した接着剤
で継代５を側面板１の内側に貼着したのち、底面
板１３を折り目ｆで折り曲げ、その差込片１８を
前記底面板１１の切欠き１７に差し込んで底面及
び四周を完成させる。

つぎに、把手１９を容器本体内に挿入すると同
時に、菓子等の商品（図示せず）を納めたのち、
折り目ｅに沿つて中蓋６，８をそれぞれ内側に折
り曲げ、前記把手１９の把持部材１９ａの左右の
側縁部をそれぞれ前記中蓋６，８に形成したスリ
ツト１４，１４に嵌合させることによつて、把手
１９が前記スリツト１４，１４に沿つて上下動自
在とすると共に、把手１９の上辺の一部をスリツ
ト１４，１４から突出した状態にセツトする。

ついで、蓋体７，９を折り目ｅに沿つて内側に
折り曲げると共に、各蓋体１５に連設する差込片
１５をそれぞれ折り目ｇ，ｈで折り曲げ、各差込
片１５を把手１９の外側から前記スリツト１４，
１４にそれぞれ差し込んで包装用箱Ａを完成させ
るものである。

考案の効果 この考案の包装用箱は、以上述べたように上面
両開きの包装用箱において、中蓋にそれぞれスリ
ツトを形成し、このスリツトにストツパーを有す
る把手の把持部材の左右両側部を嵌合し、もつて
把手をスリツトに沿つて容器本体に対して上下動
自在に装着したので、菓子等を収納した状態にお
いては把手を容器本体内に没入させておくことに
よつて、包装用箱を店内に積み重ねることができ
るものである。

また、販売に際しては蓋体の表面から把手を引
き出すことによつて、把手付きの包装用箱として
使用することができるので、店頭混雑に際しても
顧客をまたせることなく商品を販売することがで
きるなど実用価値のきわめて高いものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は容器本体の展開図、第２図は把手の斜視図、
第３図は容器本体から把手を引き出した状態の斜
視図、第４図は第３図イ−イ線に沿つて切断した
側断面図、第５図は組み立てられた容器本体の平
断面図である。 Ａ……包装用箱、６……中蓋、７……蓋体、８
……中蓋、９……蓋体、１４……スリツト、１５
……差込片、１９……把手、１９ａ……把持部
材、２０……長孔、２２……ストツパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面両開きの蓋体の先端に差込片をそれぞれ連
   設すると共に、中蓋の中央に縦方向にスリツトを
   形成した容器本体と、把持用の長孔を形成した把
   手部材の下部両側に、先端部を左右両方向にそれ
   ぞれ張出してストツパーを形成した張出板を連設
   した把手とから構成されるもので、前記把手の把
   手部材の上部を蓋体の表面よりわずかに突出した
   状態で前記スリツトに嵌合することによつて、把
   手を容器本体内に出入自在に収めたことを特徴と
   する菓子等の包装用容器。